結婚式披露宴で両家の親の挨拶回りとお酌のマナーを解説。タイミング・順番・挨拶の言葉・コロナ禍での対応について

結婚式当日、新郎新婦以上にホスト側に徹する役割を担って挨拶回りをしてゲストに言葉がけをしたり、お酌をして回るのが、新郎新婦の親の役割です。とはいえ、近年では結婚式の多様化やコロナ禍といった世情に伴い、挨拶回りやお酌を省略する、または最小限にとどめるケースもあります。結婚式当日になって慌てたり戸惑わないよう、当日の役割・役目や心得、挨拶まわりのタイミング、世情に合わせた代案を事前にしっかり確認、把握しておきましょう。

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結婚式当日の親の挨拶回り。必要?必要ない?事前に確認しておきたいポイント

結婚式当日の親の挨拶回り。必要?必要ない?事前に確認しておきたいポイント

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結婚式での親の挨拶回りは、実は必ずしもしなければならないものではありません。一般的なマナーとして考える家や、そういった堅苦しい挨拶は省きたい家など、考え方はさまざまです。最近は挨拶回りをすることがマナーという意識を持っている親が多い印象ですが、できれば結婚式当日までに挨拶回りをどうするのか、両家の親ですり合わせした方が良いでしょう。どちらかの家のみが挨拶回りをおこうなうなど、ちぐはぐな結婚式にならないよう、バランスを取る必要があります。

両家で挨拶回り・心付け・お車代の確認を

挨拶回りが必要かどうか、また会場スタッフへの心付けや主賓や受付へのお車代など、どちらの親がどのタイミングで、いくら渡すのか確認しましょう。
現在では結婚式の価値観の多様化に伴い両家ともに挨拶回りは必要ない、たまはコロナ禍なので挨拶回りを最小限にとどめると考える場合も増えています。
新郎新婦の意向も含め、よく話し合って決めましょう。

コロナ禍により両家の親のお酌や挨拶回りを省略、制限するケースも増加

コロナ禍の感染症防止対策により、会場によっては三密や人と人との接触をできるだけ少なくするため、親のお酌や挨拶回りをなるべく省略し、先にマイクを通して挨拶を行う、ゲストの出迎えや見送りょ省略し、席札やエンドムービーに挨拶や挨拶回りのできない非礼へのお詫びを盛り込むといった提案をしています。
世情や状況によってマナーの価値観は大きく変わるため、担当ウェディングプランナーに現状の確認や代案、提案を聞いて相談しましょう。

挨拶回りをしない場合でも一部の重要な役割を担うゲストには必要

挨拶回りをしないと決めた場合でも、受付やスピーチ、主賓や乾杯をしてくれた方々への挨拶は必要と考えるケースが多いでしょう。何か役割をしてくれた人には挨拶をするなど、限定して挨拶回りをすることも多いため、そのあたりもよく新郎新婦や両家親で話し合い確認しましょう。

「お酌」は?事前に両家親子で相談し、考え方を合わせておくことが大事

挨拶まわりをしながら「お酌」をするのも披露宴でよく見かける光景です。しかし本来、お酒などのドリンクを注ぐのは会場スタッフの仕事なので、親が「お酌」までもする必要はなく、挨拶だけすれば十分です。とくに洋風のテーブルマナーではお酌はマナー違反とされています。家や個人によって考え方も様々で、お酌をして当たり前と思う人がいる一方、披露宴でお酌をしてまわるのはみっともない、という考え方もあります。お酌をしてお酒を飲んで親交を深めたいと考える人がいるのも非常によくあることですし、親を含めたホスト側がぜひお酌をしてゲストをもてなしたいと思うのはまっとうなことです。親がお酌をするかどうかも含め、挨拶まわりについては事前にプランナーや会場スタッフにも相談しておき、両家親子で方針をすり合わせておくと当日慌てないで済むでしょう。

ゲストの立場や新郎新婦との関係性の大まかな把握と挨拶の言葉

親の立場の場合、親族以外は当日初めて会うゲストがほとんどの方も多いでしょう。挨拶をする際の言葉として、「私は、新郎〇〇の父でございます。本日は息子のためにご列席賜りありがとうございます」 と簡単なもので良いのですが、「△△さん、息子がいつも会社でお世話になっています」や「〇〇から本当に頼りになる先輩だとうかがっております。今後ともご指導ください」といった風に、招待客と新郎新婦との関係や情報を盛り込んであいさつをすると、ゲスト側に好印象を与えられるでしょう。
席次表が出来上がり次第、新郎新婦にこのひとはどういう人柄か、またどうお世話になっているかをひとり一人聞いて、まかに把握しておきましょう。また、気を利かせたつもりの話題が、招待客にとって避けたい話題である場合もあるので、気まずい思いをさせないよう配慮して慎重に確認しします。

結婚式の挙式前に新郎新婦に変わる親の「挨拶回り」をチェック

結婚式の挙式前に新郎新婦に変わる親の「挨拶回り」をチェック

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挙式当日、特に挙式前は、主役である新郎新婦は慌ただしい支度や緊張感によって、自分たちのことで精一杯であるため、周囲に目を配る余裕はほとんどありません。
そこで新郎新婦に代って、両家の両親は主賓をはじめ来賓の方々、親族、今日お世話になるスタッフなど積極的に行いホスト役に徹することが大切です。

【挨拶1】相手方の親に挨拶

結婚式場に到着したら、まずは相手方の親が到着しているかを確認。到着していたらすぐ挨拶をします。
相手方の親御とは顔合わせや結納の席を含めて数回程度しか会っていない方も多いため、簡単な近況報告や今日という佳き日を迎えられた喜びを分かち合うといった話題作りで打ち解けた雰囲気を作りましょう。

【挨拶2】式場スタッフに挨拶

結婚式の当日にお世話になるスタッフ(ウェディングプランナー・ヘアメイク担当・介添人・司会など)へは最初に挨拶まわりをするのがマナーです。心付けに関しては、最近は受け取らないようにとの指導が会場で徹底されている場合が多いため、無理に押し付けて、相手を困らせるようなことがないように、また受け取ってもらえない場合はお菓子などのギフトや手紙を用意するなど、スタッフも受け取り易い代案の用意もおすすめです。

【挨拶3】受付係に挨拶

挙式前に受付、または披露宴前に受付が開始される場合、受付係に挨拶をおこないます。
また、主賓ゲストや遠方からのゲストへのお車代は受付に預けておき、受付係からさりげなく渡してもらうのがベストタイミングです。お車代を包んだのし袋と、お車代を渡す人のリストを受付係に渡しておけるよう用意しましょう。また、同時に受付係に、ゲストからいただいたご祝儀をまとめて預かってもらう人(新郎新婦の兄弟・姉妹や親族)を紹介します。

【挨拶4】媒酌人(いる場合)、主賓、乾杯の音頭を取る人に挨拶

媒酌人(いる場合)や主賓、乾杯の音頭を取る人などが到着したら、すぐ知らせてもらうよう会場スタッフや受付係に依頼しておき、到着後は速やかに挨拶できるよう段取りをしておきましょう。

【挨拶5】親族へ挨拶

親族が控室に集まったタイミングで、親族控室に顔を出して挨拶をおこないます。
相手方の親族控室に顔を出す必要はありませんが、相手方の親族から挨拶されたら、顔が分からなくても丁寧に対応しましょう。
しかし、両家の親は近年挙式や披露宴で親も参加する演出が多く取り入れられる傾向にあり、リハーサル参加などずっと親族控室にいることができない場合もあります。そのため、親族への細かな対応はタイミングが難しい場合を想定し、新郎新婦の兄弟・姉妹や親しい身内にお願いしておきましょう。

結婚式の披露宴に新郎新婦に変わる親の「挨拶回り」をチェック

結婚式の披露宴に新郎新婦に変わる親の「挨拶回り」をチェック

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披露宴での両親の役目はいくつかありますが、最初の役目は招待客のお出迎えです。新郎新婦、仲人・媒酌人とともに会場の入口に並び、招待客一人ひとりにあいさつをします。
それ以外にも、披露宴中は新郎新婦以上に、両家の親にはホストとしての役割があります。

【挨拶6】結婚式の前に挨拶できなかったゲストに挨拶

披露宴会場で親は末席に座り、結婚式の前に挨拶できなかったゲストに挨拶まわりをするなどして、披露宴の開始を待ちます。
ひと昔前は新郎新婦とともに会場の入口に立ち、ゲストのお迎えをすることが多かったのですが、最近では少なくなりました。

【挨拶7】主賓挨拶、乾杯挨拶、友人たちからのスピーチでの挨拶

披露宴の冒頭で媒酌人(いる場合)や主賓の挨拶があるため、新郎新婦とともに両家の親も起立して挨拶を聞くのがマナーです。会場スタッフが起立するように促してくれますが、指示がない場合でも自ら立つのがマナーです。スピーチが終了したときには、会釈して挨拶を行います。
なお、主賓によっては、「どうぞお掛けください」と促してくれる場合もあるので、その際は座って問題ありません。スピーチ終了後に再び起立して礼をします。

【挨拶8】歓談タイムの挨拶回りとお酌

歓談タイムに入ったら、ゲストのテーブルに足を運んで挨拶まわりをする大切な役割・役目があります。挨拶まわりの順番は上席から。自分側のゲスト(親族を除く)へ挨拶した後、相手側のゲスト(親族を除く)、最後に自分側の親族と相手側の親族のテーブルをまわります。このとき、料理のサービスの邪魔にならないよう、周囲に注意を払ってください。披露宴の雰囲気にもよりますが、お酌をしてもいいでしょう。ただし、無理にお酒を勧めるようなことがないように。また、ゲストからお酌をされたら、飲めなくても軽くグラスに口をつけるのがマナーです。とはいえ、披露宴が終わるまで親の役割・役目は多いので、勧められたからといって飲み過ぎないように心得ておきましょう。なお、スピーチや余興などが始まったら挨拶まわりは中断して、自席に戻るようにします。

挨拶回りは父親母親ふたり揃ってが基本

挨拶まわりは、基本的には両親が二人で一緒にするようにします。親がお酌をする場合も、父親母親が揃って挨拶まわりをしながらお酌をします。この時注意してほしいのは、ゲストの中にはお酒が飲めない人や弱い人もいるのを考慮し、無理に勧めず、飲めない人にはソフトドリンクを注ぐよう準備しましょう。

歓談中の挨拶回りのタイミング

歓談での挨拶回りとお酌回りは、タイミングや順番が地域や会場によって異なります。
会場によっては食事中に立ち上がってはいけない場合もありますし、料理がフレンチコースはお酌回りがマナーにそぐわない場合も。また、地域によってはお酌のタイミングが決まっているところもあり確認が必要です。

一般的な挨拶回りとお酌の順番

自分側のゲスト→相手側のゲストの順に、挨拶にまわります(親族を除く)。まずは上席(主賓、乾杯の発声をお願いしたゲスト)。次に職場の同僚、友人…の順番にまわり、自分側のゲストが一周できたら、相手側のゲストへ同じ順番で挨拶してまわります。最後に自分側の親族と相手側の親族のテーブルをまわります。
この順番も地域によって変わる場合もあるため、担当ウェディングプランナーに必ず確認しましょう。

【挨拶9】両家代表による謝辞

披露宴の締めくくりとなる挨拶が、両家代表による謝辞です。両家を代表して新郎の父親が挨拶するのが一般的で、花束&記念品贈呈に続いて、両家代表謝辞をおこないます。
スピーチの内容は出席していただいたことへのお礼と新郎新婦への支援・指導のお願いがメインとなります。た、挨拶が終わったら、新郎新婦と両家親で揃って礼をします。なお、最近では両家代表謝辞と一緒に続けて新郎新婦が挨拶するケースも増えています。

両家代表親族による挨拶(謝辞)について、詳しくはこちらをご覧ください。

結婚式で両家親族代表の挨拶(謝辞)とは。新郎父親が行う?例文と構成・スピーチ時間・マナーを解説

結婚式披露宴終了後の親の「挨拶回り」をチェック

結婚式と披露宴が終了しても、最後まで新郎新婦の親として、またホストとしての役割とゲストへの配慮を忘れずに役割を果たしましょう。

【挨拶10】披露宴終了後のゲストお見送りと挨拶

披露宴が終了したら、新郎新婦と両家親はゲストをお見送りするという役割があります。
会場担当者の誘導に従って、ゲストより一足先に新郎新婦とともに退場し、会場の出入り口付近に並び、ゲストのお見送りに備えます。
ゲストが会場から出てきたら、一人ひとりの顔を見て感謝の気持ちを伝え、また軽い会話を交わし、送り出しましょう。この時に話し込むとゲストの列が滞ってしまいますので、軽く挨拶をする程度に留めておきましょう。

【挨拶11】会場スタッフへの感謝と挨拶

引き上げをおこない、身支度を整えて会場を後にする際には、忘れ物などがないかよく確認します。
結婚式の総合責任者であるウェディングプランナーを始め、会場を取り仕切ってくれたキャプテン、司会者や、カメラマンなどに、親としてお礼を伝えましょう。心付けはこのタイミングで渡しても問題ありません。

まとめ

結婚式と披露宴で両家の親の挨拶回りとお酌は新郎新婦ができないホストを代役する重要な役目

結婚式と披露宴で両家の親の挨拶回りやお酌は、当日非常に慌ただしく、緊張感でいっぱいでどうしてもホストとして十分な役目を果たせない新郎新婦に変わって、来てくれたゲストすべてに対し、配慮が行き届くよう役割を担います。
どのタイミングで挨拶や挨拶回りをおこなうのか、新郎新婦、担当ウェディングプランナー、両家の親同士でよく確認しましょう。

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結婚式準備.com編集部

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