結婚式で両家親族代表の挨拶(謝辞)とは。新郎父親が行う?例文と構成・スピーチ時間・マナーを解説

結婚式または披露宴のしめくくり、両家親族代表挨拶(謝辞)とは、以前は新郎の父親が両家を代表して述べるケースが多かったのですが、現在では新郎新婦本人が務めたり、両家の父親でスピーチの得意なほうがおこなうなど、結婚式の考え方の多様化に伴い、さまざまなケースも出てきました。披露宴の締めくくりに、両家を代表して述べる挨拶の考え方や構成・スピーチ時間・マナーを確認し、例文を参考に挨拶文を書き上げてくださいね。

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結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶とは。新郎父親が行うもの?

結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶とは。新郎父親が行うもの?

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「両家親族代表の挨拶」とは、結婚式披露宴のしめくくり、両家を代表して述べる挨拶スピーチです。花束&記念品贈呈に続いて、「両家代表謝辞」としてプログラムに組み込まれるケースが多くなっています。
流れとしては、両家の親族代表の謝辞 → 新郎新婦の謝辞 → 披露宴お開き、という流れが一般的です。
両家代表挨拶(謝辞)は、一般的には新郎の父が役割を担う場合がほとんどでした。現在でも、族・仕事関係など親の関係のゲストが多いフォーマルな披露宴では新郎の父親が担うケースが多いでしょう。
スピーチの内容は、ゲストに出席していただいたお礼と新郎新婦へ今後の支援・指導のお願いがメインとなります。

結婚式の両家親族代表挨拶は父親以外、または挨拶なしでも大丈夫?

最近では、結婚式のカジュアル化やアットホームさを重視する風潮、また「結婚式は両家の親やお世話になった人へ感謝の気持ちを伝える場」といった考え方から、父親の挨拶はなしにして、新郎新婦本人たちのみが挨拶や謝辞をつとめることも多くなっています。
もちろん、新郎の父や新郎新婦以外にもふたりがふさわしいと考える人物ならば新郎側の母親や新婦側の父母、または各祖父母、叔父、叔母、兄弟姉妹など、誰が行っても問題はないといった考えが主流になりつつあります。
結婚式や披露宴の挨拶や謝辞をどうするかは、担当のウェディングプランナーの意見も踏まえ、ふたりが結婚式をどうしたいかで考えましょう。

結婚式の両家親族代表挨拶の内容と主旨

両家代表挨拶(謝辞)の内容は、両家の親族を代表し、招いた側として、親族以外の招待客であるゲストに対し、お礼の言葉を述べるのが本旨です。
親の挨拶のあとに新郎新婦からの挨拶がある場合は、内容がかぶらないように調整する配慮が大切です。
また、内容で気を付けたい点として、「自分の個人的な思いや自家族の話ばかりで相手側の家族への配慮がない」「ゲストにとって分からない親族間の挨拶を延々とおこなう」、といった個人的な挨拶や気持ちを入れるのは控え目にしたいところです。

結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶をスピーチする際のマナーや注意点

結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶(謝辞)は、結婚式のスピーチの基本的なマナーを守って話せるように整えましょう。また、できれば書き上げた挨拶を事前に何度かリハーサルして、話す長さ、スピード、活舌、表情をチェックしておくのをおすすめします。

挨拶の時間や長さ、適切な文字数

スピーチに必要な時間ですが、人が1分間に話す文字数は、およそ300字前後が目安です。
3分間スピーチの場合の文字数は900文字前後、5分間スピーチの文字数なら1500文字前後が目安になります。ひとが飽きずにスピーチを聞けるのは5分が限界と言われており、また5分の話は、聴衆からは意外に長く感じられます。また、その後に新郎新婦謝辞が続くと考えると、よほど話し慣れている人でもないかぎり、挨拶は3~4分以内にまとめた方が良いでしょう。
与えられた時間を考慮し、それよりもスピーチが長くなるようなら、削れるところはどんどん削っていき、シンプルにまとめましょう。

文章を作る際に忌み言葉、重ね言葉、区切り言葉はできるだけ避ける

忌み言葉とは、慶事や弔事で使うのを避けたほうが良いとされる言葉です。言葉の読み方や捉え方によって、縁起が悪いと思わせたり、悪い意味を連想させる言葉などがそれにあたります。 特に年配の方が多く集まる結婚式では、気にされる方も多くなるので気をつけなければいけません。せっかくのお祝いの場で気分を害する人がいないように、忌み言葉を使わずに上手に言い換えて最適なスピーチをおこないましょう。
また、重ね言葉は同じ言葉、または同じ意味の言葉を重ねて使うことです。再婚や悲しい出来事の再来を連想されるような重ね言葉などは、結婚は1回きりが望ましいという縁起を担ぐ意味で、使わないことが良いとされています。最近はあまり気にしない方も多くなっていますが、スピーチなどでは、できれば避けた方が無難です。

・忌み言葉…不吉なこと(別れ、死)を連想させる言葉
・重ね言葉・・・繰り返しの表現。離婚を連想するため不吉な言葉
・句読点・・・「区切る」「終止符」は不吉とされスピーチでは使わない

言葉の種類 連想する意味 言葉の例
区切り言葉 別れ・再婚を連想させる言葉 最後に、去る、失う、去る、終わる、離れる、別れる、切れる、嫌う、飽きる、疎遠になる、冷える、繰り返し、再び、何度も
忌み言葉 不幸を連想させる言葉 亡くなる、苦しい、朽ちる、病気、倒れる、壊れる、泣く、崩れる、滅びる、流れる痛ましい、衰える、倒れる
重ね言葉 繰り返しの表現。離婚を連想するため不吉な言葉 時々、いよいよ、重ね重ね、わざわざ、たまたま、いろいろ、たびたび、どんどん、だんだん、しばしば、みるみる、日々、 相次いで

結婚式のスピーチの時に避けたい「忌み言葉」「重ね言葉」まとめと言い換え例

カンペやメモは用意して見ても問題ない

スピーチ原稿としてカンペやメモを用意し、本番で読んでもマナー上は問題はありません。しかし、ゲストのほうを見ずにずっと下を向いたまま、原稿を丸読みするのは印象が良くないため、できるだけ内容を事前に頭に入れ、メモを見つつもゲストの方を向いて話せるよう事前に練習するのをおすすめします。

活舌よく、聞きやすいトーンとスピードで話す

スピーチをする人は落ち着いて、滑舌よく話すことを心掛けましょう。緊張しているとどうしても早口になり、声が上ずってしまうケースが多いため、意した原稿を棒読みしたりしないよう肩の力を抜いて、ゆっくりと落ち着いて話せるよう何度かリハーサルがおすすめです。できれば鏡の前で表情や姿勢をチェックする、一度録音して聞いてみるなどのセルフチェックを忘れずに。

謝辞や感動やユーモアの要素を入れるには?

謝辞や挨拶で感動やユーモアの要素を入れたいと考えている方も多いでしょう。
親だけが知っているプライベートなエピソードや、感情を率直に伝える言葉はそれだけで感動やユーモアを呼ぶ大きな要素ですが、アットホームな結婚式や、ゲストとの関係性が深い場合に大きな効果を発揮するため、関係性が薄い、または社会的な繋がりを重視した結婚式では内輪ネタだと受け取られてしまうケースも。
その際は結婚式や披露宴のテイストや格式、招待ゲストの顔ぶれを見極めたうえで、内容を精査する必要があります。

結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶の内容・構成を例文を交え解説

結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶の内容・構成を例文を交え解説

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今回は、父親をはじめ、家族や親族が結婚式で両家親族代表の挨拶(謝辞)をおこなう一般的なスタイルを想定したうえで、スピーチの基本構成や内容について解説します。

結婚式の両家親族代表挨拶の立場と入れたい内容

披露宴を印象づける最後の大切なスピーチなので、ゲストに対する感謝の気持ちや新郎新婦への支援、今後のお付き合いのお願いを、相手側の親族の思いも含めてしっかりと伝えましょう。
新郎新婦のみが謝辞に立つ場合は、招いた側は新郎新婦、招かれた側は親族含むゲスト、という認識でよいでしょう。来てくれた親族、友人、同僚などすべての皆様に感謝の気持と今後のお付き合いを心からお願いしましょう。

避けた方が良い、配慮したい内容

両家代表の謝辞は、あくまで両家の代表=招いた側という立場からおこうなものです。
自分側の子どもや家族の話ばかりや、親族間の挨拶、内輪ネタばかりにならないよう、スピーチの内容を推敲しましょう。

自分側、相手側の家の新郎・新婦を堕とすまたは挙げる内容

多少の謙遜は仕方ないとして、自分の息子や娘だからといってけなすような内容は避けましょう。また新郎新婦の年齢や収入の話など、デリケートな話題には触れないのがマナーです。謝辞はあくまでゲストに対するお礼がメインなので、息子や娘の話が中心にならないように気を付けましょう。

相手側の家にも触れる

例えば挨拶が新郎側の父である場合、スピーチの内容が新郎のことばかりになってしまう場合があります。花嫁側の親族、ゲストにも配慮して、花嫁やその親族への言葉も添えるよう配慮し、バランスをとりましょう。

新郎の謝辞とかぶらない内容に調整する

親など親族代表の挨拶のあとに新郎新婦からの挨拶がある場合は、内容がかぶらないように調整する配慮が大切です。前もって新郎と内容の打ち合わせをするよう時間をとりましょう。

両家親族代表の挨拶(謝辞)のスピーチ構成

両家親族代表の挨拶は、次の4つの内容で構成すると、上記の内容に漏れがなく、バランスの良い挨拶文を整えられるでしょう。

【両家親族代表の挨拶(謝辞)のスピーチ構成】
1・導入…自己紹介+ 列席者へのお礼
2・エピソード…新郎新婦へのはなむけ
3・ゲストへ感謝とお願い
4・結びの言葉

1・ 自己紹介・ 列席者へのお礼

まずは新郎と自分の関係について、「新郎の父である」ということを簡単に自己紹介します。
ゲストと、結婚式当日に新郎新婦を取りもつ媒酌人(ばいしゃくにん)がいる場合は媒酌人へ、出席のお礼を述べます。
「お足元が悪い中・・・」「お寒い中・・・」など、天候や状況へ配慮した言葉を入れるとより良いでしょう

【導入例文】100~200字程度
新郎の父〇〇〇〇でございます。〇〇家、△△家、両家を代表致しまして、一言お礼のご挨拶を申し上げます。
本日は若いふたりの門出にあたり、おいそがしいところご列席を賜り、誠にありがとうございました。おかげさまをもちまして、〇彦・▲美の結婚披露宴をつつがなく執り行うことができました。

2・新郎新婦へのはなむけ・エピソード

新郎新婦へはなむけの言葉を送ります。我が子へ親目線のエピソードを入れる、パートナーとなる方のエピソードも平等に入れましょう。
新婦や新郎の子ども時代や学生時代のエピソード、今日の結婚式について、結婚相手を紹介された時のこと、新郎新婦と一緒に過ごした時のエピソードといった内容を精査して入れ、ゲストの支えや協力によって新郎新婦が今日の日を迎えられたことへの感謝と喜びを述べます。

【エピソード例文】250~300字程度
〇彦は小さな頃は体も小さく、病気がちだったので妻とともに見守って参りましたが、小学校時代に柔道と巡り合い、たくましく成長しました。
学生時代を通しずっと続けていた柔道がきっかけとなり、大学時代に▲美さんという素晴らしい伴侶とも巡り合うことができ、親としても喜ばしく思っています。
息子が初めて▲美さんを紹介してくれたとき、「こんなかわいい娘さんがなぜうちの息子を?」と不思議に思いました。まだ若く、人生経験も浅い息子ですから、▲美さんの親御様は頼りなく思うかもしれません。▲美さんからも「〇彦さんはぶっきらぼうだけれど、本当はとても優しいんですよ」とおっしゃっていただき、息子の誠実さだけは親が保証致します。

3 ・ゲストへ感謝とお願い

改めてゲストに、新郎新婦がこれから新しくつくっていく家庭との付き合いを続け、「これからも新郎新婦を支え、見守ってほしい」という支援のお願い、感謝の言葉を伝えます。もし披露宴中に何か失礼なことがあった場合は、ここで一言謝罪を入れると良いでしょう。

【感謝やお願いの例文】150~200字程度
本日両名は晴れて夫婦となりましたが、この先いつの日も順風満帆というわけには参りません。
ご列席の皆様におかれましては、今後ともどうか末永く両人を見守り、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
本日はわざわざご列席をいただきましたにもかかわらず、慣れない宴席で不行き届きの面も多々あったと思いますが、どうかお許しください。

4・ 締めの言葉

披露宴のホストとして至らない点があったかもしれないことを詫び、両家の親族を代表して披露宴の締めくくりの挨拶をします。

【結びの例文】100~150字程度
この後、新郎新婦からも挨拶をさせていただきますが、まずは両家を代表いたしまして、私より皆さま方へのお礼の言葉とさせていただきます。結びに、皆様のご健康とご多幸を祈りつつ、両家代表の挨拶と代えさせていただきます。本日はまことにありがとうございました。

コロナ禍や悪天候でも結婚式や披露宴に駆け付けたゲストへの両家親族代表の挨拶例文

コロナ禍や台風などの悪天候といった結婚式が中止になるか迷う状況にも関わらず、当日駆け付けてくれたゲストに対し、結婚式や披露宴の挨拶や謝辞で、「ゲストに向け手厚いお礼を伝えたい」と考えている方も多いでしょう。
コロナ禍や台風などの悪天候といった状況で結婚式に駆けつけてくれたゲストへ、感謝を伝えるメッセージの文例をいくつかご紹介します。

難しい世情・天候でも足を運んでくれたことに感謝する例文

まずは「コロナ禍にも関わらず来てくれてありがとう」「台風なのに来てくれてありがとう」という気持ちを、親族の代表である父親などの口からストレートに伝えることで、ゲストにしっかりと伝わります。

【例文】
「本日はご多用のなか、私たちのためにお集まりくださり、誠にありがとうございます。また、このような悪天候(コロナ禍の場合は「世の中がこのような状況」)にも関わらず、こうしてお集まりいただいたことに、心から感謝いたします」

残念ながら出席できなかった人へのフォローの例文

ゲストのなかには、コロナや天候を配慮してのやむを得ず欠席の判断をせざるを得なかった人もいるでしょう。そういったゲストへの配慮の言葉も入れましょう。

【例文】
「本日はご多用のなか…(以下略)。また、残念ながらここにお越しになれなかった方も、新郎新婦にとってのかけがえのない大切な存在です。ふたりの新たな旅立ちの日に、たくさんの祝福のメッセージや電報をいただき、心より感謝しています」

まとめ

結婚式で両家親族代表の挨拶(謝辞)はゲストに向けての感謝の言葉を基準として考えよう

結婚式や披露宴での両家親族代表の挨拶は、現在では結婚式の価値観の多様化に伴い、必ずしも新郎の父親がおこなうスピーチではありません。ただ、内容として、どのようなスタイルの結婚式においても、最後のしめくくりとしておこなわれるスタイルの場合は「ゲストに向けてのスピーチ」になり、新郎新婦や親族に向けての個人的な言葉ではないと心得て、スピーチ内容を作成しましょう。

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結婚式準備.com編集部

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