結婚式でドレスや洋装で参列したい母親の基礎知識。50代、60代の女性をかっこよく、しとやかに魅力を引き出すドレス選びの方法を紹介

日本の一般的な結婚式の母親の正礼装といえば黒留袖といったイメージが浸透していましたが、現在では50代、60代の女性をかっこよく引き立てるドレススタイルで参列する方が急増しています。「着付けや着用感が楽」「少人数で、レストランで、会食スタイルで…といったカジュアルな雰囲気の結婚式なので着物ほど堅苦しくない方が良い」など、結婚式の多様化と並行し、母親の服装の価値観もより自由に多様化しているのです。現在ではひと昔前のロングドレスとボレロといったスタイルだけでなく、正装のマナーに沿った一枚で素敵に着られるドレスデザインも充実しています。

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新郎新婦の母親が結婚式で洋装やドレスを選ぶ際の5つの注意点

新郎新婦の母親が結婚式で洋装やドレスを選ぶ際の5つの注意点

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結婚式で新郎新婦の母親が服装でドレス(洋装)を選ぶ際には、大きく5つのポイントに注意して選びましょう。

結婚式会場の格に服装を合わせる

結婚式に参列する服装は、結婚式の会場の格式やテイストに合わせて選ばれます。
一般的な結婚式会場である専門式会場・ゲストハウス・ホテル・高級レストランで行われる結婚式であれば、新郎新婦の母親の服装はドレスコードの最上位である「正礼装(フォーマル)」から選ばれます。
カジュアルな結婚式の場合や、リゾートウェディングの場合には、会場がどのようなドレスコードで、何を着たら良いのかを新郎新婦の意見や担当のウェディングプランナーの意見を踏まえて選びましょう。

配偶者である父親の服装の格に合わせる

結婚式で父親の服装は、正礼装であるモーニングコート(略してモーニングともいう)が一般的です。フォーマルファッションのマナーとしては、モーニングコートは男性の昼間の正礼装となります。その隣に並ぶ母親の衣装として同格な洋装の衣裳は、露出を控えたロング丈のアフタヌーンドレス・またはイブニングドレスとなります。
父親がモーニングコートではなく、ディレクターズスーツ、ブラックスーツなどの準礼装を着る場合は、母親も華やかなジャケットに黒のスカートと言った準礼装のフォーマルウェアを選びます。

新郎新婦の両家の服装の格を合わせる

結婚式の場合、相手の両親が何を着るかということも考える必要があります。相手の母親が黒留袖と正礼装なのに、こちら側の母親の服装はジャケットに黒いワンピースや、色の違うボレロを羽織ったロングドレスなどの準礼装の装いでは、両家の服装の格が合いません。
例えば、黒留袖は和装の正礼装ですから、それとバランスの合う洋装は、昼の結婚式であれば正礼装のアフタヌーンドレスとなります。
両家の服装の「格」が同じなら、一方が和装、一方が洋装でもフォーマルファッションマナー上問題ありません。服装の格を合わせるとは、一方が「正礼装」の場合は、自分も和装、洋装にかかわらず、「正礼装」であることが、フォーマルなファッションマナーなのです。
また、両家の並びのバランスが気になる際には、ドレス選びの際に担当のドレスアドバイザーに相手側の母親が黒留袖着用であると伝え、つり合いがとれるドレスを見立ててもらいましょう。

結婚式の季節を考える

新郎新婦の両親の衣裳準備は、早い方で3~6カ月くらい前には、試着して決るケースが多いでしょう。試着のときは夏でも、実際の式は冬というケースも多いのです。もちろん式場は快適な室温に設定されてはいるものの、季節が違うと、ふさわしい服装も違ってくるという点を考慮して、デザインや生地の素材を選ぶ必要があります。

新郎新婦の意向を聞く

新郎新婦にとって、結婚式は母親と父親に感謝の気持ちを表す場でもあり、招待した他のゲストに両家の親をお披露目する機会でもあります。
ですから、新郎新婦の意見は非常に重要であり、両家の仲介をして家族・親族の服装があうようバランスをとる役割も果たします。
結婚式の服装は親や親族だけで決めるのではなく、必ず新郎新婦の意見を求めたうえで決めましょう。

新郎新婦の母親が結婚式参列用のドレスや衣裳をレンタルで準備する際の注意点

新郎新婦の母親が結婚式参列用のドレスや衣裳をレンタルで準備する際の注意点

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結婚式で着用する両家の親をはじめ親族の衣裳は、レンタルで用意する割合が非常に高くなっています。母親として子どものハレの日に、最高の装いができるようレンタルで衣裳を準備する際の注意点を確認しておきましょう。

両家の並びや相手の母親とのバランスを考えてドレスを選ぶには

両家の並びや服装の格、相手側の家の母親と衣裳のバランスを考えて選びたいと悩んでいる方も多いでしょう。
特に両家の母親とも洋装にする場合、ドレスのデザインも色も和装に比べ無数にあり、バランスをとるのが難しいのです。
先に相手がどんなドレスを着用するか決めている場合には、ドレスの画像や着画写真を送ってもらい、それと合わせてドレスのレンタルサロンでファッションアドバイザーのアドバイスを受けつつ選ぶようおすすめします。
最も良いのは、母親同士が日取りを合わせて、同じドレスサロンで一緒にバランスを合わせつつドレスを選ぶ方法です。色のトーンも写真映りを考えて、両家ともダークカラーにする、一方が明るい色にするといった調整ができます。また、色については新婦が同行していれば、新婦が着用するドレスとデザインや色がかぶらないよう選べます。
日程は、顔合わせ食事会や結婚式会場の下見など、両家が集まる日にドレス選びもできるよう新郎新婦に調整してもらって選ぶとスムーズです。

衣裳選びはどれくらい前から準備する?

新郎新婦の衣装選びと同様、母親のドレス選びも3ヶ月前には決まっていると安心です。
できれば、新郎新婦の衣装選びと父親母親の衣装選びは同一の日にする、または両家衣装選びを同一の同じ店にすると、両家の格も合わせやすく、衣裳選びが遅くなり気に入ったものがレンタルできなかった…という手配遅れによる後悔が少なくなります。

遠方で試着に行けない。両家同一の衣裳合わせが難しい場合は?

遠方が実家の場合や、既に片方の家の母親は手持ちのものがある場合には、着用衣裳を画像で共有する、手持ちのアイテムを必ず事前に試着し、小合わせる小物に不備がないかまでチェックするなど確認と共有を万全に。
レンタルで試着が難しい場合は、必ずサイズを採寸する、通販レンタルで試着てきるサイトを選ぶなど、できるだけ事前確認を万全にしましょう。最近では郵送での自宅フィッティングが可能なサロンやショップが増加しています。
また、サロンやショップによっては、挙式日の1~2日前に直接式場や宿泊先にレンタルドレスを送ってくれるサービスを手配してくれます。

着付けとヘアメイクの希望は画像を用意。帰り仕度の確認も万全に

父親・母親は新郎新婦と共にゲストを迎えるホスト側であるため、誰よりも先に支度を整える必要があります。特にレンタル衣裳を持参する場合は小物の忘れ物や、チェック不足で使えると思っていた小物が古くて使えないアクシデントもよくあるようです。何が必要か持ち物をしっかり事前確認しましょう。
ヘアメイクや着付けに関しては、希望のスタイルやコーディネートがある場合は写真や画像を事前に準備して持っていくのがおすすめです。会場の美容室や着付け室を利用の場合は、おふたりを通じて担当プランナーから確認をしてもらいましょう。
また、スタッフに披露宴後は着替えて帰るのか、着用したまま帰るのかを事前に伝えておくと安心です。

結婚式で人気急上昇の母親の洋装の正礼装…アフタヌーンドレス・イブニングドレス

<結婚式の母親の正礼装の洋装>
昼の結婚式や披露宴:アフタヌーンドレス
夜の結婚式や披露宴:イブニングドレス

結婚式は通常、「挙式」と「披露宴」に分かれます。フォーマルなファッションマナーでは、この「挙式」と「披露宴」では服装のマナーが違い、特に欧米では「挙式」と「披露宴」で衣装を替えるのが一般的です。

挙式…『アフタヌーンドレス』

厳粛なセレモニーなので、華美な服装は避け、肌の露出も控えめが原則です。肌の露出の多いドレスの場合はショールなどで肌を隠す場合もあります。
丈の長さはロングに七分丈より長い袖で露出を抑えた物が良いでしょう。日本ではアンサンブルやスーツタイプでもOKです。黒色を選ぶ場合はお祝いの席にふさわしい華やかなデザインを選ぶようにしましょう。

披露宴…『イブニングドレス』

結婚を祝う祝賀パーティーなので、着飾ることがマナー、ドレスアップが原則です。挙式と違って肌の露出が多くてもファッションマナー上問題はありません。ロング丈ドレスに、肩や胸元を隠さず肌を見せるタイプのものが国際的には正礼装となります。

日本の結婚式の洋装の正礼装は「アフタヌーンドレス」が一般的

欧米では挙式は昼間、披露宴にあたるパーティーは夜という場合が一般的なので、昼と夜とで衣装を替えるのですが、日本の場合は、挙式と披露宴が続いて夕方までにすべて終了するのが一般的です。そのため、挙式&披露宴とも共通で参列できる『アフタヌーンドレス』が多く選ばれています。
また、日本では肌を露出することに抵抗ある女性が多いこと、昼と夜の女性のドレスコードがそれほど重視されていない傾向が強いため、どこまでフォーマルなマナーに沿うかは両家で相談し、また担当のウェディングプランナーに確認しましょう。

アフタヌーンドレスはジャケット付きでなくても問題ない

百貨店などで母親用の正礼装のドレスを探したら「ジャケット付きで上下同じ布のロングドレスが洋装の正礼装です」と言われたり、ボレロなど羽織ものがついたスーツタイプを勧められるケースが多いようです。
しかし、マナー上正礼装のドレスは絶対に羽織ものが必要なわけではなく、袖があり露出が控えめで上品なテイストのフルレングス(床までの着丈)のロングドレスであれば正礼装として1枚で着用できます。一枚で着用できるドレスはすっきりと恰好よく着こなせるデザインが多く揃っており、近年ではジャケットなど羽織ものなしのドレスを選ぶ方も急増しています。

結婚式で母親が着るドレスのおすすめカラーは?明るい色を着てもいい?

結婚式で母親が着るドレスのおすすめカラーは?明るい色を着てもいい?

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結婚式で母親が着るドレスの色選びについて、どのような点に注意して選んだらよいのでしょうか。日本のフォーマルシーンで母親の洋装は黒やネイビーといった暗い色味が鰓切れがちですが、顔映えに合わせ明るい色を選ぶのもおすすめです。

新郎新婦の母親の多くが選ぶ人気のドレスの色はダークカラー

結婚式というハレの場に相応しい、重厚感のある色として、ネイビー(濃紺)、パープル、深いグリーン、ブラウン、グレーといった色味が人気があります。
ネイビーやブラック系のドレスは落ち着いた印象で「母親らしさ」「上品な落ち着き感」をしっかり出せる色です。また、着やせ効果も高いため「何色がいいかわからない、新婦のお色直しのドレスの色もわからない」場合には、ダークカラーが選びやすいでしょう。
ただし、母親のドレスはダークカラーでなければいけないという決まりはありません。「落ち着いて上品に見える」「新婦がお色直しで何色を着るかがわかなないので、かぶらないように」といった理由から、ダークカラーが選ばれているようです。

母親のドレス選びで明るい色を選ぶには

母親に人気の明るい色としては、ベージュ、淡いパステルカラーなどがおすすめです。最近では新婦側の母親を中心に淡いピンクやミントカラー、シャンパンカラーなど明るい色のフォーマルドレスの人気があります。
そういった意味では。新郎新婦同行のもと、両家の母親が一緒にドレス選びができる場があると、お互いに明るい色のドレスが気兼ねなく選べる環境にもなります。
また、新婦の同行がない場合でも、新婦のドレスの色と新婦の母親のドレスの色を事前に確認してから試着するよう談土れば、そのバランスも考えてドレスを選び安心してドレスを決められるでしょう。

黒のドレス選びには注意を

黒のドレス(ブラックドレス)は喪(お葬式)を連想するので、海外でも日本でも晴れの日の衣装としては正式には相応しくありません。しかし、日本では黒留袖を見ても黒という色がハレの場の第一礼装で使われるケースが多く、現在母親の正礼装のドレスとして多く選ばれています。
黒のドレスを選ぶ場合、喪と区別するため、華やかなレースや光沢のある生地でフォーマルドレスが作られています。真珠の2連のネックレスなどをつけて晴れの日に相応しい華やかな装いを演出しましょう。

結婚式で母親が着るドレスのデザインを画像つきで詳しく解説!コーデの注意点は?

結婚式で母親が着るドレスのデザインを画像つきで詳しく解説!コーデの注意点は?

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結婚式で「かっこいい!」「すてき!」と新郎新婦はじめ、参列したゲストに感じてもらえるマナーに沿ったドレス選びのポイントや、体型を美しく見せる人気のデザインドレスの選び方について詳しくご紹介します。

結婚式で母親が着用するドレスのデザイン

海外では母親世代でも背中が大きくあいたフォーマルドレスを着用しますが、日本ではフォーマルな場で、露出が多い服装や母親がセクシーであることは、あまり好まれません。
そのため、日本のマナーに合った露出具合を考慮したドレスを選びましょう。

露出は避けたドレス、または適度なドレスを選ぶ

基本的に「アフタヌーンドレス」としてデザインされているものは、肩、デコルテ、背中が大きく開くドレスは避けたものになっています。袖なしのドレスも、気になるようならば、挙式のときはジャケットやショールといった羽織ものを羽織れば問題ありません。

一枚で着用できるドレスはすっきりかっこいい見せ方ができる

じつは、海外で結婚式の挙式や披露宴でジャケットを着用しなければいけないというフォーマルファッションマナーはありません。
フォーマルウェア売り場で多く見受けられる華やかな柄や色のジャケットxロングスカートというスタイルはあくまで日本独特に開発されたものです。
ノースリーブのデザインではなく、袖付きのドレスであれば、1枚で着用しても問題はありません。
そのため、一枚で着用できる半袖や長袖のドレスがいま人気急上昇しています。ただし、羽織もののない一枚着のドレスはどうしても体型が出やすいという特徴があるため、重ね着風のデザインや、胸元やウェストに切り返しのある着やせ度の高いドレスが人気を集めています。

結婚式で母親が着用するドレスの丈はマキシ丈、ロング丈が主流

国際的なフォーマルファッションマナーでは、ロングドレスはくるぶしが隠れる丈が正式です。また、お昼の正礼装アフタヌーンドレスでは、上下共布のフォーマルスーツやワンピースは膝丈でもマナー違反ではありません。
ただ、日本の場合、黒留袖のフォーマル度に負けない洋装(フォーマルドレス)となると、黒留袖は脚が隠れているため、ドレスで脚が見えてしまう丈では、黒留袖よりカジュアルな印象を与えてしまう恐れがあります。そこで、くるぶしが隠れるロング丈がつり合いのとれた衣装として主に選ばれています。

結婚式で母親が着用するドレスの羽織もの

羽織ものを選ぶ際には、できればドレスと対で着られるようになっているようデザインされたジャケットか、別途ファッションアドバイザーに見立ててもらうようおすすめします。
というのも、羽織もののバランスをドレスでとるのは非常に難しく、色合いが違った羽織とドレスのコーデは見る人によってカジュアルな印象を与えてしまう場合もあるからです。

小柄でもロングドレスを着用したい場合のデザイン

小柄で似合うロングドレスを選ぶには、肩幅とウェスト位置がしっかりあったドレスを選ぶことです。ウェストマークが上目にあるデザインや、肩の位置が内に入ったデザインは小柄な方でも非常に似合いやすいデザインドレスになります。
また、ウェスト位置が分からないシルエットドレスも小柄な方に似合うドレスです。
肩やウェストはきちんとしたサロンでのレンタルであれば、簡単な使用前に簡単なお直しを施して渡してくれるショップも多いため、まずはアドバイザーに相談しましょう。

50代、60代の気になる体型をカバーするデザインは?

50代、60代の女性のドレス選びでホットキーワードとして挙がるのが「ぽっちゃりカバー」「体形カバー」です。結婚式で母親が着るロングドレスも、ほとんどの方にとっては着慣れないデザインです。特にウェスト周りの出方について気になる場合、以下の色やデザインに注意して選ぶと、すっきり見える着やせ効果が高くなります。

淡い色よりネイビーブラックなどのダークカラー、濃いめのトーンのドレス

着やせ度効果が高い色選びは簡単に着やせ度効果を得られますが、顔映えが悪くなってしまう場合もあるため、できればフィッテイングでドレスアドバイザーに相談して決めましょう。

柔らかい薄い生地より厚み、張り感のある生地のドレス

張り感のある素材は、ドレスのパターンを体型に沿わずに忠実に再現してくれるため、メリハリが出やすく着やせ度効果が高くなります。

ウエスト周りにペプラム、タック、切り替えなどのデザインがあるドレス

着やせして見せるためには、縦長のシルエットにウェストのくびれを見せるのが一番で、ウェスト周りにペプラム、タック、切り替えなどウェストがくびれて見えるようデザインされたドレスは着やせ度効果が高くなっています。

重ね着風のドレス

着こなしでスリップタイプのドレスにオーバーブラウスのトップスを重ねて着用するドレスは、お腹周り、バスト周りのラインが目立ちにくいデザインになっているため、一枚着でも着やせ度効果が得られやすくなっています。

まとめ

結婚式で母親がドレス選びは相手側の母親とのバランスに配慮し明るい色やかっこいいデザインを自由に着こなそう!

結婚式で母親が洋装を選ぶ際には、相手側の母親の衣裳とのバランスを配慮して選べるよう段取りを行う必要があります。それさえ気を付ければ、現在では洋装がかなり自由に選べるよう、かっこいいデザインや明るい色も揃っています。
マナーと配慮するポイントをしっかり抑えて、新郎新婦のハレの日の衣裳に自身に最も似合うドレスを楽しんでくださいね。

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結婚式準備.com編集部

結婚式準備.com編集部です。結婚式の準備で悩むプレ花嫁を応援する記事を書いていきます。

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