ウェディングシューズとは
iStoc / nerudol
ウェディングシューズとは、結婚式で新郎新婦が婚礼衣裳に合わせて履くシューズのこと。
もともとは欧米の文化で、ウェディングパーティーでの一番の見せ場「ファーストダンス(新郎新婦がゲストの前でダンスを披露するイベント)」のために用意するシューズのことでした。
欧米では子どもの頃からずっと憧れていたウェディングドレスにあわせて「運命の一足」を購入し、着用後はウェディングドレスと一緒に大切なウェディングアイテムとして保管します。
日本ではドレスの保管は難しいのですが、ベールやウェディングシューズなどの小物は、大切な思い出として保管する花嫁も多いようです。また、近頃では、欧米のトレンドを取り入れ、婚礼の証として新郎新婦がウェディングシューズの送り合いや、ペアシューズを着用するなどの演出アイデアも見られるようになってきました。
ウェディングシューズの選び方はヒールの高さやデザインと密接に関係
iStoc / Margaryta Basarab
ウェディングシューズの選び方は、デザインや見栄えもさることながら、ドレスや新郎氏のバランス、履きやすさなども含め、ヒールの高さも密接に関係しています。
ドレスの丈の長さと身長
現在は衣装をレンタルする人が多いため、ドレスの裾は簡単なお直ししかできないことが多く、靴の高さでドレスの裾丈と合わせることもあります。靴を履いて歩いた時に靴が見えない高さ、ドレスの前丈が裾すれすれになるよう調節することが多いです。
シューズの歩きやすさや痛くない靴選び
結婚式や披露宴の演出で、テーブルラウンドや歓談中心のパーティなどで花嫁が積極的に動き回るイベントが増えており、歩きやすさや安定感、靴擦れで足が痛くならない靴選びは重要なポイントです。デザイン重視で選ぶなら、靴擦れ防止アイテムで事前の対策をとりましょう。
新郎との身長差とバランス
新郎新婦が並んだ時にバランスよく見える身長差は10cmほどと言われており、その高さを踏まえヒールの高さを選ぶとフォト撮影などの時のバランスがいいでしょう。
ドレスとのコーディネート
結婚式でのフォト撮影はますます重視傾向で、花嫁は前撮り・当日撮影でさまざまなポーズを取るため、靴をしっかり見えるケースが多くなってきました。「足元ショット」と言って、足元をわざとクローズアップして、ウェディングシューズを中心に撮る構図も大人気です。そのため、ドレスとのコーデやテイストを合わせたブライダルシューズ選びはますます重視されている傾向で、購入に踏み切る花嫁が多くなっているようです。
ウェディングシューズのヒールの高さとドレスの見栄えの特徴
iStoc / Kyryl Gorlov
ハイヒール
ヒールの高さが7cm以上のものをハイヒールと言います。一般的な高さは7~12cmのものが多いのですが、中には15cmもある個性派も。7cmは足がきれいに見える一般的なハイヒール、10cmは都会的で洗練されて見える高さの目安です。
15cmヒール
ヒールがとても高いので、背が低い方にとっては身長を高く見せ、ドレスの裾が長いデザインでも美しく着こなすことができる高さです。また、マーメイドラインのドレスなどに合わせると、ヒップアップ、腰の位置が高くなるため、すらりと見え非常に相性がよい高さです。
しかし、ほぼつま先立ち状態で歩きにくさを感じることも多く、安定感がないので、サイズがきついものや大きすぎないジャストサイズであることが大前提です。
また、選ぶ際は少しでも歩きやすいようにヒール太めのものやアウトソールに厚みのあるものを選ぶとよいでしょう。
歩き方は姿勢を正して、小さい歩幅でゆっくりと歩きましょう。
10cm~12cmヒール
10~12cmヒールはさまざまなドレスが相性よく決まります。傾斜の高低差によって足元を一段と細く長く見せスタイルアップが期待できます。また、ヒールが美しいデザインのものが多く、細ヒールでも慣れていれば、問題なく歩くことができるでしょう。
ただ、急な傾斜があるのでつま先が前のめりになり靴擦れをおこしてしまうことも。
インソールにクッションがあるものを選ぶと足への負担が減り、歩きやすいでしょう。歩きなれていない場合には、アウトソールがプラットフォームタイプやストラップがついたデザインにすると安定感があり歩きやすくなります。
7cm~8cmヒール
日本人の身長的に、脚が最もきれいに見える高さと言われています。10cm以上のヒールよりも脚への負担が少なく、比較的履きなれていない人も楽に履けます。cmヒールの高さまでは身長が高く見え、ドレス丈もきれいに見せることができます。ヒールがある中でも比較的一日中履いて過ごせる高さです。
10cm以上のヒールに比べると靴単体のドレッシーさには欠けますが、細いヒールを選べば、エレガントで女性らしい印象になるでしょう。
ローヒール
ヒールの高さが5cm未満のものをローヒールといいます。3~5cmの高さは安定感抜群で、ぺたんこよりも足が疲れないと言われており、通勤通学で選ばれる最もポピュラーな高さです。
5cmヒール
カジュアルファッションやビジネスシーンでは、5cmヒールは程よい高さで、履きやすい定番の高さになります。ただ、裾が長いウエディングドレスに合わせる場合、高さが足りないと感じてしまうかもしれません。だきるだけヒールや全体的なシルエットが華奢で細身のタイプを選べば、華やかさが出るでしょう。
3cmヒール
パンプスのシルエットの美しさはギリギリ残しつつ、圧倒的な安定感と履きやすさがある高さのローヒールです。身長が高い花嫁や、歩きやすさや動き回りやすさを求める花嫁にはおすすめの高さですが、どうしても「ぼてっ」とした印象になってしまうため、見た目はビジューつきやグリッターなど、できるだけ華やかなデザインを選びましょう。
フラット
厳密にはヒールなしのぺたんこな靴のことを言い、フラットシューズとパンプスとは違いますが、現在ではほんの少しだけ(1~2cm程度)のヒールがついているフラット感のあるパンプスが、フラットシューズより女性らしさや甘さが出るということで人気です。一般的な結婚式ではあまり選ばれませんが、レストランウェディングやビーチウェディングなど、安定感があり、歩き回ることを重視したい場合におすすめです。
ウェディングシューズで選ばれるヒールのデザインの種類
ウェディングシューズのデザインを大きく左右し、ドレスのイメージにも影響するのが「ヒールのデザイン」です。ヒールのデザインによって見た目、歩きやすさ、安定感などが大きく変わってきます。どのようなヒールが良いか、結婚式の雰囲気や演出などに合わせて検討しましょう。
ピンヒール
ピンとは「指す」の意味で、針のようにとがった細さのあるヒールのことを言います。ヒールが細く地面に着く部分の面積が小さいため不安定で、履きこなすには慣れが大切ですが、女性の足を最もクールに見せてくれると言われています。
フレンチヒール
ピンヒールと似ていますが、付け根が太めでヒールの先に向かってカーブを描くようにくびれたデザインになっています。付け根が太い分ピンヒールより安定感があり優雅さがあるため、パーティシューズなどに取り入れられます。
チャンキーヒール
チャンキーとは「ずんぐりした」という意味で、2~3㎝の幅のある太めのヒールのことです。ヒールに高さが出ても抜群の安定感があります。
プラットフォーム
靴底全体が厚底のものをプラットフォーム・または厚底ラバーソールとも呼びます。ブライダルシューズではヒールを残し前方のみ厚底になったものが多く、これもプラットフォームと呼びます。ソールにクッションが効いているので衝撃を吸収し疲れにくいのが特徴です。また、足の長さと身長がグッとあがるため、美脚かつスタイルアップの靴です。
ウェッジソール
プラットフォームと同じく厚底ですが、かかと部分が高くてつま先に向かって低くなり、靴底の土ふまず部分にくぼみがないソールが特徴的です。全体的にバランスをあげるプラットフォームと違ってインソールのため、ふくらはぎがスッとして見える特色があります。
ウェディングシューズしとして一般的なパンプスのつま先デザイン
ブライダルシューズでは、つま先とかかとが隠れた「パンプス」が、服装マナー的には一般的に選ばれるデザインです。花嫁に選ばれるウェディングシューズの、代表的な形やフォルムをまとめました。
ポインテッドトゥ
ポインテッドとは、「とがった」という意味でつま先が細くとがった靴のことを言います。ハイヒールパンプスに多く見られるデザインです。足の甲がスッと長く優美な印象になり、パーティのような華やかなシーンにはぴったりのパンプスの代表的な形の1つです。
ラウンドトゥ
つま先が丸みを帯びているデザインで、柔らかく可愛らしい印象を与えます。ローヒールやフラットシューズ、プラットフォームなどのデザインに多く使われます。
オープントゥ
本来は隠れてているパンプスのつま先のみオープンにしたデザインです。通気性がよく春・夏のイメージですが、ペディキュアを見せられるセクシーさが人気で、現在では通年通して選ばれています。ただし、チャペルやチャーチなどのキリスト教式を行いたい場合はマナーとしてはNGです。
カジュアルな結婚式や二次会で合わせるパンプス以外のウェディングシューズ
iStoc / g-stockstudio
カジュアルな結婚式や、ガーデンウェディング、ビーチウェディングなど結婚式のスタイルが多様化し、ウェディングシューズでパンプス以外の靴を選ぶ花嫁も多くなってきました。
ドレスのデザインもスレンダーシルエットやエンパイヤなど、高いヒールでなくても似合うドレスデザインが非常に多く選べるようになり、ブライダルシューズを自由なファッションとして楽しむ傾向が急増しています。また、最近の傾向ではテーブルラウンドや立食パーティで花嫁も動き回ることが多いため「歩きやすい」「疲れない」を重視する人も多いようです。
バレエシューズ
バレリーナが練習用に履くシューズを一般的な普段使いやファッションで着用できるようデザインしたものです。ミモレ丈やアンティークなドレスに合わせてもかわいいですね。
紐付きの革靴
仕立てのいい紐付きの革靴を新郎とお揃いにする、という花嫁も多くみられます。フォト撮影の足元ショットでは、お揃いの靴は一生の思い出に残りそうですね。
サンダル・ミュール
セクシーなサンダル、ミュールはナイトウェディングや大人花嫁に大人気です。また、ビーチウェディングや前撮り、フォトウェディングでは素足で写真を撮る場合もあり、サンダルやミュールにすることも多いようです。ただ、一般的な結婚式やチャペル式のある結婚式では避けましょう。
ブーツ
あえて辛口のブーツで甘いウェディングドレスを合わせる、カジュアルウエディングにおすすめの一足です。
スニーカー
飾らないカジュアルな二人を表現するのにブライダルシューズをスニーカーにするアイデアも。フォトウェディングでは定番の撮影アイテムです。デニムジャケットなどと合わせても決まります。
まとめ
ヒールの高さの特性を踏まえ運命のウェディングシューズを手に入れよう
結婚式での「運命の一足」である、ウェディングシューズ選びを左右する、ヒールの高さやデザイン、靴のデザインについてまとめました。現在では衣裳レンタル時に合わせて借りることもできますが、一生の思い出として残すなら、購入もぜひおすすめです。フォト撮影で記録としても残したい方であれば、思い切りこだわって「運命の一足」を探してみてくださいね。