結婚式でキャンセルや延期になる場合とは。キャンセル料金や延期にかかる費用、ゲストへのお詫び、不測事態の対応について

結婚式がキャンセルや延期になった際にかかるキャンセル料金がいま話題になっています。台風被害や新型コロナウイルス感染症による宴会や集まりの自粛など、不測の事態で結婚式のキャンセルや延期についてどのように対応したらいいか不安な方も多いでしょう。結婚式キャンセル料金の意味合いや費用相場、結婚式が延期や中止担った際の対応策など今すぐ知りたい情報についてまとめました。

この記事のINDEX

    結婚式をキャンセルしたい。契約を解除する際のキャンセル料金とは

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    結婚式キャンセル料金とキャンセルする理由

    結婚式はよほどの理由がなければなかなかキャンセルには至りません。
    結婚式準備期間の間に離婚や破談といった後ろ向きな理由もありますが、多くの場合は次のような理由から、やむを得ない状況でのキャンセル理由が多いようです。

    ・新郎新婦の体調不良、病気やケガなどで入院
    ・両親や祖父母の突然の入院や不幸
    ・自然災害等で自宅や実家が被害にあった

    こういった場合に、結婚式会場との契約をキャンセルするには契約する際に取り交わした「約款」により、結婚式を本契約した日からキャンセル料が発生します。結婚式を行うためにはさまざまな準備が必要になり、結婚式予定に近づくにつれ準備品や手間、人件費も増加します。その分の料金を支払うのがキャンセル料金だと考えると分かりやすいでしょう。

    結婚式のキャンセル料金

    キャンセル料金は下見の際などに行う「仮契約」では発生せず、見積りを確認し納得したうえで、内金を入れて日程を確保して契約した「本契約」を行った日から発生します。キャンセル料は、一般的には「見積もりの〇%」で計算され、その比率は挙式・披露宴までの日数で異なり、挙式日に近づくにつれ上昇します。見積りに対する比率は結婚式場によって異なるため、自分が契約した際の契約書を必ず確認しましょう。

    【結婚式会場のキャンセル料金例】
    結婚式当日の89日前   見積金額の10%
    結婚式当日の90~61日前   見積金額の20%
    結婚式当日の60~31日前  見積金額の30%
    結婚式当日の30~21日前  見積金額の40%
    結婚式当日の20~11日前  見積金額の50%
    結婚式当日の10~前日  見積金額の80%
    結婚式当日         見積金額の100%

    この他に衣裳レンタル料金は別途キャンセル料金が発生することが多いほか、オーダーや購入商品(引出物など)の場合は解約期日に関わらず、一切キャンセルできず全額負担が必要なアイテムもあります。

    自身で購入したものはキャンセルする際に別途確認が必要

    結婚式会場を通してではなく、自身で手配したアイテム(衣裳、引き出物、引き菓子、結婚指輪、ペーパーアイテムなど)は、結婚式会場でキャンセルすることはできないため、それぞれオーダーしたところで個別に確認をとりましょう。引き出物や衣裳の場合、特注でオーダーしたものはキャンセルも返品もできないことがほとんどです。ウェディングケーキや引き菓子などの食品は受注生産のため、解約する段階ですでに発注済なら、キャンセルも返品もできません。

    時期に応じてキャンセル料が発生するもの

    レンタルの申し込みをしたもの(ウェディングドレスやタキシードといった婚礼衣装など)は、結婚式場と同様にキャンセル料金が解約する時期により上がっていきます。

    【結婚式衣裳のキャンセル料金例】
    結婚式の89日前~30日前 衣裳定価料の30%
    結婚式の29日前~8日前  衣裳定価料の50%
    結婚式の7日前~前日まで 衣裳定価料金の80%
    結婚式当日        衣装低下の100%

    時期によってはキャンセル料金が発生しないもの

    引出物のカタログギフトなどは時期によっては料金もかからずに取り消しできる場合が稀にあります。まずは直接問い合わせて確認しましょう。

    会場の都合で結婚式が挙げられなくなった場合はキャンセル料金はかからない

    会場側の事故や設備破損など、会場都合で結婚式が予定していた日に行うことができない、または十分なサービスが行えずにキャンセルせざるを得ない場合には、キャンセル料金はかかりません。

    結婚式を延期した場合の費用とキャンセル料金

    結婚式を延期した場合の費用とキャンセル料金

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    結婚式は延期可能か

    結婚式をやむを得ない理由により延期することは、結婚式会場の取り決めた期間内(向こう1年以内の再予約など)に会場の空きがあれば、キャンセル料なしで延期することが可能な場合もあります。しかし、人気の会場で土日祝日などは向こう一年間予約がぎっしりで延期が難しい場合もありますので、延期を検討している時点で、すぐに会場に問い合わせることが望ましいでしょう。

    結婚式を延期する場合にもキャンセル料金は必要な場合も

    不測の事態で結婚式を取りやめではなく、同一会場で延期したいという場合は、基本的にはキャンセル料金はかからず、費用は少なくで済む見込みになります。
    ただし、延長を申し出た時期によっては、キャンセル期間までに必要だった経費や既に発注してしまい、キャンセルがきかないもの(食品系など)はキャンセル料金や実費を請求されることもあります。結婚式直前での延長の申し出はそういった費用がかかりやすく傾向のため、できるだけ余裕をもって検討したほうが良いでしょう。
    また、一年以上後の日程への延長・変更の場合にはキャンセル料金が発生する会場も多いようです。

    結婚式のキャンセル料金や延長した際にかかる費用の負担割合

    両家または新郎新婦で折半とするか、結婚式の際に話し合って決めた費用負担の割合にしたがってキャンセル料金を負担する方法がスマートです。
    ですが、新郎新婦やどちらかの家に問題があって中止やキャンセル、延期になった場合には、問題があったほうが全額負担とするケースもあり得ます。
    結婚式のキャンセル料金は大きな金額になることが多いため、両者が負担割合で揉めた場合はウェディングプランナーだけでなく、公的資格を持つ第三者に仲裁に入ってもらうなどの解決策が必要な場合もあるでしょう。

    新型コロナウイルス感染症や台風接近に伴う結婚式キャンセルや延期はどうなっている?

    新型コロナウイルス感染症や台風接近に伴う結婚式キャンセルや延期

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    2020年3月現在、新型感染ウィルスによる大規模から小規模な集まりの自粛が非常に話題となっています。また、2019年で記憶に新しい、大型台風が日本列島を襲った場合も、高額な結婚式のキャンセル料金が問題になりました。
    しかし現在法的には、結婚式会場と新郎新婦の間での契約上、多くの場合は不測の事態によっても結婚式キャンセル料を支払わなければならない可能性が高い状態だと言えます。
    一方で、式場によっては延期の場合はキャンセル料金は無料といった対応をとった式場もあります。こればかりは式場の対応力次第による、という見方ができるでしょう。
    結婚式は一生に一度の大切なイベントであり、高額な費用もかかることから、契約する前の段階で契約書をしっかり確認したうえで、「こういった不測の事態があった場合、こちらではどのような対応がとれるのか」というところまで、できるだけ確認をとることがベストであると言えるでしょう。
    また、結婚式を行うことに心配な状況が確認が出た段階で、会場担当者に会場側の対応範囲や延期を踏まえた話し合いをできるだけ早く作ることが大切です。

    結婚式をキャンセルや中止、延期する場合のゲストへのお詫びや連絡

    結婚式を延期・中止することになったら、招待を予定していたゲストへの連絡をすぐに行いましょう。ゲストの多くは半年~3カ月以上前から予定を調整してくれているため、これ以上の迷惑をかけないよう、キャンセルや延期が決まったら1日も早く知らせる必要があります。

    ゲストにはメールではなく封書で知らせる

    基本は封書で、お詫び状を作成して送ります。急いで知らせたい内容のため、手書きではなく印刷した書面でも問題ありません。
    また、すぐにお知らせしたいからと言って、メールの一斉送信などでお知らせすることは不作法でありマナー違反とされています。はがきも他人に内容が見えてしまうため避けましょう。

    仲人や主賓など役割をお願いしていたゲストには直接出向いて知らせる

    婚約する時にお世話になった親族や仲人、結婚式の主賓には直接出向いて説明するのがマナーです。遠方の場合は、まずは電話でお詫びをしてお知らせし、改めてお詫び状を手書きで作成してお送りしましょう。

    直前の中止や延期なら電話やメール連絡を活用

    結婚式1週間前や直前など、天候による延期や不測の事態で突然の中止などは、封書では時間がありません。そこで、できればゲストひとり一人に直接電話をしてお詫びをし、延期や中止を伝えるのが望ましいでしょう。
    ただ、ゲスト人数が多すぎる場合や、会社関係などで電話番号を知らないなどの場合は、メールなどを利用してお知らせしましょう。

    結婚式キャンセルや延期決定前にいただいたご祝儀や結婚祝いの対応

    結婚式キャンセルや延期決定前にいただいたご祝儀や結婚祝い

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    親族や特に親しい方からは、結婚式出席前にご祝儀をや結婚祝いを結婚式前に受け取っている場合があります。結婚式中止、キャンセル、延期のお詫び状を作成する際に、結婚式前にいただいたご祝儀やプレゼントなどの返却についても同時に考えましょう。

    結婚式を延期する場合

    結婚式を延期して次の日程が既に決まっている場合には、一旦結婚祝いとしていただいたご祝儀やプレゼントをお返ししないでそのまま受け取りましょう。「大切に保管させていただきます」と一筆添えてお詫び状を送ります。

    結婚式を一旦中止して延長の日程の目途が立っていない場合

    延期して日程はまだ未定ですが、そう遠くない日に結婚式を行う予定である場合には、結婚祝いは返さずそのままお預かりする状態でいいでしょう。
    延期理由と日程のおおよその目途をお詫び状に添えて「その日まで大切に保管させていただきます」と一筆添えてお詫び状を送りましょう。
    ただし、結婚式が一旦中止となり、延期するとしても一年以上先など日程の目途が立たない場合には、結婚祝いをお返ししたほうがいいでしょう。

    結婚式を完全に中止、キャンセルする場合

    結婚式が完全に中止、キャンセルになった場合には、いただいた結婚祝い(ご祝儀やプレゼント)は、お詫び状とともにお返しするのがマナーです。

    結婚式中止やキャンセルの場合の結婚祝いの返し方のマナー

    結婚祝いでいただいたものは、二人のためを思って選んでくれた贈り物であるため、そのまま返すのは失礼です。また、お詫びの意味も含めて頂いたものの金額に少し上乗せした金額にした金券(商品券やギフトカードなど)と、ちょっとしたギフト(お菓子の詰め合わせなどの消えものがおすすめ)を添えて、お詫び状と一緒にお送りします。

    結婚祝いを品物(プレゼント)でいただいた場合

    インターネットなどでいただいたプレゼントの値段を調べ、おおよその金額を把握したうえで、その金額に2~3割ほど上乗せしたきりのいい額の金券と、ちょっとした贈り物を添えて、お詫び状とともに送ります(プレゼントが8000円であれば10000円程度)。

    結婚祝いをご祝儀(現金)でいただいた場合

    ご祝儀をいただいた場合ははっきりと金額が分かっているため、同額の金券と、ちょっとした贈り物を添えて、お詫び状とともに送ります。

    結婚式キャンセル料を保障する「結婚式総合保険」とは?

    さまざまな理由により、結婚式を中止、または延期しなければならなくなった場合に、莫大なキャンセル料金を補償するサービスが近年出てきました。取り扱いは会場により異なりますが、取り扱いがあれば会場予約する際などに加入することが可能です。現在こちらの保険は一社のみの取り扱いとなるため、気になる方は会場での下見の際や契約時に、ウェディングプランナーに確認、問い合わせをしてみましょう。

    結婚式総合保険の補償内容

    身内や本人の不幸

    結婚式を挙げられる新郎新婦、両家の両親、子ども、兄弟姉妹のうちの不幸によるキャンセル

    身内や本人の7日以上の入院

    結婚式を挙げられる新郎新婦、両家の両親、子どものうち、誰かが7日以上継続して入院したことを理由とするキャンセル。

    式当日の入院、医師による待機指示

    式当日に新郎新婦のうちいずれかの方が病気やケガで「入院している場合」「医師による待機指示を受けている場合」によるキャンセル。

    地震・台風・火事などの災害

    火災・破裂・爆発・風災・雪災・地震・噴火・津波により、新郎新婦のいずれかの方の家屋が半壊以上、または家財に100万円以上の損害が生じたことを理由とするキャンセル

    結婚式総合保険の保険料

    基本的には加入の際に支払う一回きり。保険料は結婚式の見積り費用や補償限度額に合わせ、850万円補償/5万円・500万円補償/3万円・150万円補償/1万円となっています。

    被害や対象によっては補償外のことも

    例えば台風被害は自宅や家財などに被害がなければ補償範囲には入りません。交通機関の乱れなどによるキャンセルでは適応外です。また、現在深刻になっている新型ウィルス感染の問題も、新郎新婦や家族の誰かが感染しない限りは対象にはなりません。自己都合によるキャンセルはもちろん対象外であるため、まずは補償範囲をしっかり確認したうえで、加入を検討しましょう。

    まとめ

    結婚式のキャンセルや延期の理由はさまざま。不測の事態にも備えよう

    一度取り決めた結婚式をキャンセル、また延期にいたるまでにはさまざまな理由があり、決して「自分には起こらない」ものとは言い切れません。また、キャンセルする際のキャンセル料金負担や延長できるかどうかなども、契約した内容と結婚式会場による、といった部分が大きいです。何かがネックになっていたり、気になることや不安がある場合には、気づいた時点で担当者やプランナーにすぐに相談して、対応できる範囲を確認しましょう。

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    この記事のライター

    結婚式準備.com編集部

    結婚式準備.com編集部です。結婚式の準備で悩むプレ花嫁を応援する記事を書いていきます。

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