アウトドアウェディングとは『野外でおこなう結婚式』の総称
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アウトドアウェディングとは、野外や屋外で挙式や披露パーティを行うウェディングスタイルの総称です。日本ではまだ比較的新しく馴染みが薄いものの、欧米など海外では大人気のウェディングスタイル。
会場として選ばれるのは実にさまざまで、キャンプ場や公園、森林やビーチ、リゾート地など、景色と屋外ならではの開放感を楽しめる場所でおこなわれます。
アウトドアウェディングは欧米で大人気。インスタグラム発信で日本でも注目
新郎新婦が中心となり、自分たちで会場準備をおこなうことが一般的な欧米のウェディングスタイルは、挙式こそ教会や市役所などでフォーマルに則り執り行われますが、披露パーティの会場選びやスタイルはとても自由。アウトドアウェディングは開放的なロケーションの中、自然と一体となり、施設の規定などで時間に囚われずゲストとの絆をふかめあうウェディングスタイルとして絶大な人気を誇っています。
日本でもインスタグラムやピンタレストなどSNSを中心に、フォトジェニックな装飾や今までの結婚式にない自由さが注目され、自分たちの結婚式に取り入れるカップルが急増しているのです。
アウトドアウェディングはコロナ禍でも注目される結婚式のかたち
アウトドアウェディングの会場は開放的で広さのある屋外を会場として選びます。コロナ禍で、大勢の人が集まることが問題となる結婚式の「密閉・密接・密集」とは真逆の場所です。自然にソーシャルディスタンスの取れるパーティーを計画することが可能であるため、魅力的な結婚式を実現できるスタイルとして注目を集めているのです。
解放感溢れる非日常なロケーションでおこなう結婚式は、日常とは違った特別感のある1日になります。ゲストにとってもほっと息のつける、魅力的な時間となるでしょう。
プラン内容も時間の使い方も自由自在で大人も子どもも楽しめる
アウトドアウェディングでは、一般的な結婚式と異なり、時間の使い方もパーティの内容も自由自在で、ふたりのオリジナリティを発揮しやすいという大きな特徴があります。
選んだ場所によってはカジュアルな服装ももちろんOK。自然豊かな場所で、子どももかしこまることなく楽しめ、大人もおおらかな雰囲気のなか新郎新婦とゲストとの距離感近くアットホームなパーティが楽しめるというメリットがあるのです。
アウトドアウェディングのスタイルや会場に選ばれる人気の場所
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「豊かな自然と開放感を楽しむアウトドア」というと、どうしてもキャンプやバーベキューを連想してしまいますが、アウトドアウェディングは基本的には「自然豊かな野外や屋外でおこなう結婚式」の総称のため、新郎新婦やゲストの顔ぶれに合わせ、実にさまざまな会場のアイデアがあります。
【アウトドアウェディングで選ばれる人気の会場やスポット】
・キャンプ場やグランピング場
・バーベキュー場
・牧場、山小屋
・公園やガーデン
・河川敷、湖畔、海辺やビーチなどの水辺
・自宅の庭や農園など私有の敷地内
アウトドアウェディングは都市部から郊外やリゾート地で計画されることも多い
東京や大阪、名古屋など都市部では、アウトドアや自然を楽しめる広大なスポットは限られていたり、どうしても都市部の生活感から抜けられず非日常な空間を楽しめない、という場合も。
そのため、アウトドアウェディングを楽しむために、会場を郊外やリゾート地など遠方にするケースも多いようです。
【アウトドアウェディングの会場として人気の地域】
・東京や横浜などでアウトドアウェディングを計画する場合
…千葉、鎌倉、山梨、奥多摩など
・大阪など関西地域でアウトドアウェディングを計画する場合
…岐阜、京都、兵庫など
・人気のリゾート地でアウトドアウェディングを計画する場合
…軽井沢、沖縄、北海道など
アウトドアウェディングをおこなう会場を探すには?
アウトドアとはいえ、パーティを執り行い、料理を提供してゲストを招待しもてなすためには、水道設備や調理設備(ケータリングなどの代案も)、トイレの設営など、人々が快適に過ごせる設備が必要になります。
会場に最適な場所を探すには、次のような方法があります。
【アウトドアウェディングの会場探しの方法】
・プロデュース会社やフリーウェディングプランナーに場所を紹介してもらう
・アウトドアを楽しめる設備が整った場所に問い合わせをする
・設備がない場所の使用許可をとりレンタルなど駆使してアウトドアを楽しめる場所を設営する
会場探しはプロデュース会社かフリープランナーに依頼し手伝ってもらうのが一般的
アウトドアウェディングは通常の結婚式と異なり、会場探しはプロデュース会社やフリープランナーに依頼するか、アウトドアウェディングができそうな会場に問い合わせをして使用許可を交渉するのが一般的です。
【プロデュース会社やフリープランナーに依頼するメリット】
・すでにアウトドアウェディング開催の実績がある場所を紹介してもらえる
・招待したいゲストの数ややりたいことにあわせて設備が整う場所を提案してもらえる
・希望の場所の使用許可や設営許可などの交渉や手続きを代行してもらう
・屋外でパーティに必要な機材やアイテムを集める
・会場設営のための人員やおもてなしの人員なども確保してもらえる
費用相場が比較的明確で口コミなどが多い一般的な結婚式会場に申し込むのとは異なり、アウトドアウェディングは新郎新婦によって結婚式のスタイルも規模も費用も大きく異なるため、自分たちに合う参考実例を見つけるのが難しいのです。
ゲストをもててなし楽しんでもらうための設備や、おもてなしのためのアイテムが、どの程度準備が必要になるのかや、結婚式というかたちをどのように自由に表現できるアイデアがあるかなど、プロの意見を参考にして決めていくことをお勧めします。
また、プロに依頼することで、ふたりの希望している場所で結婚式ができるよう、使用許可を取り付けたり、簡易的に設備を新たに整えたり装飾して会場として利用することもできるため、会場の選択肢も大きく広がります。
アウトドアウェディングで人気のスタイル、内容、演出例
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アウトドアウェディングを楽しむためのウェディングスタイルや演出内容も、実にさまざまなスタイルがあります。
新郎新婦の求めるテーマやアイデア次第であるため、本格的なアウトドアを楽しむキャンプスタイルから、おしゃれさやトレンド性を兼ね備えたグランピングスタイル、気兼ねなくアットホームに楽しむバーベキュースタイル、音楽フェスやイベントのようなフェススタイル、ガーデンやビーチにテントを設営し会場にするテントスタイル…中には会場設営も新郎新婦やゲストで楽しんでおこなうようなケースも。
実例はインターネット検索だけでなく、インスタグラムのハッシュタグ検索などで、さまざまなアイデアを知ることができます。
ラスティックウェディング
ラスティックウェディングの「ラスティック(Rustic)」とは英語で「田舎風な」「素朴な」という意味です。その名の通りシンプルで自然の素材を生かしたような飾り気のない、温もり溢れるウェディングスタイルを指します。
会場は本格的な自然にあふれた草原や湖畔、牧場などの素朴でより開放的な場所を選び、装飾や装花も自然を活かし、ウェディングアイテムの素材や材料も自然のものを利用しぬくもりにあふれた、エコで手作り感のあるウェディングスタイルです。
ビーチウェディング
海辺や砂浜など、ビーチやオーシャンビューのガーデンに会場を設営しておこなうウェディングです。
沖縄やハワイなど著名なリゾート地では、プロデュース会社によってビーチウェディングがすぐにできるよう、挙式施設やガーデンパーティ用の施設が整えられ、結婚式に必要なアイテムがすべて揃ったプランが用意されていることもあり、ある意味もっともメジャーなアウトドアウェディングとも言えます。
キャンプウェディング・グランピングウェディング
キャンプブームに伴い、キャンプ場をウェディングらしく装飾しておこなうキャンプウェディングの開催が急増しています。現在ではグランピング場など、より自然をムーディにラグジュアリーに楽しむ施設も増えているため、自然と一体になりながら、より快適にアウトドアウェディングを楽しむこともできるでしょう。
フェスウェディンク
高原やキャンプ場などを会場に、音楽イベントやフェスをイメージしたウェディングを計画するカップルも増えています。キャンプ設営はゲストがそれぞれおこない、泊りがけで音楽とパーティを新郎新婦と楽しむなど、楽しみ方はアイデア次第です。
バーベキューウェディング
郊外や都市内にあるバーベキュー場をウェディングの会場にして、バーベキュースタイルの結婚式をおこなうのが一般的ですが、バーベキュー設備のあるホテルやレストラン、カフェなどを会場にしておこなうなど、こちらもさまざまなアイデアがあります。
演出としてシェフの代わりにバーベキューマイスターを招聘したり、食材を地元のものや取り寄せ食材などでとことんこだわったり、さまざまなイベントや楽しみ方が考えられます。
テントウェディング
高原や湖畔にテントを設営し、本格的なラスティックウェディングを楽しむスタイルです。多少の小雨程度なら決行できることや、設備がなくてもテントを立てればどんな場所でも会場として機能するため、本格的な自然を満喫しながらの会食ウェディングが楽しめます。
登山ウェディング
山小屋や山の頂上を挙式会場として、本格登山を楽しみながら結婚式を執り行うアイデアも。登山ウェディングの歴史は実は日本では古く、昭和の登山ブームには登山ウェディングをおこなったカップルも多くいるのです。
アウトドアウェディングに適している時期。雨天の場合の対応は?
アウトドアウェディングは屋内とは違い、快適に過ごすには天候や気候に大きく左右されます。計画するには雨天日が少なく、アウトドアでも快適に過ごせるシーズンを地域に合わせて調べる必要があります。
例えば北海道や東北地域と太平洋側の南部の地域では屋外で過ごすのに適した時期は大きく異なりますし、山間部と平野部でも変わります。
遠方でも盆地や高原など雨天が少ない地域に会場を考える人も多いのです。
アウトドアウェディングに適した時期
日本全体で雨が少なく気候がよいとされる4月下旬~6月上旬、9月下旬~11月初旬までが、一般的にアウトドアウェディングに適している時期と言えそうです。
ただし、近年では温暖化による気候や気温の変動が大きく、台風到来シーズンにも変化が見られます。会場となる地域に詳しい専門知識をもつ人や、担当となるウェディングプランナーの意見を確認してから開催時期を計画することをおすすめします。
アウトドアウェディングの雨天対策や代案例
どんなに晴れ日を予測し、完璧なアウトドアウェディングを準備しても、天候だけは本当に読めない部分が大きいです。そのため、当日雨天だった場合のことも予測して、雨天用のプランや対応策を講じておくのが一般的です。
雨天対策としてすぐ近隣に別途会食の楽しめる屋内会場を押さえておくことが多いのですが、会場に選んだ場所次第では小雨程度なら決行したり、雨を活かしたパーティにする、延期するなど代案アイデアがあります。
アウトドアのウェディングプロデュースに詳しいプランナーに相談しつつ、雨天対策も整えましょう。
アウトドアウェディングの費用相場。パーティ規模や依頼先によって異なる
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アウトドアウェディングの費用は、オリジナル要素を多分に含んでいるため、一般的な結婚式の費用相場とは、必要な費用や見積り方法が多少異なる場合があります。
アウトドアウェディングのゲスト数は新郎新婦の希望によりさまざま
着席数が限られてしまう室内と異なり、屋外を結婚式会場にする場合、10人程度の少人数でも100人規模の大人数でもさほど収容人数の制限はさほどありません。
そのため、インターネットで検索すると、アウトドアウェディングの開催事例は大人数ゲストで見かけることが多いのですが、もちろん50~60名程度の中規模開催や、20人程度の少人数アウトドアウェディングを計画するカップルも多くいます。
アウトドアウェディングで通常の結婚式より費用がかかるポイント
アウトドアウェディングに必要な費用相場は、ゲスト数に応じて一般的な結婚式を計画する場合の費用と、さほど変わりはないと考えられます。
ただ、通常の結婚式のプラン料金の相場と異なり、ふたりのこだわりやオリジナル度を追及することが多いため、会場設営費用と装飾プロデュース費用が、一般の結婚式よりも増加するケースが多いでしょう。
【アウトドアウェディングで必要な特殊な費用例】
・プロデュース料金
・会場設営料金
・設備レンタル料金 …など
費用見積りと予算に対する調整は依頼先により異なる
一般的なアウトドアウェディングの費用は、ふたりがどのような結婚式を挙げたいかという希望と、ふたりが捻出可能な予算を踏まえ、依頼先のフリーのウェディングプランナーやプロデュース会社が見積りを立ててくれ、ふたりの予算内に調整してくれるのが一般的です。
プロデュース会社に依頼する場合の費用
アウトドアウェディングが快適にできるような施設(キャンプ場やグランピング場、ガーデンをもつレストランなど)は、すでにプロデュース会社とし提携しているケースも多く、自分たちで施設を探して問い合わせをすると、提携プロデュース会社が仲介に入るケースもあります。
プロデュース会社に依頼する場合は、自分たちの希望を組織力を活かして反映してくれるため、装花やオリジナリティにこだわったウェディングも予算次第でスムーズに叶えることができます。ただ、こだわりが簡単に叶えられるぶん、費用は若干高くなる傾向です。
フリーのウェディングプランナーに依頼する場合の費用
フリープランナーは組織や法人に属していないため、費用面や会場紹介の面で制約がなく、等身大のラスティックウェディングのプランをカウンセリングをもとに実現してくれます。
特に会場選びに関して強い希望がある場合、その土地に住むフリープランナーに相談すれば、専門的な情報や知識を活かして、組織やノルマに囚われない自由な発想から、さまざまなプランや演出アイデアを提案してくれることが期待できるでしょう。
会場設営や設備レンタルの業者なども、すべてひとつひとつ新郎新婦と相談して決めるため、費用面では一般的な費用相場に比べ安価であることが多いのですが、その分準備の打合せ回数が多くなり時間がかかるといった面もあります。
自分たちの自己手配、自己プロデュースでおこなう場合
会場探しからパーティの企画、装飾や演出の計画まで、ふたりですべて自己プロデュース、自己手配で行うことも可能です。
費用面でも人に依頼しないぶん、実費負担とサービス面の人件費のみでパーティがおこなえるため、費用は実費負担のみと考えることができます。
ただし、パーティプロデュースの専門的な知識がない場合や装飾や演出の専門的な知識がない場合は、会場となる場所の使用許可を得るための知識やパーティのための知識をすべて自分で調べながらウェディングを計画準備していくことが予想されます。
また、設営や設備レンタルなどは、業者に依頼する際に相場を知らなかったり人脈がないと、相場より高くついてしまうケースも。準備には時間も手間もかなりかかることを予測して早めに動き始めたほうが良いでしょう。
アウトドアウェディングでの新郎新婦の服装。衣裳、髪型のポイント
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アウトドアウェディングの最大の魅力は、ゲストと距離感近く、アットホームに過ごせる空間であること。そのため、新郎新婦は動き回ることも多く、ゲストの人々に囲まれ触れあう場面も多いでしょう。
ドレスやスーツは動きやすいシンプルなデザインが主流
花嫁の衣裳は、屋外で自然豊かなロケーションに合わせたナチュラルテイストのドレスや、動きやすいスレンダーラインやトレーンが長すぎないドレスが好まれます。よりゲストと気を距離を近くしたいと、白やきなりのワンピースを選ぶことも。
また、新郎の衣裳もタキシードやスーツ以外に、カジュアルスーツやジャケパンスタイルといったきれい目ラフで遊び心のあるスタイルも人気です。
髪型やメイクは屋外であることを考慮して乱れないよう注意を
アウトドアウエディングは基本的には屋外であり、介添えも依頼しないとつかないケースもあります。そのため、花嫁のヘアメイクは野外でも乱れづらい、崩れにくいヘアメイクにするよう配慮が大切です。
特に風で乱れてもいいようまとめ髪にしたり、逆に乱れても問題のないナチュラルテイストのおろし髪にするなど、さまざまなアイデアが。
また、夏の暑い時期には汗で崩れづらい化粧品を選ぶ、日焼け止めをしっかりと塗るなど、暑さと日焼け対策も万全に。
アウトドアウェディングでのゲストの服装。ドレスコードを指定する配慮を
アウトドアウェディングは、一般的な人たちにはまだ馴染みがない結婚式でもあるため、どのような服装で来てほしいのか、ゲストの心労や負担にならぬよう、主催者である新郎新婦側からドレスコードや服装のテイストを伝える配慮が必要です。
アウトドアウェディングのゲストの服装やドレスコード指定例としては、ゲストの大半が持っていそうなデニムコーデを指定したり、スニーカー着用をお願いしたり…というアイデアも多いのです。
また、海外では一般的な、新郎新婦と付き添いの親しいゲストがお揃いの服装をするグルームズマン(アッシャー)やブライズメイドを取り入れるケースも。
ゲストにどのような服装で来てほしいかをお願いする際の伝え方で迷ってしまう場合には、担当のウェディングプランナーによく相談しましょう。
まとめ
アウトドアウェディングの魅力とメリットを確認して計画を始めよう
アウトドアウェディングは、さまざまな魅力とメリットをもつ結婚式ですが、祖父母のような高齢者や身体に気を付けなければいれない人を招待したい場合には、設備やアクセスに注意しなければならないなど、ゲストのもてなし面で配慮すべき点も多くあります。
できれば結婚式の専門家に依頼し、相談しながら計画を進めることがおすすめです。
ふたりもゲストも心から楽しめる結婚式を計画しましょう。