自宅結婚式(家婚式、自宅ウェディング)とは?コロナ禍で注目される挙式パーティの流れや内容、費用相場の考え方などを紹介

自宅結婚式(家婚式とも)とは、自宅でおこなう挙式やウェディングパーティのこと。もともと「祝言」などに代表される日本の伝統的なウェディングスタイルです。コロナ禍で結婚式の様式が制限されつつあるなか、感染対策に注力しつつ、結婚式の原点に立ち返る意味ある結婚式のスタイルとして支持され、再び注目を集めているのです。欧米では「ホームウェディングスタイル」としてもポピュラーなウェディングスタイル。どのような流れで依頼し、計画すれば良いのでしょうか。気になる費用面や実現できる結婚式の流れとは?自宅結婚式の基礎知識を詳しく解説します。

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コロナ禍で注目!自宅結婚式とは?(家婚式、自宅ウェディングとも)

コロナ禍で注目の自宅結婚式とは

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ふたりの結婚への決意と、自分たちの大切な人との絆を確かめあう場として、自宅を結婚式会場として選び、『自宅結婚式(家婚式とも自宅ウェディングとも呼ぶことも)』を挙げるカップルが少しづつ増加しています。

自宅結婚式とは

自宅結婚式とは、その名の通り、結婚式の挙式会場やパーティ会場を、自宅や自宅の庭を利用し、装飾しておこなうアットホームな結婚式のスタイルのこと。
ひと昔前の日本では、新郎側(地域によっては新婦側)の実家で結婚式を挙げる「家婚式」スタイルは、明治時代以前の日本では一般的な婚礼スタイルでした。神社挙式が一般人に浸透したのは明治~大正時代あたりからになるのです。
それ以前は、両家の家族、親族、縁の深い人々が新郎側の自宅に集い、それらの人々の前で結婚を誓う人前挙式「祝言」を挙げ、ご先祖様に結婚を報告し、祝いの膳を囲んで結婚をお祝いするのが日本の伝統的な結婚式でした。
欧米で人気の『ホームウェディング』スタイルも同様に現在人気が急上昇。自宅やガーデン、自分たちが所有する農園などを装飾し、結婚式の会場にする『ホームウェディングスタイル』は、外国では昔から現代まで、ポピュラーなウェディングスタイルなのです。

自宅で結婚式をおこなう現代の『自宅結婚式』の魅力

自宅をウェディング会場にしておこなう『自宅結婚式』には、現在では一般的なホテルや専門式場とは違うさまざまな魅力やメリットがあります。
例えば、家族や親族、友人などの大切なゲストはもちろん、今まで自分たちの成長を見守ってくれた、実家の周辺に住む近所の方々からも温かな祝福を受けることができること。
ふたりの人生を支えてきた場所、これからの新しい人生を紡ぐ場所で、これからも大切にしたい人たちと新たな時間と思い出を共有できること。
自然体のふたりのままで、ゲストもリラックスして、アットホームな特別な時間を過ごすことができるのです。

コロナ禍を通じて見直される自宅結婚式の大きなメリット

コロナ禍のいま「結婚式はフォーマルな会場を用意し派手な演出で大勢のゲストを招待する」スタイルの計画が難しくなり、延期や中止が相次ぎました。
しかし自宅であれば、不特定多数の人は基本的に招くことありません。特に地方であれば広い敷地や庭をもつ自宅も多いでしょう。開放的な空間で3密を防ぎ、それなりの人数のゲストをおもてなしすることも可能です。コロナ禍で外出や遠出ができない祖父母など高齢ゲストがいる場合も、自宅なら移動が少なく、感染対策をしながら参加しやすくなります。
ゲストのほとんどが気兼ねない関係性のため、消毒や感染防止対策もしやすく、比較的安心して集まれるという点でもメリットが大きいでしょう。

自宅結婚式の内容。挙式・演出はどのような内容になる?

自宅結婚式

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自宅結婚式は、ホテルやゲストハウスでおこなうような結婚式と異なり、挙式や披露パーティのすべてを自宅でおこなうわけではありません。挙式は神社や教会などに依頼して執り行い、披露パーティと会食のみ自宅でおこなうなど、結婚式の内容は自分たちでプランを計画できるのも大きな魅力とメリットであると言えるでしょう。

ゲストの顔ぶれは親族と親しい知人が中心。平均ゲスト数は10名~40名程度

自宅結婚式は、自宅や所有する物件の敷地の広さによってゲストの招待範囲が変わりますが、今まで育ててくれた両家の親や祖父母、一緒に過ごしてきた兄弟姉妹、ずっと成長を見守ってくれた親族や身近な人…そんな本当に大切な家族のみ、親族のみ、身内のみの少人数をゲストとして招待するスタイルが主流です。

【家族のみ、親族のみ、身内のみの結婚式のゲストの招待範囲の目安】
・ゲスト数4名以下…両家の親のみ
・ゲスト数10名以下…両家親、兄弟姉妹、祖父母など一緒に暮らしている家族のみ
・ゲスト数10~20名…両家家族と特に付き合いのある親族のみ
・ゲスト数20~40名…両家家族、親族、親しく付き合いのある友人知人など身内のみ

自宅結婚式の挙式は挙式会場をどこで行うかで形式は異なる

自宅結婚式では、挙式はどのような挙式を挙げたいかによって、挙式会場を選ぶことになります。

自宅で挙式をおこなう場合は人前式が主に

自宅で挙式をおこなう場合は、ゲストに結婚を宣誓する人前式を選択るスタイルが主になります。親族や身内が一同に介しての日本の伝統的な挙式スタイルである祝言や、祭壇を設営しておこなうチャペル風の人前式など自由なスタイルでの挙式が執り行えます。

神社、教会、チャペル、寺など、挙式会場は別でおこなう

自宅でおこなう披露パーティの前に、挙式のみを神社、教会、チャペル、寺などに依頼して執り行うことも可能です。招待ゲストには直接挙式会場に来てもらうか、マイクロバスやタクシーなどをチャーターして皆で移動するか、などの手配が必要です。また、挙式日と披露パーティを別日で設定し計画することもあります。

自宅結婚式での披露パーティは会食と歓談が中心の内容

自宅結婚式では、披露パーティを自宅や庭、所有する農園などで計画するスタイルが主流となります。パーティや余興などの大がかりな設備が整うホテルや専門式場とはことなり、基本的には自宅にある家庭用設備や、レンタル可能な設備を利用してのパーティを計画するため、大がかりで派手な演出ではなく、料理と歓談中心のシンプルでアットホームなスタイルのパーティ内容が主流です。

自宅の中を会場として装飾しおこなう披露宴

自宅にあるものや、足りない場合は機材や備品をレンタルし、装飾や装花で自宅を飾りつけして結婚式を楽しみます。どの程度装飾するかはホストと家族の結婚式へのこだわり具合にもよりますが、テントを設営して自宅の庭や農場でガーデンウェディングを楽しむなど、さまざまな自由なアイデアで会場装飾を楽しむことが可能です。

演出や余興は少ない傾向。会食と歓談が中心のアットホームな内容

大がかりな演出はあまり行わず、歓談と会食が中心の流れになります。用意する演出は歓談が弾むよう、ゲストとの交流をまとめたフォトアルバムや動画ムービーを作成して上映したり、ゲストに依頼しての演奏など、会話が弾むための仕掛けのような演出が選ばれます。

料理の提供方法はケータリングやシェフを招待などさまざまな方法がある

自宅結婚式を計画する際、演出面で特に重視する傾向のある料理の提供方法は、自宅にある設備やパーティの形態に合わせてさまざまなアイデアがあります。
パーティ用のケータリングを利用したり、コース料理を振る舞うためにシェフに出張を依頼したり、料理の一部に自分たちで手作りしたものを振る舞うなど、自分たちのアイデアを費用面に併せて自由に反映させることが可能です。

自宅結婚式の流れは?プログラムとタイムテーブル例を紹介

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自宅結婚式のプログラムは、自宅でできることとあわせて、さまざまな流れや内容を盛り込むことができますし、会場の使用時間が限られているいっぱんてきな会場と異なり、開始や終了時間含め、時間の使い方はとにかく自由です。

挙式も披露パーティも自宅でおこなう場合

【プログラム例】
・1:00~12:00
人前挙式。自宅の庭にアーチを作成し立会人を招いての人前挙式
・12:00~12:30
アペリティフタイム。ゲストはそのまま庭で飲物やケータリングのフィンガーフードを楽しんでもらう。新郎新婦は簡単なお色直し
・13:00~15:00
自宅内で披露パーティ。自宅内でコース料理を振る舞う。途中ガーデンを開放し、簡単なゲームを楽しんだりデザートビュッフェを用意
・15:00~15:30
お開き&お見送り。自宅の庭で記念撮影後、ゲスト1人ひとりに引き出物を手渡しお見送り

挙式会場は自宅以外で披露パーティのみ自宅でおこなう場合

【プログラム例】
・11:00~12:00
神社で神前式。挙式後に記念撮影。
・12:00~12:30
ゲストは用意されたバスで会場となる自宅に移動。
・13:00~15:00
披露パーティ開始。自宅の庭で歓談中心のガーデンウェディング。
・15:00~15:30
自宅での記念撮影後にお開き&お見送り。
・16:00~18:00
残ったゲストや途中参加のゲストと庭と室内を開放してアフターパーティ。

ゲストを変え日程を変え会場を変更する「二部制ウェディング」を取り入れる場合

【プログラム例】
一回目 自宅の和室で親族のみで和装で祝言。挙式後はそのまま和室で和食をいただき会食
二回目 自宅所有の農園を利用して友人たちと洋装でガーデンパーティ。

自宅結婚式のプランはどこに依頼?実績あるプランナーやプロデュース会社がおすすめ

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自宅結婚式は自分たちだけで準備することも可能ですが、10人以上のゲストを招待して人生の節目のイベントを計画すると考えると、ウェディング分野に精通したプロの手を借り、相談しながら準備を進めることがおすすめです。本格的なパーティプロデュースの経験のない人だけで準備してしまうと、単なる飲み会や親戚の集まりと変わりない会食になってしまうことも。
一部分やポイントだけでも、プロの手を借りてウェディングプランを計画して進めることが実現と成功への近道です。

自宅結婚式をフリーランスのウェディングプランナーに依頼するメリット

現在注目を集めている、ウェディング準備の新しい手段のひとつが「フリーランスのウェディングプランナー」への依頼です。会場装飾やゲスト招待のために必要な備品の手配、演出やプログラムへのアドバイス、設営のための準備など、ふたりの意見を実現してくれます。また、費用面でもふたりの予算内でおさまるよう、アイテムなども調整してくれるため、結婚式費用の使いすぎなどの心配もありません。
できるだけ自分たちで準備を行いたいが、準備の一部だけを手伝ってもらう「ポイントプロデュース」にも柔軟に対応してくれるため、自宅結婚式のような自由度の高い結婚式プランを依頼するにはおすすめです。

自宅結婚式をプロデュース会社に依頼するメリット

組織としてウェディングプランを引き受けてくれるため、自宅でのウェディングとは思えぬクオリティの高さで、結婚式の実現も可能です。費用相場はふたりのこだわりによって高くなるケースもありますが、できれば準備の負担や期間を軽減したいと考えている方は、安心して依頼することができるでしょう。

自宅結婚式の費用相場は?規模やこだわりによって異なる

自宅結婚式

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自宅結婚式に必要な費用は、その家の形態やパーティに必要となるものの準備、ゲスト数によって異なるため、一般的な結婚式と同じような明確な費用相場を出すのが難しい部分もあります。

自宅結婚式の費用相場は一般的な結婚式に比較して安くなる傾向

自宅結婚式を計画する場合、一般的な結婚式で必要になる会場使用料金や、新郎新婦が負担する費用である持ち込み料金は自宅を会場にするため不要です。
その他のアイテムの手配やカメラマンや料理の手配も、会場を介してのマージンを取られることがないため、結婚式会場が提示する料金に比べると安く手配することができるメリットがあり、同人数のゲスト招待を考えた際の結婚式の費用相場と比較すると、安くおさまる傾向にあります。また、一般的な結婚式の費用に組み込まれているサービスでも「不必要」と思うものは自由に省くことができるため、納得のいくプランを計画できます。

自宅結婚式の費用相場の目安は一般的な結婚式の費用相場を参考に

自宅結婚式の費用相場は、ゲスト数に応じて、まずは一般的な結婚式にかかる費用相場を参考にして、費用の安い、高いを判断すると良いでしょう。

【少人数結婚式の一般的な費用相場目安】
・30人未満の一般的な結婚式の費用相場…150万~200万円
・30人~40人程度の結婚式の費用相場…200万~250万円

データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ

自宅結婚式の費用が値上がりするポイント

自宅結婚式の費用のメリットは、自宅を会場として利用するため、自分たちのこだわりに応じた費用調整がある程度自由に可能なことです。シンプルな結婚式であれば費用は当然非常に安く抑えられますが、こだわりを実現しようとする場合は、設備のレンタル費用は装飾費用がすべて実費負担になりますし、依頼先のプロデュース費用などは依頼先をどこにするかでも大きく異なります。まずは初回の無料カウンセリングなどを利用し、しっかり話を聞いた上で依頼するかを検討する必要があるでしょう。

【自宅結婚式で通常の結婚式よりも費用料金が上がる可能性がある項目】
・設備費、設営費
・プロデュース費
・装飾費 …など

まとめ

自宅結婚式の魅力とメリットはこれからの時代の価値観に大きくマッチ

自宅結婚式は、家族や親しい人とのの絆を感じられるウエディングスタイルであり、自分たちの大切なもの、必要なものだけに費用をかけ、自由度の高い結婚式を実現できるアットホームなウェディングスタイルです。結婚式の原点となる意味を追及しながら、現代の感覚にもマッチしたウェディングスタイルと考えることができるでしょう。
魅力がたくさんある自宅でのウェディングを、ぜひ検討に加えてみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター

結婚式準備.com編集部

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