結婚祝いの贈り物、守るべきマナーとは?
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大切な人から結婚の報告を受けたら、ふたりの新たな生活を応援する結婚祝いの贈り物を考る人も少なくないでしょう。そんな時気になるのが、贈るタイミングや贈り物の相場について。ふたりが結婚式を挙げるのか、自分は招待されるか、ご祝儀を贈るかどうかによって、贈り物を贈るタイミングや相場は変わってきます。
また、贈り物にふさわしいのしの選び方、表書きの書き方も、いざとなると悩むもの。贈り物を選び始めると、喜ばれる品や贈ってはいけないNGギフトがあるのかも気になりだすのではないでしょうか。
結婚祝いの贈り物で守るべきマナーについて、喜ばれる贈り物と併せてご紹介します。
結婚祝いの贈り物を贈るまたは渡す時期
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結婚祝いを贈る際の正式なマナーとしては、大安や先勝の吉日の午前中に、贈る相手の家を訪問し、直接手渡しで贈るものとされています。しかし現代では直接訪問する時間をとることは難しく、いつまでに贈るれば失礼がないのか、贈る時期がマナーとして重視されています。
招待状いただいたら、遅くとも挙式の1週間前までに
結婚祝いの贈り物は、一般的に結婚式の招待状をいただいてから贈るものとされています。招待状をいただく前に贈ると、結婚式への招待を催促しているように受け取られ兼ねないためです。入籍を先に済ませ結婚式まで時間が空いている場合でも、招待状が届くのを待ちましょう。
結婚式の準備で忙しい二人に負担をかけないよう、結婚式当日の1~2ヵ月前を目安に、遅くとも挙式1週間前までには贈るようにしましょう。手渡しができるとベストですが、遠方やお互いに多忙な場合などは送付してもOKです。
結婚式に参列できない場合も結婚式当日の1週間前までに贈るのがマナーですが、1~2ヵ月前のできる限り早いタイミングで贈れると好印象です。可能であれば手渡しし直接お祝いの言葉を伝えられるとよいですね。
結婚式に招待されていないなら、挙式後1ヵ月後後を目安に
結婚式に招待されていないのに、結婚式前に結婚祝いの贈り物を贈ると、招待しなかったことへの申し訳なさを新郎新婦に感じさせてしまうこともあります。今は家族婚など少人数での結婚式も主流のため、招待されないこと自体はよくあること。新郎新婦に余計な気遣いをさせないよう、結婚式に招待されていない場合は、結婚式の1ヵ月後を目安に贈ると無難です。
入籍のみ、挙式日未定の場合は、入籍報告後1ヵ月以内に
今では結婚式を挙げないカップルや、結婚式を挙げたいけど時期は未定、というカップルも少なくありません。先に入籍を済ませ入籍報告や結婚報告を受けたときは、報告を直接受けてから1ヵ月以内に贈りましょう。
なお、入籍日を事前に報告を受けていてその日まで日にちがあり、結婚式を挙げないことが決まっているのなら、入籍日の1週間前までに贈るのが一般的なマナーとされています。
贈り物の相場、どう考える?
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結婚祝いの贈り物を贈るとき気になるのが、贈り物の相場。結婚式に出席しご祝儀を持参する場合や結婚式には出席しない、または入籍のみで贈り物だけ贈る場合など、ケースによって考え方が変わってきます。それぞれのケースでみていきましょう。
ご祝儀の相場をおさらい
一般的なご祝儀の相場は3万円~5万円といわれています。ただし、新郎新婦との関係性や自身の年齢、立場によって金額は変わります。友達や会社の同僚なら3万円~5万円、親族なら3万円~10万と自身の年齢によって幅があり、夫婦で結婚式に出席するかどうかによっても変わってきます。
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ご祝儀+贈り物のときの贈り物の相場
ご祝儀と贈り物の両方を贈る場合、贈り物の相場は下記のように考えるとよいでしょう。
「ご祝儀」+「贈り物」=「贈り物を贈らなかった場合のご祝儀の金額」
ご祝儀の一般的な相場から考えると、友達の場合は「ご祝儀2万円+贈り物1万円=合計3万円」、親族の場合は「ご祝儀3万円+贈り物2万円=5万円」というふうに考えてみましょう。
贈り物のみの相場
結婚式に参列しない場合や、新郎新婦が結婚式を挙げない場合などは、結婚祝いの贈り物だけを贈るケースも少なくありません。贈り物だけを贈る場合は、1~2万円を目安に選ぶと、新郎新婦の気持ち的な負担になりにくく、喜んでもらえるでしょう。
結婚式に招待していない人から高額な贈り物を贈られると、招待しなかったことへの後ろめたさを感じてしまうもの。新婚のふたりに余計な気遣いをさせないよう、高すぎないものを選ぶのがベストです。
贈り物につける『のし』のマナー
お祝いの贈り物には、『のし』をつけて贈るのがマナーです。結婚祝いの贈り物には、紅白、またはより格式が高いとされる金銀の水引を施したのしを選びましょう。
水引は「結び切り」または「あわじ結び」
結婚祝いの贈り物ののしには、「結び切り」または「あわじ結び」の水引を選びます。「結び切り」は水引を堅結び(細結び)にしたもので、一度結ぶとほどけないことから「一度きりのお祝い」の意味が込められています。
「あわじ結び」も「結び切り」と同じく、一度結ぶとほどくことが難しいことから、結婚祝いの贈り物やご祝儀袋によく施されています。
お祝い事ののしによく使われる「蝶結び」の水引は、簡単にほどくことができ、何度でも結びなおすことができることから、出産祝いなどの「何度あっても喜ばしいこと」のお祝いの際に使用します。結婚祝いにはふさわしくないため、注意しましょう。
表書きは「御祝」や「寿」
水引の上の部分には、贈り物の意図を示します。結婚祝いの贈り物には、「御祝」や「寿」、より丁寧に「御結婚御祝」と書くのが一般的です。
水引の下の部分には、贈り主の名前を名入れします。名前は苗字だけでも、フルネームでもOK。夫婦連名の場合は苗字を2回書かないよう、中央に夫のフルネームを書き、左側に妻の名前のみを書きます。
職場仲間や友達たちと一緒に贈り物を贈るときも、3人以内なら全員のフルネームを連名で記載します。職場仲間で贈る場合は役職や年齢の高い順に、友達で贈る場合は五十音順で名入れします。
4人以上で贈り物を贈るときは、代表者1名のフルネームを中央に書き、左側に「他一同」「友達一同」などと書きます。
なお、手渡しで贈る場合は送り主がわかるため、名入れなしでもOKです。
結婚祝いの贈り物ののしは「外のし」
結婚祝いの贈り物は、包装の上からつける「外のし」がマナー。贈り物の意図や送り主が一目でわかるため、といわれています。
贈り物を発送する場合でも、外のしをつけた状態で外装の箱などに入れて贈れば大丈夫。業者から新郎新婦の元へ直送する場合でも、箱などに入れた状態で送ってくれる業者がほとんどです。
喜ばれギフトとNGな贈り物
結婚祝いの贈り物は、新郎新婦ふたりの立場を考えながら選びましょう。新生活に必要なもの、自分たちではなかなか買わないものなどが喜ばれギフトとして選ばれる傾向にあります。
結婚祝いで喜ばれる贈り物
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食器やペアグラス
新生活の食卓に欠かせない食器類や、お酒好き夫婦に人気のペアグラス。高級ブランドのちょっとした食器やティーカップセットなどは来客用にも使いやすく、喜ばれギフトとして人気です。箸置きとセットになった「夫婦箸」もおしゃれ!
家電品
家電品と聞くと高そうなイメージがありますが、「あるとちょっと便利」な家電選びが正解。職場仲間や友達一同で一緒に贈る贈り物としても選ばれやすいです。
共働き家庭なら時短調理に便利なフードプロセッサーやホットプレート、子どもができても活用できるミキサーなどはおしゃれなものも揃っていて王道人気。綺麗好き夫婦には空気清浄機や掃除機も喜ばれそうですね。
カタログギフト
何を贈ろうか迷ったときに便利なのが、カタログギフト。年代によっては違和感を持たれてしまう場合もあるようですが、新郎新婦と親しい間柄であれば、ふたりの趣味や好みを知っているからこそ、ふたりで楽しく選んでもらえるカタログギフトを贈ることができます。
王道のカタログギフトほかにも、スイーツや肉、グルメに特化した食べ物系もあれば、温泉やクルージング、体験ギフトなど、その種類は多種多様!ふたりの姿を想像しながら楽しく選べそうですね。
結婚祝いに不向きなNGな贈り物
結婚祝いの贈り物を選ぶとき気を知っておきたいのが、昔からタブーとされているNGな贈り物。一見便利なアイテムでも間違って選ぶことのないよう、頭に入れておきましょう。
ハサミや包丁などの刃物
キッチンバサミや包丁はキッチン用品として便利アイテムですが、刃物は「縁が切れる」を連想させるため、お祝い事の贈り物にはタブーとされています。
日本茶
日本茶は弔事の際に使われることが多いため、お祝い事には不向き。お茶を贈りたいなら、紅茶やコーヒーなどを選びましょう。
ハンカチ
漢字で「手巾」と書くハンカチ。「手切れ」を連想させ「別れ」「縁切り」を思わせるため、お祝い事の贈り物には避けるのが無難です。
4、6、9の数字や偶数
食器やカトラリーセットなど、複数個でセットの贈り物を選ぶときに気を付けたいのが、セットの数。割り切れる偶数や縁起が悪いとされている4、6、9個セットのものは避けましょう。ただし、8は末広がり、10は5の倍数で縁起がよく、ペアや12個(1ダース)など区切りのよい数字も問題ないとされています。
まとめ
マナーに沿った、心のこもった贈り物を
結婚祝いの贈り物には、贈るタイミングや贈り物の相場、贈り物に施すのし、NGギフトにいたるまで、細かな決まりが存在します。どれも新婚のふたりを祝うための、大切なマナー。一社会人としてしっかり守れるよう、確認しておきましょう。
昔は結婚祝いの贈り物に割れ物である食器やグラス、消え物である食べ物は縁起が悪いとされていましたが、現在では丁寧な梱包や多様なグルメ、おしゃれなスイーツが増えたこともあり、贈り物のジャンルの幅も広がりました。新郎新婦に喜んでもらえる、ふたりの新生活にちょっとした彩りを添えられるギフトを贈れるとよいですね。