友人・主賓・上司の結婚式スピーチの書き方
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新郎新婦を祝福するゲスト(友人・主賓・上司)としてスピーチを考える際、基本的な構成は次のようになります。
- 新郎新婦へのお祝いの言葉
- スピーチする人の自己紹介
- 新郎新婦の人柄やエピソード
- 新郎新婦へのメッセージ
- 結び
それぞれのポイントを解説していきましょう。
新郎新婦へのお祝いの言葉
スピーチの冒頭は、まず新郎新婦、両家へのお祝いの言葉を述べます。
「○○家、●●家、ご両家の皆様本日は誠におめでとうございます」
「本日は、誠におめでとうございます」
明るく爽やかに、お祝いの場にふさわしい第一声からスタートしましょう。もし、新郎新婦が起立した状態ならば、着席を促す一言を添えると親切です。
スピーチする人の自己紹介
お祝いの言葉の次は、自分と新郎新婦との関係を踏まえつつ自己紹介をしましょう。
「ただいま、司会の方よりご紹介にあずかりました、新郎○○くんの勤務先である○○社○○部で上司をしております○○と申します」
「新婦○○さんと同じ会社に勤務しております、○○株式会社の○○と申します」
簡単な自己紹介の後、周りのゲストへの配慮を見せると好印象です。
「誠に僭越ではございますが、お祝いの言葉を申し上げたいと思います」
「僭越ながら、一言お祝いの言葉を述べさせていただきたいと思います」
新郎新婦の人柄やエピソード
前置きが済んだら、新郎新婦とのエピソードを具体的に挙げましょう。おふたりの人柄がわかる内容で、自分だけが知っているエピソードを話すことで笑顔がこぼれたり場が和んだり、ステキなスピーチになるでしょう。
ただし、エピソードは「褒める内容」であることがポイントです。
「夫婦円満の秘訣は“3つの袋”です」というような定番のネタは、他の人と被ってしまったり、若い人には退屈な話だったりすることも。ゲストの顔ぶれを見ながら話題を選ぶようにしてください。
新郎新婦へのメッセージ
エピソードを話し終えたら、新郎新婦の新生活を応援するメッセージを贈りましょう。
「末永くお幸せに!」
「これからもよろしくね」
「あたたかい家庭を築いてください」
など、簡単な言葉でかまいません。
結び
スピーチの最後には、締めの言葉を添えてください。
「簡単ではございますが、お祝いの言葉とさせていただきます」
「長くなりまして恐縮でございます。これをもちまして、おふたりへのお祝いの言葉とさせていただきます」
など、「私のお祝いの言葉はここまでです」と伝える言葉だけでなく、
「本日は誠におめでとうございます」
とお祝いの言葉で締めくくるのも良いでしょう。
新郎父の結婚式スピーチの書き方
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新郎の父としてのスピーチは、
- 新郎父の自己紹介
- ゲストへの謝辞
- 新郎新婦の人柄やエピソード
- 新郎新婦へのメッセージ
- 結び
の流れで考えましょう。それぞれのポイントは次のとおりです。
新郎父の自己紹介
新郎父のスピーチは、自己紹介から入ります。
「新郎の父、○○でございます」
「ただいまご紹介にあずかりました、新郎の父○○でございます」
など、簡単な自己紹介で構いません。
ただし、新郎父のスピーチは披露宴の終盤、新郎挨拶前のタイミングです。“花嫁の手紙”や記念品贈呈などの後で感動の涙の中、両家の代表として挨拶することになりますので、心して挨拶を行いましょう。
ゲストへの謝辞
新郎新婦について話を始める前に、ゲストへお礼を述べましょう。
「ご多用のなか、新郎○○と新婦○○のためにお運びいただき、心よりお礼申し上げます」
「(雨が降っていたら)お足もとの悪い中、2人のためにたくさんの方にお集まりいただきありがとうございます」
「本日は、皆様よりもったいないほどの祝福の言葉を頂戴し、親として大変うれしく思います」
「おかげさまで、新郎○○と新婦○○の結婚披露宴を滞りなく執り行うことができました。誠にありがとうございます」
新郎新婦の人柄やエピソード
ゲストへのお礼の後は、新郎新婦に関するエピソードを述べます。
「○○(新郎)は、内気でおとなしい子どもでしたが、幸いにもたくさんの友人に恵まれ明るく元気な子ども時代を過ごすことができました」
「○○は、仕事で不在がちな私の代わりに、長男として家族を守ってくれる優しい子どもでした」
「引っ込み思案なところがある○○(新郎)ですが、○○(新婦)さんという明るくおおらかな伴侶を得ることができ、親として大変嬉しく思います」
“褒める”のがスピーチの基本です。自分の子どもだからといって、けなしすぎることがないよう注意しましょう。
新郎新婦へのメッセージ
父親の立場から、新郎新婦へはなむけの言葉を贈りましょう。
「本日、皆さまから頂戴したお言葉をしっかりと胸に刻み、明るく幸せな家庭を築いていってほしいと思います」
「夫として家族を守りつつ、○○(新婦)さんと手を取り合ってあたたかな家庭を築いてほしいと願っております」
また、父親として、新郎新婦への力添えをゲストへお願いする言葉を添えると内容が引き締まります。
「まだまだ未熟な2人でございます。今後とも、どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
「若い2人でございます。皆様には、末永いおつきあいをお願い申し上げます」
結び
結びの言葉として、改めて結婚式に出席してくれたゲストへの感謝を述べるとよいでしょう。
「皆様のご健康とご繁栄をお祈り申し上げ、両家の挨拶とさせていただきます」
「本日は、誠にありがとうございました」
「○○(新郎)、○○(新婦)さん、末永くお幸せに!」
など、2人へのお祝いの言葉を添えてもOKです。
立場別の結婚式スピーチ例文
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基本的なスピーチについて解説してきましたが、ここでは、もう一歩踏み込んで立場別のスピーチ例文をご紹介します。
友人
○○くん、○○さん、ならびにご両家ご親族の皆様、本日は誠におめでとうございます。
小中高と、新郎と同じ学校に通っておりました同級生の○○と申します。
僭越ではございますが、友人を代表してご挨拶をさせていただきたいと思います。
新郎とは、小学校の同じクラスで隣同士の席になったことから仲良くなりました。お互いサッカーに興味があったことから同じサッカー部に入り、小中高とチームメイトとして、よきライバルとして学生時代を一緒に楽しく過ごさせてもらいました。
大学に進学してからは会う機会も減りましたが、新婦○○さんに出会った日、嬉しそうな声で連絡してきたときのことは今でもしっかり覚えています。
そんな、○○さんにゾッコンの○○くんですから、○○さんのことを絶対に幸せにできると確信しています。
○○さん、安心して○○くんについていってください。これからのおふたりの幸せを心より願っております。
長くなりましたが、これをもちまして私の挨拶とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
主賓
○○くん、○○さん、並びにご両家ご親族の皆様、本日は誠におめでとうございます。
○○株式会社の○○と申します。
本日はこのようなおめでたい席にお招きいただきましてありがとうございます。
はなはだ僭越ではございますが、ひとことご挨拶させていただきたいと思います。
○○くんがわが社に入社されたのは、今からちょうど5年前になります。スポーツマンらしい礼儀正しさと、物おじせずに話す大きな声が印象的で、数十名の新入社員の中でも特に目立つ存在だったように記憶しています。
当時は着慣れないスーツに戸惑っていたようでしたが、後輩に頼られ、先輩や取引先様にかわいがられ、今では見違えるほどスーツの似合う、わが社の期待の星に成長を遂げてくれました。これもひとえに、ご本人の努力はさることながらご家族の支えあってこその賜物だと思います。
そんな○○くんは、普段は温厚な性格ながら非常に負けず嫌いなところがありまして。思うようにできないことがあると自分から積極的に調べものをしたり勉強会に参加したりと、食事も時間も忘れて取り組んでしまうようです。そのため、彼の生活を把握してくれる伴侶が早く見つかると良いと心配しておりましたが、○○さんのような素晴らしい方がいたとは、非常に優秀だなと感じております。
○○さん、責任感があって仕事熱心な彼を叱咤激励しながら、支えていっていただけたらと思います。
長くなりましたが、 若いおふたりの末永いご多幸をお祈りいたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。 ありがとうございました。
上司
おふたり並びにご両家ご親族の皆様には、心よりお祝いを申し上げます。
ただいまご紹介にあずかりました、○○株式会社○○部で新郎○○くんの上司を務めさせていただいております○○と申します。
僭越ではございますが、ご指名いただきましたので、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
○○くんとは、彼が新入社員として私の部署に配属されてからの付合いで、今年で5年になります。同僚からの信頼も厚く、中堅となった現在は、後輩を引っ張っていくリーダーの役割を立派に果たしてくれています。
そんな○○くんですが、仕事のコツを掴むために、見えないところでかなりの努力をしていたようです。そのかいあって、粘り強く堅実に実績を上げていく○○くんの姿は、上司として大変頼もしく感じられるものでした。
今のご活躍があるのは、ご本人の努力の賜物であることはさることながら、ご家族の支えもあったことと思います。ご家族への感謝を忘れず、これからは新婦○○(新婦)さんとともに明るい家庭を築いていってくれることを願っています。
少々長くなりましたが、これをもちまして私の挨拶とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
新郎の父
ご多用の中、新郎○○、新婦○○の結婚披露宴にお運びいただき、心よりお礼申し上げます。新郎の父、○○でございます。
本日は2人に向けてたくさんの祝福の言葉を頂戴いたしまして、親として大変嬉しく、身の引き締まる思いを感じております。
○○は私にとっては長男にあたります。上2人が娘だったもので、待望の男の子としてあまり厳しく接することがなかったように思います。
それだけに、温厚で心優しい人間に育ってくれたのですが、少し引っ込み思案なところもありまして心配しておりました。「結婚したい」と○○さんを紹介してくれたときには、心から安堵したことを覚えています。
これからは、○○さんの夫として家庭を守る立場になるわけですが、朗らかながらも芯のある○○さんと手を取り合い、笑顔あふれる幸せな毎日を過ごしてほしいと願っております。
本日は、ご列席いただきまして誠にありがとうございました。
皆様のご健康とご繁栄をお祈り申し上げ、両家の挨拶とさせていただきます。
結婚式スピーチを考える際のマナー
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結婚式には、新郎新婦の親族や上司、友人など、さまざまな人が出席します。結婚式のスピーチマナーを守りつつ文章を考えましょう。
忌み言葉や重ね言葉は避ける
別れを連想させる言葉、繰り返す言葉、不吉な言葉などは、結婚式にはふさわしくありません。“忌み言葉”“重ね言葉”といわれる言葉を使用するのは避けましょう。
忌み言葉
終わる、別れる、離れる、戻る、解(ほど)ける、冷める、冷える、もめる、飽きる、衰える、捨てる、崩れる、逃げる、出す、おしまい、相次ぎ、悲しむ、無くす、失う、亡くなる、死ぬ、仏、葬式、しめやかに、散る、病気、痛い、焦る、褪せる、忙しい、去る、弔う、とんでもない、涙、流す、泣く、耐える、絶える、滅びる、失う、断る、負ける、敗れる、短い、破る、九(く)、四(し)、去る、壊す、最後、帰る、切る、割る、離婚、離縁、疎遠、疎んじる、嫌う、消す、薄い、欠ける…など。
重ね言葉
重ね重ね、重々、またまた、ますます、返す返す、しばしば、たびたび、時々、次々、どんどん、みるみる、くれぐれも、日々、わざわざ、たまたま…など。
新郎新婦が知られたくないことは話さない
自分しか知らないようなエピソードを話すと喜ばれるとはいえ、新郎新婦が秘密にしていること、知られたくないと思っているようなことは話してはいけません。
「よく、学校をサボって遊びに行ったことがあったよな」「男運がないと思っていたけれど、ステキな人に出会えてよかったね」など、そのつもりがなくても暴露話になってしまう可能性もありますので注意しましょう。
砕けすぎた内容にはしない
「花嫁姿、超キレイだよ」「あの時はマジあり得ないと思った」など、砕けすぎた内容や言葉遣いは避けましょう。
年配ゲストや新郎新婦の上司、親族など、幅広いゲストも安心して不快感なく聞くことができるように配慮してください。
自慢話は避ける
自分では新郎新婦を褒めているつもりでも、他人から聞くと自分の自慢話をしているように感じられてしまう場合もあります。人の結婚式で自分の自慢話を長々と聞かせることにならないよう、スピーチの内容ができたら冷静になって読み直してみましょう。
新郎新婦を褒める内容になっているかチェックしてみてください。
時間は5分以内におさめる
長すぎるスピーチは敬遠されます。話したいことがたくさんあっても内容を詰め込みすぎないよう気をつけましょう。
文字数目安は原稿用紙4枚以内、時間にすると、聞き取りやすい速さで話して5分以内におさまることが好ましいです。
結婚式当日、スピーチを成功させるために確認しておきたいこととは?
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ステキな文章を考えたとしても、当日のスピーチがうまくいかなければ成功とはいえません。スピーチを成功させるために次のポイントを確認しておきましょう。
スピーチのタイミングや前後の流れを確認する
スピーチを依頼される際、新郎新婦からどのタイミングで話をしてほしいのか説明されていると思います。しかし、直前でプログラムが変わったり、新郎新婦が勘違いしていたりする可能性もあるため、結婚式当日、ウェディングプランナーや司会者などに確認すると安心です。
名前を呼ばれて自分から前に出ていくのか、スタッフがマイクを運んできてくれるのかなど、自分の動きや流れも聞いておくと良いでしょう。
新郎新婦の名前や所属会社名など基本情報を確認する
「新婦の名前を、昔の彼女の名前で呼んでしまった」「田島(たしま)さんを“たじま”と呼んでしまった」など、名前の間違いは避けたいところ。両家親族もいるため気をつけましょう。また、新郎新婦の所属する会社名などの基本情報も入念にチェックしてください。
いつもはニックネームで呼んでいる友人ならば、「いつも通り○○と呼ばせていただきます」など断りを入れてからニックネームで呼んでみるという方法もあります。
どんなことを話すか事前に伝えておくと安心
スピーチの内容を考えたら、「結婚式のスピーチでは、こんな話をしようと思うんだけど…」と事前に伝えておくと安心です。
自分ではよかれと思って選んだエピソードが、新郎新婦にとっては秘密にしておきたい内容である可能性もあります。「こんな話しないでほしかった」と後々もめることがないよう気をつけてください。
声に出して練習をする
頭で考え、文字にするだけでなく、スピーチの文章は声に出して何度か読んでみてください。聞き取りやすいスピード、披露宴にふさわしい声のトーンなどをチェックしながら練習することで、よりステキなスピーチになるでしょう。
結婚式当日は胸を張って堂々と、ゆっくり話す
緊張すると早口になったり、猫背でうつむきがちになったりする人も見受けられます。結婚式当日は、堂々とした態度で、落ち着いて話をしてください。
新郎新婦は「この人になら任せて大丈夫!」と、信頼してスピーチを依頼しています。自信をもってスピーチに臨みましょう。
まとめ
基本構成や例文を参考に、スピーチを成功させましょう!
結婚式のスピーチは、「新郎新婦へのお祝いの言葉(新郎父の場合はゲストへの謝辞)」「自己紹介」「新郎新婦の人柄やエピソード」「新郎新婦へのメッセージ」「結び」を盛り込むのが基本です。新郎新婦を褒める内容であることを意識しつつ、新郎新婦のステキな人柄をゲストに紹介しましょう。
忌み言葉や重ね言葉は使わない、暴露話や砕けすぎた内容は控える、時間は5分以内におさめるなどのマナーはありますが、新郎新婦を思えば自ずとマナーは守れるはず。心配しすぎず、自信をもってスピーチをおこなってください。