会費制結婚式の大きなメリットは費用が明確なこと
iStoc / olegparylyak
会費制結婚式とは
その名の通り、会費をいただく結婚式のことです。通常の披露宴では、ゲストがご祝儀を世間一般の相場で判断して金額を決めお包みしますが、会費制では新郎新婦が参加費である会費を決め、ゲスト全員で一律の金額をいただきます。会費は招待状に記載してゲストにお知らせします。北海道や青森など一部地域で主流の結婚式スタイルでしたが、合理的で自由な結婚式スタイルがカップルの共感を呼び、近年では首都圏を中心に人気のウェディングスタイルになってきました。
会費制とはお祝いを頂かない結婚式。ご祝儀制の違い
会費制結婚式はお祝いをいただかない結婚式のこと。会費はあくまでゲストの飲食代とギフト(お土産代)のみをゲストに負担してもらいます。ご祝儀制結婚式では、ご祝儀の中にゲストの飲食代、引き出物代、お祝いが含まれて相場が3万円程度になっていると考えられています。そのため、会費制結婚式では会費はご祝儀を頂くより低い金額で設定されているのです。
会費制結婚式の平均費用金額と費用相場。ご祝儀制にくらべ安い?
会費制結婚式と、一般的なご祝儀制の結婚式の費用を比較すると、会費制結婚式は確かに「安い」と言えるでしょう。
・会費制結婚式の平均費用金額 207.4万円(平均ゲスト数/64.7名)
・ご祝儀制結婚式の平均費用金額 354.9万円(平均ゲスト数/66.3名)
データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ
【会費制結婚式とご祝儀制結婚式の費用相場比較】
平均費用総額 | 会費、ご祝儀総額 | 平均自己負担額 | |
---|---|---|---|
会費制結婚式 | 207.4万円 | 110.0万円 | 97.4万円 |
ご祝儀制結婚式 | 354.9万円 | 224.3万円 | 149.5万円 |
会費制結婚式では結婚式予算が事前に明確に分かる
設定会費×ゲスト人数=収入
ゲストが任意でお祝いを包むご祝儀制の結婚式と違って、会費制結婚式は最初から使えるお金の見込みがはっきりしています。また、会費が決められていることでゲストも出費を事前に正確に把握できるため、精神的な負担が少なくなります。
会費制結婚式の会費相場の目安はゲストの飲食代とギフト代
会費制結婚式の平均会費金額 1.7万円
会費制結婚式はゲストに自分たちの飲食代とギフト代のみを負担してもらい、お祝いはいたただかない結婚式です。
ゲストの飲食代
一般的な会費設定と食事提供サービスの目安として、下記の図をご覧ください。
「会費の金額を上げる=ゲストへの料理・飲み物・サービスのグレードを上げる 」
という考え方になります。
上記の表からもわかるように、料理の提供形式によって会費の設定相場は変わってきます。
立食ビュッフェの場合は8000円~13000円の会費設定がボリュームゾーン
着席コースの場合は15000円~20000円の会費設定がボリュームゾーン
会場のタイプや格式によっては、会場使用料やゲスト1人あたりの料金の金額が異なり、サービスの質にも違いがあるでしょう。最近では、格式ある有名会場でも会費制結婚式を計画でき、その場合は会費設定が2万円を超えるケースも出てきます。
会費制結婚式では、ゲストをもてなす上で料理と飲み物の内容に関しては手を抜いてはいけない部分です。
ギフト
会費制結婚式でのゲストへのギフトに対する考え方は、カップルによってさまざまです。
お祝いを頂いていなのため、ご祝儀制の結婚式のように、引出物・引き菓子・縁起物を揃える必要はありません。ゲストにパーティでの満足度を高めたいと飲食のグレードアップを重視して、ギフトはプチギフトのみという考え方もありますし、印象よく帰途についてほしいと新郎新婦の自己負担で会費に相応するギフト(少し高めの引き菓子など)を用意する考え方もあります。また、引き菓子とメインの引き出物のみの2点を用意して(通常の引き出物は3点以上が多い)引き出物としての体裁を整える方法もあります。
会費制結婚式の自己負担額額は結婚式のこだわりで大きく変動する
iStoc / Elena Batkova
会費制結婚式の平均自己負担額 97.4万円
ご祝儀制結婚式の平均自己負担金額 149.5万円
会費制結婚式の自己負担額は、次のように計算することができます。
結婚式費用の総額-収入(会費×ゲスト数)=自己負担
結婚式費用の総額 | |
---|---|
収入(会費×ゲスト数) | 新郎新婦の自己負担 |
自己負担は、ゲストにかかわる費用以外。
つまり、「結婚式での演出や新郎新婦が必要なもの、こだわり」のための費用だと考えることができます。
自己負担でまかなう費用例
・会場使用料
・衣装
・ブーケ
・着付け
・ヘアメイク代
・会場の装花装飾代
・生い立ちムービーやゲームなどの演出代
・写真や動画の撮影代…など
この「結婚式での演出や新郎新婦が必要なもの、こだわり」のための費用が増えるほど、自己負担は増えていく仕組みです。また、ゲストの料理や飲物のクオリティを高くしたいために、ギフト代を自己負担する、というケースも見られます。なかにはご祝儀制結婚式の自己負担額と変わらなかった、というカップルもいるようです。
会費制結婚式の費用面でのメリット、デメリット
会費制結婚式の費用面でのメリット
会費制結婚式の費用面に関するメリットとしては、次のようなポイントが挙げられます。
ゲスト負担が少ない。さまざまなゲストを招待しやすい
会費はご祝儀の相場より低めの設定がほとんど。お祝いは頂かずに、ゲストに自分の飲食代を負担してもらう形式なので、さまざまな関係性のゲストを招待できます。また立食パーティの場合は、狭いキャパシティの会場でも大人数ゲストが招待できるというのも大きなメリット。新郎新婦とゲスト同士の距離が近い、アットホームなパーティが企画できます。
事前に自己負担が明確になりお金の使い道が選びやすい
ご祝儀と違って自己負担が明確なため、準備のためのお金の使い道が明確です。また、結婚式でこれをやらないと失礼では…とこだわる必要がなく、自由に内容と時間の使い方を考えることができます。
演出や内容は自由!自己負担を少なくすることが可能
お祝いを頂かないため、格式にこだわる必要がなく、テーマ、コンセプトに制限はありません。自分達にあったテーマでの装飾や演出が可能なため、自己負担を抑えることができます。
会費制結婚式の費用面での注意点
会費制結婚式では、次のような点がデメリットになる可能性があります。結婚式のイメージを左右しかねない問題点もあるため、配慮や注意が必要です。
料理や飲物のランクを下げるとゲストの心象が悪くなる
会費=ゲストの飲食代ということがゲストにも伝わっているため、得をしようとゲストの料理や飲物のランクを下げると、結婚式そのもののイメージが悪くなりかねません。そういった意味では、ご祝儀制結婚式よりもシビアに判断される部分もあるでしょう。料理の提供形式も含め、会費と見合ったお料理と飲物を提供しましょう。
結婚式へのこだわりが過ぎると自己負担は急増する
結婚式へのこだわりや、ゲストへの配慮やサービス面を追及しすぎると、自己負担は急増し、ご祝儀制結婚式で挙げた方が良かった、という状況もあり得ます。会費制結婚式はゲスト負担を軽くした合理的でアットホームな結婚式であるということをよく考慮したうえで、結婚式の演出や装飾について考えましょう。
会費制に戸惑うゲストもまだまだ多い
会費制に馴染みがなく、会費のうえにお祝いを持参したり包んだ方がいいのか、と悩む方も多く、事前にしっかり「お祝いは不要」というアナウンスしないと、ゲストに余計な手間や心配をかけてしまいます。特に親族や年配の方には馴染みのないウェディングスタイルのため、どのような結婚式であるかを事前に説明するなど、配慮が大切です。
まとめ
会費制結婚式の費用相場はご祝儀制より安いが自己負担が増加するケースも
会費制結婚式は、ご祝儀制結婚式の費用相場と比較すると確かに費用面では「安い」と言えますが、場合によっては自己負担が増加するケースもあります。会費制結婚式がどうして費用が安くなるのかをしっかり理解したうえで、自分たちが計画した結婚式が本当に会費制の方法であっているのか、ゲストに失礼がないかを検討する必要があるでしょう。会費制結婚式の意味をしっかり理解したうえで計画すれば、きっとアットホームで感動的な結婚式になるはずです。