結婚式で新郎新婦の立ち位置、写真撮影の位置、席次の位置…挙式スタイルやウェディングスタイルなどシーン別に意味や考え方を紹介

結婚式において、挙式や披露宴での新郎新婦の「立ち位置」、さらにそれぞれの家が招待した「席次」は、実はあるロマンティックな伝承や法則に基づいてのルールがあるのをご存知でしょうか。今回は新郎新婦の結婚式、ウェディングパーティ、和装洋装、ウェディングフォトでの「立ち位置」について、詳しく解説します。さまざまな事情から「新郎新婦の立ち位置を逆にしたい」と悩んでいる方も必見です。

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    結婚式の「挙式」スタイルで新郎新婦とゲストの立ち位置は異なる。逆の場合とは?

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    新郎新婦の立ち位置は、すべてに通じる基本として「右側が新郎、左側が新婦」となります。
    これは古代からの言い伝えで、戦が行われていた時代に、男性は利き腕の右手には剣を持ち、左手には盾を持って新婦を守っていたという伝承からきている説があります。
    「新郎は、右手で剣を持ち、左手で愛する新婦を守る」男性が女性を奪い合っていた時代、新郎は右手で剣を持って戦い、左手で盾をもち、新婦を敵から守っていたとも。
    その名残で、今でも右側が新郎、左側が新婦という立ち位置が確立されました。
    現在の日本の挙式でも、ほとんどのウェディングスタイルでこの立ち位置が継承されています。

    教会式(キリスト教式)の新郎新婦の立ち位置とゲストの席次

    結婚式と言えば、外国人牧師先生がいる「キリスト教式」のスタイルを選ばれている方が多いでしょう。
    「キリスト教式」は新郎新婦が入場し、祭壇の前へ向かい、そのまま神に愛を誓うため、前を向き、ゲストの方に背を向け、後ろから見守っていただくスタイルです。
    よって、ゲストの方から見ても、右側が新郎、左側が新婦の立ち位置のイメージしやすいでしょう。

    教会式(キリスト教式)の新郎新婦の立ち位置とゲストの席次

    神前式の新郎新婦の立ち位置とゲストの席次

    結婚式を執り行う拝殿内には、神様を祀る神棚と、神様への御供物である玉串を置く玉串案が配置されています。それを神前として、向かって右側に新郎側の参列者、左に新婦側の参列者が座ります。
    新郎新婦と血縁が近い順に並ぶことが基本とされており、前から新郎新婦の両親、兄弟姉妹、祖父母、その他の親族…という順番になります。
    拝殿に入場する際にもこの順番で入場し、前から順に席に着きます。

    神前式の新郎新婦の立ち位置とゲストの席次

    人前式の新郎新婦の立ち位置とゲストの席次

    「人前式」を選んだ場合は、通常のキリスト教式と、前を向くか、後ろ姿を見せるかの目線の違いによって、新郎新婦の立ち位置が一見して逆になります。

    人前式の新郎新婦の立ち位置は逆になる?

    「人前式」は文字の通り、人の前で結婚を誓うため、ゲストの方を向いて挙式が始まります。入場は通常の立ち位置のまま祭壇まで行き、挙式開始の際はゲストの方を向き、挙式開始です。
    キリスト教式と同じように入場では右側に新郎、左側に新婦がいる立ち位置でも、前から見るのと、後ろから見るのとでは向きが変わり、立ち位置が逆になっているように見えるのです。
    ただ、もともとの右側が新郎、左側が新婦という立ち位置は変わっていないので、あくまでもゲストの方を向くことによって見え方が違うだけです。

    人前式のゲストの席次が通常と逆の場合がある?

    結婚式場によって、「人前式」での新郎新婦の立ち位置や、ゲストの座る場所が大きく異なる場合もあります。
    通常、挙式のゲストの座る席は、新郎側と新婦側とで左右に分かれており、ゲストの席も新郎新婦の立ち位置と一緒で、神前式もキリスト教式も新郎側ゲストが右側、新婦側ゲストが左側となります。
    いっぽう「人前式」は新郎新婦がゲストの方を向くようになるため、ゲストの座る場所が通常のままだと、新郎に近い方が新婦側のゲスト、新婦に近い方が新郎のゲストと逆の位置に座るようになってしまうのです。
    それを避けるために、最初の入場から、新郎新婦の立ち位置を逆にし、ゲストの位置を変えないというスタイルや、新郎新婦の立ち位置はそのままで、ゲストの座る席を左右逆にするケースもあります。

    人前式の立ち位置は比較的臨機応変に決めやすい

    最近では「新郎新婦やゲストの席次はマナーや慣習に縛られずに自由に決めたい」「体調などの問題で新郎新婦の立ち位置が逆でもいい?」「写真映えがいい顔の角度で撮影できる立ち位置に立ちたい」という問い合わせも多いようです。神前式やキリスト教式は教義にのっとり結婚を宣誓するため、一概に自由にできるとはいいがたいのですが、人前式の場合は「ゲストが証人」で比較的自由に結婚式のセレモニー内容を決められるため、立ち位置や席次で不安や疑問がある場合はまず会場や担当プランナーに相談しましょう。

    新郎新婦が結婚式披露宴やウェディングパーティで新郎新婦が座る席(高砂)の位置

    新郎新婦が結婚式披露宴やウェディングパーティで新郎新婦が座る席(高砂)の位置

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    新郎新婦が披露宴やパーティで入場する際の立ち位置は、洋装の場合は挙式と同様に右側に新郎、左側に新婦の位置で腕を組んでの入場スタイルが一般的です。
    いっぽうで和装で並んで歩くときは、洋装と違い、新郎新婦は腕を組みません。そのため横には並ばず、新郎が前を行き、新婦が少し後ろをついていくように歩きます。

    新郎新婦の高砂の位置、座る位置、結婚式披露宴やウェディングパーティでの新郎新婦の席は高砂になります。

    高砂とは結婚式で新郎新婦が座るメインテーブルのことで、高砂席といいます。高砂の由来は600年前に和風婚礼の際に謡(うた)われていた能からきているもので、夫婦が末永く幸せに人生を共に過ごすことを願われた能になります。ひと昔前の高砂は招待客より一段高く金屏風をバックに作られることが多くありました。最近ではゲストと近い距離でおもてなししたい新郎新婦が多くなり、高砂のスタイルもさまざまです。

    現代の高砂の意味

    従来の結婚式でおなじみの格式あるメインテーブルのイメージから、現在は新郎新婦がこだわって高砂を装飾し、結婚式のイメージを表現することが増えています。昔より自由度も高くなり、新郎新婦はもとよりゲストも見て楽しめる空間になっているので、フォトジェニックな場所として写真に収められることもできます。最近では、アットホームな雰囲気で、ゲストと同じテーブルを囲むスタイルをとった、高砂自体を必要としない結婚式もでてきています。しかし、会場の規模やゲストの招待人数によっては、一段高い高砂がないと、後ろのゲストは何をやっているかわからない…ということもあるようです。ゲスト目線で全体を見て、どの位置からでも新郎新婦が見えるか確認し、高砂が必要かどうかを判断しましょう。

    結婚式の格式を出したい時の高砂スタイル

    ホテルウエディングで作られている高砂のように従来通りのスタンダードな作りで、メインテーブルとして会場の前方にゲストの目線より一段高く設けて、新婦のドレスや会場の雰囲気に合わせた装花で華やかに装飾したスタイルです。ゲストの人数が多い場合や年配の招待客が多い場合には好まれやすいでしょう。

    ゲストとアットホームに楽しみたい時の高砂スタイル

    テーブルを置かずに椅子やソファなどで作るカジュアルなスタイルで、テーブルを置かないぶん新郎新婦もゲストとの間を自由に行き来できます。メインテーブルがないので、バックやサイドに装飾をして華やかに見せます。お花の種類はナチュラルなものを選ぶことがトレンドです。レストランウエディングや1.5次会のようなアットホームな雰囲気でおこなう場合の会場にも映えます。

    家族婚・少人数婚なら同じテーブルに就くケースも

    ゲストとの距離を近くに感じたい家族婚や少人数での結婚式では、高砂なしでゲストと同じテーブルに座ります。各テーブルを回るときはそれぞれのテーブルで新郎新婦が座れるようにお誕生席のようなスペースを設けておきます。少人数だからこそできるスタイルになりますので、結婚式らしさを出したい場合は高砂を設ける方がよいでしょう。

    新郎新婦それぞれの側のゲストの席次

    共通する席次の基本ルールから見ていきましょう。
    新郎新婦の席(メインテーブルや高砂)に向かって左側が新郎のゲスト、右側が新婦のゲストになるよう配置します。

    ルール1. 新郎新婦に向かって左が新郎側、右が新婦側

    高砂席に向かって左が新郎側、右が新婦側です。
    そして、ゲストが座る向きにもルールがあります。新郎新婦が座る高砂席に向かって、左が新郎側、右が新婦側のゲストです。
    新郎が婿入りする場合は、左右を逆にするのがしきたりです。ただし慣習通り新郎新婦の位置を逆にするかは、両家の考えによるので、新郎新婦だけで決めずに両親に相談をしておきましょう。

    ルール2.上座と下座

    一般的な席次には「上座」と「下座」があります。
    新郎新婦に一番近い席が上座、一番遠い席が下座です。通常、新郎新婦が座る高砂席は会場内で最も格の高い、入り口から遠い場所に置かれます。
    また、ゲスト側の席次は新郎新婦との関係性で決まります。

    上座=年上の人、目上のゲストが座る場所。新郎新婦に近い席
    下座=年下の人、もてなす側の人が座る場所。新郎新婦から遠い席

    上座から下座に向かって「主賓→職場関係者→友人→親族→家族」となり、親が下座(母が末席)です。
    両親は新郎新婦と関係性が深いものの、一緒にゲストをもてなすホスト側なので、下座となる場所(末席)に座ってもらうのが一般的です。
    家族と親族の席次は上座から「関係の遠い親戚→関係の近い親戚→祖父母→兄弟姉妹→両親」となります。

    ルール3.一卓の中にも上座・下座がある

    ひとつの卓の中にも上座、下座があります。
    職場関係は役職が高い人が上座で、上司→先輩→同僚→後輩の順です。
    親族は血縁のある者の親等によって違い、3親等のおじ・おばが上座です。
    次に2親等の祖父母や兄弟姉妹。
    おじ・おばや兄弟姉妹は年齢順が基本ですが、本家と分家にこだわる場合は本家を上座に、結婚して名字が変わった人はゲストとして上座にすることもあります。
    夫婦で出席の場合、夫が上座、妻が下座です。

    新郎新婦のウェディングフォト撮影で写真に映る位置や立ち位置

    新郎新婦のウェディングフォト撮影で写真に映る位置や立ち位置

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    ウェディングフォト撮影で、新郎新婦でのツーショット写真を前撮りする場合にも、前述した「右側が新郎、左側が新婦」の立ち位置を基本に撮影されます。

    家族写真やゲストとの集合写真の立ち位置

    並び方は一般的に、カメラから見て左側が新郎側、右側が新婦側の親族。
    新郎新婦は1列目の真ん中に、新郎の横に新郎の父、母が並び、新婦の横に新婦の父、母が並びます。
    他の親族については、「新郎新婦と血縁の濃い順」に、前の列、新郎新婦の近くに並ぶのが基本ですが、厳密なルールはありません。

    和装の場合は花嫁は椅子に座っての撮影も多い

    新郎の左側に新婦、というのは和装でも変わりませんが、和装の場合、着物を着ているぶん大きく写ってしまうため、新婦だけ椅子に座っての撮影が一般的です。最近では和装でも動きのあるショットを希望する新郎新婦も多いのですが、和装に合わせた画格で、新郎新婦の身長、体型にあったバランスよいカットになるようカメラマンがアドバイスしてくれます。

    フォトウェディングやツーショットなら立ち位置が逆でも構わない?

    右斜めから撮られた方がキレイだから、立ち位置を逆にしてほしいという希望も増加しています。その場合、ツーショット撮影や前撮り、フォトウェディングであれば、立ち位置を変えてもこれといったマナー違反にはなりません。
    ただし和装の場合、立ち位置を逆にすることで、最も美しいとされる打掛の左前の柄が見えにくくなるというデメリットがあります。
    ただし、家族写真やゲストとの集合写真は新郎側、新婦側と立ち位置が決まってカメラマンが誘導するため、指示に従ったほうが混乱を招かないでしょう。

    まとめ

    結婚式の新郎新婦の立ち位置や披露宴での高砂、席次の位置はウェディングプランナーに確認を

    結婚式の新郎新婦の立ち位置や披露宴での高砂、席次の位置は、基本的には「新郎が右、新婦が左」の法則に基づいて決められています。が、人前式の場合や、新郎新婦に考えや事情がある場合には、イレギュラーに対応する場合も考えられます。
    立ち位置や席次に関して不安や疑問がある場合には、まずは経験豊かなウェディングプランナーに相談しましょう。
    ウェディングフォトの立ち位置に関しては、家族写真やゲストとの集合写真以外は立ち位置は比較的自由ですので、こだわりの撮影角度がある場合は前もってプランナーやカメラマンに伝えておきましょう。

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    この記事のライター

    結婚式準備.com編集部

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