ウェディングテーマとは。テーマを決めコンセプトに沿って計画する結婚式
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ウェディングテーマを簡単に説明すると、ふたりの人生や共通考え方を、結婚式で使用するさまざまなアイテムや演出の中でコンセプトに従って表現し、結婚式のテーマとしてゲストに分かりやすく楽しんでもらい、ふたりだけでなくゲスト全員でその世界感を楽しみ、記憶に残る結婚式を創り上げるとことです。このような結婚式をテーマウェディング、またはコンセプトウェディングということもあります。
結婚式での「テーマ」と「コンセプト」の意味の違いを確認
ウェディングテーマについて考える前に、まずは「テーマ」と「コンセプト」の意味の違いを確認しておきましょう。
テーマとは
企画があったとしたら、その企画の「主題」のこと。例えば料理動画をつくろうとしたとき、動画の内容はカレーライスについて題材に撮影しようと決めます。「カレーライスの作り方」。これがテーマです。
コンセプトとは
コンセプトは「企画の枠組み、骨組み」を指します。どんな方向性と切り口で企画を進めていくのかを明確にするためのどのように表現していくかの指針になるものです。
カレーライスの作り方とひとくちに言っても、表現方法は人それぞれです。スパイスの調合を丹念に表現したいのか。ホテルメイドのプロの味を再現して作る細やかな手順を分かりやすく表現したいのか…この「テーマ」の表現となる枠組みが「コンセプト」なのです。
ふたりの結婚式のテーマとコンセプト
例えば、ふたりの結婚式で表現したいテーマがふたりの出会いとなった場所『ハワイ』にするとしましょう。そのテーマを、ハワイのどのような部分をコンセプトに表現するのでしょうか。
例えばハワイのビーチをイメージした装飾にする、リゾートをイメージしたラグジュアリーな装飾にするのか、マニアックにハワイの聖なる植物であるブラッドフルーツしばりで表現する…など。テーマをもとに考えた演出や装飾での表現の枠組みが「コンセプト」になるのです。
トレンドのウェディングテーマやコンセプトウェディングを取り入れる結婚式が急増
欧米をはじめとする海外の、おしゃれでオリジナリティ溢れるウェディングのフォトをInstagramやPinterestで目にすることが多くなりました。彼らの作る結婚式はテーマに沿った強い訴求力に溢れ、おしゃれな統一感の海外発信のテーマウェディングはまたたく間に日本の花嫁を魅了しました。
日本で結婚式でテーマを重視するカップルか急増中
現在ではウェディングアイテム選びや衣裳、装花、装飾、演出に統一感をもたせた素敵なウェディングの実例を、日本でもたくさん見ることができます。
現在では、披露宴やウェディングパーティにテーマを取り入れコンセプトに沿って計画するカップルは、約半数と、年々増加しているのです。
2020年度調査 | 2015年度調査 | |
---|---|---|
披露宴・ウエディングパーティのテーマやコンセプトを決める | 50.2% | 40.8% |
挙式のテーマやコンセプトを決める | 27.7% | 21.0% |
データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ
コンセプトウェディングに適している結婚式会場
結婚式を専門に行う専門式場や、一軒家貸切可能なゲストハウスでは、貸切による自由度の高さやプライベート感から、よりテーマウェディングを演出し、表現しやすい会場になっています。一方で、既に会場のコンセプトやインテリアが決定していて、その雰囲気が売りであるレストランでは、テーマウェディングを取り入れる割合は少なくなる傾向があります。
披露宴・ウエディングパーティのテーマやコンセプトを決める | 挙式のテーマやコンセプトを決める | |
---|---|---|
一般の式場 | 54.5% | 31.3% |
ホテル | 48.1% | 24.5% |
ゲストハウス | 59.8% | 33.3% |
レストラン | 20.0% | 20.0% |
ホテルや式場内レストラン | 21.4% | 15.0% |
ウェディングテーマが結婚式準備にもたらすメリットや魅力
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結婚式のテーマを決めることは、結婚式の準備をすすめるうえで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
結婚式のテーマを決めるメリットはたくさん
今までのウェディングでは、結婚式のテーマを決めずに結婚式準備を進めるカップルの方が多かったでしょう。結婚式専門会場は会場施設のデザインや施設自体がコンセプトに基づき設計されているケースがほとんどのため、特別にテーマを考えなくても、ある程度結婚式に統一感を持たせることは可能だからです。しかし「ふたりらしさ」やふたりの想いをより強く表現したいと考えている場合には、まずはテーマを決めてから結婚式の準備に取り掛かることおすめします。
【結婚式のテーマを決めるメリット】
・結婚式の招待状発送から結婚式最後のお見送りギフトまで統一感を持たせられる
・テーマからコンセプトに基づいて演出アイデアを考えることができる
・ふたりのこだわりの優先順位がつけやすく費用を抑えるポイントも見えやすくなる
・直接話す時間が少なくてもゲストにふたりの想いや気持ちをより強く伝えられる
・他の結婚式とは違うオリジナリティで特別な記憶としてゲストの記憶に残すことができる
結婚式会場を決める前にウェディングテーマを決めると会場選びがスムーズに
結婚式のテーマは結婚式の基礎となる部分とであるため、会場探しの前にふたりで話し合って、それに基づいて会場を選ぶと、段取りがスムーズです。
ただ、いざテーマを決めようとしても、結婚式準備が初めてであるふたりにとっては、そう簡単に人生の節目の大切なテーマを決めるのは難しいでしょう。
結婚式のテーマを決めるために、ふたりが歩んできたさまざまな経験や道のりをヒアリングし、大切なキーワードを書き出して手がかりを探っていく『コンセプトシート』についてご紹介しましょう。
ウェディングテーマをキーワードから具体的に表現『コンセプトメイキング』の方法
コンセプトメイクとは「なぜ、結婚式をしようと思ったか」「ゲストのおもてなしで大切にしたい部分」「等、多数のヒアリング項目をヒアリングして、 ふたりから引き出した言葉をもとに、結婚式のコンセプトを創るというものです。
コンセプトメイキングは担当のウェディングプランナーに相談しながら行うのが理想
テーマを決めてもそれを「どう表現できるのか」が重要になります。
ふたりのテーマを表現できるポテンシャル(ゲストの収容力、演出可能な設備、テーマにあったロケーション…など)を備える会場選びや、予算内の費用で実現可能かどうか、表現してくれるのに最適なクリエイター探しなど、コンセプトを実現するにはさまざまな準備や手配が必要です。
そのため、コンセプトメイキングをおこなう場合は、現実的に実現可能なプランに落とし込めるウェディングプランナーに相談しながらおこなうことをおすすめします。
しかし本来は、会場探し前にコンセプトメイキングができることが理想です。そのため、フリーランスのウェディングプランナーであれば、会場決定前にコンセプトメイキングのみ相談にのってもらう方法もあります。コンセプトメイキングをもとに会場探しをおこなうことも可能です。
コンセプトシートを作ってふたりの結婚式に対する希望やイメージを視覚化する
結婚式のコンセプトシートとは、新郎新婦に共通の質問に答えてもらい、ふたりの考え方や結婚式への思いを可視化して客観的に見つめ直し、ふたりの人生や考えに共通するぴったりのテーマを見つけ出すためのシートです。
このシートを作ることで余計なアイデアが絞られ、会場選びや演出アイデアなどをコンセプトメイキングに基づいて考えやすくなります。制作方法には決まりはありませんが、次のような質問に答えてもらい、ふたりのパーソナルな部分を深堀していきます。
ウェディングテーマを決めるコンセプトシートの質問一覧例
コンセプトシートをつくる際には、ふたりの今で歩んできた歴史や好きなことなどが客観的に見直せるよう、質問に答えて可視化していくと、重視したいポイントが整理しやすくなり、会場演出やイベントへの表現アイデアが湧きやすくなるというメリットがあります。
ウェディングテーマを絞り込んでいくコンセプトシートには、次のような質問が挙げられてます。
ふたりの結婚式についての希望や考え
・結婚式のテーマ(コンセプト)
・テーマカラー
・雰囲気(ナチュラル、派手、アットホーム…など)
・結婚式で大切にしたいキーワード、ゲストに伝えたいこと
ふたりの出会いや思い出
・出会ったきっかけ
・思い出のデート先
・共通の趣味や好きなこと
・ふたりの関係で大切にしていること
・ふたりでハマっていること
ふたりの個人的なこと
・好きな映画
・好きなスポーツ
・好きで続けている趣味…など
こんな『テーマウェディング』が実現可能。ウェディングテーマの実例を紹介
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最近では、「テーマが明確で統一感のあるおしゃれな装飾や演出をしたい」というニーズだけでなく、結婚式のテーマに「ゲスト一人ひとりとの絆を大切にしたい」「リラックスできる時間」など、結婚式の時間をどう過ごすかをテーマにコンセプトメイキングをして、開放的で面白いアイデアの結婚式を計画するカップルも急増中です。
【ウェディングテーマからコンセプトを決める例】
・結婚式のテーマを「色」から決める
・結婚式のテーマを「季節」から決める
・結婚式のテーマを「自然のモチーフ」から決める
・結婚式のテーマを「手作り」から決める
・結婚式のテーマを「好きな場所」「故郷や出身地」から決める
・結婚式のテーマを「趣味」から決める
・結婚式のテーマを「食べ物・飲み物」から決める
・結婚式のテーマを「過ごし方」から決める
結婚式のテーマを「色」から決める
ウェディングテーマを「色」にした場合、挙式アイテムや会場の装飾、ウェディングアイテムに取り入れて表現できます。装花、テーブルコーデ、ペーパーアイテム、ドレス、アクセサリー、ブーケ、ウェルカムアイテム…など、結婚式の会場装飾やアイテムで重要なものに、少しずつその色を取り入れていくと、ウェディングの統一感がでてきてゲストにも伝わりやすくなるでしょう。多くのカップルが取り入れているテーマです。
結婚式のテーマを「季節」から決める
ウェディングテーマを結婚式が行われる「季節」にした場合、春・夏・秋・冬から連想するイベントモチーフや色、自然など、その季節を連想できるアイテムやモチーフを取り入れ、季節感を表現していきます。
主に季節のイベント(正月、バレンタイン、ハロウィンなど)や、季節の花や植物、イベントモチーフなどから装飾や演出などに活かして取り入れることが多いようです。
結婚式のテーマを「自然のモチーフ」から決める
ウェディングテーマを自然物をモチーフに選ぶなら、星や月、山などの自然や鳥やうさぎのような動物などがよく取り入れられます。また、和の結婚式にふさわしい鶴、亀、千鳥といった縁起物から選ぶのもおすすめです。招待状やゲストカードといったペーパーアイテムのデザインに取り入れたり、ウェルカムボードをデザインしたりと、さまざまなポイントで演出できます。
結婚式のテーマを「手作り」から決める
ウェディングテーマに「手作り」を選んだ場合、他のテーマとも組み合わせ、自分たちらしい演出をプロデュースできるでしょう。手作りで最も人気なのはペーパーアイテムのデザインをすべて統一してつくること。招待状、席次表、プログラム、メニュー、エスコートカード、席札…これらに統一感を持たせることができます。その他にも、フォトプロップスやフォトブース、ウェディングフラッグなど、手作りしたいアイテムがいっぱい。
全員でお揃いの蝶ネクタイをして撮影するなど、手作りを活かしたフォトジェニックな演出もおすすめです。
結婚式のテーマを「好きな場所」「故郷や出身地」から決める
ウェディングテーマに、ふたりの好きな場所や思い出の場所、故郷や出身地のテイストを取り入れることもできます。ふたりの初めての旅行にいったパリの雰囲気を会場コーデや装飾に取り入れる、新郎の故郷の食材を料理に取り入れる、伝統行事を取り入れる、特産物を引き出物にする…など、ふたりの大切な場所をテーマに、結婚式の演出を考えて表現することができるでしょう。
結婚式のテーマを「趣味」「仕事」から決める
ウェディングテーマを「趣味」で選ぶ場合、ふたり、またはどちらかの趣味から連想できる道具やアイテムなど、象徴的なモチーフを取り入れることで表現することができるでしょう。ウェディングテーマによく取り入れられる趣味としては、旅行・スポーツ・音楽・映画など。仕事をテーマに取り入れる場合は、料理やイラストといったモノづくり系の仕事が取り入れやすいようです。
映像や音響、BGM、ウェディングケーキなどのアイテムなどに趣味や仕事を反映したものを取り入れてみると、ふたりの個性がよりゲストに伝わるでしょう。
結婚式のテーマを「食べ物・飲み物」から決める
ウェディングテーマに「食べ物・飲み物」を取り入れる際には、おもてなしにも直結するため、現在では取り入れるカップルの割合も年々増加しています。
料理の素材にこだわったり、料理にちなんだ演出を取り入れたり、でデザートビュッフェにアレンジを加えたり…ふたりが育てた野菜を使う、ふたりが選んだ酒蔵から乾杯酒を取り寄せるなど、アイデアもさまざまです。
結婚式のテーマを「過ごし方」から決める
ウェディングテーマに「過ごし方」を取り入れたい場合には、誰をゲストとして招待するか、また会場や過ごす地域も大切になります。「親しいひとだけでゆったりと過ごしたい」「緑豊かな開放的な空間で」「大人も子どもも楽しめるアウトドアで」など、誰と、どんな場所で、どりように過ごすかを重点において、会場選びからできればウェディングプランナーなどプロに相談しながら計画することをおすすめします。
海外旅行や国内リゾート旅行を兼ねたい場合には、相談会などに参加して情報収集も大切です。
まとめ
ウェディングテーマをとコンセプトを決めてふたりの気持ちが伝わる結婚式に
ウェディングテーマを決めて、コンセプトに沿って計画する結婚式には、結婚式で重視したい点を明確にして、ゲストにふたりの想いを伝えやすくするという大きなメリットがあります。テーマが明確な結婚式では、ゲストもふたりの気持ちや個性を感じられ、他の結婚式以上に心に残る式となるでしょう。さまざまなテーマ例を参考にしながら、コンセプトメイキングに役立ててくださいね。