結婚祝いのお返し(結婚内祝い)にかける「のし紙」の種類と選び方
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結婚祝いのお返し(結婚内祝い)を贈る際には、贈り物の包装紙の外側または内側に熨斗(のし)紙をかけるマナーになっています。
のし紙は節目のイベントの種類や性質によって、種類や選び方も変わってきます。
のしは、現在では購入した店で「結婚内祝い用で」といえば、表書きまで記入して包装紙の上からかけてもらえたり、インターネット通販で注文した場合も結婚内祝い用にのしをかけてもらうよう依頼できるサービスがあります。
のしをかけてもらえるかどうかを確認してから購入しましょう。
ここでは、結婚内祝いにふさわしいのし紙の水引の選び方を分かりやすく解説します。
結婚祝いの品物にかけるのし(熨斗)の水引は『結びきり』か『あわじ結び』
結婚祝いの品物にかけるのし(熨斗)の水引は『結びきり』か『あわじ結び』という種類が印刷されたのし紙を選びます。『紅白または金銀10本結びきり』『紅白または金銀10本あわじ結び』を使用するのが一般的です。
一般的な結婚内祝いには「結び切り」ののし紙
結婚内祝いののしには「結び切り」と呼ばれる水引を選びます。固く結べてなかなかほどけないことから、婚礼関係や快気祝いなど「繰り返してほしくない」お祝いごとに用います。
婚礼関係のお祝いの場合、水引の色は金銀・紅白・赤銀(金)のいずれか、本数は10本を選びます。
最高格の水引は金銀10本結びですが、結婚内祝いは控えめなお祝いですので紅白10本が基本です。また、贈り物の金額に合わせ水引の本数を7本にする場合もあります。
(例えば快気祝いのお祝いの場合、水引の色は紅白か赤金を、本数は5本を選ぶのが一般的です。)
水引の本数は「5本」です。3本結びは簡素な結び方、5本は基本的な数、7本結びは丁寧な結び方とされ、婚礼関係でのみ用いられる10本結びは最高格の結び方として別格とされていますので、結婚内祝いでは通常は10本を用います。
関西以西でのお祝いごと全般には「あわじ結び」ののし
華やかな印象の「あわじ結び」は、慶弔の区別なく用いられます。特に関西以西のエリアでは、お祝いごと全般に利用されているオールマイティな水引です。
水引の色
結婚祝いの水引の色は、通常のお祝い事では紅白・金銀・赤金の物が使われます。金銀は婚礼など限定された特別なお祝い事とされていますが、結婚祝いのお返しでは、控え目に紅白を使用するケースが多いようです。
水引の数
結婚祝いでは「慶びが重なる」よう10本の水引が用いられます。
水引の本数は奇数になっており、お祝いごとでは5本が基本で、より丁寧にした7本も使われますが、結婚祝いのお返しでは特別なお祝い事として10本の水引を選びます。
内祝いの金額によっては7本を選ぶ場合もあります。
結婚祝いのお返し(結婚内祝い)の、のしの表書きの書き方
のしに表書きと名入れを書くときは、必ず濃い墨を使って、毛筆または筆ペンで楷書で書きます。現在ではパソコン等で毛筆体のフォントを利用した印刷のものでもマナー違反ではありません。
表書きの書き方
昔は贈り物と一緒に目録を付けて贈るという習慣がありました。のしと同じく、簡略化されたものが表書きです。
のしには、どのような贈り物なのか内容を表す「表書き」と、送り主の名前を知らせる「名入れ」を記入します。
特に、配送で結婚内祝いを贈る場合は、誰が送ったのかがひと目で分かるよう必ず名入れを行いましょう。
結婚内祝いの場合、のし上には「寿」または「内祝」と書くのが一般的です。すでにのし上がのし紙に印刷されているものもあります。
のし上(水引の上)には贈り物の目的を書き、のし下(水引の下)には贈る人の名前を書きます。水引やのしに文字が重ならないよう気をつけましょう。
名前の書き方
のし下には結婚後の新姓、もしくは夫婦の連名をのし上の文字より少し小さめに書きます。
贈る人の名前の書き方には、いくつかのパターンがあります。
基本的には旧姓は使いません。
どの書き方にしようか迷った場合は、両親や目上の人に相談して決めるとよいでしょう。
1.結婚後の新姓のみ
2.新郎新婦の名前のみ連名
3.新姓の下に新郎新婦の名前を連名
1.結婚後の新姓のみ
2.新郎新婦の名前のみ連名
3.新姓の下に新郎新婦の名前を連名
職場や団体に贈る結婚内祝いの表書きでの注意点
個人から頂いたのではなく、職場一同や友人一同、サークルなど団体から連名で結婚祝いを頂いた場合のお返しでは、のしや表書きで注意すべき点があります。
旧姓を記入したい場合はどうする?
結婚後も職場では旧姓で通すという方もいますが、結婚後、旧姓は「通称」の扱いになります。 のしには正式な本名である新姓を書くのが基本です。
「配送で贈るので、誰からの贈り物なのか分からなくなるかもしれない」など、どうしても旧姓で贈りたい場合は受け取った人が分かりやすいよう工夫をして贈りましょう。
・のしには新姓を書き、配送伝票の依頼人の欄には旧姓を書く
・品物に添えるメッセージカードに旧姓を書き添える
職場や友人などから連名でお祝いをいただいた場合
複数の方から連名でお祝いを頂いた場合、一人あたりのお返しが少額になってしまう、また小分けにしたお返しにひとり一人のしを掛けて贈るのも難しいケースが多いでしょう。
連名で頂いた少額のお返しの場合は、個包装で分けやすいお菓子の詰め合わせを選び、箱にのしを掛けて贈る方法がおすすめです。
また、個別にメッセージカードを添えたり、職場に直接持参する場合はひとりひとりにお礼を言いながら渡すなど、感謝の気持ちが伝わるよう工夫して渡しましょう。
職場によっては、お返し不要の場合や、結婚内祝いの渡し方にルールがある場合も。事前に職場の先輩など、会社のルールに詳しい方に確認をしておくと安心です。
結婚祝いのお返し(結婚内祝い)を郵送する際に添える「お礼状」の書き方
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結婚祝いのお返しとして品物を郵送する場合には、品物だけが相手に届くのはとても失礼にあたるので、別便でお礼のお手紙を送っておくか、品物と一緒にふたりからの感謝の気持ちが伝わるお礼状を添えるのがマナーです。手紙を書くのは苦手という方のために、お礼状を書く前に準備しておきたいポイントをいくつか紹介します。
結婚内祝いを郵送する際にはお礼状を添える
結婚祝いのお返しを贈る際は、お礼の言葉とともに、直接手渡しで贈るのが最も丁寧な方法とされています。その際には、特にお礼状を品物に添える必要はありません。
お礼状が必要になるのは、結婚内祝いを手渡しで贈れない場合です。郵送や配送する場合には、直接会ってお礼が伝えられないため、直筆でお礼と感謝のメッセージを書いて手紙を送るのです。もちろん、直接会って手渡す場合に手紙やメッセージカードを添えて贈るのはより気持ちが伝わる手段であるため、問題はありません。
お返し不要の結婚祝いでもお返しまたはお礼状を送る
一般的に、贈り物で8000円以下の品物をいただいた場合は、相手にお返しのことを気遣わせない「お返し不要」の金額と見る向きもあります。ですが、結婚祝いではどんなに安いものをいただいたとしても、1/3~1/2程度の金額のお返しをした方が良い、とされています。
金額が小さすぎてお返しに良いものが贈れないなどの理由の場合は、お礼状のみお送りしましょう。
特に仲の良い友人や、上司から結婚祝いを頂いたとき、結婚はなにかと費用がかかるための配慮から、先方より「お返しは不要」と一言添えて頂く場合もあるでしょう。 このようなときは、頂いたお祝いの半額ではなく、1/3~1/4程度の金額にとどめ、「気持ちだけお返しさせていただきます」と伝えます。
結婚祝いと一緒に届いた手紙「お返しは要らない」とはっきり明記されていた場合は、お返しはせずにすぐに届いたお礼を伝えたうえで、丁寧なお礼状をしたためて送りましょう。
お礼状の便箋・封筒・書き方
特に親族や目上の方にお礼の手紙を送る場合には、厚手で上質感のある白便箋がオススメです。
・縦書きで便箋は白の無地
・頭語+結語、時候の挨拶などマナーに沿った文章構成し書き方
・封筒は白無地の和封筒
友人や同僚に送る堅苦しくない形式のお礼状では、かしこまった手紙ほど書式や形式にこだわる必要はありません。文書もその人にあった丁寧さを心がければ、それほど構成にこだわらなくても良いでしょう。また、気持ちが伝わるよう、相手のためを思って選んだ封筒や便箋、メッセージカードなどを使用しましょう。堅苦しくない形式でも、必ず封筒に入れて送りましょう。
・便箋は横書きで花などのイラスト入りも可
・メッセージカードや手作りのカードも可
・頭語や結語などは省き、自分なりの素直な構成と書き方も可
・封筒はイラスト入り洋封筒やレターセットに付属のものなども可
お礼状を書く時のペンは何でもいい?
お礼の手紙を書くときには宛先も含めてボールペンはNGです。黒か紺の万年筆かインク型のペンで書くようにしましょう。
結婚内祝いに添える手紙やメッセージカードの書き方マナーや例文について、詳しくはこちらをご覧ください。
結婚祝いのお返し(結婚内祝い)に添える丁寧・堅苦しくないお礼状のメッセージの書き方や文例。マナー、出し方、出すタイミングまで詳しくチェック!
まとめ
結婚祝いのお返し(結婚内祝い)を贈る際には感謝の気持ちが伝わるようのし紙の表書き、お礼状の書き方に注意を
結婚内祝いは、結婚をお祝いしてくださった人への感謝を伝える大切な贈り物なので、喜ばれる品物選びだけでなく、のしの選び方や書き方にも気をつけて、マナーに沿って丁寧に準備しましょう。特に、のし紙の表書きの書き方、郵送する際に添えるお礼状の書き方で迷ってしまう方も多いはず。結婚式前後の慌ただしいなかでも、正しいマナーを確認したうえで、お祝いをくださった方に心のこもった贈り物をスムーズに用意できるよう準備しましょう。