披露宴とは異なる少人数結婚式やウェディングパーティの雰囲気とスピーチ
Monkey Business – stock.adobe.com
家族のみ親族のみの少人数結婚式や、アットホームなウェディングパーティ、二次会の場合、ゲストの様子に注意しなければいけないことは大きく2つあります。
・ゲストは本当に親しいひとばかり
・堅苦しい挨拶より新郎らしい率直で暖かい言葉を求めている
ゲスト同士も見知った顔が多い場合は、テンションはすでにリラックス状態。
披露宴は余興を交えつつもフォーマルなパーティですが、アットホームな結婚式では同じ雰囲気は求めていません。
また、結婚式二次会やカジュアルなウェディングパーティの場合は、二次会から出席するゲストは披露宴がどんな雰囲気だったか知りたいでしょうし、自分も早くパーティの華やかな雰囲気に加わりたいでしょう。夕方〜夜の開始なら、お腹もすいているでしょう。
ゲストの顔ぶれも友人・同僚といった親密な関係性がほとんど。挨拶という掴みで自然にゲスト同士が盛り上がれるよう、スピーチは一般的な披露宴と立ち位置・方向性を変えて組み立てる必要があります。
アットホームな結婚式のスピーチで新郎が注意すべき点
スピーチの長さの目安は2分程度
披露宴のスピーチは2~3分が目安と言われていますが、アットホームな結婚式や少人数ウェディングなら、もっと短い時間が目安です。400~500文字以内が簡潔で理想です。
仲の良いもの同士のゲストや、お酒が入った仲の良い間柄のゲストは静寂に耐え切れず、ガヤガヤしてしまいがち。また、家族のみ、親族のみの結婚式では、見知った顔相手に長く話しづらいものです。パーティへの期待感から早く乾杯したいゲストもいます。短く簡潔に、テンポよくまとめましょう。
ゲストの期待感を(できるだけ)裏切らない
アットホームな結婚式のゲストは、お互い顔みしりであることや新郎新婦と特に仲がよいゲストが多いため、すでにリラックスムード。
また新郎新婦をお祝いしたい思いから、パーティへの期待感が高いはず。フォーマルにのっとった挨拶は披露宴で済ませていますので、友人達に新郎らしさが伝わる、堅苦しくない言葉のチョイスが喜ばれます。
感情と感動を隠さない
集まってくれた大切なゲストへの感謝の想いや、今まで結婚式準備で手伝ってくれた方々への感謝、結婚式全体への感動の気持ちは、素朴かつ素直な言葉で率直に伝えるのがいいでしょう。距離感のないおもてなしがアットホームなウェディングスピーチの成功の秘訣です。
アットホームな結婚式の新郎スピーチの構成と例文
Nastasia Froloff – stock.adobe.com
スピーチの基本は大きく3つの要素で構成されています。構成は変えずに、テイスト・中身・ボリュームだけアレンジします。
新郎スピーチの基本的な構成
アットホームな結婚式での新郎挨拶(ウエルカムスピーチ)の構成と流れを見てみましょう。
【冒頭・あいさつやゲストへのお礼】
掴みです。来てくださったことに感謝してできるだけ簡潔に。
【本題・夫婦のエピソードや抱負など】
先ほどの挙式での感想・気持ちや、通常の披露宴では言えない夫婦のおもしろエピソードなど、「みんな顔見知り」だから分かってもらえるものも喜ばれます。
【結びの言葉】
このあとの進行の流れ(乾杯の音頭・またはスピーチ)に向けて、簡潔にお礼を再度述べ司会へバトンタッチするか、乾杯の発生の方へつなぎます。テンポの良さが大切です。
アットホームな結婚式や家族と親族のみの少人数結婚式での新郎挨拶・文例
アットホームな結婚式の開始のスピーチ、挨拶で盛り込みたい内容として、関係性が深く、お互いをよく知った者同士のゲストへのお礼をシンプルに新郎らしい言葉でまとめましょう。例えばこんなエピソードはいかがでしょうか。
・挙式での感想・おもしろエピソード
・新郎新婦の結婚までのとっておきエピソード
・遠望から駆けつけてくれた、または久しぶりに会う親族や家族など大切なゲストへの感謝の気持ち
これらを織り込んだ例文を紹介します。
【冒頭】
今日はお忙しいなか、私たちの門出の席にお集まりいただき本当にありがとうございます。はるばる遠方から来てくださった〇〇おじさん、お忙しいなかご出席くださって本当に感激しています。
パーティ前にラウンジで待っている間に、飲みすぎていないですか?まだまだ飲めますか?
【本題】
先ほどの挙式で、妻と家族のファーストミートの際にもらい泣きしてしまい、ちょっと、いやかなり目が腫れております。〇〇は付き合ってからずっと、いつでも明るい笑顔でいてくれるので、家族への思いを聞いているうちに、涙が止まらず大変お恥ずかしい姿をお見せしました。今後とも、〇〇を大事にしていきたいという気持ちを、さらに新たにしました。
【結び】
お集まり頂いた親族の皆様、もうそろそろ飲みたいですよね。お待たせしてしまって申し訳ありません。僕も挙式とお披露目で非常に緊張してしまい、まだ一滴も飲んでおりません。飲み足りないので今、皆さまと早く乾杯したくうずうずしています。このあたりで、乾杯の発声を今か今かと待っている、人生の大先輩である△△叔父さんにバトンタッチしたいと思います。
(478文字・約1分)
アットホームな結婚式の最後の締めは感謝と感動の謝辞・文例
暖かい結婚式の締めは、時間を割いてお祝いに駆けつけてくださったゲストの皆さまへの感謝。協力してくれた家族、親族、友人へのお礼。こんなに素敵なゲストに囲まれてパーティを終えることができた喜びをかみしめ、率直な言葉で伝えましょう。
・ゲストへの感謝
・幹事や協力してくれた方々へのお礼
・今後も変わらない末永いお付き合いのお願い
これらを盛り込んだ例文を紹介します。
【冒頭】
お集まりの皆さま、本日はご多忙の中、遅い時間までパーティを全力で盛り上げていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。人生の節目となる大切な日に皆さまと一緒に過ごすことができ、一生忘れられない時間となりました。
【本題】
今日この時間を作るために何度も打ち合わせて、素晴らしい企画力でパーティを作ってくれたプランナーの〇〇さん・司会という大変な役目を快く引き受けて爆笑のトークを繰り広げてくれた親友の△△さんに、ここで改めてお礼を言わせてください。仕事が素晴らしくできる友人をもって、妻に「あなたもこれぐらい仕事ができる人になってね」と早速お尻をたたかれました。おふたりとも本当にありがとうございます。
【結び】
まだまだ未熟な僕たちですが、二人で力を合わせて温かい家庭を築いていきたいと思っています。皆さま、今後とも僕たちを見守り、ぜひ新居に遊びにきてください。これからも末永いお付き合いをお願いできればと思います。皆さま、今日は誠にありがとうございました。
(430文字・約50秒)
アットホームでカジュアルな結婚式のスピーチでも注意したいNGワード
アットホームな結婚式カジュアルな結婚式でも、お祝いの場なだけに避けた方が良いとされる「重ね言葉」と「忌み言葉」。ふたりらしい言葉で語ることが大事なものの、スピーチや手紙などを準備する際は念のため確認しておきましょう。
文章を作る際に忌み言葉、重ね言葉、区切り言葉はできるだけ避ける
忌み言葉とは、慶事や弔事で使うのを避けたほうが良いとされる言葉です。言葉の読み方や捉え方によって、縁起が悪いと思わせたり、悪い意味を連想させる言葉などがそれにあたります。 特に年配の方が多く集まる結婚式では、気にされる方も多くなるので気をつけなければいけません。せっかくのお祝いの場で気分を害する人がいないように、忌み言葉を使わずに上手に言い換えて最適なスピーチをおこないましょう。
また、重ね言葉は同じ言葉、または同じ意味の言葉を重ねて使うことです。再婚や悲しい出来事の再来を連想されるような重ね言葉などは、結婚は1回きりが望ましいという縁起を担ぐ意味で、使わないことが良いとされています。最近はあまり気にしない方も多くなっていますが、スピーチなどでは、できれば避けた方が無難です。
・忌み言葉…不吉なこと(別れ、死)を連想させる言葉
・重ね言葉・・・繰り返しの表現。離婚を連想するため不吉な言葉
・句読点・・・「区切る」「終止符」は不吉とされスピーチでは使わない
言葉の種類 | 連想する意味 | 言葉の例 |
---|---|---|
区切り言葉 | 別れ・再婚を連想させる言葉 | 最後に、去る、失う、去る、終わる、離れる、別れる、切れる、嫌う、飽きる、疎遠になる、冷える、繰り返し、再び、何度も |
忌み言葉 | 不幸を連想させる言葉 | 亡くなる、苦しい、朽ちる、病気、倒れる、壊れる、泣く、崩れる、滅びる、流れる痛ましい、衰える、倒れる |
重ね言葉 | 繰り返しの表現。離婚を連想するため不吉な言葉 | 時々、いよいよ、重ね重ね、わざわざ、たまたま、いろいろ、たびたび、どんどん、だんだん、しばしば、みるみる、日々、 相次いで |
結婚式のスピーチの時に避けたい「忌み言葉」「重ね言葉」まとめと言い換え例
その他気を付けたい、避けたい話題
気心の知れたゲストばかりのアットホームな結婚式だからと、盛り上げようと暴露話や過去の恋愛についての話題は絶対に避けるべきです。
特に両家の家族や親族が集まる場で、過去の恋愛話は避けましょう。笑いを誘おうと暴露系もお祝いの場にふさわしくないので気を付けてください。
自慢話、下ネタ、政治や宗教の話も避ける
スピーチや謝辞で大事なのはゲストへの感謝。自慢話は別の機会に。また、お開き間近になると飲みすぎて酔っぱらいモードの新郎がうっかり下ネタを語ってしまうケースもあります
政治や宗教、思想について言及するのもウェディングパーティの席ではタブー。さまざまな考えを持つゲストがいるので、内容に気を付けましょう。
アットホームな結婚式での新郎スピーチを成功させるポイント
暖かい雰囲気の結婚式で、新郎のスピーチを成功させて盛り上げるためにも、いくつかの点に注意し、事前に練習しておきましょう。
必ず声を出して練習を
結婚式は自分が主役。たとえ人前で話すことに慣れていたとしても、多くの人が緊張します。声が上ずったりかんでしまうと、余計に緊張が増すので、事前の練習は必須です。普段よりも大きな声で、ゆっくりと話す練習をしましょう。
カンペやメモは用意して見ても問題ない
スピーチ原稿としてカンペやメモを用意し、本番で読んでもマナー上は問題はありません。しかし、ゲストのほうを見ずにずっと下を向いたまま、原稿を丸読みするのは印象が良くないため、できるだけ内容を事前に頭に入れ、メモを見つつもゲストの方を向いて話せるよう事前に練習するのをおすすめします。
前を向いて堂々とした姿が、親や親族に安心感を与えます。目線を一人一人と合わせるのが気恥ずかしいなら、会場の奥の方からジグザグに目線を動かす方法もあります。
活舌よく、聞きやすいトーンとスピードで話す
スピーチをする人は落ち着いて、滑舌よく話すことを心掛けましょう。緊張しているとどうしても早口になり、声が上ずってしまうケースが多いため、意した原稿を棒読みしたりしないよう肩の力を抜いて、ゆっくりと落ち着いて話せるよう何度かリハーサルがおすすめです。できれば鏡の前で表情や姿勢をチェックする、一度録音して聞いてみるなどのセルフチェックを忘れずに。
まとめ
アットホーム、少人数結婚式のパーティでの新郎スピーチ。挨拶・謝辞は気持ちを率直に伝えよう
アットホーム結婚式での新郎の挨拶は、一般的な披露宴よりも短く簡潔に。率直な感謝の気持ち・感動をゲストに伝えるようにしましょう。
のゲストは、新郎新婦と顔見知りや本当に仲がいい人たちばかり。通常の結婚式にはない、カジュアルな距離の近さを求めています。おもてなしの気持ちがスピーチでゲストに伝われば、面白さや感動が生まれます。
披露宴のようにフォーマルな固い言葉ではなく、新郎新婦の人柄が伝わる楽しいスピーチでゲストを笑顔にしてくださいね。