レストランウェディングとはどんなメリットがある結婚式か?
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レストランウエディングとは、普段レストランとして営業している場所を貸し切って結婚式を挙げるスタイルのこと。人気の理由はなんといってもお料理が美味しく、ホテルや専門の結婚式場と比べ形式にとらわれず、アットホームなおもてなしができるウエディングスタイルです。
レストランは本来、料理を楽しむことがメインの施設で、結婚式を行うための施設ではありません。そのため、ひと昔前はおもてなし面や設備面で「カジュアルでラフな結婚式」というイメージが強かったのですが、現在は結婚式開催を初めから考えて作られているレストランが多く、有名シェフが手掛ける星付きレストランを始め、施設内に挙式できる設備があったり、接客サービスに力を入れていたりと、ホテルや専門式場と遜色ないレベルのレストランが数多くあります。同じ料金でホテルよりグレードとクオリティの高い料理がゲストに提供できることもあり、ゲストにパーティをより楽しんでもらうために選ばれることも多いのです。
レストランウェディングの主な特徴とメリット
・美味しい料理が楽しめる
・ゲストとの距離が近いアットホームな式が可能
・少人数ウエディングに向いている
・費用を抑えられる
・一棟まるごと貸切が可能
・オリジナルウェディングが可能
・会費制またはご祝儀制の選択が可能
・持ち込みの自由度が高い会場が多い
レストランウェディングの披露宴の流れの工夫やプログラム例とは?
一般的な披露宴・パーティの時間は約2時間半~3時間になります。レストランウェディングでは一棟貸し切りであることが多いため、同時に何組かの予約が入っていてきっちり時間がはまっている他の結婚式会場に比べると、比較的時間を自由に使えるのが大きな特徴です。プログラムも、定番のプログラムと自由な時間の使い方を活かしたゆったりしたプログラムを選ぶことができます。
一般的な結婚式と同じ流れのレストランウェディングの披露宴プログラム
一般的な結婚式と同様に流れを進めたい場合には、定番のプログラムがおすすめです。ゲスト数が多い場合や、結婚式らしいことはしっかり盛り込みたいという方には、メリハリがあり、ゲストを退屈させない工夫のある定番の流れが適しているでしょう。
一般的なプログラムの流れ
・受付とゲスト入場
・新郎新婦入場
・開宴挨拶
・新郎新婦紹介
・祝辞、乾杯
・歓談・お食事
・ケーキカット
・新郎新婦お色直しのため退場
・歓談・お食事
・新郎新婦再入場、キャンドルサービス
・ゲストによる余興
・新婦による手紙朗読
・親へ記念品・花束贈呈
・謝辞
・新郎新婦退場
・お見送り
歓談メインでゆったりした流れのレストランウェディングの披露宴プログラム
レストランウェディングでは「お色直しなし」「演出はなし」の選択肢をするカップルも多くいます。30人~40人以下の少人数ゲストであれば、招待している人はほぼ親族や身内など親しい人のみ。
美味しい食事をゆっくり楽しみ、プロフィールムービーを見て思い出話に花を咲かせたり、できるだけゲストとの時間をゆっくり楽しみたい…という思いから、お色直しをなしにしてゲストといる時間をできるだけ長く取ったり、過度な演出は避け、歓談しやすい環境を作ったり…という考え方によるものです。司会を立てずに、新郎新婦が進行を自ら取り仕切る例も多く見られます。
プログラム | 内容と演出の流れ |
---|---|
ゲストおでむかえ | ウェルカムドリンクとアペタイザーでおもてなし |
新郎新婦入場 | テーブルラウンドセレモニーなど取り入れることが可能 |
新郎新婦の開宴挨拶 | 2人でゲストにそれぞれスピーチをする |
新郎新婦プロフィール紹介 | プロフィールムービーを流す |
祝辞、乾杯 | 新郎友人が祝辞と乾杯の音頭 |
歓談・お食事 | 料理長より今日のメニューの説明演出あり |
ケーキカット | ケーキカットした後ゲストに新郎新婦がサーブ |
ピアノ演奏 | ゲストによる生演奏の余興 |
花嫁の手紙 | 新婦による家族への手紙の朗読 |
両家両親へ記念品贈呈 | 新郎新婦から両家の親へ記念品と花束贈呈 |
記念撮影 | 新郎新婦とゲスト全員で記念撮影 |
新郎父より謝辞 | 両家を代表して新郎父より挨拶 |
新郎新婦より謝辞 | 新郎新婦二人でゲストに感謝の挨拶 |
新郎新婦退場 | 新郎新婦がいったん退場。エントランスへ移動 |
お見送り | ゲストひとり一人にプチギフトのお渡し |
レストランウェディングで人気の演出内容やアイデアは?
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レストランウェディングでは、枠にとらわれない自由な時間の使い方や、ゲストと距離感が近く、会話が楽しめる時間を作るために、どのような演出が楽しめるのでしょうか。
人気の演出アイデアをまとめました。
テーブルラウンドやサーブ
ゲストとのふれあいを楽しみたい新郎新婦に人気の演出です。フォトプロップスをテーブルごとに用意して一緒に撮影を楽しんだり、食事開始の後にパンをサーブしたり…とゲストとの距離感を縮め、おもてなしできる演出です。
オリジナルメニューやメニュー説明
レストランウェディングならではの演出のひとつ。一般的な結婚式ではウェディングメニューが決められていることが多いのですが、レストランでは新郎新婦の希望を取り入れたメニューを取り入れてくれるサービスを行っていることも多いよう。使っている食材やメニューで工夫したポイントを、ゲストへ料理長から説明してもらったり、新郎新婦自らが説明したり…という演出を取り入れることができるでしょう。
料理ビュッフェやデザートビュッフェ
ゲストが自由に料理やデザートを楽しむことができる「ビュッフェスタイル」は人気の演出のひとつ。特にデザートビュッフェは新郎新婦がデザートをサーブしたり、色とりどりのデザートを前にゲストが記念撮影をしたりと、歓談が弾む演出です。
オリジナルの生ケーキ
人数の多い結婚式では難しい、オリジナルの生ウェディングケーキにして、ファーストバイトのセレモニーを楽しむカップルが多いようです。また、パティシエが在中しているため、オリジナルデザインの生ケーキを作ってもらうことが可能なレストランも多く、ケーキ入刀後は切り分けして、ゲストとともに全員で味わうことができるでしょう。
調理パフォーマンス
シェフが調理を行う姿は目にする機会が少ないはず。レストランによってはオープンキッチン設備があったり、テラスでグリルが行える設備があるなど、ゲストの目の前でシェフの調理パフォーマンスを行える場所や演出が可能な会場があります。また、シェフがゲスト卓をまわって最後の仕上げソースをかけるなど、ゲストとのコミュニケーションをとる演出サービスを行うレストランもあります。
人前挙式
二人の結婚を神様ではなくゲストに誓い承認してもらう「人前式」。チャペルや神殿など挙式設備がなくても、ゲストさえいれば披露宴会場でも行えるため場所を選ばずどこでも結婚の誓いが立てられる挙式スタイルです。レストランウエディングでは挙式設備が備わっていないこともあるため、披露宴会場で行う宴内人前式やガーデンで行う人前式の演出は多く取り入れられています。
プロフィールムービー
通常はお色直しの中座の際に流すムービー演出ですが、お色直しをなしにして、新郎新婦もプロフィールムービーを一緒に楽しむ演出は、レストランウェディングで多い、少人数ゲストならではの演出です。大人数ゲストでは避けた方が良い内輪ネタも、二人をよく知っている人だけが集まっている場なら楽しい話題で盛り上がることができます。二人の思い出がよく分かる画像やムービーをたくさん利用して、ゲストに思い出話で盛り上がってもらいましょう。
高砂ソファやフォトブースの設営
新郎新婦がゲストと一緒に、またゲスト同士で記念撮影をしたり、ゲストとの集合写真など個性あふれる写真が残せるフォトブース演出が人気です。また高砂テーブルをなくしてゲストとの距離感を近くした「高砂ソファ」をそのままフォトブースにする演出なども。会場のレイアウトやアイテムの持ち込みの自由度が高いレストランなら、導線も考えたフォトブース設営が可能です。
生演奏
美味しい料理とプライベートな空間作りに一役買ってくれるのがプロによる生演奏。上質でゆったりした時間をより深く楽しめる演出になります。二人が楽器の経験者であれば、二人で演奏するといったケースも。ただ、レストランに演奏スペースがあるかや、楽器の手配がしてもらえるか、その場合の費用など会場担当者に確認することは多くあり、すべて自己手配というケースもあります。
レストランウェディングの流れや演出を考える前に会場設備の確認を
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レストランウェディングはもともとは結婚式を専門的に行うスペースではなく、あくまで料理を楽しむためのスペースです。会場によっては、結婚式会場に基本的に用意されている設備がなく、考えていた演出やプログラムが行えないことも。やりたい演出やプログラムがある場合には、契約前や下見の段階で担当者に確認が必要です。
新郎新婦の支度用メイクルーム
新郎新婦の支度用メイクルームの用意はあるものの、狭かったり、和装が難しかったり、お色直しをするのに導線的に難しいケースがあります。衣裳にこだわりがあったり、お色直しや和装を考えている場合には、メイクルームの広さや美容手配についてなど、詳しく確認しておきましょう。
ゲスト用の控え室や待合室、着替え室の有無
到着したゲストの待合室や親族控え室、ゲストの着替え室などがあるかどうかの確認をとりましょう。ゲストの控室や着替え室などは用意がないことも多く、ゲスト全員に事前アナウンスが必要な場合もあります。また、待合室がない場合には、受付を済ませたゲストが歓談したりウェルカムドリンクをどのように楽しんでもらうかなど、会場側に確認しておく必要があるでしょう。
会場の広さと会場導線
会場の広さと適正なゲスト数、テーブル配置や当日の入場退場導線などを確認しておきましょう。会場が狭い場合は、ボリュームのあるドレスやトレーンが長すぎるドレスだとゲストのテーブルを回る「テーブルラウンド」が難しくなってしまうことも考えられます。また、バンケットルームが1つしかないことも多いため、適正なゲスト数でないと会場が広すぎる、狭すぎる問題でゲストに不快な思いをさせてしまうことも。少人数の場合は会場全体を貸し切ることができなくても、個室で対応してもらえるかどうかも確認しましょう。
挙式会場の確認
一軒家レストランなどではチャペルなど挙式設備を備えた会場も多くありますが、収容人数が少なくゲスト全員が参列できないこともあります。また、挙式設備がない場合も多く、ガーデンやバンケットでの人前式にするか、神社や教会など他の挙式会場で挙式を行った後に披露宴のみレストランで行うか、など、挙式についても考える必要があります。
会場演出用設備の確認
通常のバンケットルームには用意のある、プロジェクターやスクリーン、音響や照明などが備わっていない場合も。希望する演出が行える設備が整っているか確認を取りましょう。また、自己手配する場合には持ち込みが可能かどうかの確認も合わせて必要です。
まとめ
レストランウェディングの流れや演出はゲストとの時間の使い方を軸に考える
レストランウェディングは、もともと結婚式の専門会場ではないスペースで結婚式を行うため、よりゲストと親密な時間を過ごすための流れや演出に向いています。レストランウェディングの特性とメリットをしっかり理解した上で、楽しい時間の使い方ができるプログラムや演出内容を工夫しましょう。