カジュアルウェディングとは?
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カジュアルウェディングとは、披露宴のようなかたくるしさはなく、二次会のようにくだけすぎていない結婚式のこと。披露宴と二次会の中間のイメージであるため、1.5次会と呼ばれることもあります。
「これをしなければならない」というルールはないため、「形式にとらわれないふたりらしい結婚式をしたい」カップルに好まれています。
挙式スタイルは自由度の高い人前式がぴったり
“自由”がキーワードとなるカジュアルウェディングですから、挙式スタイルは人前式がぴったりです。人前式の場合、「ゲストにおふたりの結婚を承認してもらう」ということ以外はすべて自由。入場から退場まで、どんな内容にするかはおふたりのイメージ次第です。
もちろん、挙式は厳かに大聖堂で教会式(キリスト教式)や神社で神前式を行い、その後のお披露目を披露宴ではなくカジュアルなパーティにすることも可能。挙式とパーティの雰囲気がガラッと変わるため、ゲストの印象に残る結婚式ができるかもしれませんね。
カジュアルウェディングのスタイル
カジュアルウェディングは、提供する料理や会場のレイアウトによって次のスタイルに分けられます。
- 会費制の立食ビュッフェスタイル
- 会費制の着席ビュッフェスタイル
- ご祝儀制の着席コース料理スタイル
それぞれのポイントを解説しましょう。
会費制の立食ビュッフェスタイル
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3つの中で最もカジュアルなパーティスタイル。ゲストも新郎新婦も会場内を自由に動くことができ、好きなものを選んで食べることができます。
会費はご祝儀の金額よりも低めに設定されるのが一般的であるため、ご祝儀制のパーティに比べてゲストの負担が少ないのが特徴です。ご祝儀をいただかない分、引出物などを用意する必要もありません。
会費制の着席ビュッフェスタイル
同じく会費制でビュッフェを提供するスタイルですが、ゲスト一人ひとりに席を用意する場合もあります。年配ゲストが多い場合や、会場に広さがある場合などは、着席スタイルでのおもてなしが最適です。
会費制なので、この場合も引出物なしでも問題ありません。好きな席に座ってもらうこともできますが、席次を決めてゲストを案内するほうがゲストに気を使わせずに済みます。
ご祝儀制の着席コース料理スタイル
ゲストからご祝儀をいただき、一人ひとりに席を用意してコース料理を振る舞うスタイルなら、披露宴に近いイメージでパーティができます。年配ゲストや家族・親族が多い場合のカジュアルウェディングなら、このスタイルが馴染みやすいかもしれません。
「料理にこだわりたい」「ゲストをしっかりおもてなししたい」というおふたりにおすすめ。料理を楽しみに結婚式に参加しているゲストもいますので、ゲストの満足度も高められるでしょう。
スタイル別の費用と会費
結婚式でゲストに振る舞う料理の金額は平均1万5500円。これに飲み物が平均4000円プラスされ、一人あたり1万9500円となります。
結婚式をおこなうカップルに94.6%がコース料理を選択しているため、この金額はコース料理を提供した時の金額だと理解できます。
ご祝儀制の場合は、この金額に引出物代がプラスされるため、「2万5000円~3万円×ゲスト人数分」をゲストへのおもてなしとしてかかる費用と考えておきましょう。
ビュッフェの場合は、料理の内容がコースよりも軽めになるため料理にかかる費用もさがるのが一般的。8000円~1万5000円程の会費をゲストにいただいてその中でやりくりするケースが多いようです。
データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ
カジュアルウェディングができる会場
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カジュアルウェディングができる結婚式場には次のようなものがあります。
ゲストハウス
結婚式場の種類のひとつ。結婚式のために建てられているため、ロビーやチャペル、音響など、必要な設備が整っているのが特徴です。貸切で利用できるところも多く、海外ウェディングのようなプライベート感たっぷりの結婚式ができます。「堅苦しい雰囲気はできるだけなくして、自分たちらしい結婚式がしたい」という人におすすめです。
ホテル
格式高くフォーマルな結婚式がしたい人におすすめなのがホテルです。普段からお客様の接客を担当しているスタッフが結婚式にも対応してくれるため、質の高いサービスが受けられます。とはいえ、パーティ慣れしているホテルならば、カジュアルウェディングにも対応可能。大切なゲストをしっかりおもてなししたい、遠方ゲストの負担を減らしたいなど、さまざまなニーズに応えてくれるでしょう。
レストラン
カフェよりも落ち着いた雰囲気のあるレストランなら、「ゲストへのおもてなしを大切にしつつ、カジュアルウェディングがしたい」というニーズに応えてくれます。美味しい料理を提供するのがゲストへの最高のおもてなしになります。特別な日に利用したくなるような高級レストランなら、大人っぽい雰囲気でおしゃれなカジュアルウェディングができるでしょう。
カフェ・ダイニングバー
ゲストがリラックスして過ごせる、ゆったりした時間の中で会話を楽しむ、ゲストと気軽に盛り上がれるなど、カジュアル度がぐんと高くなるカフェやダイニングバーでの結婚式。友人中心のカジュアルウェディングにおすすめの会場です。おしゃれなカフェでおこなえば会場装飾もする必要がなく、費用もおさえられるでしょう。
キャンプ場などの屋外
キャンプ場や公園など、結婚式に対応していない会場でも、カジュアルウェディングが叶う場合があります。会場を使用するための交渉や準備は大変ですが、手作り感のある2人らしい結婚式ができるでしょう。バーベキューや夏祭り、野外フェスなどを模した結婚式も面白いのではないでしょうか。
カジュアルウェディングのメリット・デメリット
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自由で楽しいイメージのあるカジュアルウェディングですが、メリットはもちろんデメリットもあります。カジュアルウェディングをするかどうかは、メリット・デメリットを考慮したうえで決めるようにしましょう。
カジュアルウェディングの主なメリット
カジュアルウェディングのメリットとして、主に次のようなものが挙げられます。
会費制ならゲストに気軽に参加してもらえる
新郎新婦とゲストとの関係にもよりますが、ご祝儀の相場はおよそ3万円です。披露宴はご祝儀制で行われることが多いため、ゲストは3万円+交通費やヘアメイク、衣裳代などを負担しなければなりません。しかし、会費制ならば多くても1万5000円ほどですから、ご祝儀を支払うよりも負担が軽くてすみます。「平服OK」にすれば、披露宴出席時よりも衣裳代もかからないでしょう。
いただける会費がわかっているので予算を立てやすい
ゲストからご祝儀をいくらいただけるのかは、ご祝儀袋をあけてみなければわかりません。いただけるご祝儀を想定して結婚式費用を計算していたけれど、思っていたよりもご祝儀がもらえなかったという可能性も。しかし、会費制なら参加人数がわかればいくら入ってくるかが読めるため、予算を立てやすいというメリットがあります。
自由度が高くやりたいことを取り入れやすい
カジュアルウェディングには、新郎新婦がやりたいことを取り入れることが可能です。「カジュアルすぎて結婚式にはふさわしくないのでは?」などと頭を悩ませる必要もありません。
ゲストとの距離が近くアットホームな結婚式ができる
ビュッフェスタイルならば、ゲストも新郎新婦も会場内を自由に動き回ることが可能です。ゲストと近い距離でお酒や食事を楽しんだり、話に花を咲かせたりすることもできるでしょう。披露宴のように特別な演出を取り入れずに会話を楽しむパーティにしても問題ありません。
カジュアルウェディングの主なデメリット
カジュアルウェディングをおこなう時、注意する点やデメリットは次のとおりです。
年配ゲストにはなじみがなく敬遠される可能性がある
「結婚式はホテルなどでおこなうフォーマルなパーティ」というイメージを持っている年配ゲストも少なくありません。そのため、自由度の高いカジュアルウェディングは「カジュアルすぎる」「こんな結婚式はゲストに失礼だ」と思われてしまう可能性があります。カジュアルウェディングを希望している場合は、両親に事前に相談するようにしましょう。
結婚式費用や会費によっては負担が大きくなる可能性がある
やりたいことを盛り込んだカジュアルウェディングでは、演出や備品、衣裳などに費用がかかってしまう場合があります。ゲストの負担を減らすために会費を安く設定したいという人もいるでしょう。このような場合、新郎新婦が負担する金額(自己負担)が披露宴よりも高くなってしまう可能性もあります。「費用をおさえたいからカジュアルウェディングをしたい」と考えているなら、一般的な披露宴にかかる費用と比べて考えてみてはいかがでしょうか。
「にぎやかなパーティ」になってしまう場合がある
「内容がカジュアルすぎて、ただの二次会になってしまった」「結婚式らしさを排除しすぎて、にぎやかなパーティになってしまった」という可能性もゼロではありません。パーティの内容を検討する際は、“結婚をお披露目するパーティ”であることを忘れないよう注意してください。
打ち合わせや準備に時間がかかる可能性がある
結婚式場やホテル、結婚式に対応しているレストランのようなところであれば問題ありません。しかし、結婚式に対応していなかったり、プランナーがいない会場の場合、新郎新婦の準備の負担は大きくなります。プロデュース会社を入れる場合でも、パーティの内容にこだわりすぎて打ち合わせや準備に時間がかかることもあるでしょう。
カジュアルウェディングが向いている人
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次に当てはまるようならば、カジュアルウェディングが向いているといえます。
自由度の高い結婚式がしたい人
おふたりのイメージに合わせてフォーマルな披露宴よりにも、ざっくばらんな二次会よりにもできるカジュアルウェディング。自分たちの好きなものを取り入れて自由度の高い結婚式がしたい人におすすめです。
ゲストと近い距離でアットホームな結婚式がしたい人
立食スタイルにすれば、ゲストと近い距離で会話を楽しみながら結婚式の時間を過ごすことができます。メインテーブル(高砂)でゲストの様子を見守るだけでなく、新郎新婦からゲストへ近寄ることもでき、アットホームな結婚式になるでしょう。
ゲストに負担をかけたくない人
会費制のカジュアルウェディングにすれば、ご祝儀制の披露宴よりもゲストの負担が軽くなります。気軽に出席してもらえるでしょう。また、会費制なら引出物の用意もなくなるので新郎新婦の負担も減ります。立食スタイルにすれば席次を用意する必要もありません。
海外リゾートウエディングをした人の国内お披露目にもおすすめ
おふたりだけで、もしくは家族だけでなど、少人数の海外リゾートウェディングをしたカップルが、国内でたくさんのゲストにお披露目をする際にもカジュアルウェディングはおすすめです。
海外リゾ婚でおふたりが愛を誓う姿を上映した後にパーティを始める、人前式+パーティをするなど、内容は自由。リゾ婚の雰囲気あふれる演出を取り入れることで、ゲストも現地に行った気分を味わいながらパーティを楽しめます。
カジュアルウェディングを成功させるポイント
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“にぎやかな二次会のようなパーティ”ではなく、結婚式らしさのあるカジュアルウェディングにするためには、次のポイントをおさえるようにしましょう。
結婚式のテーマをしっかり決めるのが大前提
“カジュアルウェディング”を成功させたいならば、もう一歩踏み込んで「どんなカジュアルウェディングにしたいのか」を考えてみましょう。
- ラスティックな雰囲気にしたいならグリーンやナチュラルをテーマにする
- 絆を感じる結婚式にしたいならお揃いアイテムを用意する
- リゾート感のある結婚式にしたいなら、ビーチリゾートをテーマにコーディネートする
- ゲストとの時間を大切にしたいなら、歓談の時間をメインにする
など、おふたりの結婚式のテーマを元に会場の装飾やプログラムを決めれば、統一感があるおしゃれな内容になるでしょう。
挙式会場の選び方
ルールのないカジュアルウェディングなら、挙式会場はチャペルや神殿でなくてもOKです。緑豊かなガーデン、さわやかなプールサイド、想い出の公園や建物など、おふたりの挙式イメージに合わせて会場を選んでください。
挙式スタイルも選べますが、チャペルや神社・神殿以外の挙式の場合、挙式スタイルは人前式になることが多いです。希望の挙式スタイルがある場合は、対応可能かどうかを確認したうえで会場を選んでください。
また、屋外で挙式をする場合は雨天時の会場もおさえておくようにしましょう。ゲストに負担をかけたくない場合は、披露宴会場との距離が近い挙式会場を選びましょう。
パーティ会場の選び方
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カジュアルウェディングなら、先ほどご紹介した通り、パーティ会場はゲストハウス・ホテル・カフェ・レストラン・キャンプ場などがあります。
結婚式の準備に時間をかけられないカップルは、ゲストハウスやホテルなどの結婚式場を選ぶのがおすすめですが、自分たちらしい自由度の高い結婚式をしたい場合は、カフェやレストランなどを会場にしてすべて自分たちでつくり上げていくのも良いでしょう。
結婚式のプロデュース会社を利用すれば、会場との交渉や準備、プログラム決め、衣装や飲食の手配などすべて代行してもらうことも可能です。
料理・飲み物を選ぶ際のポイント
結婚式では、着席スタイルで美味しいコース料理を振る舞うのが基本です。ご祝儀へのお礼と、ゲストへのおもてなしを一番に考えるならばコース料理を選びましょう。
ゲストと近い距離で、カジュアルに楽しみたいならば立食スタイルでビュッフェを用意する方法もあります。この場合、ご祝儀は受け取らないのが基本となります。
結婚式のイメージや食事スタイル、会場の広さ、予算などを考慮したうえで料理・飲み物を選ぶようにしてください。
カジュアルウェディングにおすすめの演出
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カジュアルウェディングを盛り上げる、おすすめの演出を5つご紹介します。
ドレスコードをカジュアル指定にする
「平服でお越しください」「青いものを身につけて」「リゾート風ファッションで」など、招待状でゲストのドレスコードをカジュアル指定するのもおすすめです。ゲストが服装を決めやすくなるだけでなく、会場に統一感を出すこともできます。
長めの歓談タイム
歓談タイムを長めにとることで、ゆったりした時間を感じながら会話を楽しむことができるでしょう。自由度の高いカジュアルウェディングなら、ゲストもリラックスして過ごせますし、会場コーディネートにこだわれば、特別な演出を取り入れなくてもオシャレ。
笑顔いっぱいの写真を残すこともできるはずです。
ブライズメイド・アッシャー
新婦の付添人をブライズメイド、新郎の付添人をアッシャー(グルームズマン)といいます。指輪の交換時にブーケを預かったり、ドレスの裾を直したり、新郎新婦をサポートしてくれます。お揃いの衣裳やアイテムを身につけて、結婚式を華やかに盛り上げてくれます。
海外では一般的だったブライズメイドやアッシャーは、最近では日本でも取り入れられるようになってきました。新郎新婦の友人や兄弟姉妹・いとこなどにお願いすれば、海外ウェディングのような雰囲気で、ゲスト参加型の結婚式ができますよ。
オリジナルウェディングケーキ&○○バイト
カジュアルウェディングなら、ケーキはおふたりらしいオリジナルのデコレーションケーキを用意して、ケーキ入刀&ファーストバイトを取り入れるのもおすすめです。結婚式の定番だからこそ、ゲストも盛り上がれますし、新郎新婦も結婚式を実感することができるはず。
新郎新婦によるファーストバイトは結婚式の定番演出ですが、カジュアルさを出すならゲスト参加型がおすすめ。両家両親のお手本バイトや新郎新婦から母親へのサンクスバイト、母親から新郎新婦へのラストバイト、ゲストへ幸せをおすそ分けするリレーバイトなど、「○○バイト」を取り入れてみるのも面白いですよ。
ナイトウェディング
カジュアルウェディングなら、夜の結婚式もおすすめです。グラスを片手にゲストと語り合うなど、落ち着いた雰囲気のパーティになるでしょう。
「平服OK」のカジュアルウェディングなら、仕事帰りに結婚式に出席してもらうこともでき、たくさんのゲストに出席してもらえるかもしれません。
まとめ
カジュアルウェディングならゲストと一緒に楽しめる!
アットホームな雰囲気で、自由との高い結婚式ができるカジュアルウェディング。「おふたりらしい結婚式がしたい」「ゲストの負担が少ない結婚式がしたい」という人におすすめです。
どんな結婚式にしたいのかを考えて“結婚式のテーマ”を決め、テーマに沿ってプランを立てていくのがカジュアルウェディングを成功させるポイント。
ゲストハウスやカフェ、レストランなど自分たちにあった会場を選び、ステキなカジュアルウェディングを実現してください。ゲストと一緒に楽しめる、ステキな結婚式ができますように!