結婚の挨拶を彼、彼女の実家(自宅)以外で行うケースが増えている
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結婚の挨拶とは、結婚の意思を固め婚約する二人が、お互いの親に結婚の許しを得るために、それぞれの親の許に挨拶に赴くことです。通常結婚の挨拶は、お互いの実家に訪問するのが一般的です。
ですが、現在ではさまざまな理由から実家以外の、レストランや料亭など外食先を選ぶケースが増えているようです。実家以外で挨拶を行う多くの場合は、周囲に気兼ねなく話ができるよう、個室のある落ち着いた雰囲気のレストランや料亭などが選ばれます。
実家以外を選ぶ事情はさまざまですが、基本的には親の方からの申し出を受けて決定します
「できれば自宅以外で」「実家が遠方なのでお互いが会いやすい場所で」「外で食事をとりながらゆっくり話したい」など、親側の意向を汲んで、実家以外の場所を選択されます。
結婚の挨拶を外食先(レストランや料亭)で行う場合のお店予約の段取り
相手の親から「結婚の挨拶の場は自宅(実家)以外が良い」と言われた場合、レストランや料亭などのお店選びや手配は自分または親のどちらが行えばいいのか、予算や支払いなど、どのような点に配慮して行えばいいのでしょうか。また、その際の注意点もまとめました。
結婚の挨拶を行うレストランや料亭の選び方
事前に相手の親の食の好みや都合のよい時間帯、最寄り駅などをパートナーを通じてヒアリングし、親の都合や好み、意向にあわせて予約を行います。
お店の立地は親の家の近くまたは最寄り駅から近い場所を選ぶ
お店の立地は相手の親が実家からアクセスの良い場所を選びます。お酒が入ることが想定される場合は、駅から徒歩ですぐのお店を選ぶようにしましょう。
お店は個室がある場所を選ぶ
周囲の目を気にせず落ち着いて話ができる個室が予約できるお店を選びましょう。レストラン、料亭、ホテル内のレストランなどがおすすめです。
予約は予算内でコース料理を選ぶ
お店を予約する際は、大切な話をするのに料理選びで手間取らないよう、コース料理を選びましょう。事前に相手の親の食の好みやアレルギーなどがないかをヒアリングしておき、もし苦手な食材などがあれば予約時に配慮してもらえるか確認を。
お店選びの目安となる予算としてはつぎの価格帯が目安です。
ランチの予算 5000円前後~
ディナーの予算 10000円前後~
相手の親がお店を予約するケースもよくある
相手の親が、結婚の挨拶の場を実家以外を指定したその流れで、お店を手配してくれるケースも多くあります。そういった場合は相手の親にお任せし、お店を手配してくれたことに対して当日会ったらすぐに挨拶とともに、手配してくれたことへのお礼を伝えましょう。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の服装
結婚の挨拶をレストランや料亭など外食先で行う際の服装については、実家に行く際の認識と同様に、男性はスーツまたはジャケパンスタイル、女性はきれい目で清楚に見えるワンピースやツーピースであることが望ましいでしょう。
レストランに行く際のドレスコード、スマートエレガンスやスマートカジュアルを守った服装を心がけてください。
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結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の手土産選びの注意点
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結婚の挨拶で相手の親を訪問するマナーとして、手土産を持参します。手土産を決める際には親の好みや賞味期限など配慮しておきたいポイントや、渡す際にマナーを守ったタイミングでスムーズに渡せる渡し方を確認しておきましょう。手土産は結婚挨拶の前日には手元に準備があるよう手配しておくと安心です。
また、外食先であり相手の自宅ではないため、次の点に特に注意して選びましょう。
・お酒など重たい手土産は避ける
・要冷蔵や生ものなど注意が必要な手土産は避ける
・賞味期限は2週間あるものにする
・購入店で必ず持ち帰り用の新しい紙袋も用意してもらう
・雨が懸念される場合は雨用の袋も購入店で用意してもらう
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結婚の挨拶を外食先(レストランや料亭)で行う場合の挨拶の流れ
結婚の挨拶をレストランや料亭などで行う際には、お店の滞在時間は大体2時間~3時間ぐらいが想定できます。実家に伺うより、長い時間になるでしょう。
その際、挨拶の場で想定される一連の流れの例を確認しておき、どのように振る舞えばよいかや注意したい点を具体的にシミュレーションしておき、当日は臨機応変に対応しましょう。
【結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の流れ】
(1)待ち合わせ場所には待ち合わせ時間の5~10分前には到着し、身だしなみを整えて待つ
(2)最寄り駅、またはレストラン前で相手の親と待ち合わせをする。会ったらすぐ挨拶をする。
(3)全員で連れだってお店に入る。個室に通されたら、さりげなく相手の親を上座に誘導する。
(4)席の位置に就いたタイミングで、着席前に改めて挨拶して手土産を渡す。(荷物になるので食事後席を立つ際に渡す考え方もある)
(5)飲物を注文した後、料理が出てくる前に、本題の結婚を承諾してもらいたい件を切り出す。
(6)料理が運ばれてきたら和やかに歓談を。親から質問を受けそうなことは事前にパートナーと相談して準備する。
(7)食事がすべて済み、歓談が一区切りついたところで2~3時間を目安に会食のお開きを切り出す。
(8)支払いはこちらが持つ場合にはトイレに行く際などに事前に済ませる。
(9)全員が立ち上がったらもう一度挨拶をする。
(10)レストランを出て、駅まで方向が同じであれば、駅までご一緒する。帰路が分かれる際に、最後の挨拶をする。
(11)ご両親の姿が見えなくなるまできちんとお見送りする。
(12)帰宅後に今日のお礼の電話をして、お礼状を2~3日以内にお送りする。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の待ち合わせ
お店のロビーやエントランス前、または分かりやすい最寄り駅などで、必ずパートナー、パートナーの親と待ち合わせをしてから、一緒にお店に向かいましょう。
待ち合わせ場所には待ち合わせ時間の5~10分前には到着しておき、余裕を持って出迎えられるようにしておきましょう。
相手の親と会ったらすぐに、まずは挨拶と挨拶の時間を作って頂いたお礼を述べましょう。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の個室の席順。上座下座の確認
レストランなどお店に入ったら、相手の親に上座に座ってもらうようにさりげなく自然に誘導しましょう。レストランの洋室、料亭の和室の場合の上座、下座の考え方の基本を確認してください。
レストランなど洋室の個室の上座、下座
基本的には出入口に遠い方を上座、近い方を下座として考えましょう。
眺めの良い窓があった場合などは、眺めが一番よい席を上座として考えます。
料亭など和室の個室の上座、下座
料亭で床の間がある場合は、床の間を上座とします。床の間より離れているほうが下座です。また、床の間から見た左を上座・右を下座とする場合もあります。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の手土産の渡し方
レストランなどで結婚の挨拶を行う場合の、手土産を渡すタイミングと渡し方を確認しておきましょう。
着席前が手土産を手渡すタイミング
個室に通されてコートなどをハンガーにかけ、着席する前が手土産を渡すタイミングです。
まず紙袋から手土産を取り出し、自分の前に正面を向け、包装が乱れていないかチェックします。次に、相手の方に手土産の正面を向け、両手を添えて差し出します。
渡す際に「とても美味しいという評判を聞きまして。お口にあうと良いのですが」など、一言添えて手渡しましょう。
手土産を渡す際には持ち帰り用の新しい紙袋を用意する
レストランや料亭など、自宅以外で手土産を手渡す場合には持ち帰りに紙袋が必要になるため、紙袋を用意してお渡しします。一度紙袋から出して手渡しするのは自宅の際の手渡しの所作と変わりませんが、その後に「お持ち帰りの際にご利用ください」といって、自分が持ってきたものとは別の新しい紙袋を一緒に渡します。手土産を準備するお見せで、持ち帰り用の新しい紙袋も必ず一緒に準備してもらいましょう。持ってきた紙袋は自分で持ち帰ります。
ただ、最近では外食などの場合には持ち帰りを想定しマナーを理解している前提で、紙袋から出さずに「袋のまま失礼いたします」と一言添えて、両手を紙袋に添えてお渡しするケースも増えています。手土産を渡すのにもたついてしまうようであれば、こちらの方法でスムーズに渡しても良いでしょう。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の本題の切り出し方
レストランなどお店で結婚の挨拶をする場合、本題である結婚の許しを相手の親に切り出すタイミングは、料理が来る前、席につき、お冷やがテーブルに配られメニューを頼んだ後の、料理が出てくるまでの間が、切り出して話しをするのにおすすめです。
料理が運ばれてきてしまうと、どうしても冷めるのを気にしてしまうため気がそぞろになり真剣な話にはあまり向いていません。
会話の切り出しや仕切りは男性主導が自然
会話と場の流れの主導は、男性が主導するほうが好ましい印象です。特に、男性側の親に女性が挨拶で伺う際に、結婚の許しをいただく本題の切り出しや、おひらきに関して女性からは切り出しづらいでしょう。二人で会話の流れ結婚の許しをいただく本題の切り出しのタイミング、おひらきのタイミングなど、事前に二人で打ち合わせしておき、できるだけ男性に仕切ってもらうことがおすすめです。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の会話の内容
結婚の挨拶の場を外食先にする場合、相手の親は食事をしながら我が子の結婚相手とじっくり話をしたいという考えがあることが多いようです。レストランなど外食先での滞在時間は2~3時間程度が一般的で会話がメインになることが考えられます。会話での話題や親からの質問に関しては、十分に準備しておいた方が良いでしょう。
親との会話の内容を準備しておく
相手の親と話が盛り上がるよう、話題について準備しておきましょう。親の趣味や好きなこと、お互いの家族の共通点などは事前にパートナーからヒアリングしておくと良いでしょう。また、宗教、政治、ひいきのスポーツチーム、健康状態など、避けたほうが良い話題についても確認をとっておきましょう。
親からの質問を想定し二人の結婚と将来について話し合っておく
親として二人の結婚について、結婚相手がどのような人かについてさまざまな質問をされることが考えられます。親からの質問で主に予想できるとや、二人の将来や結婚式についてなじは事前に相談し、お互いの認識として確認をとっておきましょう。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合の支払いの負担とタイミング
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支払いの負担は自分か、相手の親側か
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行った場合の費用の支払い負担は、基本的なマナーとして「お店を手配、予約した側」が全員分を一括して支払います。自ら手配した場合には相手の親の分も含め全額を自分で支払いましょう。
親側がお店を手配してくれた場合には、親側が気遣い事前に支払ってくれているケースも多いようです。相手の親に負担をかけたくないという思いもあるでしょうが、既に支払いを済ませてくれた場合には、まずその場で丁重に今日のお礼を伝えましょう。また帰宅後に改めてお礼の電話をして、2~3日以内にお礼状を出しましょう。
自分が費用を支払う際のタイミング
支払いのタイミングは料理がすべて出そろい、飲物を飲むペースや会話がひと段落した後に、お手洗いなどにいく自然なタイミングで一括でまとめて支払いを行います。
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合のお礼の電話やお礼状
結婚の挨拶の後、帰宅後にお礼の電話をする、お礼状を書いて出す、というマナーがあります。最近の傾向としては、電話をかけるのは大げさと受け取られることもあるようです。夜21時以降の電話は不安を与えることもありますので、遅くなってしまったら、やめて翌日にしておきましょう。
ただし、レストランで費用を親側が支払ってくれた際には、できればお礼の電話とお礼状両方出したほうが良いでしょう。また、結婚の挨拶時の空気が微妙だった、あまり上手くいかなかったと感じた際にも、フォローとしてお礼状を出すことがおすすめです。うまくいけば、今後の関係改善につながるきっかけになるかもしれません。
レストランで食事をご馳走になった場合のお礼状例文
拝啓
先日はお忙しい中、私たちのためにお時間を作っていただきまして、誠にありがとうございました。
ご挨拶の際、私たちの結婚を快く認めていただき、本当にありがとうございます。 こちらからの申し出でお時間を作っていただいた上、お食事までご馳走していただき、感謝の思いでいっぱいです。
まだまだ未熟者ですが、これからお二人にいろいろ教えていただき、家族の一員として認めていただけるよう努力したいと思います。
今回はこのようにお二人にお目にかかる機会を作っていただきまして、誠にありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。
敬具
レストランで場の雰囲気が微妙だった場合のお礼状例文
拝啓
昨日はお忙しいなかお時間を作っていただき、誠に感謝しております。また、つたない結婚の挨拶に真摯に耳を傾けてくださったこと、重ねてお礼申し上げます。
当日は大変緊張しておりまして、配慮が至らずお二人に十分なお話ができなかったこと、深く反省しております。
お二人のお話をお伺いして、結婚のお許しをいただけなかったのは、未熟な私に至らない部分が多かったと理解しております。
今後、少しでも〇〇さんにふさわしい人間になれるよう、精進してまいりたいと思います。ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、昨日挨拶に伺わせていただいたお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
敬具
まとめ
結婚の挨拶をレストランなど外食先で行う場合は食事マナーの見直しも忘れずに
結婚の挨拶はとても緊張するイベントですが、レストランや料亭など相手の実家以外の外食先で行うことに決まった場合は、忘れずに食事のマナーの見直しや確認も行いましょう。きちんと準備しておけば、きっと不測の事態が起きても臨機応変に落ち着いて対応できるでしょう。また、パートナーとさまざまなことを、事前によく話し合っておきましょう。