顔合わせ食事会で振袖や着物の着用が注目されている
両家の顔合わせ食事会で、定番のワンピースではなく和装がしたい、振袖や着物が着たいという女性が増えています。
女性が着る着物の中でもひときわ華やかな振袖は、未婚女性の和装の第一の正装です。結婚したら着るチャンスはなかなかありません。
顔合わせ食事会では、日本の伝統的な婚約儀式である結納の代わりに行われます。
おめでたいハレの席である顔合わせで和装・振袖を着ることは、決して間違いではありません。しかしその際、振袖に限らず和装をしたい場合は、会場選びや相手の家族に配慮が必要になってきます。
顔合わせで振袖や着物を選ぶ際のポイント
着物や振袖にふさわしい会場を選ぶ
振袖は未婚女性のもっとも格が高い正装です。着物、特に振袖を選びたい場合には、着物を着ていくのにふさわしい、それなりに格式のある会場選びが必要になります。カジュアル寄りの会場では、振袖の華やかさが周囲の服装と比べて大げさで浮いてしまうこともあります。
料亭やホテルなどの料亭、結婚式会場
和装をするのに適しています。ホテルや結婚式会場では、備え付けの美容室もあるため、着付けの手配なども行いやすいでしょう
レストランや中華レストラン
ホテルにあるフレンチレストランや中華レストランで顔合わせを行うのに振袖が着たい、という方も多いようです。フレンチや中華で和装をする場合は、ソースなどのはねに細心の注意を払っての食事が必要です。
場所的には特に問題ありませんが、中にはテイストが合わないと考える人もいるかもしれないので、事前に着物や振袖が着たいことを伝えておく必要があります。
両家の格を合わせる
顔合わせ食事会では、和やかに親睦を深めるために両家の両親の服装の格も合わせる必要があります。本人が和装・振袖を着るなら、その母親も和装、そして男性側の家の母親も和装をすることがのぞましいと考える家庭も多いようです。現在は片方の家が和装、片方の家が洋装と気にないことも多くありますが、基本的に着物や振袖を着たいと考えているなら、相手側の家族に、事前にそのことを伝え、確認を取りましょう。
事前に相手側の両親に振袖や着物着用を相談する
最近では、本人が振袖を着ても、母親同士はワンピースやスーツなどのフォーマルな洋装、男性たちは全員フォーマルスーツで格を合わせるケースが多いようです。
どちらにしろ、全員が女性の振袖や着物に合わせて、他の家族もフォーマルな服装に合わせることになります。
そのため、振袖を着たい場合は、顔合わせの会場選びの前、どんな食事会にしたいのか検討する前に、パートナーと両家の両親に相談する配慮がとても大切です。
母親同士の服装の格合わせに注意
娘が和装の場合、母親同士は和装でも洋装でもかまいません。
が、どちらかの母親が和装をするのであれば、両家の母親で格を合わせ和装でそろえる必要があると考える人も多いようです。結婚する本人が両家の間に立って、和・洋の洋服の格合わせを調整するよう心掛けてくださいね。
顔合わせにふさわしい着物の色・柄・季節を選ぶ
顔合わせ食事会には、どんな和服、振袖でも着ていっていいわけではありません。おめでたい席にふさわしい色や柄、季節に合わせた色、柄、素材を選ぶことがマナーでありおしゃれです。
自分のものではなくレンタルするのであれば、着物ショップの担当者とよく相談して決めましょう。
夏の振袖着用の注意点
真夏の盛りに振袖を着たい場合には注意が必要です。
結納であれば夏でも問題ないのですが、夏には透ける素材の着物を着るのが一般的なマナー。現在は気にすることなく真夏も振袖を着用する人も多いのですが、万が一相手側の両親が着物に深い知識のある方の場合は、マナーを知らないと思われてしまう可能性もあります。夏に顔合わせに振袖を着たいと考えている場合は、特に男性側の両親にも必ず相談しましょう。
夏場用の単衣(ひとえ)の振袖や着物
夏場は裏地付きの着物ではあまりに暑く、着用しているだけで大変です。
夏向きの単衣(ひとえ)の振袖というものがあり、単衣とは5、6月、9月に着用できる着物です。
裏地を付けずに仕立てているので、盛夏の7、8月以外の暑くなりはじめの頃、残暑の頃に着ることができます
この単衣の振袖でしたら見た目にも清涼感があり、着心地も楽になるでしょう。
顔合わせ食事会で着物や振袖を着る際の準備や手配
振袖や着物を着用したい場合は、早めに手配しなければならない準備がいくつかあります。パターン別でご紹介します。
振袖や着物の手配方法
自分が所有する着物や振袖を着る
母親から譲り受けた、または成人式のときに購入した振袖や着物を持っている場合は、
改めて手配をする手間はありませんが、着物や振袖を着るための下着や小物まで揃っているか、事前に確認しておく必要があるでしょう。
腰紐、下着、詰め物、合わせ襟、髪飾り、草履、バッグなど、和装するために必要な小物は多いため、事前に一式が揃っているか確認し、足りないものは事前購入、着付けする場所でレンタルまたは購入するなどの手配が必要です。
振袖や着物をレンタルする
レンタルを利用する場合は、事前に店舗へ行き現物を見て試着し、選ぶことができます。現在はWEB上のレンタルサイトで振袖を選んで、顔合わせを行う会場にある美容室や、着付けをして支度をする美容室への直送してくれるサービスを利用することも可能です。
ただ、ネットでのレンタルは、着用する当日に初めて現物を見るため、思っていた生地の質感やカラーが画像と違っていることや、本当に似合っているか事前に確認できなかったりとリスクも考えられます。また、付属の小物がどこまで付いてくるか確認し、足りないものは自分で用意する必要もあります。
宅配の受け取りを美容室にお願いしたり、返送の手配は自分で行う必要があるので、どのように段取りをするか考えて計画しましょう。
着付けやヘアメイクの場所の手配
着物の着付けとヘアメイクには時間がかかるのと、着付けができる技術を持った人が必要のため、美容室を必ず事前に予約して、着付けをお願いしておきます。
予約時間は、着付けとヘアメイク両方にかかる時間を美容室に確認し、顔合わせ開始に間に合うように予約しましょう。ヘアメイクは自分がこうしたいと思っているものや、持参するヘアアクセサリーを持ち込む場合は、事前にイメージを伝えておきましょう。
振袖や着物に合わせた髪型やメイクを準備する
和装の時には髪型とメイクも重要です。
結納や顔合わせで振袖を着る時には、食事会であることなどからアップスタイルがすっきりしていて人気です。
サイドアップも悪くはありませんが、食事や頭を下げる動作が多いため、うつむいた時に顔にかからないようにする必要があります。
ショートヘアやボブは、耳にかけたりサイドを留めたりすれば、清潔感のある可愛い髪型になります。
また、振袖の時の髪型ではヘアアクセサリー選びには着物の柄やカラーに関連性をもたせて統一感が出るように選びましょう。
会場までの移動手配
着付けを顔合わせ会場以外の場所でお願いした場合は、移動手段についても確認しておきましょう。振袖を着て遠方から公共の乗り物を利用するのは、着物を着慣れた人でもかなり大変です。できれば車やタクシーを手配し、利用しましょう。
顔合わせ食事会で女性が着用する和装の種類
和装でのフォーマル(正装)・セミフォーマルな女性の服装
格式ある料亭・ホテルのレストラン・専門式場の顔合わせプランの利用の場合には、格上の着物を選びましょう。
振袖
本人のみ着用
未婚の女性の第一正装です。ハレの日に着る振袖はおめでたい席にはぴったりで、場も大いに華やぎます。和装ブームということもあって、顔合わせ食事会で振袖を着たい、という人が増えていますが、顔合わせ食事会で振袖を着ること自体はかまいません。ただし、振袖を選ぶ場合はそれにつりあった格式のある会場を選ぶこと、両家の両親の服装もそれに合わせたものにしてもらう必要があります。
そのため、会場選びで和装でも問題ない格式ある料亭やレストランを選ぶこと、新郎側の両親に振袖を着ていくことを伝え、服装の格を全員に合わせてもらう必要があります。早めにパートナーと両親に相談しましょう。
色留袖(三つ紋か一つ紋)
本人、母親
色留袖は黒以外で裾にめでたい模様があしらわれた、着物の正装です。紋の数によってフォーマル度が異なり、五つ紋は結婚式などのとてもおめでたい席に用います。顔合わせ食事会の場合は三つ紋が一つ紋の略礼装を選びます。
和装でインフォーマル(準礼装)な女性の服装
選んだ会場が和のテイストで、着物は着たいがそこまで固くない感じで、もう少しラフにカジュアルでと考えるのであれば、次の和装がおすすめです。
色無地紋付
本人、母親
黒以外の一色で染められた着物で、一つ紋を入れることで、略式の礼装になります。観劇や食事会などには最適の和装です。帯で驚くほどイメージが変わります。
江戸小紋
本人、母親
江戸小紋とは、遠目で見ると色無地にも見えるほど細かい柄の型染めの着物のこと。和服の中ではおしゃれ着なので改まった場には着ていけないのですが、少しラフなイメージの、アットホームな顔合わせ食事会であればぴったりです。紋や帯のコーディネート次第では、フォーマルな場にも着ていけます。
まとめ
振袖や着物を着るには相手側の家族への確認が大事
顔合わせ食事会での着物や振袖を着るには、和服に合った格式の会場を選ぶことと、両家の服装の格を合わせるために、相手側の家族への配慮が必要です。
特に、振袖を着たい場合は、男性側の両親に振袖を着たいと希望していることを早めに相談しましょう。また、和服にも格によってランクがあります。母親同士が和装する際には、そのあたりもしっかり間に入って両家の服装を調整してあげてください。