冬の結婚式の服装と春、夏、秋の結婚式の服装の違い
iStoc / MoustacheGirl
基本的に、冬に行う結婚式と、春・夏・秋に行う結婚式に招待された際のドレスコードや服装マナーには違いはありません。
ただ、他のシーズンに比べ1~2月にかけて、結婚式の開催数は激減するシーズンで、冬用や防寒に適したフォーマルな服装の準備がないことが迷ってしまう大きな理由として挙げられます。
女性の冬の結婚式の服装
冬の結婚式の服装には、冬用のフォーマルドレスやスーツ、着物などを着用します。また、行き帰りに着用するコートは、ドレスやスーツのテイストに合うコートの準備があるといいでしょう。
男性の冬の結婚式の服装
他のシーズン同様、ブラックスーツやダークスーツを着用します。ウール混の秋冬用の素材のフォーマルスーツもありますが、基本的には通年用のスーツの着用で問題はありません。
三つ揃いのベストやジレを中に着込むと、防寒だけでなく室内が暖房が効きすぎて暑い場合に上着を脱いでも見栄えがよく、冬のコーデには重宝します。
行き帰りに着用するコートはビジネス用のものではなく、できればフォーマル用のコートを準備しておくといいでしょう。
冬の結婚式の女性の服装コーデとコート
ドレス
冬用ドレスは濃く、重厚感のあるカラーが特徴です。また、マカロンカラーやパステルなどの明るいカラーでも、暖色系を増した温かみが強い色になっています。季節感のあるカラーを選びましょう。
シフォン素材、オーガンジーは寒々しい印象なので、一部使いなどデザインで使っている場合には問題ありませんが、ドレスの生地は、サテンやナイロン、ポリエステルでも冬用の厚手の素材を使っているものを選びましょう。
また、冬の定番フォーマル素材としてはベロア、ツイード、ジャガードがあります。厚手で保温力もあり、見た目も起毛感があり華やかです。
羽織もの
通常の結婚式同様、ノースリーブの場合や袖付きでもドレス1枚で肌寒い場合には、ジャケット、ストール、ショール、ボレロなどの羽織ものを用意しましょう。
羽織ものは、冬らしい季節感のある、フォーマルな素材でできたものであることが大切です。冬の結婚式会場は暖房が効いており、室内は温かくなっているため、防寒に対してはそこまで注意しなくても大丈夫ですが、周囲から見て寒そうに見えてしまう「夏向き」の薄手の素材やシースルーの素材は配慮が足りていない印象になってしまうので避けたいところです。
冬の結婚式に適した羽織ものの代表的な素材としては、カシミヤやウール、シルクの織物が挙げられます。これらは保温力があり、光沢感のある素材であるため、フォーマル用ストールやショール、カーディガンにも使用されています。
また、冬の華やかな素材の定番であるベルベッド、光沢感があり滑らかなとろみのあるレーヨン、ポリエステルなどは、ジャケットやボレロなどで使用されています。
冬のジャケットやボレロの定番素材にツイードがありますが、カジュアルやデイリーで使用しているものは避けましょう。
行き帰りのコートの下のコーディネート
冬の結婚式や二次会の行き帰りのコートの下、ドレスやワンピースなどの薄着の上には、防寒用の羽織ものなどのアイテムを重ね着しておき、防寒対策を整えておきましょう。
結婚式参加用の羽織ものを重ね着してコートを着るだけでは寒いと感じる場合は、しっかり保温力のある普段着の羽織もの(ニットカーディガンなど)を見えないようにコートの下に着込んでおきましょう。
会場に着いたら、クロークに荷物やコートを預ける前に、化粧室やゲスト用着替え室で羽織をフォーマル用に着替えて身だしなみを整えてから、荷物とコートをクロークに預けるといいでしょう。
足元や靴
結婚式での女性の足元は、ヌードストッキング、または少しラメの入ったストッキング程度が一般的です。
冬の結婚式のドレスの足元は、寒いからといってタイツの着用はマナー違反です。黒のストッキングも喪服で着用するもののため、着用は避けてください。
冬の結婚式のドレスの足元はヒール付きのパンプス(つま先の隠れたもの)がマナーです。寒いからといってブーツやブーティなどの着用はフォーマルな席では避けましょう。防寒のために会場に入る前の行き帰りに着用し、クロークに荷物を預ける前に履き替えるなど工夫をすることは可能です。化粧室やゲストの着替え室の準備があるかなど、履き替えができる場所を事前に確認しておきましょう。
冬の結婚式で避けたいNGの服装のマナー
次のような服装は、冬の結婚式の服装マナーとしては配慮して避けるべき服装です。できるだけ注意して服装をコーディネートしましょう。
・春夏向けの透け感の多い素材や露出の多い寒そうに見える服装
・ニットなどカジュアルな素材を使用したドレスや羽織もの
・ファーや毛皮を使用した羽織ものやコート
・ブーツやタイツの着用
・アウトドアテイストやカジュアルなコート
・アニマル柄の入った小物や靴、アウター
冬の結婚式の行き帰りに羽織るコート、レディース・メンズの共通マナー
iStoc / feedough
結婚式はお祝いの場であることを忘れず、コートのテイストも会場に合わせた、フォーマルなテイストであるものを選びましょう。
男性ゲストであればスーツ、女性ゲストであればドレスに合わせた際に、しっかりコーディネートが合っているコートであることが大切です。
コートの形
装飾が少なめで、トラッドな襟元のデザインのきれい目なコートがフォーマルに適しています。お呼ばれのスーツやドレスに合わせた際に、ちぐはぐな印象にならないものを心がけて選んでください。
チェスターコート
テーラードジャケットの形をしている襟が特徴で、ウエストをやや絞ったシルエットのコートです。
ステンカラーコート
”ステンカラー”は和製英語で、別名「バルマカーンコート」「バルカラーコート」とも呼ばれています。トラディショナルなラグラン式(襟開きのところで縫い合わされていて、肩の周りがゆったりとしているデザイン)で、定番の形のコートです。
ノーカラーコート
エリがないデザインのことをノーカラーといい、コートやジャケット、シャツなどの多くのアイテムで使われています。エリがないことで首元がすっきりして見えるため、クラシックで大人っぽいスタイルを演出できます。
スタンドカラーコート
その名の通り、襟が立っている(stand collar)デザインのコートです。襟を立てる着こなしは、襟が立ちすぎているものは少し強めの印象になりますので、あまり襟が立ちすぎていない、すっきりとした襟回りのものが上品です。
トレンチコート
本来、結婚式ではミリタリー系のカジュアルダウンしたコートは不向きとされています。しかし、最近ではトレンチコートがフォーマルの万能コートとしてその気幅を広げています。
コートの色
一般的なマナーとしては、コートは色が濃い方がフォーマルで上品とみなされています。
そのため、コートカラーでは黒が最もフォーマルです。例えば親族や主賓としての参列の場合、礼服(ブラックスーツ)に合わせるコートは黒のコートを選びます。
女性の場合は冬用の青など明るいカラーや女性らしいマカロンカラーやパステルのコートを選ぶことは問題ありません。が、カジュアルに見えてしまうカーキやキャメル、また花嫁の色と言われているホワイトやオフホワイトのような色は、できるだけ避けたほうがいいでしょう。
コートの丈の長さ
男女ともに、膝上から膝が隠れる(75cm~1m丈)長さが適しています。短い丈の長さは、落ち着きがないカジュアルな印象になるため避けましょう。男性はスーツの上着がすっぽりとかくれる丈の長さ、女性はお尻がしっかり隠れ、膝ジャストまたは膝が隠れる長さが落ち着いて上品に見える丈の長さと言われています。
コートの素材
・ウール
・カシミア・アンゴラ・アルパカ
・メルトン・ベルベット
仕立ての良さやフォーマル感がしっかりと分かる生地を選びましょう。
選ぶポイントとしては起毛感が少なく、毛足が短く揃えられ、なめらかで微光沢感のある表面の生地や素材がいいでしょう。
ベルベット素材のコートは高級感、フォーマル感があり、フォーマルコートの定番素材ではありますが、毛足が長い生地のため、冬は特に静電気で毛羽だちやほこりが目立つこもあり、手入れには特に注意が必要です。ウールでもポリエステル・ナイロン混のものは寒い時期は静電気が起きてほこりが非常に目立ちます。
色の濃いフォーマルコートはどうしてもほこりが目立つため、着用前にはブラッシングなどで必ず手入れしてから着用してください。
冬の結婚式のお呼ばれコートで避けるべきコート
カジュアル、アウトドアテイストのコート
・ピーコート
・ダッフルコート
・モッズコート
・ダウンジャケット、ダウンコート
・スポーツ・アウトドア系コート
・ライダース・ミリタリー系コート
カジュアルテイストのコートは、いくら防寒のために会場まで着て行くだけとはいえ、場の雰囲気を考えて避けたほうがいいでしょう。簡単なイメージを伝えると、デニム・スニーカー・ブーツに合わせたほうがしっくりくるイメージのものはフォーマルな席では避けたほうがいいでしょう。
ピーコートは本来はミリタリールーツのコートであり、カジュアルが強いアイテムのため、結婚式で不向きとされてきました。しかし最近はドレスコードも緩くなり、二次会からの使用やカジュアルな会場(カフェレストランやパーティスペースなど)の、トレンドファッション重視のウエディングスタイルでは着用OKの傾向です。格式高いホテルや結婚式会場での着用は避けましょう。
毛皮やレザーなどのコート
・レザーコート
・ファー、毛皮のコート
・ムートンやダウンのコート
これらのコートは、動物の殺生をイメージさせる素材の為、冠婚葬祭などのフォーマルのシーンでの着用は避けるべきとされています。最近ではフェイクレザーやフェイクムートンなどの素材を使ったコートも多いのですが、年配の方や目上の方から見たら違いが分からない場合も多く、着用は避けたほうがいいでしょう。
柄、アニマル柄などのコート
フォーマルな冬用コートで、チェック柄やアニマル柄などのコートは避けましょう。コートではグランチェックや千鳥格子などの細かい、トラッドなワンピースやスーツに使用される柄物は、二次会やレストランなどのカジュアルウェディングであれば問題はありませんが、ホテルウェディングや結婚式場など格式ある会場では、避けた法が無難です。
またアニマル柄は、結婚式などのハレの場では縁起があまりよくないと言われているため、全面的に避けましょう。
まとめ
冬の結婚式の服装マナーは一般的なマナーに沿って「冬用」で準備
冬の結婚式の服装は、他の季節のマナーやコーデと変わることはありません。ただし、冬用の素材で作られたフォーマルウェアの準備が必要になり、防寒で普段使っているニットやブーツのようなカジュアルなアイテムが会場では着用できません。会場までの行き帰りのコーデもスマートに見えるような工夫が必要です。冬用のフォーマルの素材や色について知識を深め、季節感のあるコーディネートを楽しんでくださいね。