結婚式での新郎のお色直し。現在の状況はどうなっている?
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新婦のお色直しは一般的ですが、新郎もゼクシィのアンケートの数字を見ると、半数近い方が2着以上の衣裳を着ています。
ただ新郎の場合はお色直しをせずに、タキシード一着のみ、小物を変えたり少しだけアレンジするという人も多いようです。
お色直しの意味と、現在の新郎のお色直しは、他の方たちはどのように行っているのか、現状をまずは確認しておきましょう。
お色直しとは
お色直しとは、披露宴の途中で新郎新婦が席を離れ、違う衣装にチェンジすることです。これまでとは違うふたりが登場するシーンを楽しみにするゲストも多いでしょう。
お色直しは日本特有の文化で、婚礼省は購入して購入するか手作りが主流の海外ではあまり行われません。一着で結婚式の日を過ごすのが一般的です。
日本では婚礼衣装の手配はレンタルが主流であるため、衣装を何着か選んでお色直しをします。
お色直しの歴史はいろいろな説もあります。室町時代は白無垢(しろむく)から嫁入りした家に花嫁が入ると、色打掛(いろうちかけ)に着替える慣例が発祥と言われています。昔は女性が嫁入りをする際に、3日間は白無垢を着用し、4日目に色打掛を着用するのが慣例だったのです。
お色直しをする新婦の姿は生まれ変わりを意味します。つまり「婚家に染まった」ということで、夫の家に嫁いだ証となったのです。その慣習を簡略化したのが現代のお色直しです。また、戦前までは婚家で行う結婚のお披露目会での習わしに、お色直しが行われていた地域もあります。
現在の結婚式で新郎のお色直しをする割合は半分ほど
【結婚式での新郎の衣裳着用枚数】平均1.5枚
・タキシード1着…56.5%
・2着… 38.7%
・3着以上…2.9%
新郎がお色直しをしない理由としては「花嫁がお色直しで中座している間、ゲストをおもてなしする役割を負う」場合や「予算をできるだけ抑えたい」など、さまざまな理由があります。また、最近では好みの衣裳をオーダーで購入したため、一着のみで過ごすという方も増加しています。
お色直しの所要時間の目安
お色直しは平均して洋装は20~30分、和装は30分以上かかります。
披露宴は2時間から長くて3時間半のなかで中座の時間はかなりとられるため、タイムテーブルや進行を見て考える必要があります。例えば、お色直しはゲストの休憩の意味合いも含まれており、披露宴が2時間半を超える場合は、お色直しの時間を組み込むと良い場合もあります。
また短いパーティ時間の場合やゲストとの歓談に時間を使いたい場合は、お色直しなしを選択する新郎新婦も増えています。
新郎もお色直しをする場合は誰と中座する?
お色直しで場を中座する際には、エスコート役の方と一緒に退場するのが一般的です。
新婦のエスコート役は挙式でバージンロードを一緒に歩けなかった母親が選ばれるケースが多いのですが、新郎の中座の際のエスコート役にはルールはありません。
「普段手をつなぐことの無い両親」「ずっと一緒に過ごしてきた兄弟姉妹」「自分を大切にしてくれた祖父母」「「青春時代を一緒に過ごしたご友人」といったように、「1番感謝の気持ちを伝えたい方」にお願いするケースが多いでしょう。
その他に、可愛がっている甥姪や友達の子どもといった可愛らしいエスコート役を依頼するのも演出として盛り上がるでしょう。
ちなみに、新郎の中座エスコート役については、サプライズとして突然指名する演出アイデアもあります。
新郎の中座のタイミング
新郎もお色直しをする場合は新郎新婦が一緒に中座する場合もあります。
ですが、高砂席が空っぽになる時間が長くなるため、一般的にはお色直しに時間のかかる新婦が先に中座し、あとで新郎が中座する方法がよく選択されます。
そのため、新婦・新婦はそれぞれ一緒に中座する、エスコートする相手をゲストの中から選ぶのです。
お色直しをしないカップル、または新郎のみしない場合も増加
お色直しを希望する人がいる一方、「お色直しはしなくても良い」といったカップルも増えています。「衣裳の費用を節約したい」「招待した人達と過ごす時間を大切にしたい」、「本当に気に入った衣裳だけで結婚式の1日を過ごしたい」といった、さまざまな理由でお色直しをしない選択をするようです。
少人数ウェディングの増加
近年は家族のみや親族のみといった少人数ウェディングも増加しており、お色直しなしで歓談を楽しむウェディングスタイルが増えています。
ただし、家の習慣や土地柄によって、「お色直しは絶対にするもの」と考える場合も。その時は、両家が話し合って決める必要があります。
新郎がお色直しをしない選択も多い
お色直しをするのは新婦だけで、新郎はまったくしないケースも多く見られます。
お色直しをせずに新婦が中座している間にゲストの対応を優先したい場合や、お色直しにさほど興味のない新郎はお色直しをしない選択も問題ありません。
お色直しに時間をかけず、簡単なポイントチェンジといった方法も選択可能です。
結婚式での新郎のお色直しの3つのポイント
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新郎の衣裳替えパターンについて、大きく3つのポイントを紹介します。
【1】挙式はフォーマル衣裳で、披露宴やパーティは花嫁に合わせた衣裳で
【2】披露宴や二次会はカジュアルな衣裳や遊び心のある衣裳で
【3】1着だが途中でシャツ・ベスト・ジャケットのみ変えたり、小物やサスペンダーでイメージチェンジ
挙式はフォーマル衣裳で、披露宴やパーティは花嫁に合わせた衣裳で
全身お色直しをする場合、花嫁のお色直しの色やテイストに合わせた衣裳を選ぶ場合や、新郎のセンスを活かした衣裳にする方が多いでしょう。
最近では、挙式後のパーティではリアルクローズに近いファッション性の高いカジュアルな衣裳に衣裳替えしたり、タキシードを小物やサスペンダーでこなれた着こなしにアレンジにチェンジする着こなしも注目されています。
披露宴や二次会はカジュアルな衣裳や遊び心のある衣裳で
挙式とお色直しの衣装が一緒ではなく、ガラリとテイストを変えたいという場合は、思い切って新郎も衣装をまるごとチェンジするのがおすすめです。特に、新婦が挙式時のドレスと大きくイメージを変える際には、新郎もお色直しを検討しましょう。
特に新婦が洋装から和装に、和装から洋装にチェンジする際は、新郎も合わせてチェンジするケースが多いようです。
現在はお色直し用に、タキシードの色・柄共に豊富に揃っているため、新婦のカラードレスにも合わせやすくなっています。
結婚式で新郎タキシードの一部を変えイメージチェンジする簡単お色直しパターンを紹介
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新郎衣裳のタキシードスタイルのおおもとは変えないで、新婦のお色直しやハーティのテイストに合わせて一部を着替えて、または付け足して簡単にお色直しやイメージチェンジを楽しむテクニックをご紹介します。
シャツの色だけ変える
ジャケットはパンツはそのままで、インナーのシャツのみを着替えて、簡単にイメージチェンジできる方法です。
挙式は真っ白なシャツでフォーマルにまとめるのが定番ですが、披露宴のお色直しなら色付きのシャツやストライプやドット柄のシャツに着がえて自分らしさをプラスしましょう。
ベストとタイを変える
タキシードはそのままで、ベストとタイだけチェンジ。色を変えるだけで簡単にイメージチェンジできます。
ベストとタイの色合いや靴の色合いを揃えてみると簡単に統一感のでるコーデに。
タイは柄や色も豊富なので、遊び心をを演出するのにぴったりのアイテムです。ドットや花柄、キャラクターモチーフなど遊び心をプラスしても。
ベストのみ(ジャケットなし)になる
ジャケットを脱いでシャツとベストだけになれば、きりりとした印象からマイルドでカジュアルな雰囲気に。早変わりです。
フォト撮影のバリエーションを増やしたい場合や、パーティの会場の雰囲気に合わせてコーディネートしましょう。
リゾートウェディングやカジュアルウェディングでの新郎のお色直し
リゾートウェディングやカジュアルウェディングであれば、小物やアクセサリー、リアルクローズの要素を取り入れた自分らしいコーディネートを自由にお色直しで楽しんでもいいでしょう。
帽子やサスペンダーをプラス
タキシードにプラスするならハットやステッキがオススメ。ジャケットとベストを脱いで、中折れ帽子やサスペンダーなどをプラスすればおしゃれ上級者に。
中折れ帽子の素材はフェルトを使ったフォーマル感のあるものが人気です。リゾートウェディングなら、麻素材の白い中折れ帽や麦わら帽子にチャレンジしてほしいですね。
帽子のリボンと、タイやサスペンダーの色合いを合わせるとさらにおしゃれ度がアップします。
沖縄などリゾートならハーフパンツでカジュアル&上品な雰囲気
ボトムの丈を変えるだけでガラリと雰囲気が変わります。
暑い地域でのリゾートウェディングなら、思い切って麻のタキシードを選び、お色直しにはハーフ丈のボトムにチェンジも人気です。
パンツがハーフ丈になると注目されるのが足元。デッキシューズのようなカジュアルな革靴やスリッポンに変えてるのも素敵です。
まとめ
結婚式での新郎のお色直しは自分らしいおしゃれを楽しむチャンス
結婚式での新郎のお色直しは、結婚式披露宴の時間をより華やかにする演出の一面だけではありません。
新郎新婦がコーディネートにテーマを持たせてお互いの絆を深める時間にしたり、厳かな挙式の時間からより開放的に自分らしいおしゃれや個性を出したコーディネートを楽しむ時間にできます。
お色直しのコーディネートは結婚式の格式や新婦と並んだ際のバランスに合わせて整えるのが基本ですが、小物やジャケット、アクセサリーを変更して、よりアレンジを楽しめます。
SNSやインターネットで参考画像を探したり、衣裳サロンでコーディネーターのアドバイスを参考に自分なりのおしゃれを楽しんでくださいね。