結婚式披露宴での新郎謝辞を全文例文をもとに、構成と内容を解説
oatautta – stock.adobe.com
新郎謝辞とは、結婚披露宴の終盤、多くの場合は締めに行う、新郎からのお礼のスピーチです。謝辞の内容としては、参列してくれたゲストへ感謝の言葉や、ふたりで新しい生活を築いていく豊富など、当日の気持ちを交えながらの構成になっています。
結婚式披露宴での新郎謝辞について、基本的な構成やスピーチでの注意点について詳しくはこちらをご覧ください。
結婚式披露宴のしめくくり・新郎謝辞を成功させよう!全文例から基本構成と成功ポイントを解説
新郎謝辞の基本構成は、大きく3つの内容で構成されています。
【謝辞の基本構成】
・導入…あいさつやゲストへのお例
・本題…夫婦のエピソードや抱負など
・結び…結婚式のしめくくりの言葉
今回は一般的な結婚式披露宴向けの例文で解説しますが、結婚式の規模やパーティ内容、ゲストの顔ぶれによっては、もっと率直な内容や言葉遣いのほうがゲストの心に率直に届くケースも。結婚式のスタイルに合わせる場合は、構成は変えずに、テイスト・中身・ボリュームだけアレンジしましょう。
【導入:あいさつやゲストへのお礼】の例文パターン
披露宴を締めくくる大事なあいさつなので、まずは丁寧にゲストへのお礼を伝えます。
内容としては出席してくれたことへのお礼を伝え、当日の祝辞や温かい言葉に対してあらためて感謝を述べましょう。ゲストだけではなく、花嫁や両家の親、当日お世話になった人たちへの感謝の想いも、謝辞の冒頭で伝えられるよう、言葉を選びます。
その場にいる全員と協力してくれたひとたちへ宛てた導入の文例
皆さま、本日はご多用の中、私たちふたりの結婚式にお越しいただき、ありがとうございました。スピーチや余興をしてくださった方々、会場スタッフの皆さま方にもあらためてお礼を申し上げます。
ゲストに感謝の気持ちを伝える導入の文例
本日は、私たちのためにお集まりいただき、ありがとうございました。このように盛大な披露宴ができたのも、ひとえに皆さまのおかげと心より感謝申し上げます。
親への感謝の気持ちも盛り込む導入の文例
本日は皆さまからお祝いや励ましの言葉をたくさんいただき、誠にありがとうございました。また妻となる〇〇さんのお父さん、お母さん、〇〇さんとの結婚と、私が住む遠方に連れて行くことをお許しいただき、心より感謝しています。
コロナ禍や悪天候でも結婚式や披露宴に駆けつけたゲストへの文例
コロナ禍や台風などの悪天候といった結婚式が中止になるか迷う状況にも関わらず、当日駆け付けてくれたゲストに対し、結婚式や披露宴の挨拶や謝辞で、「ゲストに向け手厚いお礼を伝えたい」と考えている方も多いでしょう。
コロナ禍や台風などの悪天候といった状況で結婚式に駆けつけてくれたゲストへ、感謝を伝えるメッセージの文例をいくつかご紹介します。
難しい世情・天候でも足を運んでくれたことに感謝する文例
まずは「コロナ禍にも関わらず来てくれてありがとう」「台風なのに来てくれてありがとう」という気持ちを、親族の代表である父親などの口からストレートに伝えることで、ゲストにしっかりと伝わります。
「本日はご多用のなか、私たちのためにお集まりくださり、誠にありがとうございます。また、このような悪天候(コロナ禍の場合は「世の中がこのような状況」)にも関わらず、こうしてお集まりいただいたことに、心から感謝いたします」
残念ながら出席できなかった人へのフォローの例文
ゲストのなかには、コロナや天候を配慮してやむを得ず欠席の判断をせざるを得なかった人もいるでしょう。そういったゲストへの配慮の言葉も入れましょう。
「本日はご多用のなか…(以下略)。また、残念ながらここにお越しになれなかった方も、私たちにとってのかけがえのない大切な存在です。私たちの新たな旅立ちの日に、たくさんの祝福のメッセージや電報をいただき、心より感謝しています」
雨や雪など天候が良くない場合
本日は、あいにくの雨でお足元が悪い中お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。良き日の雨は「恵みの雨」とも申します。これにあやかり、実りのある温かな家庭を築いてまいりたいと思います。
【その他の参考文例】
本日はあいにくの雨模様の中 私たちの結婚披露宴にご出席賜り誠にありがとうございます
本日は遠方よりご出席いただきまして心より感謝申し上げます
本日は連休中のところ お集まりくださり心よりお礼申し上げます
【本題:夫婦のエピソードや抱負など】の例文パターン
TK – stock.adobe.com
本題のポイントは「今日一日を振り返って、何を思い、何を感じたのか」。事前に原稿を用意していても、この部分だけは当日の率直な思いや出来事を盛り込んで話すと、自然とゲストの心を打つスピーチになります。またこれからふたりがどんな夫婦になりたいのか、抱負も伝えましょう。
挙式と披露宴を無事終えた今の心境を伝える本題の文例
本日は楽しんでいただけましたでしょうか?
ふたりで一年以上前から少しづつ準備してまいりましたが、皆さまからも多大なご協力をいただきました。
おかげで無事にお開きを迎えることができ、今はホッとしているような、寂しいような気持ちです。
今後の抱負や誓いを述べる本題の文例
さまざまな壁にぶつかることもあるかと思いますが、いつも明るく笑顔の絶えない家庭を築き、必ず〇〇さんを幸せにすることをこの場をお借りして誓います。
協力者への感謝の想いを込めた本題の文例
〇〇先生からのご祝辞、新婦のご友人たちからの素晴らしい合奏、大学時代苦楽を共にした仲間からのエール、皆さまからのお祝いのお言葉、どれも心温まるものばかりで、ありがたく思っています。
不幸があったことに触れる場合
実は昨年〇月に妻の祖父が他界しました。妻をかわいがってくれていた祖父を招くことができなかったことは、本当に残念でなりません。
〇年前に他界した私の父もまた、この日を楽しみにしていたことと思います。
今ここに集えることの奇跡をかみ締め、ふたりで温かな家庭を築いていきたいと思っています。
《フォーマルウェディング》で使える本題文例
私たちふたりは、学生時代の共通の友人を通して3年前に知り合ったことが馴れ初めでございます。
それ以来おだやかに愛を育んでまいりました。
私たちふたりは、本日 △△市役所に婚姻届を提出し受理されました。
親族のみなさまには これまで私たちふたりをあたたかく導いてくださり 本当にありがとうございます。
妻のお腹には 新しい生命が宿っております。
これからはよき父、よき母になれるよういっそう努力し、明るく愛情あふれる家庭を築いていきたいと思っております。
いままでの人生 仕事一筋を貫いて参りましたが このたびすばらしいご縁に恵まれ 本日のよき日を迎えることができました。
《カジュアルウェディング》で使える本題文例
妻との出会いは 取引先のパーティーでのことでした
一目見た瞬間 「なんてかわいい子なんだろう」と一目ぼれし 猛アタックをかけ 今日の日を迎えることができました
私たちは 〇月〇日 に婚姻届を提出し □□にて新生活をスタートさせています
これまで見守ってくださった親族のみなさま方に集まっていただいて 感謝の気持ちでいっぱいです
実は妻のおなかには新しい生命が宿っております
来年○月には 3人での新たな生活が始まる予定です
みなさまには長いことお待たせして参りましたが ようやく人生最良の伴侶に巡り合うことができました
【結び:結婚式のしめくくりの言葉】の例文パターン
ゲストの幸せや健康を願い、感謝の言葉で締めくくりますが、結びの言葉はほぼ定型通りの言葉を選ぶのがおすすめです。
結びの言葉は定番の結びの言葉の文例が幾つかあるので、その中からゲストの顔ぶれに併せて選びましょう。「皆さまのご健康とご多幸をお祈りして」というゲストを気遣う言葉や、「これからも変わらずお付き合いください」「ご指導ご鞭撻のほどを」というような、決まり文句の組み合わせがよく選ばれています。
最後になりましたが、ご列席の皆さま方のご健康とご多幸をお祈りしまして、私たちふたりのごあいさつに代えさせていただきます。本日はありがとうございました。
お互いに支え合い、共に人生を歩んでいきたいと思います。これからも私たちふたりをどうぞよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
これから皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、少しずつ成長してまいります。未熟なふたりではございますが、今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
未熟もののふたりではございますが 手を取り合って絆を深めていきたいと思います
さらなるご指導ご鞭撻を賜りますよう よろしくお願い申し上げます
なにぶん至らないところばかりのふたりですが 今日の気持ちを大事に生活してまいります
これからも僕たちに励ましの言葉やときにはお叱りの言葉でご指導ください 本日はありがとうございました
まとめ
結婚式の新郎謝辞は、例文をもとに自分の言葉で感謝の気持ちを伝えられるよう工夫しよう
謝辞を成功させるためには、スピーチの話し方・注意点・マナーをしっかり確認しておくのも大事ですが、スピーチの基本構成である「導入・本題・締め」にあわせ、自分が伝えたい内容を盛り込みつつ、自分の率直な気持ちや結婚式への思いも自分の言葉で伝えられるようにするのも大きんポイントです。
ウェディングスタイルやゲストの顔ぶれに合わせ、例文を参考にしつつ、自分らしい言葉で、ふたりの結婚式と人生に深く関わってくれたすべての人に感謝の気持ちを伝えられるようにしてくださいね。