いまはるさん(当時30歳)の『まさか…挙式本番にベールダウン失敗!?』体験
いまはるさんに聞きました。「母のうっかりのおかげで、ベールダウンを両親からしてもらう素敵な体験になりました」
【いまはるさん】
リハーサルの時に、母は担当の方の説明を受けながらベールをおろしたのですが、言われるがまま、よくわからない感じでベールをおろしていました。
そんな母の隣で父が、レクチャーをしつかりと見ていてくれたようです。
結局、母はベールダウンのやり方をあんまり理解しないまま、リハーサルでは成功!
この時、わたしは母が理解してなさそうだったのは何となく分かっていたのですが
「まぁ、ベールをおろすだけだから、たぶん大丈夫でしょう」
と気楽に考えてました(笑)
ところが大事な挙式本番。
わたしの顔にかかる方のベールを1枚だけ下ろすはずが、母は混乱して分からないまま、2枚とも前に下ろしてしまったのです!!
つまり、私の背後のベールはない状態に…。
ヴァージンロードを一緒に歩くため横にいた父が気づいて、慌てて後ろの分のベールをささっと戻してくれ事なきを得ました。
そして、父と無事ヴァージンロードをスタート!
まさかの、両親ふたりからのベールダウンに(笑)
でもベールダウンの本来の意味を考えたら、大切なひとふたりに結婚前の最後の仕度を手伝ってもらえて、とっても素敵なセレモニーになりました。
そしていい意味で緊張が和らいで、挙式と披露宴を楽しく過ごすことができました。
【ベールダウンの豆知識】挙式実施率72.5%!人気セレモニーの意味と由来は?
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ベールダウンとは、挙式の直前に新婦の純潔の証である純白のベールを、新婦の母親など大切な人におろしてもらうセレモニーです。
ゼクシィの2020年度の調査では、挙式の際に「親からのベールダウンをしてもらう」演出を取り入れた新婦の割合は、全国平均でなんと72.5%。人気のある挙式セレモニーでは、2位の「フラワーシャワー」は63.2%、3位の「BGMへのこだわり」は38.0%…と、他の追随を許さぬ圧倒的人気がうかがえます。
このベールダウンとは、一体どんな由来と意味があるセレモニーなのでしょうか。
ベールダウンとは?挙式の人気セレモニーの由来とふたつの意味
花嫁衣裳でのベールの歴史と由来は古く、結婚指輪とともになんと古代ローマ時代からあります。当時のベールは今より厚いリネンで作られており、悪霊から花嫁を守る為に使用されていたようです。
またヨーロッパのある地方では、結婚式の当日に花嫁が教会へ向かう途中に悪魔にさらわれるという古い迷信があり、母親が花嫁の顔にベールをかぶせ、悪魔に見つからないように教会へ向かったという伝説があります。
キリスト教式では花嫁の純潔の象徴として現代に伝わっており、花嫁を清め、悪魔から守ってくれる魔除けとして、「愛する娘を災いから守ってくれますように」という願いが込められています。
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ベールダウンの持つもうひとつの大きな意味は「親がではきる最後の身支度」があり、現代ではこちらが大きくクローズアップされています。挙式直前、バージンロードを歩き出す前に、ベールを下ろして最後の身支度をしてあげるのです。チャペルの扉から祭壇まで、バージンロードは“花嫁の人生”を表していると言われています。花嫁の人生を生み出し母親が身支度をして送り出し、その道のりを育てた父親と共に歩く、人生を振り返る時間なのです。
ヴァージンロードの最後、父親から新郎に花嫁は託され、ふたりが結婚の誓いを立てた後、新郎がベールアップを行います。ベールには“魔除け”の他に“ふたりを隔てる壁”という意味も込められています。つまり「ベールアップ」とはふたりの間の壁を取り払う儀式であり、今までは両親が守ってきた花嫁を、これからは新郎が守っていくという意味も込められているのです。
ベールダウンはなぜ母親がおこなうの?母親以外に依頼は可能?
このように、結婚の誓いを立てるのに相応しいさまざまな意味を持つベールダウンセレモニーですが、さまざまな理由や事情から、「親以外のひとにベールダウンをしてほしい」「ヴァージンロードを親以外と歩きたい」という希望や依頼も多くなっています。
ベールダウンやヴァージンロードのもつ本来の意味を考えれば、儀式に参加してもらうのは「これまで見守ってきてくれた感謝を伝えたい人」「結婚を心から喜び、感慨深く思ってくれる人」が最も適任です。たまたま今までの状況や環境から、生まれた瞬間から1番近くで幸せを祈ってくれていた母親、父親に依頼するケースが多かったということが考えられます。
そのため、現代では、結婚するふたりの考える理由によって、性別や年齢、過ごした時間は関係なく、親以外でも兄弟や親族、もっともお世話になった親しい人や親友などに依頼するケースも多くなっているのです。
【挙式の豆知識】和婚にもベールダウンに代わる伝統的な「最後の仕度」がある
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父親、母親、大切な人に、人生の門出を見送ってもらうための素敵なセレモニー「最後のお仕度」は、キリスト教式の挙式スタイルだけではありません。日本の伝統的な挙式スタイルにも「幸せになって欲しい」という想いを込めて、和装の最後の仕度である、花嫁のための小物や化粧を整えてあげる儀式があるのです。ここでは一部をご紹介します。
筥迫(はこせこ)の儀
「筥迫(はこせこ)」は化粧道具を入れる袋のこと。大人の女性の嗜みとして花嫁道具のひとつでもありました。現在では花嫁の正装での装飾品のひとつとして着物の胸元を飾る小物です。
はこせこの中は紙、箸差(はしさし)懐中鏡などが入り、二つ折りしたとじ帯には小さい香袋がついています。
結婚式では、母親からの手紙とお守りを入れた筥迫を、花嫁の最後の身支度として胸元に差し込んでもらいます。お母さんからの想いを娘に継承し、母は永遠の幸せを願う儀式なのです。
懐剣の儀
懐剣とは白無垢、黒引き振袖、打掛、色打掛といった和装で帯にさす短剣のことです。かつて武家に生まれた女性は護身用に短刀を所持していました。花嫁が嫁ぐとき、武家の妻として恥じぬよう、「いざというときは自分で自分の身を守る」の意味があります。
結婚式では、花嫁支度の仕上げとして「筥迫」と一緒に新婦の胸元に懐剣を差して飾ります。現代の婚礼では、懐剣は新しい人生へ旅立つ花嫁を様々な災いから守るもの、今後の夫婦円満と無病息災を祈る意味のあるものとされています。
紅差しの儀
「紅引きの儀」「嫁ぎの紅」という言い方もあります。その名の通り、母親が花嫁姿になった娘に幸せになるように願いをこめ、化粧の最後の仕上げとして紅を差してあげる儀式です。
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