グラハム子さんからプレ花嫁さんたちへ。『結婚式のここだけのはなし』第2話

読んでクスッと笑ったあとになんだか誰かと会いたくなる、愛おしくてちょっぴり切ない気持ちになる世界観やストーリーが印象的な漫画を描くグラハム子さん(@gura_hamuco)。旦那様とふたりのお子さまとの優しい毎日を丁寧に描いた漫画や、思わず「あるある!」と膝を打ちたくなる女子校の女の子たちを生き生きとを描いたコミックで話題沸騰中です。そんなグラハム子さんが、旦那様と結婚に至るまでの思い出『長い人生のなかでいろいろな苦しいことがあっても、あのときのことを思い出したら、また頑張る気持ちになれる』キュンとする瞬間について、結婚式準備.comで語ってくれました。今回はいよいよドラマティックな瞬間のはずのプロポーズ。でも結婚式に対してトシさんの意見は…!?

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    『ファミレスの冷製パスタ』がわたしのパワーフードになった理由

    グラハム子さんの結婚式漫画
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    プロポーズは家の近所のファミレスでした…。
    本音を言えば、もう少しロマンチックさが欲しかったです(笑)でもこの頃にはもう彼の性格もある程度わかっていたので、(あぁ、この人らしいや)と思いました。
    トシさんは何事も飾らない人です。「かっこよくしたい」「ちょっと背伸びしたい」という気持ちが良くも悪くも無い人で、常に等身大でマイペースに生きている感じです。
    食事も1回だけ二人でお洒落なレストランに行ったことがあるのですが、彼は「落ち着かない」と言って、それきり、そういう所には行きたがりません。

    プロポーズの時に、私はファミレスでバジルの冷製パスタを食べていました。
    今も落ち込んでいる時や、頑張りたい時はこの冷製パスタを食べに行くようにしています。おまじないというか、私に元気をくれるパワーフードになりました。

    『ケンカしたとき上手に仲直りするコツ』が分かってきた理由

    グラハム子さんの結婚式漫画
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    この『結婚式をどうするか問題』が今までで最大のケンカでした。
    今まではケンカをしても1日たてば仲直りできることが多かったのですが、今回はかなりの長期戦になってしまいました。ケンカといっても結婚式の話をしていない時の仲は悪くなかったのですが、式の話になると毎回険悪ムードに…。
    なので本当は式の話はしたくないのですが、前に進むためにはどうしても避けて通れません。
    「結婚というのはお互いの意見のすり合わせなのだ…」と痛感しました。
    でもこの事があったから、私達にあったすり合わせ方がわかった気がします。
    自分の意見ばかり押し通してはいけない。相手のことも尊重する。妥協は必要。お互い『どうしても譲れないところ』だけは譲り合おうと思えました。

    『結婚式の準備が超楽しい!』海外挙式の準備がはかどる理由

    グラハム子さんの結婚式漫画
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    結婚式が海外挙式に決まってからは、スムーズに進みました。
    夫は式やウエディングフォト等に全くこだわりがなかったので、全部私の好きに決めることができ、大満足でした。
    入籍から挙式まで1年開いたのでその間じっくりと準備をすることができました。
    準備が進んでくるにつれ、日に日に楽しみで胸が膨らんでいきました。

    『完璧で理想通りの相手なんていない』グラハム子さんのここだけの話

    ── ファミレスでプロポーズのお話、思わず笑ってしまいましたが、読んでとてもほっこりしました。大抵のプロポーズ必勝法の記事には『ラーメン屋やファミレスのようなカジュアルすぎる場所では避けるべき』みたいなことが書かれているのに、まさかの…(笑)プロポーズの前触れや予感はあったんですか?

    グラハム子さん:まったくなかったです!本当に突然でした。
    でも、いつもなら「ごはんはどうしようか?」と聞いてくるんです。彼の方から「ごはんを外に食べに行こう!」と言ってくることは、あんまりないんです。その日は積極的に誘ってきたので、あれ?どうしたんだろう?とは思っていました。

    gura_hamuco / Instagram

    @gura_hamuco / Instagram

    まったく飾らなくて自然体、でも人を喜ばせようと全力投球のトシさんの面白エピソードは枚挙にいとまがない。ちなみにサプライズで変更したトシさんのこの髪型、現在でもドレッドヘアのままだそう。トシさんとグラハム子さんのほっこりエピソードは、ぜひInstagram(@gura_hamuco)で。

    お洒落なデートもプロポーズもなかった。でも『とても大切な思い出』

    グラハム子さん:トシさん(旦那様)は本当に飾らない人なので、デートでもおしゃれなレストランやバーのような場所を選ぶようなことは、昔も今も1度もないんですよね。
    私たちのデートはいつも海、山、川…。
    しかも網を持って魚やザリガニを獲ったり、鳩を獲ったり、そんなことをして過ごしていましたから。

    ── え。は…鳩…?

    グラハム子さん:はい。鳩とかスズメとか野うさぎを、トシさんは素手で捕まえるんですね。野性的な一面があるんですよね、彼。

    ── 素手で野生の哺乳類を捕まえるって、難易度が相当高い技じゃないですか…。

    グラハム子さん:そういったデートはとても楽しいのですが、私にも「たまにはおしゃれな所にデートに行きたいな」という気持ちもありました。そこで何度か夫に「連れて行って」と言ってみたんですが、夫がそういう場所に興味を示すことはなかったですね。いまはもう諦めて、おしゃれなところには女友達を誘って行くようにしています。

    結局すべてが理想通りの人なんて、本当はなかなかいないんですね。彼にとっても、私がすべて理想通りというわけではないでしょうし。そして大好きな人が『理想通りかどうか』なんて、大した問題ではなかったんです。
    おしゃれなレストランに連れて行ってくれないし、プロポーズもあこがれていたものとはまったく違っていました。でも、私の中で、とても大切なプロポーズの思い出なんです。

    譲れないポイントを二人でとことん紙に書き出して決めた『海外挙式と海外旅行』

    ── グラハム子さんの漫画では、お互いにとても思いやっている楽しいほっこりしたエピソードをたくさん見ていたので、結婚式のことで意見が合わずに長期戦のケンカになってしまったお話が、実はとても意外でした。

    グラハム子さん:小さなケンカは、それまでもちょこちょことあったんですよ。でも大体一日で仲直りできていました。ところが結婚式についての話合いは、すぐ解決策が出る話ではないし長期戦になりました。結婚式をやるのか・やらないのかを決めるまで、3カ月ぐらいかかりましたね。
    もちろんずっとケンカをしていた訳ではなく、結婚式の話をしていない時は仲良しなんです。でもちょっとでも式の話になると険悪なムードになってしまう冷戦状態が長く続いていました。
    いま思い出しても、苦しい期間でしたね。

    ── 二人の考え方の違いで、すり合わせの一番ネックになっていたのはどのような点でしたか?

    グラハム子さん:夫が結婚式をやりたくないのは『結婚式に何百万もかけるなら二人の今後を充実させるものに使いたい』という費用の問題と『結婚式に人を呼びたくない』ということが大きな理由でした。自分のために、自分の大切な人たちの時間をわざわざ割いて来てもらうことが心苦しいと感じていたようです。
    彼の理由や気持ちは明確で、私にもよく分かるものでした。だから「夫の気持ちを尊重してあげたい」という思いと、「でも私も結婚式をやりたい」という気持ちとの板挟みでした。お互いなかなか接点が見出せなかったんですね。

    ── トシさんは目に見える合理的なものにお金を使いたいけど、結婚式は大切な思い出やゲストとの関係性を深めるなど目には見えない価値にお金をかけることです。自分が何を大切にしているか、どちらの主張も分かるだけに、本当に難しいですね。

    グラハム子さん:そこで二人で意見を出し合う際には、譲れない思いや希望を全部紙に書き出して整理することにしました。
    私の希望は結婚式をしてウェディングドレスを着ること。夫の希望は二人で旅行を楽しむこと。書き出して話し合った結果、二人の落としどころが『海外挙式』になったんです。二人きりの結婚式ならゲストの人も呼ばないですし、チャペルでの挙式もできます。

    ── なるほど、紙に書き出すのはいい案ですね!どうして意見が食い違うのかの理由を整理して把握できます。お互いの希望条件を書き出せば、自分で何が一番重視したいポイントなのか順位がつけやすいですし、妥協できそうなポイントも視覚的に見えてきます。

    グラハム子さんの結婚式漫画

    グラハム子さん:その後、海外挙式にしようと決まってからの話し合いは、すごくスムーズでしたね。
    結婚式の費用は全部私が出すことになり、私は結婚式の準備を中心に行いましたが、夫はハワイの旅費を出してくれ、旅行の準備に動いてくれました。
    私も夫も初めての海外旅行だったので、二人して「英語はしゃべれないけど大丈夫かなあ?」とドキドキしたり、パスポートも二人で一緒にとりに行きました。
    私は二人だけの挙式はさみしくならないかなあ…とちょっと心配になった部分もありましたが、現地の人たちがフラワーシャワーでお祝いしてくれるとプランナーさんから聞いて、不安もなくなりました。

    ── その当時は今のようにInstagramがなかったので、海外挙式の情報集めは大変なこともあったのでは?

    グラハム子さん:準備はとにかく何をするのも楽しかったです。特にウェディングドレスは、絶対に気に入ったものが着たくて、頑張って情報を集めました。
    当時はまだガラケーで、ウェディングの情報を手軽にInstagramで調べるようなことができず、情報はパソコンや海外挙式を行った花嫁さんのブログなどで集めていました。そこでドレスのアウトレットの情報を知ったんです。いろんなブライダル会社からパンフレットをもらってみたり…。今でも、その時買ったウェディングドレスは自宅で大切に保管してます。
    夫は衣裳のこだわりもなかったので「夫の衣裳は現地に行ったらその場でレンタルで決めればいいよね」と、自分の衣裳だけとことんこだわって調べました(笑)

    真剣にお互いが向き合って分かった『価値観のすり合わせの方法』

    ── 結婚式についての冷戦期間やすり合わせを経て、恋人時代と結婚してからの二人の関係性で、グラハム子さんの中で何か変化したことはありますか?

    グラハム子さん:実はトシさんは『謝れない人』なんですよ。昔はそこが彼の性格の中で、イヤだなぁと感じる部分でもありました。
    でも『他人に頼るのが苦手な人』『弱音を吐けない人』『ほめるのが苦手な人』というカテゴリーの人がいるのと同じように、『謝ることが苦手な人』という人が存在するんだと、彼と付き合うことで分かってきたんです。

    最近こんなことがありました。
    私が大事にそだてている花壇の花の芽が出てきたのですが、夫が雑草と勘違いして全部抜いてしまって、少し険悪なムードになりました。夫としては、良かれと思い雑草を抜いてあげたのにと…思った部分もあったのでしょう。当日は口を利くことはなかったです。
    でも翌日、以前私が可愛いと言っていた『トカゲのブローチ』を覚えていてくれて、お店にこっそり買いに行ってくれたみたいなんですね。それで「お花、抜いちゃったから…」と言いながら私にブローチを渡してくれたんです。

    @gura_hamuco / Instagram

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    夫にとっての『謝ること』はすごく苦手なこと、ハードルが高いことだったんです。でも実は、彼がケンカの後に他の方法で「ごめんね」の気持ちを表してくれているんだと気づいてから、私も「じゃあそれでOKだね」と思えるようになりました。

    ── トシさん…とても可愛いですね。そしてグラハム子さんのことをいつもよく見てくれているんだということが、お話からじんわり伝わってきます。

    グラハム子さん:もうひとつ、これは結婚式をどうするかの話し合いをした時に気が付いたのですが。
    彼は物事を考える時に、すぐ結論を出さずにじっくり考えたいタイプなんです。『〇日までに結論を出す』といった期日があれば、本当に期日ギリギリまで考え抜いて結論を出したい。
    一方わたしは、早く答えが出ないと不安になってしまうんです。それで「どうなの?どうなったの?」と期日前に答えを詰め寄ってしまう傾向があって、かみ合わずに険悪になってしまう。

    結婚式の話し合いを経てお互いの性格の違いに気づけてからは、夫は私が不安になってしまわないよう「〇日までには考えるからね」と期日を明確にしてくれるようになりました。私はそれで、安心して待つことができるようになりました。ケンカの仕方が上手になっていきましたね。

    ── グラハム子さんもトシさんも、お互いの気持ちに寄り添おうとしていることが、すり合わせで仲直りできる大きな理由である気がします。

    グラハム子さん:私自身のことで言えば、曖昧なことへの耐性がなくて、白か黒か物事をすぐにはっきりさせないと不安になってしまうタイプなんです。でも世の中は、私が求めているような『白か黒か』をはっきりできないことの方が多いでしょう。トシさんと一緒にいることで、グレーゾーンへの耐性がついて世の中への対応力がつき、自分自身の成長にもつながっているのかなと感じています。
    今では私のとトシさんの間では『意見のすり合わせの話し合い』がほとんどで、ケンカをすることはほぼなくなりました。

    もっと知りたい!グラハム子さんとは

    グラハム子さん

    グラハム子さんは現在、恥ずかしがり屋な息子さん、破天荒な娘さん、クレイジーな夫のトシさんとの4人家族。グラハム子家にはそのほかにも、猫と亀、ハムスター、ウーパールーパーという楽しい相棒がいます。楽しい日常備忘録を育児漫画やエッセイ漫画として、InstagramやさまざまなWEBサイトで連載中です。グラハム子さんの活動をぜひチェックしてみてくださいね。

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