結婚式の引き出物に入れる縁起物とは?
peach100 – stock.adobe.com
そもそも、結婚式の引き出物にそえられている「縁起物」とはどういうものなのでしょうか。その意味や取扱いについてご説明しましょう。
縁起物とはその名のとおり「縁起が良いもの」
縁起物とはその名の通り「縁起が良いもの」のことであり、貴重品で手に入りづらく、縁起のいい言葉と語呂合わせができるものなどをあらわします。結婚式に出席してくれた大切なゲストに贈るのにふさわしいものとして、記念品・引き菓子とともに引き出物に入れられるようになりました。
結婚式に出席してくれたゲストの幸せを願って贈るもの
引き出物に縁起物を入れて贈るのは、新郎新婦がゲストの幸せを祈り、末永い関係を築けるよう願う気持ちをあらわすため。
また、「2」は「割り切れる=別れる(離婚)」につながり結婚式では「縁起が悪い」と解釈されることから、引き出物の点数を奇数にするためともいわれています。
必ず入れなければならないものではない
結婚式の引き出物に縁起物を必ず入れなければならないかというとそうではありません。
最近では、「2=ペア」と解釈されるようになっていたり、数にこだわらない人も増えていたりすることから、引き出物が2点でも問題ないといわれています。そのため、引き出物は記念品と引き菓子のみで縁起物を入れない人も見受けられます。
地域によって呼び名や内容が変わる場合もある
縁起物として必ず「赤飯を入れる」「鯛をかたどった砂糖を入れる」と指定されていたり、別の名前で呼ばれていたり。縁起物の内容や呼び名は地域によって変わることもあります。
そのため、縁起物を用意するかどうか、用意するとしたら何にするのかなど、引き出物や縁起物の内容を選ぶ際は、両家両親に相談して決めるようにしましょう。
定番の縁起物の種類と意味
promolink – stock.adobe.com
縁起物にはいくつか種類があります。どんなものがあるのか、それぞれ意味とともにご紹介します。
かつおぶし
hikastock – stock.adobe.com
かつお節は、「勝男武士」とも表記され男性の強さを表しているといわれています。また、使用する部位によって「雄節」「雌節」があり、2つがぴったり重なることから「夫婦円満」という意味もあり、結婚式の引き出物としてはもちろん、端午の節句や出産の内祝いにも用いられます。
昆布
K – stock.adobe.com
ダジャレのように聞こえるかもしれませんが、昆布は「よろ昆布・よろこんぶ=喜ぶ」という意味をもつ縁起物です。そのほかにも、「子生婦」と表記されて子孫繁栄をあらわしたり、昔は昆布を「広布(ひろめ)」と呼んでいたことから「喜びを広める」といわれたりなど、結婚式にぴったりな意味を多く持っています。
梅干し
gontabunta – stock.adobe.com
寒いうちから花を咲かせる梅は「気高さ」「高潔」の象徴とされています。そんな気品ある梅にしわが寄る姿が「長寿」を意味するといわれ、定番の縁起物となっています。
鯛茶漬け
kazu – stock.adobe.com
鯛は「おめでたい」といわれる縁起物。昔は頭としっぽがついた鯛の塩焼きを縁起物として贈っていました。しかし、最近では鯛を1匹贈ることを躊躇する新郎新婦が増えたこと、1匹贈られても処理に困るというゲストがいることなどから、世代問わず喜ばれる鯛茶漬けが選ばれるようになっています。
うどん
uckyo – stock.adobe.com
うどんは、「長寿」「太く長く関係を築いていけるように」という願いを込めて贈る縁起物です。梅肉が練りこまれた赤いうどんとセットになった「紅白うどん」や、ハート型に成形された乾燥うどんなどもあり、手軽に用意できる結婚式の縁起物となっています。
赤飯
norikko – stock.adobe.com
おめでたい席で出されることの多い赤飯も縁起物のひとつです。昔の日本では「赤い色には邪気を払う力がある」と信じられ、赤米を神様に供える風習がありました。稲作技術の発展によって赤米がつくられることはなくなりましたが、「赤い米を供える」という風習は残り、小豆で赤く色をつけた赤飯をお供えするようになったといわれています。
紅茶
Dpin – stock.adobe.com
昔の中国では、紅茶は「不老長寿の飲み物」とされていました。また、紅茶は貴重で高貴な人しか飲むことができないものだったのだとか。このことから、特別な日に「長寿」を願って贈るのにふさわしいと結婚式の引き出物に用いられるようになりました。また、「幸茶」と表記することで「幸せのおすそ分け」にもなると考えられています。
はちみつ
fijias – stock.adobe.com
甘くて栄養価の高いはちみつは貴重品であり、「神様の食べ物」といわれていました。そんなはちみつは、ミツバチが長い時間をかけて花の蜜をはちみつに変えることから「夫婦和合」「家族の絆を築く」ことの象徴といわれています。また、女王バチがたくさんの子を産むことからハチやはちみつは「子孫繁栄」の象徴でもあるのだとか。
結婚式の縁起物にぴったりですね。
まとめ
両親に相談しつつ、ゲストの幸せを願った縁起物を用意しよう!
結婚式の引き出物のひとつとして贈る縁起物は、必ず用意しなければならないものではありません。しかし、新郎新婦がゲストの幸せを祈り、末永いおつき合いを願って用意する縁起物にはステキな意味がたくさんあります。結婚式に出席してくれたゲストへのおもてなしのひとつとして、ぜひ縁起物を用意してみましょう。
ただし、引き出物や縁起物の内容は地域によって異なる場合があります。両家両親に相談しつつ、ゲストへ何を贈るかを決めるようにしてください。