お礼状とは
結婚挨拶の後で、相手のご両親に感謝の気持ちを伝えるために出す手紙が「お礼状」です。
ここでは、お礼状の書き方を解説していきます。お礼状は「必ず出さなければいけない」というものではありません。しかし、お礼状をもらって気分を悪くする人はいないはずです。お礼状の基本を覚えて、感謝の気持ちを伝えましょう。
お礼状の基本
お礼状は、決まった形式に従って書く必要があります。
- 前文:結婚挨拶のために時間を取ってくれたことに対するお礼
- 本文:結婚を承諾してくれたことへのお礼。反対された場合は、至らなかったことについての謝罪。
- 本文:今後も末永くお付き合いしていくことへの挨拶
- 末文:締めの言葉
上記の形式が整っていればOKです。ただし、文末に追伸を付け加えてはいけません。基本的に、追伸は目上の人に対して使うべきものではないので注意しましょう。
お礼状を書くときの注意点
お礼状では、「頭語」と「結語」を必ずセットで用います。頭語と結語の組み合わせは決まっているので、「拝啓と敬具」「啓上と拝具」「一筆申し上げますと敬白」などを覚えておけばいいでしょう。
お礼状では文頭を下げず頭語は上、結語は下に詰めて書きます。なお、結語に「かしこ」を使用できるのは、女性が手紙を書く場合に限ります。
お礼状の文例
ここでは、お礼状の具体的な文例を紹介していきます。どのような文面を書けばいいのかわからない方は、ここで紹介した文例を少しアレンジして、実際のお礼状に活用してみてください。
一般的な文例
まず頭語を記し、前文で結婚挨拶の時間を割いていただいたことへの、感謝の気持ちを伝えます。
「拝啓
先日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました」
続けて本文では、結婚許諾の感謝と、今後の挨拶を書いていきます。
「温かいお心遣いに、楽しいひと時を過ごすことができました。私たちの結婚をお許しいただき、感謝の念でいっぱいです。今後ともお二人には教えていただく点があるかと存じますが、どうぞご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」
末文では、改めてお礼の言葉を述べましょう。文末には結語を記します。
「末筆ではございますが、お二人のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具」
最後に、日付と署名、相手のご両親の名前を記載します。書き方も決まっているので、覚えておきましょう。
- 日付:本文文頭よりも1文字分下に書く
- 署名:結語と同様に一番下に詰める
- 相手のご両親の名前:一番上に詰めて並べて記載する
親しい間柄の場合
すでに相手のご両親と親しい場合でも、結婚挨拶後にお礼状を出せば、きちんとした人間だと思われるでしょう。堅苦しい文章にする必要はありませんが、当日のお礼と今後のご挨拶を含めた本文を書くようにしてください。
具体例を見ていきます。
「これまでもお二人にはとてもよくしていただきましたが、このたび改めて結婚のご挨拶ができましたことを本当に嬉しく思っております」
「これからも引き続き、ご指導いただければ幸いです」
今後のご挨拶と合わせて、「これまで」のお付き合いに対するお礼を述べるのがポイントです。
お礼状のマナー
お礼状には決められたマナーがいくつかあります。
縦書きの便箋を使う
お礼状は縦書きの便箋に手書きで書くのが基本です。相手のご両親とすでに親しい間柄の場合には横書きのレターセットでもかまいませんが、一般的には縦書きの文章の方が丁寧な印象を与えます。これはハガキでも同様です。
封筒の宛名も縦書きで記載します。縦書きが不慣れという方は、文字数や文字サイズなどを考慮して何度か下書きしてから清書するといいでしょう。
封筒は縦長のものを使う
お礼状の封筒や便箋は白地で縦長のものを使用します。サイズは長形4号を選ぶのが無難です。便箋は3つ折りにし、書き出し部分を上にして封入します。
鉛筆の使用は避ける
使用する筆記具に決まりはありませんが、鉛筆では消えてしまう可能性もあるので、万年筆かボールペンの選択が無難です。相手のご両親が礼儀を重んじるタイプの場合には、毛筆や筆ペンを使用すると喜ばれるかもしれません。なお、インクの色は黒かブルーブラックを使います。
まとめ
結婚挨拶後のお礼状で感謝の気持ちを伝えよう!
ほとんど面識がない場合はもちろん、親しい間柄でも丁寧なお礼状を出したいものです。
今回の記事でご紹介した文例を覚えておくだけでも、柔軟な対応ができるはず。お礼状のマナーには、とくに難しい点もありません。何よりも大切なのは心を込めて書くことです。最低限のマナーを守って心を込めたお礼状を送れば、相手のご両親とも末永い素敵な関係を築けるでしょう。