お話をしてくれたひと
木島康弘さん
株式会社シップス 販売促進部兼営業企画部 部長
雨宮耕司さん
株式会社エム・エス・ティー 事業開発部 課長
『SHIPS×ワタベウェディング』共同開発、リゾートウェアシリーズの上質な魅力
ハワイウェディングを知り尽くした衣裳への細やかな配慮
── ワタベウェディングとSHIPSがコラボレーションした『Guest Style for Resort Wedding』のアロハシリーズは、2016年から販売が開始され、既に4年目です。多くのお客様に長く愛されている商品ですが、どんな部分にこだわりをもって作られているのでしょうか。
木島さん:ワタベウェディングと共同開発するにあたって、『結婚式に着用する服』という考え方がベースにあります。ハレの場にふさわしいものであるかどうかが重要だな、と。
だから例えば、シャツは従来のアロハシャツのサイズ感ではなく、すっきり着こなしができる定番のシャツのシルエットに変えているんです。
企画・デザインを担当している木島部長
── カジュアルなアロハシャツの着こなしなら、ゆったりしたサイズ感で前を開けて着用するような、リラックスした着こなしが主流ですよね。
木島さん:このシリーズでは、結婚式という場にふさわしいフォーマルな空気感や、心地よい清潔感が必要だと考え、アロハシャツによくある“だぶつき”はないようにしています。もちろんカジュアルに楽しみたい場合は、ワンサイズ大き目を選べばリラックスした着こなしもできます。
他にも、このシリーズの襟元はボタンダウンにしているんです。
── そういえば、一般的なアロハシャツの襟元は開襟が多いイメージです。
木島さん:ボダンダウンは上までボタンを閉めるだけで雰囲気が変わりますし、閉めるか、開けるか、ネクタイをするかで、着こなしの幅が違ってきます。
デザインした当初は、ボタンダウンに蝶ネクタイをイメージしていたんです。現地では暑いので、シャツに蝶ネクタイだけで正装感が出るでしょう。
@watabeguam / Instagram
ジャストサイズで整った襟元が「結婚式」としての特別なフォーマル感を演出
── ネクタイひとつで、グッとおしゃれになりますね。襟元がきちんとして見えると、シャツのイメージが大きく変わります。参列されるお父様はじめ男性ゲストは、そのままの服装で挙式後のレセプションパーティやグレードの高いレストランにも、気兼ねなく行けそうです。
木島さん:一般的なアロハシャツはレーヨンやポリエステルで作られることが多いのですが、ボタンダウンなら「レーヨン混より綿のほうがいい」と考えました。なので、このシリーズは最初は綿100%の素材で作っていたんです。暑い場所での着用であることも考え、さらっとした着心地感も意識していました。
── なるほど…綿素材のシャツだから、閉めたときに襟元がよれっとせずパリッと見えるんですね。
木島さん:実は2018年から開始した新モデル(※ハイビスカス柄のタイプ)は、最近新しく開発されたレーヨンを40%混ぜて作っています。新しいレーヨンは従来のものに比べ、しわになりにくく、洗濯もしやすくなったんです。
── レーヨンの新素材…!レーヨンはとろんと落ち感あるシルエットや、光沢感がとても魅力的な素材ですが、しわになりやすかったり、水に弱く洗濯すると縮んでしまったりと、取り扱いがネックでした。
木島さん:新素材とはいえ、レーヨンだけだとなかなか難しくて、しわになりやすいんです。そのため、綿とレーヨンをうまく織り交ぜて整合性をとっています。
── 綿とレーヨンのいい部分を生かしているんですね。日本から海外に服を持って行く際は、どうしても衣類を小さくたたむ必要があるので、しわになることを気にされる方も多いでしょう。海外でケアしやすい素材という部分はとても嬉しい配慮だと思います。
@watabeguam / Instagram
子ども用サイズも豊富に展開。国内で参列衣裳を用意しておけば現地で慌ただしく探す手間も心配もない。
繊細な日本の技術が魅せるオリジナルプリントのアロハ
── 初めてこのシリーズを見たとき、新品なのに肌色になじむように優しいカラーのプリントが印象的でした。鮮やかなイメージが強い普通のアロハに比べると、柔らかくさわやかな雰囲気ですね。
雨宮さん:実は『裏使い』でプリントして、“かすれ感”が出るようにしているんです。
製品を裏返して見てもらうと、カラーが明るくきっちりしたプリントになっているでしょう。
商品開発を担当されている雨宮課長
── 本当ですね!裏側は鮮やかなプリントになっていますね。
雨宮さん:表側を使えばビビットカラーで一般的なアロハになりますが、このプリント技術によって全体的に薄くかすれるように青が淡い水色になり、上品な色合いを出しています。
ただ、裏にインクを浸透させるのは、技術的にとても難しい。職人さんが熟練した技術をもっていないと、均等に裏にインクが落ちてこないから失敗も多いし、普通の技術では綺麗に柄が出ないんですよ。
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性別年代問わず親しみやすく品のあるカラー展開。リゾートファッションが初めての方でも安心
雨宮さん:だから、このプリントは綺麗に繊細に柄を出すために、かなり独特な技術が可能な京都の染工場でお願いしているんです。縫製もすべて国内です。
── そんなに難しい技術だったなんて。洗いをかけたような柔らかさがあるのに、ハイビスカスの花やモンステラの葉の細部までプリントはかすれずに、模様が綺麗に細かく写っているんですね。日本ならではの繊細な技術がよく分かります。
@____.myk.719 / Instagram
プリントにはメイドインジャパンゆえの確かな技術とこだわりが
雨宮さん海外で製作可能な場所もあるんですが、葉の先が写らなかったり、尖っていなかったり、細かい部分がかすれたりするんです。“裏使い”でありながら柄が綺麗に出る丁寧な仕事が、このアイテムの最大の特徴なんです。
木島さん、雨宮さんありがとうございました
『特別な日に、最高に着心地のいいファッションで、上質な時間を過ごす』ために、こんなにもさまざまな配慮があったんですね。デザイン、素材、色遣い、縫製、プリント…細部にまで行き届いているんだなと感じました。初めてリゾートファッションやアロハアイテムを身に着ける方も、きっとリラックスして、結婚式を思い切り楽しんで着られるはずです。
木島さん、雨宮さん、大切な日のファッションが楽しみになるお話を、ありがとうございました。
ワタベウェディングでの購入方法
ワタベウェディング×SHIPSが共同制作した『Guest Style for Resort Wedding』のアロハシリーズは、全国のワタベウェディング店舗で販売しています。試着や購入には、ワタベウェディングへのお問い合わせ、または来店予約が必要です。
GUEST by SHIPS
W by WATABE WEDDING
ワタベウェディングへの商品お問い合わせ・来店予約方法
WEB予約
来店予約先リンクより、必要事項を記入して送信します。
ワタベウェディング WEB予約リンク
お電話での予約
お近くの店舗に直接お電話でのお問い合わせ・予約も可能です。
ワタベウェディング店舗一覧
ワタベウェディング店舗ではゲスト衣裳について相談できる!
Q:試着はできる?
A:予約してご来店ください。商品のカラーやサイズの確認、試着ができます。(お問合せ時に希望商品の在庫確認をおこなわれるとスムーズです。)
Q:ワタベウェディングで結婚式予約はしていないけど大丈夫?
A:もちろん大丈夫です。『Guest Style for Resort Wedding』シリーズのシャツやワンピースについて、気兼ねなくお問い合わせください。
Q:通販での購入は可能?
A:可能ですが、基本的にはお近くの店舗にお電話でのお問い合わせ後、店舗ごとの決済方法での購入となります。できればサイズのご確認のため、ご来店をおすすめしています。
Q:万が一サイズが合わなかった場合の店頭での交換方法は?
A:まずお電話で、別のサイズの在庫がすぐご用意できるかをご確認ください。店舗にサイズがない場合、お取り寄せが可能な商品もあります。サイズの在庫がある場合は、お買い上げいただいたものと正しいサイズのものとを交換させていただきます。
もしご来店が難しい場合には、店舗に郵送または宅配で送っていただき、返品される商品が到着後にこちらからお客様宅へ発送させていただきます。(送料に関しては各店舗にご確認ください。)
ハワイ挙式やグアム挙式でゲストはなぜアロハコーデ?
@watabewedding_okinawa / Instagram
ワタベウェディングのアロハシャツはXSから展開しているため女性も着用可能
ハワイの年間平均気温は24~25度で湿気も少なく、年間を通して非常に過ごしやすい気候です。
グアムの平均気温はさらに上回って約28度。最も気温が低い1月でも平均最高気温は27度と、まさに常夏の島。そのため、結婚式に参列するゲストも薄着であることが一般的な認識です。ハワイやグアムの正装とされる「アロハシャツ」「ハワイアンドレス」は、ゲストだけでなく新郎新婦も一緒に、現地でのフォト撮影や結婚式の中で積極的に取り入れるマストなファッションです。
ハワイやグアムの正装としての服装『アロハスタイル』
“Aloha”(アロハ)はハワイ語で「好意」「愛情」「慈悲」「優しい気持ち」「思いやり」「挨拶」などの意味です。ハワイやグアムでは正装とされており、結婚式に参列する際やランクの高い老舗レストランで着用しても問題はありません。
アロハシャツ
アロハシャツの起源は19世紀後半ごろ。サトウキビ農園での重労働に耐えられる丈夫な『パラカシャツ』が広まり、それを見た日本移民が自分たちの持参した着物をシャツに仕立て直したことで、柄×シャツのファッションが島内で広まったとも言われています。
アロハシャツは1940~50年代、ファッションとしての大ブームを巻き起こしました。生地もそれまでのシルク製から当時の最新素材レーヨンが取り入れられます。この当時の光沢感のあるシルク製や柔らかいドレープ感のあるレーヨン製のアロハシャツは、現在『ビンテージアロハ』としてファッションマニアや愛好家の間では大変人気のあるアイテムです。
現在はレーヨン同様光沢感があり、洗濯が簡単なポリエステル製、通気性や肌触りのいい綿、麻素材など、さまざまなアロハシャツが作られています。
ムームー
「muʻumuʻu」とはハワイ語で「短く切る」という意味。欧米のようなドレスでは温暖なハワイの気候に合っていないため、袖や裾を短くアレンジしたドレスが発祥です。ストンとしたシルエットで、薄手の木綿製の素材で作られ、おなか回りはゆったりとしたデザイン(胸下切り替えなど)になっています。アロハシャツのように鮮やかな色柄で、フリルなどのディテールが取り入れられることもあり、さまざまなデザインや種類があります。
ハワイアンドレス
日本ではハワイアンドレスといった呼び名が一般的ですが、ハワイではホロク、ホロム(Holiku、Holomuu)という表現が正しい呼び方です。ホロムが短く袖を着られ、ムームーへと進化していったと考えられています。トレーンが長くドレッシーなホロクは、フラダンスの衣裳やハワイでの正式なウェディングドレスとして現在も受け継がれています。現在ではアロハテイストな柄の現代的なシルエットのハワイアンドレスや、ひざ丈でノースリーブのサマードレス風など、さまざまなシルエットのドレスがあります。
ハワイ&グアムウェディングでアロハコーデの基本は?
@watabeguam / Instagram
男性はアロハシャツ、女性はドレスでおそろいにしたフォトは温かい一体感
アロハシャツの基本コーデ
アロハシャツの色や柄
アロハシャツは正装であるため、着用シーンに合わせて柄や色を選ぶのがマナー。結婚式らしい明るめの色がおすすめです。また、アロハシャツの柄にはさまざまな意味が込められています。結婚式の際には、絡まり合いながら伸びることから「結ぶ」という意味を持つマイレ (Maile) の葉の柄や、海の守り神であるウミガメ、聖なる花であるハイビスカスの柄などが好まれます。
ボトム
結婚式で着用するアロハシャツは正装なので、デニムパンツのようなカジュアルボトムでの参列はNGです。気候を考え、白かベージュのスラックスやチノパンで合わせましょう。1年中暖かいので、丈の短いパンツを選びたくなりますが、挙式では必ずフルレングスのパンツがマナーです。
靴
チャペルウェディングではサンダルやスニーカーなど、カジュアルな靴やアウトドアテイストのシューズはマナー違反。スーツやジャケパンなどに合わせる革靴を選ぶのが一般的です。一方でビーチウェディングの場合は、足に負担をかけないサンダルの着用も多く見られます。
ムームー・ハワイアンドレスの基本コーデ
露出が気になる場合は羽織ものを
ハワイ挙式では一年中暖かい気候のため、特に羽織ものは必要ありませんが、露出が多いドレスなどの場合には、ストールなど羽織ものを持参しておきましょう。
靴
チャペル式ではアロハコーデに合わせ、パンプスがおすすめです。サンダルやミュールでは、デザインによってはマナー違反である場合もあるため、失礼のない靴を選びましょう。ビーチウェディングの場合は、高いヒールでは足元が危険なため、低いヒールのパンプスやサンダルなど、ドレスに合わせその場に適した歩きやすい靴を選びましょう。