顔合わせ食事会の流れと進行の際の注意点
一般的な顔合わせ食事会は、どのような流れで進んでいくのでしょうか。簡単なプログラムを流れに沿って、注意したい部分をみてみましょう。
食事会当日の進行例
(1)お店の前またはフロントで両家の待ち合わせ。5分前に集合を
(2)個室に通される。手土産があれば、ご挨拶をした後着席する前にお渡しする。
(3)食事会始まりの挨拶。新郎の後に続いて新婦が挨拶を
(4)両家の家族紹介。新郎側・新婦側の順に一人ずつ紹介
(5)婚約記念品の披露または交換
(6)両家族全員で記念撮影(このタイミングで乾杯酒と食事スタートを指示)
(7)乾杯の挨拶(新郎または新郎の父親)
(8)お食事スタート
(9)歓談スタート。前半は両家の親睦を深めるための和やかな話題で盛り上がる。
(10)歓談後半は結婚式や今後の新婚生活についてなど、両家で話し合いまたは確認すべきことを話題に。
(11)支払いは進行役が食事の進行具合の折を見て一括で済ませる。
(12)食事会の終わりの挨拶。新郎の後に続いて新婦が挨拶。最後に新郎側の父親が挨拶する場合もある。
(13)お店を出た後、両家がお互い再度挨拶して解散。
顔合わせ食事会、進行の注意点
待ち合わせ時間と場所
待ち合わせ時間は食事会が始まる10~5分前には現地に到着しているようにしましょう。お店が広い場合は、駐車場・エントランス・ロビーなど、待ち合わせ場所を誰もが分かりやすいように場所を細かく指定しましょう。
当日は新郎新婦が両親や家族をエスコート
当日は自分の実家から両親と家族をエスコートして出発しましょう。両親と住んでいる場所が違う場合は、一度最寄り駅などで合流するなどして、家族単位で集まってからお店に出向くようにしましょう。
顔合わせ食事会の開始時間と滞在時間
慶事で縁起がいい時間帯は午前中とされていますが、食事のタイミングや帰りの時間を考え、11時~12時に開始するのが皆に負担がかかりません。
滞在時間は2~3時間が目安です。両家で会話が弾んでいる場合は、お店側に何時まで滞在していいかをそっと聞き、まだ皆が会話したりないようなら、すぐ近くで適当な店がないか探しておくなどの手配をしておきましょう。
顔合わせ食事会開始してからの注意点
顔合わせ食事会、両家の席順
基本的には入り口に近い方が下座、遠い方が上座です。
遠い方(上座)には新郎側、近い方(下座)には新婦側の家族が座ります。
席順のマナーは、入口から最も遠い奥から父親、母親、本人、兄弟姉妹の順番で座ります。
(父、母、兄弟姉妹、本人と座るマナーもありますが、会話を盛り上げるようにするには両親の隣に結婚する二人が座ったほうがいいでしょう。)
入り口から離れた上座に新郎側の家族が案内されることがほとんどですが、新婦側の両親の方が年上で、相手側が上座を勧めた場合は新婦側家族が上座に座ることもあります。
角テーブルの場合
丸テーブルの場合
入室の仕方
まずは会場のロビーなどで両家が待ち合わせて合流した後、スタッフの案内で両家族が一緒に入室します。
結納の場合は先に男性側が着席して待つのが礼儀ですが、顔合わせ食事会のでは先に入らず一緒に入るのがマナー的には良いでしょう。個室に通された後にあらためてあいさつをし、手土産を持参しているなら、このタイミングで交換します。
手土産の用意と渡すタイミングや渡しかた
手土産を渡すタイミング
手土産を用意するかしないかは、事前に両家ですり合わせをして足並みをそろえます。
手土産を渡すタイミングは、個室に通され、席に着く際に、全員がそろって一度挨拶をしたタイミングがベストです。着席前に、袋から手土産を出し両手を添えて差し出します。
一家の主である父親に差し出すのが基本です。このタイミングで渡せなかった場合は、食事会の終わりの挨拶後に席を立つときにお渡ししましょう。
渡す際に言葉を添える
「美味しいと評判のお菓子です。ご家族でお好きとおうかがいしまして」「私達の地元でとても人気のもので」など、何か一言添えてお渡しするのが好印象です。
手土産の渡す際の袋
手土産は一度袋から出して、渡した後に「お使いください」と袋を渡します。
持ち帰るのに紙袋が必要ですし、自然な流れで紙袋に入れたままお渡しする、という人もいます。終わりの挨拶後に手渡す際は、手間を省き紙袋のままお渡しするのが自然な流れです。
顔合わせ食事会の挨拶と家族紹介挨拶
最初のあいさつは進行役を務める新郎、もしくは新郎の父が代表して行います。その後、それぞれが自分の家族を紹介します。会の雰囲気によっては一人一人自己紹介まで時間を取ってもいいでしょう。
新郎新婦の父親に何か一言挨拶をしてもらうよう割り振りをするケースもあります。挨拶については、進行役が中心となって、事前に段取りと割り振りを決めておきましょう。
新郎の挨拶例
本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。
このたび○○さんと婚約しましたので、ご報告を兼ねて食事会の席を設けることにいたしました。行き届かない点も多々あると思いますが、最後までよろしくお願いいたします。
新郎の父親の挨拶例
本日は遠方からお越しいただき、誠にありがとうございます。
このたびは○夫と○○さんの婚約が無事に調いましたので、このような場を設けさせていただきました。
これを機に、両家の親睦が深まれば幸いです。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
家族紹介は名前と1人づつ自己紹介を
家族の紹介は両家それぞれ行いますが、できれば参加している家族が紹介に続いて、1人一言ずつ簡単な自己紹介すると場が和み、打ち解けやすい雰囲気になります。
顔合わせ食事会に組み込むイベント例
婚約記念品披露、交換
カジュアルな顔合わせの場合は、婚約指輪をリングケースから出し、女性の指にはめ両親にお披露目するという簡単な披露になります。
フォーマル寄りの顔合わせでは、儀式らしさを出すために結納セットや結納金(ご祝儀)を用意することも。
その場合、白木の盆にご祝儀袋と指輪を載せ、両脇に長熨斗・末広と結納で使われるアイテムを添えて、儀式用にセットします。白木盆や簡易結納セットは通販やブライダル店舗、顔合わせ食事会をするホテル・料亭・式場で用意が可能です。
記念撮影
顔合わせ食事会では両家の記念に、参加者全員で記念撮影を取り入れる流れが多い傾向です。お店側に顔合わせ食事会であること、記念撮影をしたいことを事前に申し出ておきましょう。
お店のサービス係がタイミングを見てスムーズに協力してくれます。記念撮影するためのカメラを忘れずに。中にはプロカメラマンによる記念撮影がサービスとなった顔合わせプランもあります。
撮影した写真は食事会参加のお礼状を添えて、両家両親に後日郵送しましょう。
婚姻届の証人欄にサインの注意点
せっかく両家が集まる場なので、婚姻届けの証人欄にサインしてほしい…と考えるかもしれません。ただ、顔合わせ食事会はもともと婚約の儀式をカジュアルにした場であり、はじめて両家が揃う場でサインすることはいささか性急と感じる親もいるでしょう。
顔合わせ前に、両家がしっかり結婚に対して意思が固まっている、何の問題もないと確認をまず取りましょう。
新郎新婦の姓や戸籍・入籍日をどうするかを事前に両家の両親にし報告した上で、婚姻届けを用意しましょう。顔合わせの場でサインをいただくのであれば、二人の記入欄は事前にすべて埋めておき、捺印まで済ませておくのがマナーです。
乾杯後の会食と歓談
乾杯の挨拶
進行役の新郎か、新郎側の父親が行います。進行役が新郎の場合は、父親の挨拶の場を儲けたいと考え、乾杯の挨拶をお願いするケースが見られます。通常は進行役が音頭をとり、全員で乾杯します。乾杯の挨拶は長くせず、簡単で手短に済ませましょう。
乾杯の挨拶例
会食中の会話が弾む話題、注意する話題
会話がスムーズに盛り上がるように、どんなことを話題にするかをいくつか用意しておきましょう。両家のプライベートに深く踏み込むような話題やネガティブな意見が出そうな話題は避けるよう配慮しましょう。
【話が弾む話題例】
・天気や季節
・ふたりの子供の頃の話
・地元の話題
・家族に関しての話題や思い出
・結婚式についての確認
【避けたい話題例】
・仕事
・宗教やスポーツ
・健康に関して
食事会費用の支払いのタイミングと注意点
支払いの負担
支払いの負担は顔合わせ食事会前に事前に両家で決めておきます。『新郎新婦が折半』『両家がそれぞれの家族の分を父親が負担』など、いろいろな方法があります。調整役は、婚約する本人が調整役となり、それぞれの家の意見をまとめて食事会までに決めておきましょう。
支払い方法とタイミング
支払いはどのような方法になっていたとしても、代表して1人(この場合は新郎か新婦)が一括して行います。食事が終わる直前を見計らって、お手洗いに行く際などを利用して、スマートに済ませましょう。分担分の支払いは食事会終了後に、それぞれの家族ごとに新郎新婦がとりまとめて行います。
食事会の結びの挨拶
父親のあとに二人で行う
締めのあいさつは新郎側の父親(家長)にお願いするのが一般的です。続いて、二人からも今日のお礼の言葉を伝えましょう。
父親挨拶(新郎側or新婦側)の例文
「宴もたけなわではございますが、そろそろお開きにさせていただきたいと思います。
本日は皆様のおかげで、滞りなく顔合わせを行い、婚約が調うことができました。皆様に御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願いします。」
新郎挨拶の例文
「本日は両家皆様のおかげで、今日という日を迎えることができました。本当にありがとうございます。改めてお礼申し上げます。未熟な私たちではありますが、今後とも皆様で温かく見守っていただければ幸いです。」
新婦挨拶の例文
「本日はお忙しいなかお集まりいただき、ありがとうございました。
今日という日を迎え、〇夫さんと婚約し、まだまだ至らぬ点も多いかと思います。
これからも、お父さんお母さんには色々とご相談したいと思いますので、どうか温かくご指導いただけますよう、お願い致します。」
カジュアルな顔合わせ食事会の流れと進行例
最近は、よりラフで親睦を深めることを重視した「カジュアルな顔合わせ食事会」を計画するカップルが増えているようです。流れは自由なのでさまざまですが、一般的な食事会の流れをよりシンプルにする、挨拶は簡単にしてイベント要素を盛り込むなど、さまざまな工夫が見られます。カジュアルな食事会のプログラム例を参考にしてください。
(1)両親をエスコートして会場へ。
親だけが先に着いて気まずい思いをしないように、それぞれが両親をエスコートする形で会場に向かいます。始まる5分前には到着するようにしましょう。
(2)始めの挨拶
カジュアルな会であっても、親同士は初対面。最初の挨拶と自己紹介は新郎が仕切りましょう。
(3)両家の一言紹介
両家の家族の紹介をします。ユニークな一言紹介を挟むなど、場を和ませましょう。
(4)婚約指輪(結婚記念品)のお披露目や記念撮影
何かイベントを取り入れたいと思った場合は、婚約指輪を披露して芸能人のように嵌めてあげるなど、フォーマルより少し砕けたイベントがあってもいいでしょう。
(5)食事と歓談タイム
料理が来たら、乾杯の音頭も新郎が率先してとりましょう。
(6)終わりの挨拶
カジュアルな会でも時間がきたらお開き、という尻すぼみにならないように、最後は新郎または新郎新婦そろって挨拶をしましょう。
まとめ
顔合わせ食事会の流れは事前に押さえておこう
顔合わせ食事会の進行の流れを確認して理解しておくと、両家が親睦をよりスムーズに深めることができます。和やかに食事と歓談を進めるためには、お互いの両親への配慮や、会話を弾ませるための話題作りなど、細かい部分への準備や配慮が見えてくるでしょう。新郎新婦が協力して、家族の親睦が深まるよう進行をフォローしましょう。