会食スタイルの『食事会ウェディング』とは。披露宴の違いとは
taka – stock.adobe.com
食事会スタイルの結婚式とは、食事を楽しみ歓談中心のシンプルかつアットホームな結婚式を「食事会ウェディング」または「食事会、会食スタイルの結婚式」と表現します。
食事会ウェディングは近しい間柄の方々のみをゲストとして招待し、一般的な結婚式披露宴のように派手な演出はせず、会食と歓談がパーティのメインです。
食事会と披露宴の流れの違い
食事会スタイルの結婚式と披露宴の違いは、簡単にいうと
『少人数で過度な演出や装飾はおこなわないシンプルな会食』
『大人数で華やかな演出や装飾をおこなう賑やかな披露宴』の違いになります。
ちなみに、少人数と大人数の定義はゲスト数が30名を境目に判断するのが一般的。30名以下のゲストであれば、アットホームな内輪の話題と美味しい料理があれば会話が弾みますが、30名以上招待するなら、節目にイベントや余興を入れたり、ゲストが楽しめる演出を工夫したおもてなしを計画しないと場がもちません。
そのため、食事会スタイルの結婚式の流れは比較的ゆったりとしていて、演出や余興はそこまで詰め込まないプログラムを組むことが多いでしょう。
食事会スタイルの結婚式と披露宴を比べた場合のメリット・デメリット
上記の食事会と披露宴の比較から、、食事会スタイルのメリット、デメリットが分かります。ふたりがどのような結婚式を望んでいるのかが食事会スタイルの結婚式に当てはまっているのかを確認したうえで、デメリットや注意点に配慮して計画しましょう。
【食事会スタイルの結婚式のメリット】
・結婚式を大切な家族や親しい人ひとりひとりとゆったり楽しむ時間が作れる
・ゲストひとりひとりにあわせた丁寧なおもてなしが可能
・演出や余興イベントはそこまで詰め込まなくでOK
【食事会スタイルの結婚式の注意点】
・少人数だからこそおもてなしに手を抜くと目立ちやすい
・食事会の流れや進行にメリハリをつけないと単なる飲み会になってしまうこともある
食事会スタイルの結婚式の進行キーマン・司会はふたりの考え方で誰に頼むか判断を
mapo – stock.adobe.com
食事会結婚式でも司会がいることで進行がスムーズに進みます。司会を誰にお願いするかを決めておくのがおすすめです。
【食事会スタイルの結婚式の司会の考え方】
・新郎新婦ふたりで司会進行をおこなう
・ゲストのうち進行や仕切りの上手な人にお願いする
・会場のウェディングプランナーやスタッフに依頼する
・プロ司会者に依頼する
新郎新婦ふたりで司会進行をおこなう
少人数のゲストで食事会をおこなう結婚式の場合、司会は立てずに新郎新婦が進行をおこなうことが多いようです。両親や親族のみであればふたりが進行を進めることで、両家同士緊張なく話しやすい雰囲気づくりができます。
ゲストのうち進行や仕切りの上手な人にお願いする
新郎新婦の中には話すことが苦手だったり、進行がスムーズに進まないかもしれないという不安がある方も。その場合は、話すことが得意で雰囲気を盛り上げてくれそうな親族や友人に司会を頼むといった方法もあります。
食事会は結婚披露宴に比べ進行もあまりないため負担は少なく司会もお願いしやすいでしょう。
会場のウェディングプランナーやスタッフに依頼する
ホテルや専門式場で食事会をおこなう場合は、会場のスタッフにお願いすることもできます。が、レストランなど結婚式専門ではない会場の場合は自分たちで司会の手配をする必要があるため事前に確認しておきましょう。
プロ司会者に依頼する
ゲストとの時間をしっかり持ちたい方は、プロにお願いするのもよいでしょう。プロに司会をお願いすることで、新郎新婦やゲストはゆっくりと結婚式を楽しむことができます。
食事会スタイルの結婚式の『挙式のある・なし』で進行の流れとゲストへの配慮を予測
lorabarra – stock.adobe.com
会食スタイルの食事会ウェディングは、沖縄やハワイでのリゾートウェディングや、家族や親族のみの和婚、少人数ウェディングといったスタイルの結婚式に取り入れられます。
内容的には『挙式と会食を行う』『挙式なしで会食のみおこなう』といった、大きく分けて2つのスタイルがあります。
挙式あり、なしの進行タイムテーブル例を参考に、結婚式の流れを参考にしてください。
『挙式』の後に続けて『会食』をおこなうウェディングスタイル
神社やチャペルといった挙式会場で挙式をおこなった後、ゲストと共に場所を移して食事会を楽しむスタイルです。
結婚式の内容は、次のようなパターンが想定されます。
【挙式の後に会食を楽しむ結婚式の内容】
・神社やチャペルなど独立会場で挙式、レストランやホテルに移動して食事会
・神社やチャペルなど独立会場で挙式、その敷地内に併設された宴会場で食事会
・ホテルや専門式場で挙式、その施設内に併設された宴会場やレストランで食事会
神社やチャペルなど独立会場で挙式、レストランやホテルに移動して食事会
神社やチャペルなど独立会場で挙式をした後、全員で移動して近場のホテル、レストラン、料亭などで食事会をおこなうスタイルです。挙式と食事会、それぞれの会場をふたりの希望に合わせ自由に選ぶことができます。
ただし、ゲストの移動時間や負担を考えると、できるだけ近場で会食設定をしたり、距離がある場合はゲストの移動する手段を負担(バスやタクシーの手配)する配慮も必要になります。また、婚礼衣裳のレンタル状況によっては、会食前に私服に着替える準備も必要です。
【挙式あり・会場移動ありの場合の進行例】
8:00 新郎新婦仕度のため神社の仕度用サロンへ。白無垢と紋付袴に着替え
10:00 家族や親族が神社に集合。担当者より儀式の説明
10:30 挙式開始
11:00 挙式終了後記念撮影、ゲストは会食会場へタクシーで移動
11:45 ゲスト会食会場のレストランに到着。食前酒で歓談
12:30 新郎新婦が洋装に着替え会食会場のレストランに到着。会食スタート
挙式会場で挙式し施設内に併設された宴会場やレストランで食事会
独立した神社やチャペル、ホテルや専門式場内にある挙式会場で挙式し、その施設内に併設された宴会場やレストランで食事会をおこなうスタイルです。
ゲストの移動の手間や時間が少なくて済むことや、結婚式準備の打ち合わせや手配がひとつの窓口ですべて整うというメリットがあります。
また、ウェディングドレスなど婚礼衣裳のままで食事が可能な場合もあり、挙式の喜びや感動のまま、食事会を楽しむことができます。
【挙式あり・会場移動なしの場合の進行例】
8:00 新郎新婦仕度のためチャペルの仕度用サロンへ。ウェディングドレスとタキシードに着替え
10:00 家族や親族がホテル控室に集合。担当者より儀式の説明。チャペルへ移動
10:30 挙式開始
11:00 挙式終了後記念撮影、ゲストは会食会場の小宴会場へ移動
11:30 新郎新婦のヘアチェンジ、メイクチェンジ終了後、会食スタート
『挙式』はおこなわず『会食のみ』をおこなうウェディングスタイル
さまざまな事情や理由から挙式はとりおこなわない、またはふたりきりの挙式を別日程でおこない食事会のみゲストを招待しておこなうスタイルです。
結婚式の内容として、次のようケースが想定されます。
【挙式なしで会食のみを楽しむ結婚式の内容】
・神社やチャペルなど独立会場でふたりきりで挙式、後日レストランやホテルなどで食事会のみ執り行う
・挙式は執り行わず、ホテル、レストラン、料亭などで食事会のみ執り行う
・挙式は執り行わず、ホテルや専門式場で婚礼衣装着用、記念撮影、食事会を行う
【挙式なし・フォトウェディング後に会食の場合の進行例】
8:30 新郎新婦ホテルのサロンへ。仕度。ウェディングドレスとタキシードに着替え
10:30 フォトウェディングの撮影スタート
11:00 家族や親族がホテルロビーに集合。小バンケットへ移動
11:30 会食スタート前に新郎新婦とゲスト全員で記念撮影。会食スタート
食事会スタイルの結婚式の会食プログラム例。ゲスト数に合わせた進行例や演出内容
Eric Limon – stock.adobe.com
お食事会ウエディングはその名の通り、親しい人たちと新郎新婦が、食事と歓談をメインに楽しむお披露目会スタイルの結婚式です。
多くの場合は派手な演出やイベントはそこまで入れないため、一般の結婚披露宴のように細かいプログラムが必要というわけではありません。
ですが、プログラムがあることで食事会の流れにメリハリがつき、新郎新婦も当日の流れを把握できるため進行がスムーズに進みます。
少人数だからこそゲストの関係性に合わせたプログラムや演出を工夫
基本的に、会食は挙式の後に行います。料理はコースの場合が多いので、所要時間は2時間ほどになるでしょう。
食事会スタイルの結婚式は少人数ゲストで執り行うため、大勢が一体感を得られるような派手なイベントや華やかな演出は必要ありません。
ですが、『家族のみ』招待する場合、『親族や身内のみ』招待するする場合、『親しい人のみ』招待する場合、それぞれのゲスト人数に合わせたプログラムや、楽しい時間にするための演出を用意する必要があります。
『家族のみ』招待する場合(ゲスト数4人~10人程度)のプログラムと演出例
【家族のみ招待する場合の範囲と想定ゲスト数】
・両家の親のみ招待する場合…2人~4人程度
・両家の家族(兄弟姉妹や祖父母)を招待する場合…5人~10人程度
歓談を中心とした食事会結婚式では演出をおこなわない分、歓談時間を多く取ります。家族紹介の時間も多めに取り、ゲストにお祝いの言葉を一言ずつ添えてもらうと、アットホームな雰囲気で食事会を進めることができます。
【家族のみの食事会結婚式のプログラム例】
1. 新郎新婦入場
2. ウエルカムスピーチ
3. 父親から乾杯の挨拶
4. 両家家族の紹介
5. 会食、歓談スタート
6. 両親への花束贈呈・新郎新婦それぞれから手紙の朗読
7. 新郎新婦挨拶
8. 記念撮影
9. お開き
『親族や身内のみ』招待する場合(10人~25人程度)のプログラムと演出例
【親族や身内のみ招待する場合の範囲と想定ゲスト数】
・兄弟姉妹と結婚した義理の兄弟姉妹とその子ども(甥・姪)…10人~15人程度
・父母の兄弟姉妹(おじ・おば)とその子ども(いとこ・はとこ)…20人前後
家族や親族のみの場合、テーブルに幼い頃の写真を飾っておくと、思い出話で盛り上がるかもしれません。各テーブルに新郎新婦の席を用意しておき、テーブルを回りながら話したり写真を撮ったりとゲストとの時間を楽しむのもおすすめです。
【家族と親族のみの食事会結婚式のプログラム例】
1. 新郎新婦入場
2. ウェルカムスピーチ
3. 親族の方による乾杯の挨拶
4. 食事スタート・歓談
5. ケーキカット・ケーキサーブしながらの両家親族紹介
6. 歓談
7. 両家代表の挨拶
8. 新郎新婦の挨拶
9. 記念撮影
10. ゲストお見送り
『親しい人のみ』招待する場合(20人~30人程度)のプログラムと演出例
【親しい人のみ招待する場合の範囲と想定ゲスト数】
・家族、親族のほか特に親しい友人や同僚を招待…20人~30人程度
親しい友人や同僚など、気兼ねない関係性の方まで範囲を広げ招待したい場合、ゲスト数は20人以上が予測され、多い場合は40人くらいになる場合も。
ゲスト数30人を超えると、食事会スタイルのおもてなしでは対応しきれない部分が出てくることもあるので、披露宴に近いスタイルを検討する必要があります。
演出多めの食事会では、結婚式の定番となるウエディングケーキカットやムービーなどを取り入れるのもおすすめです。ケーキカットではファーストバイトの他に、両親へラストバイトをおこなうのもよいでしょう。ムービーでは、ふたりの生い立ちや出会いなどを流すことでゲストもふたりの歴史を感じながら、食事会を楽しむことができます。
【親しい人のみの食事会結婚式のプログラム例】
1. 新郎新婦入場
2. ウェルカムスピーチ
3. 親族の方による乾杯の挨拶
4. ウエディングケーキカット
5. 会食、歓談スタート
6. ゲストからサプライズメッセージ
7. 演出(プロフィールムービー)
8. 歓談
9. 両親への記念品贈呈
10. 両家代表挨拶
11. 新郎挨拶
12. お見送り
会食スタイルの結婚式『食事会ウェディング』の流れや演出の工夫やアイデア例
hiv360 – stock.adobe.com
演出を入れる場合は、ゲストとの歓談中心にしたい場合は1~3つくらいに押さえて組むのがおすすめです。ゲスト数が30人程度いるようなら、話題作りやゲストを楽しませるための演出を3~4つほど入れると、パーティが間延びしません。
食事会スタイルの結婚式で演出を入れる際には、大きく3つの目的があり、それに基づいてどんな演出を入れるか考えると、結婚式のテーマがよりゲストに伝わりやすくなるでしょう。
【結婚式の会食に入れる演出の考え方】
・単なる飲み会にならないための結婚式の象徴的な演出を入れる
・ゲスト同士の会話がはずむきっかけになる演出を入れる
・ゲストにふたりの思いや感謝を伝え、おもてなしが記憶に残る演出を入れる
単なる飲み会にならないための結婚式の象徴的な演出アイデア
・ケーキカット
・テーブルラウンド
・フォトプロップスを使った記念撮影
・記念品贈呈
ゲスト同士の会話がはずむきっかけになる演出アイデア
・プロフィールムービー制作
・アルバムやプロフィールブックの制作
・両家親族の紹介
・ゲストひとりひとりからサプライズお祝いメッセージ
ゲストにふたりの思いや感謝を伝え、おもてなしが記憶に残る演出アイデア
・ふたりが考案したオリジナルメニューの紹介
・親や家族、ゲストへ新郎新婦から手紙朗読
まとめ
会食スタイルの『食事会ウェディング』は進行と演出に披露宴とは違った工夫を
会食スタイルの『食事会ウェディング』は、基本的には家族のみ、親族のみ、親しい人のみといった少人数のゲストを招待してのウェディングスタイルのため、結婚式の流れや進行プログラム、演出には、大人数の披露宴とは違った工夫やアイデアが必要です。ゲストひとりひとりとじっくり歓談したり、結婚式の時間を大切にできる結婚式の主旨であることを念頭に、ふたりの気持ちがゲストに伝わる進行や演出に配慮しましょう。