オンライン結婚式(リモートウェディング)とは。費用相場や予算は内容で異なる
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オンライン結婚式(リモートウェディングとも)とは、新型コロナウィルスの感染拡大が心配される中「withコロナ」の生活様式にあった新しいウェディングスタイルとして、注目される結婚式のスタイルです。
オンライン結婚式とは
簡単に言えば、新郎新婦の結婚式や披露の様子をオンラインで配信し、会場にはいないゲストにもリモートで参加してもらう結婚式です。ビデオ通話システムを使って結婚式や披露パーティの様子をライブ配信することで、遠くにいるゲストと繋がることができます。
オンライン結婚式の費用相場は内容やゲストの参加方法により異なる
オンライン結婚式の費用は、ふたりがどんな内容で結婚式をおこないたいか、どのような中継スタイルにしたいか、ゲストに対してのおもてなしをどのように考えるかで、費用相場が大幅に変わってくるのが実情です。
そのため、予算を見積もるには、ふたりがどのような内容のオンライン結婚式をしたいかをまず明確にすることが必要です。
オンライン結婚式の内容やゲストの参加方法は、大きく次の3つの方法があります。
【オンライン結婚式のやり方とゲストの出席方法】
・新郎新婦の自宅やスタジオから配信。ゲストは全員リモート出席
・ふたりだけ、または家族のみの挙式の様子を中継。その他ゲストはリモート出席
・通常の結婚式で会場出席のゲストとリモート出席のゲストの混合型
新郎新婦の自宅やスタジオから配信。ゲストは全員リモート出席
ふたりだけで無料のツールを利用して、自宅からオンライン結婚式の様子を配信し、全員参加でわいわいとパーティをおこなう方法です。配信のための機材や部屋を飾り付けるキット、衣装などを貸し出ししてくれるプランや、プランナーが配信内容や撮影をお手伝いしてくれるサービスもあります。
ふたりだけ、または家族のみの挙式の様子を中継。その他ゲストはリモート出席
ふたりだけ、または挙式会場には家族や親族のみが参列して、プロカメラマンによってその様子を撮影し、リモート参加しているゲストに中継するスタイルの結婚式です。
通常の結婚式に会場出席のゲストとリモート出席のゲストの混合型
一般的な結婚式を結婚式会場でおこないます。会場に出席可能なゲストは会場で、さまざまな事情で会場入りできないゲストはリモートで出席します。
ゲストは会場内での結婚式の様子が中継で閲覧できるほか、ブレイクアウトルーム(参加者をグループ分けした部屋)での他のゲスト同士や新郎新婦との歓談や、オンライ画面をスクリーンに投影しスピーチや余興にも参加可能です。
オンライン結婚式のプラン内容別の費用相場
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上記で説明した、オンライン結婚式の内容やゲストの参加方法別で、おおまかな費用相場を紹介します。
自宅やスタジオから中継配信する場合のオンライン結婚式の費用相場
費用相場:約10万円前後~(自己手配の場合は実費のみ)
・配信機材費用
・スタジオレンタル費用
・会場装飾費用
・撮影、配信スタッフ人件費
・諸経費(衣装、フォト撮影、ヘアメイク)
自宅や撮影スタジオから中継配信を行うため、基本的な費用は機材やスタジオのレンタル費用と撮影にかかる実費のみで、最も安価な料金で計画が可能です。
挙式の様子を中継配信する場合のオンライン結婚式の費用相場
費用相場:約40万円~
・挙式費用(一般的な結婚式ど同様の挙式費用…約30万円~
・配信中継費用…約10万円~
・諸経費(衣装、フォト撮影、ヘアメイク)
挙式会場でのセレモニーの様子をプロカメラマンによって中継してもらうシンプルなスタイルです。
ゲストには配信している映像を視聴してもらうので、挙式にかかる費用とふたりの衣装などの費用にプラスして、オンライン配信の費用がかかります。
披露宴中継、リモートゲストに料理飲物など宅配する場合のオンライン結婚式の費用相場
費用相場:ゲスト数に応じた一般的な結婚式と同等+αの費用相場
・挙式+会場参加ゲスト数に応じた披露宴の費用
・配信中継費用
・諸経費(衣装、フォト撮影、ヘアメイク)
・リモートゲストの料理・飲物費用…約5000円~2万円+配送料(ゲスト1人につき)
料理は結婚式に出席するゲストが最も楽しみにしているおもてなしであることを考えると、手を抜きたくないと考える方も多いでしょう。しかし、料理と飲物の提供方法はいくらでもサービスの質を上げることは可能ですが、こだわり過ぎると通常の結婚式より配送料金も含め費用が大きく上がることも。
オンライン結婚式に必要なアイテムやサービスの内訳。撮影配信機材や料理など
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オンライン結婚式をおこなうために必要なアイテムやサービスには、それぞれ費用がかかります。結婚式の内容や規模により、必要なものや必要でないものがありますが、おおよそ以下のアイテムやサービスについて、費用がかかることを予測して予算を調べると良いでしょう。
オンライン結婚式に最低限必要なアイテム
・配信中継場所(自宅・スタジオ・結婚式会場)
・新郎新婦の衣装、ヘアメイク
・会場装飾、装花
・動画配信するためのインターネット環境とソフト
・動画中継をするための撮影配信機材
・よりよい撮影をおこなうための照明音響機材
・撮影配信するための人員・スタッフ
撮影・中継配信のために必要なアイテムやサービス
オンライン結婚式は最低限、スマホと配信ソフトさえあればライブ配信ができます。パソコンにZOOMなどの配信ソフトをインストールし、高画質カメラやマイクを設置し、インターネット配信を行います。
自宅で機材は専門業者からのレンタルも可能です。機材が揃えば、自分たちだけでもオンライン配信は可能ですが、動画撮影と配信、なおかつ結婚式として成立させるには、かなりの準備や知識が必要です。
映像のクオリティの高さや、ゲストか見ていて飽きないエンターテイメント要素を求めるのであれば、プロカメラマンに依頼しての撮影や、ウェディングプロデュース会社やプランナーに相談したほうが良いでしょう。
自己手配で友人や知人に撮影配信の手伝い依頼する場合でも、友人に対するお礼でお金を包んで渡すのがマナーです。
配信中継場所(自宅・スタジオ・結婚式会場)の確保
結婚式の様子を中継するために、どんな場所で結婚式をおこない、どこから中継するのか、そのための場所(会場)の確保が必要です。自宅からの配信なら費用はかかりませんが、スタジオや挙式会場、披露宴会場を借りて配信を行うなら、会場を貸切にするための費用が必要です。会場費はスタジオであれば比較的安い金額ですが、結婚式会場の場合は格式や規模によって費用が大きく異なります。
新郎新婦の衣装、ヘアメイク、会場装飾、装花
画面越しでも結婚式の臨場感や雰囲気がリモート出席のゲストに伝わるよう、中継場所となる会場をウェディングらしく装飾します。また、新郎新婦自身の婚礼衣装や、ヘアメイクも必要です。基本的には衣装はレンタル、ヘアメイクはプロにお願いするケースが多いでしょう。
自宅配信の場合は、衣装や自宅を装飾するためのアイテム、撮影配信機材がキットになっていて配送レンタルできるサービスを利用する方法もあります。
オンライン結婚式の披露宴にリモート出席するゲストをもてなすのに必要なアイテム
・WEB招待状
・乾杯用飲物
・料理
・引き出物・引菓子・プチギフト
・演出のための費用(ムービー制作や事前配布小物など)
有料サービスのWEB招待状
オンライン結婚式の招待状は、メールやLINEを利用して送付できるWEB招待状が主流です。WEB招待状ではふたりの画像やプロフィールを掲載したり、お祝いの言葉をインターネット上で集めたりすることが可能です。また、当日の配信URLのアナウンスもクリックしてもらうだけで可能です。会費を集めることもインターネット決済を利用し、スムーズに集めることができるでしょう。
もちろん、大切なゲストには紙の招待状を制作し、送付しても問題ありません。
飲物
オンライン結婚式で多く採用されているサービスが、乾杯用ドリンクとグラス、プロフィールブックを配送する方法です。挙式の配信のみのような短時間のリモート結婚式参加の場合は問題ありませんが、披露宴参加のように長時間の配信ではゲストが手持無沙汰になってしまうことが考えられます。そこで、乾杯の時に一緒に乾杯したり、配信を見ながらドリンクを楽しんでもらえるよう、飲物を送ります。
料理
オンライン結婚式では、自宅からリモート出席しているゲストに、会場で出席しているゲストと同様に料理や飲物をクール便などの配送サービスや、デリバリーサービスを利用して届けることができます。宅配で祝宴用料理の折詰(弁当や重箱スタイル)を配送する方法と、コース料理を冷凍配送し、あたためなど簡単な調理仕上と配膳をゲストにセルフで行ってもらう方法があります。
オンライン結婚式プランを手がけているウェディングプロデュース会社や結婚式場、ホテルなどは、おおむね料理やドリンクの手配も可能です。ただ中には取り扱いがない場合もあるため、申し込み前に確認したほうが良いでしょう。
自分たちでオンライン結婚式を企画、手配する場合でも、デリバリーサービスやオンライン結婚式専門の宅配サービスを利用して、自己手配できます。
演出
会場とリモート出席のゲストが一体感を感じられるよう、演出も工夫する必要があります。リモートゲストに楽しんでもらうためのウェディングムービーを制作して流したり、リモートゲストも参加できるようなイベントを組み込んで事前にキットなどを配布するなど、さまざな演出アイデアがあります。
引き出物、引菓子、プチギフト
オンライン結婚式を会費制、またはご祝儀制でおこなう場合には、会費やご祝儀の相場に応じた引き出物、引菓子、プチギフトといったお返しを用意し、一人ひとりに郵送または配送する手配が必要になります。
会費制の場合のお返しギフトの相場1人300円~2000円程度、ご祝儀制の場合は5000円前後の相場です。また、配送料金も考慮する必要があるでしょう。
オンライン結婚式の申し込み先と費用相場の特徴
オンライン結婚式の具体的なプラン内容や結婚式をおこなう会場、プランの内容などは、オンライン結婚式でどんなことをしたいかによって申し込み先が変わってきます。費用相場も申し込み先によって、大きく変わります。
【オンライン結婚式のプランを取り扱う主な申し込み先】
・各結婚式会場(ホテル・ゲストハウス・専門会場など)
・ウェディングプロデュース会社
・動画やフォトを制作する会社
・フリーランスのウェディングプランナー
・すべて自分たちで手配
各結婚式会場(ホテル・ゲストハウス・専門会場など)
結婚式を主に手がけている会場だけあり、オンライン結婚式をゲストと一体となって楽しむさまざまなサービスが充実しています。
費用相場は一般の結婚式とほぼ同額か、またはプラン内容やこだわりによっては高めになるケースもあります。
ウェディングプロデュース会社やフリープランナー
会場やオンラインを利用した結婚式を、ふたりのやりたいことに合わせたプランで計画が可能です。また、費用面も予算に合わせてプランを提案してくれるため、費用を重視する場合は予算内でおさめることも可能です。
ただし自由度が高い分、結婚式へのこだわりやおもてなしの質が高くなる場合、結婚式会場のプランより費用相場が大きくあがるケースも考えられます。
動画制作やフォト撮影を主体とする業者
ウェディング動画の制作やフォト撮影を主体とする業者が、オンライン結婚式の配信サービスも手がけています。会場は提携会場やフォトスタジオなどを利用して行い、もとも撮影の専門業者だけあって、費用相場はかなり低く抑えることができるでしょう。
ただし、結婚式のセレモニーの格式やゲストのおもてなし面ではかなりのばらつきがあるため、どのような内容やサービスの質かを事前によく調べる必要があります。
自己手配、自己プロデュース
新郎新婦ふたりで、すべて自己手配してオンライン結婚式をプロデュースすることもできます。費用相場はすべて実費のみでマージンがないため、格安費用で実行できます。ただし、友人などに手伝ってもららうなら相応のお礼が必要ですし、準備にはかにりの労力と時間が必要になるでしょう。
オンライン結婚式はご祝儀制、会費制、無料の3パターンで実施可能。どれを選ぶ?
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オンライン結婚式のご祝儀・会費を新郎新婦側が設定するのに、想定パターンは大きく分けて3パターンが考えられます。
【オンライン結婚式をご祝儀制・会費制・無料にする際のパターン】
・自宅やスタジオ、挙式会場からの中継配信のみなので、ゲストは無料出席。会費もご祝儀もいただかない
・リモートでの披露宴参加では、飲物、料理、ギフト(引菓子やプチギフト)を用意するのでその分のみゲストに会費として負担してもらう
・ご祝儀制の場合はできるだけ手厚いもてなしで飲物、料理、ギフト(引菓子やプチギフト)のランクをあげる。リモート参加ゲストを深い間柄の人のみに厳選する
オンライン結婚式は無料出席か会費制が主流
オンライン結婚式のリモート参列は、ゲストは自宅にいながらの出席になるため「カジュアルな結婚式」とみなされています。そのため、中継配信を見るだけなら無料、料理や飲物を用意する場合は実費負担程度の会費を設定する方法が主流です。
オンライン結婚式をご祝儀制でおこなう注意点
オンライン結婚式をご祝儀制でおこなう場合には、以下の点で注意が必要です。
・ご祝儀制に納得してくれる親族、お互い結婚式に呼び合うほどの親友同士など、関係性が深い間柄のゲストを厳選して招待する
・リモート参列でも会場と遜色ない料理や飲物を配送で手配する
・リモートゲストと会場ゲストの温度差がないよう一体感が生まれる演出を工夫する
オンライン結婚式の自己負担金の割合
オンライン結婚式の主旨は、状況や世情で会えない大切なゲストとの交流や、晴れ姿の披露にあります。無料、会費制、ご祝儀制のどれを選択するかは、ゲストとの関係性や結婚式の内容をよく考慮して、自己負担金額がどの程度になるのかもあわせて見積りの段階で設定する必要があります。
まとめ
オンライン結婚式の費用相場や予算見積りはやり方や料理定期用など内容を明確にしてから
オンライン結婚式の費用相場は、まだ新しいウェディングスタイルであるために実例や口コミが少なく、やり方やゲストのおもてなし方法、申し込み先によって予算や見積り金額が大きく異なってくるでしょう。
ふたりがどんな内容にしたいのか、ゲストとどのような時間を共有したいのかを明確にして、必要なアイテムやサービスを把握し、費用の予算をウェディングプランナーやアドバイザーと相談しつつ、納得の上で計画することがおすすめです。