ホテルウェディングとは。結婚式会場でホテルを選ぶメリット、デメリット。費用相場や少人数プラン、うれしい特典など人気理由を解説

ホテルでおこなう結婚式「ホテルウェディング」とは、いまや便利で魅力的な複合施設となったホテル内の施設、設備を利用し、おこなう結婚式のこと。ゲスト誰もに質の高いおもてなしが可能な格式の高さが大きな魅力やメリットの一方で、費用が高いのではという懸念点や、人気の高さから1日何組も同時に行うため特別感が薄れるのではという点をデメリットとして心配する声も。ホテルでおこなう結婚式の意味、費用面、演出で可能なこと、ゲスト宿泊手配のメリット、一生の思い出の場所として使えるうれしい特典など、ホテルウェディングについて詳しく解説します。

この記事のINDEX

ホテルウェディングとは。結婚式会場の定番ウェディングスタイルの特徴

ホテルウェディングとは。結婚式会場の定番ウェディングスタイルの特徴

iStoc / west

ホテルは本来、旅行や仕事など、さまざまな目的で宿が必要となった人に宿泊を提供する施設です。現在では宿泊だけでなく宴会、レストラン、ショッピングなど、非日常を満喫できる複合施設として注目され、日本の結婚式の定番の人気会場として人気を集めるようになりました。

ホテルウェディングとは

ホテルウェディングとは、結婚式の会場により変わるウェディングスタイルのひとつを表す言葉で、その名の通りホテルで行う結婚式のこと。
ホテルではさまざまな宴会やパーティがおこなえる施設が備わっており、挙式セレモニーをおこなうためのチャペルや神殿、披露宴をおこなうためのバンケットルーム(宴会場)、カジュアルパーティが可能なレストランやバー、フォト撮影が楽しめる美しいロケーションのガーデンなどが備わっています。
それらホテルにある施設を利用しておこなう結婚式が「ホテルウェディング」です

「結婚式をホテルで」ホテルウェディングはどれぐらい選ばれている?

結婚式の会場としてホテルは定番、とよく言われていますが、実際のところ、ホテルウェディングはどの程度選ばれているのでしょうか。
2020年度に発表されたゼクシィの調査では、結婚式をおこなうために作られた専門的な施設である結婚式場に次いで、ホテルが結婚式のパーティ会場として選ばれています。
ホテルが特に多い地域である東京都では3割以上の人かホテルを選択しており、人気の高さと一生に一度の結婚式を任せられる信頼度の高さがうかがえます。

全国平均 東京都
一般の結婚式場 49.6% 40.7%
ホテル 22.0% 30.9%
ゲストハウス 13.2% 8.9%
レストラン 5.1% 7.3%
ホテル、式場、会館内のレストラン 4.7% 4.1%
神社や教会 1.3% 1.6%
料亭 0.8% 1.1%

データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ

結婚式をおこなうホテルはどんなホテル?会場に選ばれるホテルの種類

ひとくちにホテルウェディングといっても、ホテルにはさまざまなホテルがあり、シンプルな宿泊のみに特化した安価なビジネスホテルからインテリアも内部に入るブティックも贅沢の粋を凝らしたラグジュアリーなホテルまでさまざまです。どのようなホテルが、結婚式の会場として選ばれるのでしょうか。

シティホテル

都市中心部や駅周辺に立地するアクセス良好のホテルです。ウォーターフロントやシティビューなど客室からの景観を重視したホテルも多くなっています。フィットネスジムやスパ、エステ、複数のレストラン、バー、ショッピング施設などが充実しているのが特徴で、宿泊料金も比較的高額です。最初から挙式会場と宴会場を備えて造られているホテルも多く、地元の街の人が皆知っているようなホテルや老舗のホテルは「格式高い会場」とみなされ、結婚式会場として安心して選べる基準にもなっています。シティホテルの中でも特に贅沢な造りをした高額なホテルを「ラグジュアリーホテル」と言い、花嫁憧れの会場です。

リゾートホテル

景勝地、温泉地、史跡、スキー場、ビーチ、高原、山岳地帯などの観光地やリゾート地に立地する、遊覧や保養を目的とする観光客のためのホテルです。観光客向けにプールやプライベートビーチ、テニスコート、カジノなど多くの付帯施設を持つものもあり、ホテル敷地内だけでリゾートとして成立しているものもあります。また、ゆっくりとくつろぐために、ひと部屋ひと部屋か独立したハウスホテルやヴィラ様式のホテルも。
日常を忘れ非日常な空間を楽しめる施設になっており、新婚旅行や家族旅行を兼ねて結婚式ができる「リゾートウェディング」の会場として多く選ばれます。もちろん、リゾート地周辺に住む地元の人にとっても人気の結婚式会場です。

デザイナーズホテル(ブティックホテル)

デザイン・コンセプトを明らかにして工夫を凝らし設計させた個性的でモダンな設計・内装・外観を有するホテルです。デザイナーズホテルとはアメリカでの「ブティックホテル」の日本での呼び方で最近は本場のアメリカ風に呼ぶことも多くなってきました。
シティホテルに比べ宿泊料金は安価で、内装やインテリアは現代風でスタイリッシュです。挙式会場併設のホテルはほとんどないため、挙式は別会場または宴内人前式スタイルで行い、アットホームでカジュアルな披露パーティをおこなう会場として利用されるケースが急増しています。

ホテルウェディングの5つのメリット。ホテルが結婚式会場として人気の理由と魅力

ホテルウェディングの5つのメリット。ホテルが結婚式会場として人気の理由と魅力

iStoc / cocorattanakorn

ホテルが結婚式の人気会場になった理由は、大きく5つあります。
もともと長期滞在する人が快適に過ごせるよう工夫を凝らした施設のため『格式、設備、サービス、立地』の面で、結婚式で最も大きな課題となる「ゲストへのおもてなし」を高いレベルで提供してくれるのです。

【1】認知度が高く格式の高さがゲストに伝わる。人気ホテルには「格付け」も

ホテルは街の中心地やリゾート地など立地の良い場所にあり、ランドマークとしての役割もあります。特にシティホテルは、節目のお祝いや特別な催しなどの会場に選ばれることも多いため知名度が高く一般的に知れ渡っている「格式の高い場所」として捉えている人も多いでしょう。特に結婚式で人気の高いホテルは「格付け」されており、そのぶん結婚式の費用面も相場は高額に。結婚式に招待されたゲストにとっても、知名度の高さから安心して出席できる大きな理由となっています。

【2】充実した付帯施設と設備。新郎新婦もゲストも満足度が高い

ホテルは本来宿泊施設であり、できるだけ多数の人々に長い滞在時間利用してもらうことを目的とした施設です。宿泊したどのような人でも満足度を高めるために、あらゆる状況を想定したさまざまな施設や設備がそなわっています。レストランや娯楽施設、年配者や健康に不安のある方にも不快な思いをさせないよう配慮した設備、宴会やパーティを楽しむためのさまざまな演出ができる映像音響設備や装置、非日常空間をリラックスして満喫できるガーデンやプール…これらの施設や設備を利用して、さまざまな演出やスタイルの結婚式を叶えることができるのです。

【3】クオリティの高いサービスや料理。どんなゲストにも失礼のないおもてなし

ホテルでサービスをおこなうスタッフは、基本的におもてなしを専門的に学んだ接客とサービスのプロフェッショナル。ホテルのホスピタリティの高さは、さまざまなところで話題になることも。どのような立場や年齢の人を招待しても、結婚式での失礼のない、満足度の高い丁寧なおもてなしを安心して任せることができると期待できます。
宿泊客に楽しんでもらうために、常日頃料理のクオリティや質を上げているホテルでは、ゲストにおもてなしで提供するホテルメイドの料理も、大きな楽しみのひとつでもあります。
招待されたゲスト側も、施設に対する事前知識がなくても、安心して楽しみに来館することができるでしょう。

【4】交通アクセス良好の立地。宿泊設備も整い遠方からのゲストも安心

結婚式会場としてホテルだけに備わっている大きなメリットとして「宿泊施設が伴う」点と、交通アクセスが良好な立地であることが多い点が挙げられます。
もともと不特定多数の人が来館しやすいよう、公共の交通機関や主要道路のすぐ近くであったり、駅から離れている場合もリムジンバスを定期運航させていたり、広い駐車場を備えていたりと、どの交通手段をゲストがとっても来館が苦にならない立地です。
また、本来は宿泊施設であるため、遠方から来るゲストの宿泊滞在も困りませんし、現地で服装やヘアメイクなど仕度をする場合にも問題のない設備が整っているのです。

【5】ホテルならではの特典が受けられる。結婚前から結婚後まで生涯の思い出の場所に

ホテルは基本的にいつでも誰でも利用できる場所であり、結婚式前から結婚式後まで、自由に訪れることができます。そのため、ホテルウェディングを選択したカップルには、結婚式が終わった後に、ふたりの思い出の場所として特別なサービスを提供してくれる特典があることも。
一般的には、結婚式の時にホテルの宿泊割引や施設内のジムやレストランの優待サービスが受けられたり、部屋が無料アップグレードできる、などのサービスが多く用意されているのはよく知られています。
実はその他にも、結婚式を上げればそのホテルの会員として、記念日特典の割引や飲食料金の割引などが受けられるような「生涯続く思い出の場所」としてのサービスが用意されているホテルもあるのです。

ホテルウェディングの費用相場。ホテルの結婚式プランの料金や費用内訳

ホテルウェディングの費用相場。ホテルの結婚式プランの料金や費用内訳

iStoc / SbytovaMN

ホテルウェディングの費用相場は、一般的には他の会場に比べ高くなると言われています。
ホテルウェディングの一般的な費用相場の目安は『費用総画300万円/ゲスト数60名』と言われていますが、これはあくまで目安であり、地域性、ホテルの格式、結婚式プランのランク、演出内容などによって大きく変動します。

ホテルウェディングの費用相場は高い?平均相場を他の種類の会場と比較

実際に、結婚式会場をホテルに選んだ人の費用相場は他の会場と比較してみましょう。以下の数値例は首都圏4県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の主な結婚式会場の種類別、結婚式費用総額(挙式+披露パーティ)の平均値をまとめたものです。首都圏のホテル費用は他の地域に比べ、知名度が高く高額設定である傾向で、他の地域より高い数値となっています。
実際の数字を見ると、結婚式の費用総額平均は一般の結婚式会場に比べ低いのですが、費用をゲスト数で割ったゲスト1人当たりの平均金額は高くなっています。

【結婚式会場の種類別・平均費用総額/平均ゲスト数/ゲスト1人当たりの平均金額】

会場の種類 結婚式平均総額/ゲスト数 ゲスト1人当たりの平均金額
ホテル 404.8万円/62.7人 6.45万円
一般の結婚式場 419.1万円/68.6人 6.11万円
ゲストハウス 381.0万円/61.9人 6.15万円
レストラン 294.2万円/52.8人 5.57万円
首都圏平均 382.6万円/ 62.8人 6.09万円

※参考数値は首都圏4県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の平均値

データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ

ホテルウェディングの費用が変動する要因

ホテルウェディングの費用は、いくつかのポイントによって変動するため、他の種類の会場や、ウェディングスタイルと比較して、決して高いとも言い切れません。
ホテルウェディングの費用を決定する要素は大きく4つあります。

ホテルの格式

ホテルには高級感や知名度、培ってきた歴史によって、格式と呼ばれるランク付けが知れ渡っています。特に東京都内にある歴史ある高級ホテルは「御三家」と呼ばれる国内資本のホテルや「新御三家」と呼ばれる外資系高級ホテル、近年のインバウンド需要で増加したラグジュアリーホテルなどが、格式高いホテルとして注目されています。また、このような高級ホテルは全国各地の各都市にあります。これらのホテルで結婚式に憧れる花嫁は多いもの、プラン料金は総じて高いため「ホテルでの結婚式は費用が高い」と言われる要因でもあります。

招待するゲストの人数

ホテルでは大小さまざまな宴会場を取り揃えているため、4~6人程度の会食ができる小宴会場から、100人以上収容可能な大宴会場まで選ぶことができます。ただし、ゲストをおもてなしするための料理、飲物、引き出物などのギフトの用意には当然費用がかかりますし、一人ひとりに席を設ける場合には人数分の席料やセッティング料も必要です。ゲスト招待人数が上がれば費用も比例して上がります。

ウェディングスタイル、演出内容、プランのクオリティ

ホテルウェディングではホテル内のバラエティ豊かな設備を利用し、結婚式にさまざまな演出やスタイルを取り入れることができます。また、挙式会場も教会式、人前式、神前式などに対応できるよう用意があり、ふたりの希望をプランに反映させやすい環境が整っています。ただし、プラン内容や演出内容には、クオリティや設備使用に応じてそれぞれ料金が定められており、どのようなプラン内容、演出内容にするかによって、費用が変わってきます。

挙式の日取り(季節、曜日、開始時間帯)

挙式の日取りも結婚式のプラン料金が変動する大きな理由となっています。結婚式に向いているとされる日取りや時間帯は人気が集中するため、結婚式プラン料金ももとから高く設定されている傾向です。

【結婚式プラン料金の季節、曜日、開始時間帯での変動例】
・土日祝日は平日に挙式をおこなうより割増料金になる
・結婚式の人気シーズン春・秋は高めの料金設定、オフシーズンの夏・秋は割引や特典がつくことが多い
・午前中や昼開始の挙式に人気が集中するため、夕方や夜開始の挙式披露宴は割引や料金設定が低くなっていることが多い

結婚式費用の自己負担額や、親からの援助の割合も費用相場を決める大きな要因になってきます。ふたりの自己負担額や両家親からの援助について詳しくはこちらをご覧ください。

結婚式の費用負担の割合とは。両家の親と新郎新婦の負担額平均

ふたりきりや少人数結婚式もホテルで計画は可能?少人数向けホテルウェディングプラン

ふたりきりや少人数結婚式もホテルで計画は可能?少人数向けホテルウェディングプラン

iStoc / Elena Batkova

近年、招待するゲスト数を30人~40人未満でおこなう「少人数結婚式」を選ぶカップルが増加しています。また「家族婚」と呼ばれ、家族や親族、親しい身内だけのゲスト数20人以下でこなうアットホームな結婚式は、ゲスト一人ひとりにきめ細やかなおもてなしができ、大切な人たちに丁寧に感謝の気持ちを伝えられることや、準備タスクも準備期間も短くても開催できること、費用が低く抑えられるなどさまざまなメリットから、割合も増加しています。ホテルウェディングの少人数結婚式が行われている割合を、他の会場種類と比較してみると、特にゲスト数20人未満の家族や親族までの招待範囲の少人数結婚式の会場として選ばれていることが分かります。

【ゲスト数40人未満の少人数結婚式の割合】

会場の種類 ゲスト数20人未満 ゲスト数20人以上40人未満
ホテル 12.9% 10.8%
ホテル・式場・会館内のレストラン 40.5% 14.2%
一般の結婚式場 4.9% 9.4%
ゲストハウス 6.2% 18.5%
レストラン 18.5% 14.8%
首都圏平均 10.8% 11.6%

※参考数値は首都圏4県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の平均値

データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ

少人数や家族婚向けウェディングプランも増加。専用ブライダルフェアも

ホテルウェディングは大人数ゲストの結婚式に向いているのでは?という認識が長く続いていました。
しかし、現在では小宴会場の充実、大切な人たちへきめ細かいサービスが可能なことなどから、少人数結婚式の会場として選ばれる割合が、他の会場に比べ高くなっているのです。

ホテルの宴会場の種類に少人数でも利用できるバンケットルームも登場

小規模でもさまざまなタイプの会場を揃えるホテルが増加し、オープンキッチン付きの少人数向けバンケットや、ホテルのスウィートルームを会場として利用するなど、さまざまなアイデアがあるのです。

ホテル施設内にあるレストランや料亭、ラウンジルームも少人数結婚式に利用可能

ホテル施設内にあるレストランや料亭の個室も少人数での結婚式や家族や親族のみでの結婚式の会場として多く選ばれていることが分かります。
料理のクオリティも高いホテルでは、少ないゲストでも美味しい料理と質の高いサービスで、演出がなくても歓談中心の会食形式で結婚式の十分な演出となるでしょう。

ホテルウェディングでは少人数婚、家族婚向けブライダルフェアの用意も

現在では、一般的なブライダルフェアとは別に、少人数向け、家族のみの結婚式向けのブライダルフェアなどの用意も充実しており、少人数向けプランや費用について、より気軽に詳しく相談しやすくなっています。

少人数ゲストでのホテルウェディングの費用相場

家族のみ、親族のみの結婚式をおこなう費用相場は、招待範囲やゲスト数、どのようなウェディングスタイルを計画するかでも費用は大きく変わってきます。純粋に挙式とと会食、フォト撮影を楽しむシンプルな結婚式の場合、ゲスト数別の費用相場は次のようになっています。

【家族のみ、親族のみ、身内のみの一般的な結婚式の費用相場】
・ゲスト数4名の家族のみの結婚式の費用相場…40万円〜50万円
・ゲスト数10名の家族のみの結婚式の費用相場…80万円~100万円
・ゲスト数10~20名の親族のみの結婚式の費用相場…100万円~140万円
・ゲスト数20~30名の身内のみの結婚式の費用相場…120万円~160万円
・ゲスト数30~40名の親しい人のみの結婚式の費用相場…180万円~220万円

ホテルで少人数の結婚式を計画する場合、もう少し費用の相場はあがってくることが多い傾向で、ホテルによってもかなり変わります。
ただし、ホテル内やホテル施設内のレストランや料亭などを結婚式会場にしておこなう場合は、費用相場はホテル内より低く済むケースも多いようです。

家族のみ、親族のみ、身内のみの少人数ゲストによる結婚式の費用相場やプラン内容、演出について詳しくはこちらをご覧ください。

家族のみ、親族のみの少人数の結婚式とは?費用は?コロナ禍で注目される魅力やメリットと、盛り上げるためのポイントを解説

ホテルウェディングの宿泊手配。結婚式のため遠方からくるゲストや親族などのお車代との関係は?

ホテルウェディングの宿泊手配。結婚式のため遠方からくるゲストや親族などのお車代

iStoc / scottiebumich

ホテルでおこなう結婚式の、大きな魅力のひとつに「宿泊ができる」という点が挙げられます。

結婚式会場となるホテル宿泊を「お車代」の代わりとして手配

結婚式には近隣だけでなく、他県に済む親族や友人といった遠方から来訪するゲストも招待するケースがあるでしょう。日本の結婚式では、ホスト側である新郎新婦が遠方ゲストの交通費宿泊費の両方または一部を負担する配慮が一般的なマナーです。
現在では交通費、または宿泊費のどちらか一方をお車代として新郎新婦側が負担するという方法がよく取られています。そのため、会場となるホテルの宿泊を、遠方ゲストのために結婚式の申し込みとともにまとめて手配するケースも多いのです。

ホテルウェディングの宿泊サービスはメリットがいっぱい

宿泊施設であるホテルで行う結婚式なら、遠方ゲストが前日ゆっくりは宿泊でき、当日ゆっくり準備できるというメリットがあります。またゲストだけでなく、結婚するふたりや家族も、翌日に備えて宿泊、または結婚式当日に宿泊し式の余韻を楽しむこともできるのです。
また、ホテルの立地はその地域の観光やショッピングなどにもアクセスが便利な立地であることが多いため、興味のあるゲストには案内をするなどの心遣いも喜ばれます。

ホテル宿泊は割引や特典がつくことも。申し込み時にウェディングプランナーに確認

お車代をどのように、どの程度出すかは新郎新婦の判断に任されているため、ゲスト分の宿泊を同一のホテルで用意するか、別の方法にするかは自由です。
ただし、ホテルで結婚式をおこなうと新郎新婦ふたりの宿泊や家族などゲストの宿泊に、割引や特典優待がつくことも多いのです。また、宿泊手配も担当のウェディングプランナーに任せられるため、準備の手間が大きく省くことができます。
ホテルへの宿泊を検討している際には、担当アドバイザーまたはウェディングプランナーに、下見やブライダルフェアの際に宿泊費の見積りや、特典割引きがあるかなど確認しておきましょう。

遠方からのゲストへの配慮、宿泊や交通費を負担する「お車代」について詳しくはこちらをご覧ください。

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ホテルウェディングではどんな結婚式が可能?演出内容やウェディングスタイルアイデア

ホテルはさまざま目的に対応できるよう、施設や設備を備えた複合施設。そのため、ホテルウェディングの大きな特徴として、新郎・新婦の演出についての希望を反映してもらいやすい環境の会場なのです。ホテルにある施設や設備を利用してウェディングプランに入れたいアイデアや演出があるなら、担当のウェディングプランナーにぜひ相談、提案してみましょう。ホテルによくある施設や設備を活かしたウェディング演出例やスタイルアイデアをご紹介します。

挙式スタイルや演出はふたりの希望がほぼ選択可能

施設内にチャペル、神殿、セレモニールームを持つホテルが多く、挙式会場と披露宴会場の移動なしで教会式、神前式、人前式の人気挙式スタイルを選択することができます。

本格的な映像・音響・照明演出が可能

ホテルのバンケットルームはさまざまなパーティ、セレモニー、音楽などのイベントに利用できるよう、プロが専門的に利用して遜色のない映像、音響、照明の演出設備が整っているという特色があり、最新の演出設備の導入も他の種類の会場に比べると早いのが特徴です。
特にいま人気を集めるムービー演出、音響演出、生演奏、プロジェクションマッピング、ムービングライト、スモークなど、特殊な設備が必要な演出も自前で設備用意があることが多く、さまざまな希望が叶えられるでしょう。

ロビー、ラウンジを利用した開放的なウェディングも可能

内装が魅力的なホテルでは、吹き抜けのロビーや大階段、ラグジュアリーなラウンジなどが話題のスポットであることも。それらの施設を利用して、挙式やレセプトパーティ、フォト撮影や二次会などに利用することもできます。

ホテル付帯のガーデン、中庭、プールでガーデンウェディングも可能

本格的な庭園やガーデン、中庭、プールを備えているホテルも多く、その美しいロケーションを利用して、挙式を行ったり、ガーデンパーティやデザートビュッフェ、フォト撮影を行うこともできます。

スィートルームで少人数ウェディングや二次会も可能

近年急増しているのが、ホテル内のラグジュアリーなスィートルームを贅沢に利用した仕様人数ウェディングや二次会です。パーティの後には、新郎新婦がそのまま宿泊可能なプランもあります。

ホテル付帯のレストランでレストランウェディングや二次会も可能

ホテルの料理人は一流のシェフを取り揃えているため、料理も大きな魅力のひとつ。それだけでなく、ホテル施設内に入っているレストラン、料亭なども名の知りた一流店や有名シェフのプロデュースであることが多いのです。そのため、そのレストランを利用したレストランウェディングや少人数ウェディング、二次会なども計画が可能です。

ホテルウェディングで人気会場装花や会場装飾、おすすめの衣裳選び

ホテルウェディングで人気会場装花や会場装飾、おすすめの衣裳選び

iStoc / Jaengpeng

ホテルの宴会場は、大小あわせてさまざまなタイプのバンケットルームを取り揃えているのが一般的です。バンケットの内装はそれぞれコンセプトがある場合もありますが、多くの場合は音響や映像などの演出設備が整い、新郎新婦の希望に沿ったコンセプトの装飾が反映されやすい造作になっています。

ホテルウェディングで人気の会場装花

一般的な結婚式で、会場装花の費用相場は18万~20万円ほど。
ホテルウェディングでは、ホテルならではの格調高い施設のイメージから、クラシカルで上品な装花デコレーションや、ホテルのコンセプトや内装にあわせたモダンで華やかな装花デコレーションが好まれます。
ウェディング定番のピンク系や白系、お色直しのドレスやふたりのテーマカラーに合わせた装花に人気が集まる一方で、グリーンや枝ものを多く取り入れたスタイリッシュで洗練された装花デコレーションにも注目が集まっています。

ホテルウェディングで人気の会場装飾

結婚式だけでなく、さまざまな目的でのパーティやイベントにも使用されるホテルのバンケットルームの内装は、どのような目的の装飾にも馴染むインテリアの造作になっています。特にホテルのバンケットルームは天井が高く、開放的な雰囲気であることが多いため、どのような空間が作りたいか、ホテルのバンケット装飾に精通したウェディングプランナーと、よく相談して決めることをおすすめします。
また、ホテルは本来宿泊施設であり、防災上の決まりなどに基づいたルールが厳しいため、希望がすべて叶えられるのは難しいことも。また、装飾のためのアイテムや小物などの持ち込みを検討している際には事前に確認が必要です。

ホテルウェディングで注目のウェルカムスペース

ホテルではゲストをおもてなしするさまざまな設備が整っており、披露宴前にゲストが待機するためのラウンジや応接室もきちんと用意があります。受付前にゲストがくつろぐウェルカムスペースでは、ふたりがゲストを楽しませ、来てくれたことに感謝を表すアイテムで装飾するのが一般的です。
ウェルカムボードや、ふたりを連想させるさまざまなアイテム、ふたりの馴れ初めを綴ったペーパーアイテムの配布、ゲストにお祝いメッセージを書いてもらうためのボードやツリーなどを飾っておもてなしができます。

ホテルウェディングの婚礼衣裳。ドレス選びやタキシード選び

ホテルウェディングでの新郎新婦のドレスやタキシード、和装などの衣裳選びは、ほとんどが提携している衣裳店や系列ドレスサロンから、レンタルまたはオーダーで依頼します。
特に格式高いホテルでは、披露宴会場の造作もラグジュアリーで高級感があることから、その雰囲気やオーラに気圧されず、マッチする衣裳を選ぶ必要があるため、ホテルの雰囲気にあった衣裳を集め提案してくれる提携ドレスサロンがおすすめです。
提携衣裳サロン以外から自由に衣裳を選んで当日着用することを「持ち込み」と言います。しかし、ホテルウェディングでは、持ち込みルールに関して厳しいのが一般的です。
外部の衣裳店からレンタルまたはオーダーした衣裳を持ち込みしたい場合には、事前に担当のウェディングプランナーに相談が必要となります。
また、持ち込んだ衣裳は当日美しいい状態で着用できるよう、事前にホテル側に搬入するのですが、挙式当日までホテルが預かり、すぐ着用できる状態で管理手入れしてくれるため、そのための保管料金である「持ち込み料金」がかかることが多いでしょう。
持ち込み料金の相場は3万円~5万円程度です。

結婚式をホテルに申し込みする前に。ホテルウェディング4つの注意点とデメリット

結婚式をホテルに申し込みする前に。ホテルウェディング4つの注意点とデメリット

iStoc / meatbull

ホテルウェディングには数多くのメリットや魅力がありますが、それとともにデメリットや申し込み時に注意すべき店もあります。

【1】バンケットが多いため1日に同時進行して結婚式が行われる

ホテルは宴会場を数多く持ち、他の結婚式や宴会パーティも1日の中で同時に何組も行われます。そのため、ゲストハウスやレストランウェディングのような貸切感やプライベート感を求めるのは難しい部分があります。
近年では、他のパーティとゲストや新郎新婦がバッティングしないよう開始時間を大きくずらしたり、ワンフロア貸切にできるサービスがあったりと、さまざまな工夫をしているホテルもあります。他の結婚式とのバッティングが気になる場合は下見前にしっかりプラン内容や施設情報を確認しましょう。

【2】持ち込みや演出内容によってはルールが厳しい

ホテルは結婚式だけでなく、他に多数の一般のお客様が宿泊しているため、防災上ルールが厳しくなっています。また衛生上やサービス面の問題から、提携店以外のショップから衣裳や引き出物の持ち込みが難しいことも。挙式と披露宴のプログラムも、1日に何組も執り行われるスケジュールのため、開始と終了の時間がきっちり決められていて、結婚式の自由度としては少ないと考えられる側面もあります。最近ではゲストハウスのように自由度の高い結婚式ができるようサービスを工夫しているホテルもありますが、格式が高いホテルほどルールは厳しいと考えた方が良さそうです。

【3】結婚式費用は高額な傾向に

ホテルウェディングは全体的な平均値からも、結婚式費用は相場より高くなる傾向です。また、節約のための提携ショップ以外からの持ち込みは、持ち込み料金や持ち込み自体が禁止されている場合も多いため、節約ポイントがゲストを減らすか、演出を減らすか、プランのランクを下げるかぐらいしか方法がない場合もあります。ブライダルフェアの優待特典やシーズン割引などをしっかりチェックしておきましょう。

【4】ホテルの種類によって結婚式内容が変わる場合も

少し前までは、ホテルウェディングといえば格式の高いホテルが人気でしたが、現在ではブティックホテルやデザイナーズホテルなど、さまざまな特徴やカラーをもつホテルが増加し、すべてのホテルウェディングが「格式高い」とは言い切れない側面も出てきました。
なかにはレストランウェディングや、自由度の高いウェディングの雰囲気に近いような結婚式ができるホテルもあります。また、トレンドでプラン料金も安価なぶん、サービス面にはそこまで力を入れていないホテルも。ホテルウェディングも会場によって、個性豊かになりつつあります。

まとめ

ホテルウェディングのメリット、デメリットが自分たちの結婚式の希望に合うか判断しよう

ホテルウェディングには他の会場にないさまざまな魅力があります。特にゲストに対するサービスや、どの立場の人も安心して迎えられる環境は、他の会場と比較しても大きな魅力と言えるでしょう。反して、費用面やルールが厳しく自由度が低い、といった懸念点も。自分たちの結婚式がホテルウェディングのメリットと一致するかどうかをしっかり見極めるための参考にしてくださいね。

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結婚式準備.com編集部

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