結婚挨拶の手土産の渡し方。準備、選び方、渡すタイミング、渡す際の言葉遣いまで、感じの良い渡し方マナーはこれで完璧!

彼氏、彼女の親に結婚の挨拶に伺うために、手土産は事前に準備した方が良いでしょう。なぜ手土産が必要なのか、手土産を渡す際に良い印象を持ってもらうための渡し方のタイミング、渡す際に添えたい言葉をチェックしておきましょう。最近増えている実家以外のレストランなど外食で行う際の渡し方もマナーも網羅しています。

この記事のINDEX

結婚の挨拶に手土産はなぜ必要?訪問に必須の手土産とは

結婚挨拶の手土産とは。選び方

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一般的に、日本では相手に時間を作ってもらい、自宅や会社などに訪問する際には「手土産」という進物の品(贈り物)を持参することがマナーになっています。訪問することへの感謝を込めた贈り物が手土産なのです。

結婚の挨拶に手土産が必要な理由とは

訪問の際に手土産を用意することは、一般的なマナーであると同時に、彼氏、彼女の大切な親に挨拶のための時間を作ってもらったこと、そして大切に思っている好意の気持ちを伝えるための大切なツールであると言えるでしょう。結婚の挨拶が自分のパートナーの親と初対面であることも多いもの。できるだけ好印象を持ってもらうことで、今後の結婚準備や結婚生活をスムーズに進めるための大切な準備でもあるのです。

結婚の挨拶に適した手土産の値段相場の目安は3000円~5000円

結婚の挨拶に伺う際の手土産の値段相場は3000~5000円と言われていますが、この金額はあくまで目安で、できるだけ、お互いの実家の環境や親の好みについて詳しくリサーチして決めましょう。ただ、初対面で背伸びをして、あまり高価なもの

を持参しても、先方のご両親が気を使ってしまう可能性があります。値段相場から外れない程度の手土産を選びましょう。

結婚の挨拶の手土産の選び方は後に残らない『消えもの』が一般的

手土産は、形が残らず、家族で比較的すぐに消費できる食品(和菓子や洋菓子、佃煮や地元の銘菓など)など『消えもの』が良いとされています。
手土産で消えものを選ぶ際には、次のような点に配慮しましょう。

・2~3日ほどですぐに消費できて置き場所に困らないもの
・個包装で切り分けるなどの手間がいらないもの
・賞味期限に余裕があるもの(2週間はあるものが望ましい)
・同居人がいる場合は同居人とも十分に分け合える個数があるもの
・送先の好みや体調などに配慮したもの
・縁起や由来などに配慮したもの

要冷蔵の手土産を渡す際の注意点

基本的に、要冷蔵の食品やお菓子は賞味期限が短いものが多いため、手土産にはあまり向いていません。ただ、相手の親の大好物であるなど、どうしてもあげたい理由がある場合には以下の点に配慮して準備しましょう。

・購入してから1時間以内に手渡せ、冷蔵庫に入れられる状況であるよう準備する。
・玄関先での挨拶の後に速やかに渡し、渡す際に「要冷蔵(要冷凍)の物なので、冷蔵庫(冷凍庫)で保管していただけますか?」と保管方法を一言添える。
・レストランなど外食先での挨拶の場合は避ける。
・夏場など気温が熱い季節、梅雨時など湿気が多い季節は避ける。

結婚の挨拶の手土産に「のし」は必要か、必要ないか

挨拶の際の手土産にのし紙は迷うようなら必要ない

結婚の挨拶に伺うときは、これから結婚の承諾を得ることがほとんどなので、かけ方に迷うようであればのし紙をかける必要はありませんし、失礼にもあたりません。格式ある見栄えにするために、箱入りにしてもらい、きちんと包装紙(洋風ならばリボンなど)をかけてもらってください。

挨拶の際の手土産にのし紙をつける場合とは

既に先方のご両親が結婚に関してある程度承諾済みのような状況であれば「結びきり」のとしをかけて持参しても良いでしょう。
これから承諾を得に行く場合であれば「蝶結び」を使用しましょう。
百貨店や老舗の和菓子店などで手土産を購入すると、「のしはいかがしましょうか?」と販売員から聞かれます。一般的に慶事の手土産にはのしをつける、というマナーになっている地方が多いので、「結婚の挨拶です」というと、のし紙をかけてくれます。水引きに関しては、まだ結婚が正式に決まる前なので「蝶結び」にすべきという説と、一生に一度きりのご縁にしたいので「結びきり」にすべき、という2つの説があります。これは地方によって異なることもあるため、売り場の方や地域の風習に詳しい人に確認をとる方がいいでしょう。
また、のしの表書きは「ご挨拶」で、表書きの下は挨拶に行く実家とは別のパートナーの苗字(男性側の実家に挨拶に行くなら女性の苗字)を書きます。

詳しくは次の記事をご覧ください。

結婚挨拶の手土産に熨斗(のし)は必要?必要ない?マナーと表書きの書き方

彼氏、彼女の実家で行う結婚の挨拶での手土産の渡し方の流れとタイミング

結婚の挨拶での手土産の渡し方の流れとタイミング

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結婚の挨拶での手土産の渡し方やマナーは、男性女性ともにほとんど変わりはありません。
結婚の挨拶に伺った際に、手土産を渡すベストなタイミングとしては実家に上がり居間などに通されてから、席につく直前がベストなタイミングとされています。玄関先でいきなり手渡すのは慌てている、相手をせかしているような印象になり、あまり良いとはされていませんので、注意してください。

手土産を渡すまでの流れと渡すタイミング

(1)彼氏、彼女の実家の玄関に到着

訪問の時間の遅刻はもちろん厳禁ですが、相手がギリギリまで用意していることに配慮して、ぴったりの時間ではなく、2~3分ほど遅れて到着を知らせるインターフォンを押すのが良いとされています。ぴったりについても一呼吸おき、お互いに身だしなみを最終チェックしてからがおすすめです。

(2)玄関先で挨拶をする。

まずは玄関先で挨拶を行います。
・女性側の実家の場合は、まず女性が先に挨拶して、親に男性を紹介します。男性は女性の後に続いて親に挨拶をします。
・男性側の実家の場合は、まず男性が先に挨拶をして、親に女性を紹介します。女性は男性の後に続いて親に挨拶をします。
・挨拶の言葉は「〇〇と申します。本日はお時間を頂戴し、ありがとうございます」など、はきはきと挨拶をしましょう。

(3)靴を脱いで入室する

親から「中にどうぞおあがりください」などと言葉をかけられてから、玄関から上がります。その際に、「ありがとうございます。失礼いたします」など必ず一声おかけしてから靴を脱ぎましょう。
靴はまず前向きのまま脱ぎ、玄関にあがってから、脱いだ靴先が玄関に向くように揃えて、端に置きます。家の人にお尻を向けない考え方が基準となっています。また、玄関には、下駄箱を基準として上座と下座があり、絵画や花瓶が置いてある下駄箱は上座、単に靴入れとして使われている下駄箱は下座といわれています。靴を端に寄せる際には下座に寄せて置きましょう。

(4)居間に入室する

居間に案内され、入室する前には、「失礼いたします」と一礼してから入室しましょう。
また案内された部屋は、入口から近い方が下座、入口から遠い方が上座になっています。基本的には入口に近い下座に席をとるのがマナーです。万が一上座に案内されても、「本日はご挨拶にうかがったので、こちらの席で結構です」と一旦断るのがマナーです。それでも上座を勧められるようなら、お礼を言ってから座るようにしましょう。

(5)席に座る前に挨拶をして手土産を渡してから着席する

居間に案内されてもすぐに座ってはいけません。
相手の親が席につくタイミングで、挨拶をします。
「先ほどご紹介をいただきました、〇〇と申します。今日はお忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございます」
挨拶の後が、いよいよ手土産を渡すタイミングです。紙袋や風呂敷から手土産を出して、正面を親に向けて両手を添えて渡します。
渡すタイミングで「〇〇さんからお好きだと伺いまして。お口にあえば良いのですが」など、一言添えてお渡ししましょう。

(6)着席する

手土産を渡し、親の方から「どうぞ、お座りください」と言われたら「失礼いたします」と言って着席しましょう。

手土産を渡す際のマナー

洋室で手土産を渡す際の所作

玄関でお出迎えされて応接間に通された場合、まず手土産を紙袋または風呂敷から取り出して、紙袋は軽くたたんで脇に置き、手土産の包装に乱れがないか確認します。相手の親に挨拶を終えた後に、両手で手土産を持ち、いったん自分の正面に置きます。それから180°向きを変えて両手で渡しましょう。基本的にこの家の主である父親がいる場合には、父親に渡すのが良いでしょう。

和室で手土産を渡す際の所作

和室の場合も、取り出して渡すまでの所作は洋室の流れと同様です。ただし、座布団を差し出されても、手土産を渡す前はまだ座布団の上に座らないのがマナーなので、まず座布団の脇に正座し、手土産を渡してから座るようにしましょう。

手土産を入れた紙袋

手土産を入れた紙袋は基本的には「埃よけ」としての役割を持っています。そのため、自宅で手土産を渡す場合、紙袋のまま渡すのは失礼と考えられています。紙袋から出して手渡し、紙袋はたたんで持ち帰りましょう。

手土産は風呂敷で包むべきか

手土産を持ち運ぶ際に、日本の伝統的な包みとして風呂敷があります。風呂敷で手土産を包むひと手間があると、改まった印象があり、手土産を格式高く見せてくれるでしょう。風呂敷も紙袋同様「埃よけ」としての役割のため、風呂敷を解いて手土産を渡し、手土産は素早くたたんで持ち帰ります。
ただし、風呂敷に慣れずに解くのにもたついてしまうようなら、使用は避けたほうが無難です。

手土産を渡す際に添える言葉の例文

日本では手土産を渡す際に、伝統的に「つまらないものですが」と添えて渡す風習があります。この言葉には「自分なりに誠意をもって選んだ品ですが、立派なあなたの前ではつまらないものに思えます」という謙遜の意味があるとされており、とても丁寧な言葉ではあるのですが、近年ではこの言葉の意味を知らない方も増えており、使うことを避けるという考え方も出てきました。近年では、手土産を渡す際に、場面や考え方に合わせ次のような言葉を添えることが多い傾向です。贈る相手のことを考えて選んだことが伝わる一言を添えると良いでしょう。

・「お気に召すと嬉しいのですが」
・「心ばかりですが」
・「評判のお菓子と聞きましたので」
・「私の故郷では美味しいと評判のものになりますが」
・「〇〇さん(パートナーの名前)から、おふたりがお好きと伺いまして」

レストランなど外食で行う結婚の挨拶での手土産の渡し方とタイミング

レストランなど外食で行う結婚の挨拶での手土産の渡し方とタイミング

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彼氏や彼女実家ではなく、相手の親からレストランや料亭などの外食を希望された場合には、レストランなど外食先で結婚の挨拶を行うケースも増加しています。用意した手土産は、どのようなタイミングで渡せばいいでしょうか。

手土産を渡すまでの流れと渡すタイミング

(1)彼氏彼女の親と待ち合わせをする

店のロビー、店の前、または店の近くの最寄り駅などで、開始の5~10分前に相手の親と待ち合わせをして合流してから、店に向かいましょう。できれば、待ち合わせの場には、親より先に着いているのが望ましいです。

(2)待ち合わせ場所て会ったら挨拶をして店に向かう

相手の親に会ったら、まずは挨拶をします。
「〇〇と申します。今日はお時間を頂戴しましてありがとうございます。どうぞ宜しくお願いいたします」などとはきはきと明るく挨拶しましょう。挨拶が済んだら、一緒に店に向かいます。

(3)個室では親を上座に自分たちは下座に着く

店についたら、個室に案内してもらいます。相手の親には入口より遠い上座に座ってもらい、自分たちは入口に近い下座に座るよう自然に促しましょう。

(4)着席前に手土産を手渡す

個室に通され、コートなどをハンガーにかけ、着席する前が手土産を渡すタイミングです。
まず紙袋から手土産を取り出し、自分の前に正面を向け、包装が乱れていないかチェックします。次に、相手の方に手土産の正面を向け、両手を添えて差し出します。
渡す際に「とても美味しいという評判を聞きまして。お口にあうと良いのですが」など、一言添えて手渡しましょう。

(5)手土産を渡した後に持ってきたものとは別の新しい紙袋を渡す

持ってくる際の紙袋は埃よけのために使うものなので、親には渡しません。
親が持ち帰るために未使用のお渡し用の紙袋を別に用意し(購入の際にお渡し用の袋を入れてもらう)、「もしよければ、こちらをお使いください」とひと言そえて、後から渡しましょう。

(6)着席する

手土産を渡し、親の方から「どうぞ、お座りください」と言われたら「失礼いたします」と言って着席しましょう。

手土産を渡す際には持ち帰り用の新しい紙袋を用意する

レストランや料亭など、自宅以外で手土産を手渡す場合には持ち帰りに紙袋が必要になるため、紙袋を用意してお渡しします。一度紙袋から出して手渡しするのは自宅の際の手渡しの所作と変わりませんが、その後に「お持ち帰りの際にご利用ください」といって、自分が持ってきたものとは別の新しい紙袋を一緒に渡します。手土産を準備するお見せで、持ち帰り用の新しい紙袋も必ず一緒に準備してもらいましょう。持ってきた紙袋は自分で持ち帰ります。
ただ、最近では外食などの場合には持ち帰りを想定しマナーを理解している前提で「袋のまま失礼いたします」と一言添えて、両手を紙袋に添えてお渡しするケースも増えています。手土産を渡すのにもたついてしまうようであれば、こちらの方法でスムーズに渡しても良いでしょう。

レストランなど外食の場合は風呂敷はあまり使用しない

風呂敷は手土産を格式高く見せてくれますが、レストランなど外食の際には現在ではあまり使用しません。というのも、風呂敷は一度解いてから手土産を渡すのがマナーになっており、持ち帰りが想定される外食の場合、また風呂敷に包みなおすという手間がかかります。相手の実家以外の場所で手土産を手渡す場合には、持ち帰りの配慮も兼ねて紙袋であるほうが無難です。

まとめ

結婚の挨拶の手土産をスムーズに渡せるよう渡し方を練習しておこう

結婚の挨拶の場だけにとどまらず、訪問や初対面の方に手土産を手渡すマナーは、結婚し公(おおやけ)での付き合いの場が増えることが予想されるからこそ、ぜひ渡し方のマナーやタイミングなどをしっかり理解しておき、練習などをしてスムーズにしておきたいものです。いましっかり理解しておけば、今後の人生できっと役立つでしょう。

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結婚式準備.com編集部

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