結納の口上とは?
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まずは、結納の口上について説明します。口上がなぜ大切なのかを改めて知っておきましょう。
結納の口上は「決まった型の挨拶」「決まり文句」のこと
結納の口上は「決まった型の挨拶」や、結びの際の「決まり文句」のことを指します。結納には「正式結納」と「略式結納」と2種類あり、どちらの場合も口上は決まり文句以外は口にしないことがマナーとされています。
結納で口上を行う理由
結納で口上を行う理由は、最低限のマナーを守り丁寧な言葉を口にすることで、女性側の親族に安心感を与えることができるからです。結納は女性が嫁に行くという証の儀式で、女性側の両親は大切な娘を送り出すことになります。
口上によって結納がしっかり引き締まり、スムーズに進めることができるのです。口上はある程度「型」が決まっているものなので、パターンさえ押さえておくと難しいものではありません。次の章では、実際に口上をご紹介します。
仲人なしの「略式結納」の口上とは
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この章では、仲人なしの「略式結納」の口上をご紹介します。
略式結納の流れを押さえておく
まずは、略式結納の流れを確認しましょう。略式結納は正式結納よりも軽い形で行われます。正式結納のように仲人を立てず、料亭やホテルに両家が集まって、結納品を収めることが多いです。
略式結納の流れ
- 結納品を飾る
- 男性側が先に入室し、女性側が次いで入室して着席
- 男性側の父親が始まりの挨拶を行う
- 男性側が女性側に結納品を収める
- 女性側が結納品を目録で確認し、受書を渡す
- 婚約記念品があれば披露する
- 男性側の父親が終わりの挨拶を行って締める
略式結納の口上の例文
次は、略式結納で口上の例文をご紹介します。基本的に口上を述べるのは両家の父親です。父親がいない場合は、母親が代わりを務めます。親族のオジ(伯父や叔父)が代役になったり、結婚する男性が主体になったりして結納を行うことも可能です。
両家の形に合わせて対応しましょう。
始めの口上:男性側の父親
この度は○○様(女性の名前)と、私どもの○○(男性の名前)との縁談をご承諾くださいまして、誠に有り難うございます。つきまして、本日はお日柄も良ろしく、婚約の印として結納の品を持参致しました。幾久しく、お納めください。
結納品を受け取るとき:女性側の父親
結構な結納の品々を、有り難うございます。幾久しくお受けいたします。
受書を渡すとき:女性側の父親
結納の受書で御座います。どうぞ、改めください。
受書を受け取ったとき:男性側の父親
拝見いたします。(中身を確認したあと)相違ございません。お受けいただき有り難うございました。
結びの口上:男性側の父親
本日はどうも、有り難うございました。おかげさまで無事に、結納を納めることができました。今後とも、幾久しくよろしくお願い致します。
本人が挨拶をする場合:男性(儀式が一通り終了したあと)
本日は私達のために、このような席を設けていただき、誠に有り難うございました。今日婚約できましたのは、ご両親のお陰であると心より感謝しております。これから、2人で力を合わせて幸せな家庭を築いていきます。今後とも、よろしくお願い致します。
仲人ありの正式結納の口上例文と流れ
男性側は結納の品を床の間に飾り、仲人に渡す
男性側は、結納品を床の間に飾って、仲人を待ちます。仲人が自宅に到着したら、上座へ案内をし、全員が着席をします。仲人が口上をいい、本人か父親が返礼の口上をいいます。母親が、結納の品を仲人まで運び、父親か本人が、結納の品の取次ぎを仲人へお願いする口上を言います。
口上例文
仲人「このたびはおめでとうございます。結納の取次ぎを行わせて頂きます。」
本人又は父親「お忙しいところ、本日は大変お世話になります。結納の品を○○様へお届け願いますよう、よろしくお願いいたします。」
男性の結納の品を確認し、自宅を出る
仲人は、結納の品の目録をチェックし、受け取りの口上をいいます。このとき、しっかりと結納品を風呂敷に包み、男性側の自宅を出ます。その後の流れとして、仲人は女性側の自宅へ伺います。
口上例文
仲人「確認させて頂きました。お預かりさせて頂きます。」
仲人が女性側の自宅へ行き、結納の品を渡す
仲人は女性側の自宅へ結納の品を渡しに向かいます。女性側は、床の間に男性側からの結納の品を置けるように、スムーズに流れが進むようにスペースを設けておきましょう。仲人が着たら、上座に案内し、全員が着席をします。仲人が取次ぎの口上を述べ、仲人夫人が女性本人へ結納品を納めます。本人が目録をチェックしたら、次に父親、母親の流れで目録をチェックし、戻します。本人か父親が、お礼の口上をいい、母親が結納の品を床の間へ飾ります。
口上例文
仲人「このたびは、まことにおめでとうございます。○○様からの結納の品をお預かりしております。幾久しくお納めください。」
本人又は父親「本日はありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」
女性の結納の品を確認し、自宅を出る
母親が受書と贈る結納の品を運びます。女性本人か父親が仲人へ、結納の品の取次ぎをお願いする口上をいいます。仲人は結納の品の目録を確認し、受け取りの口上をいいます。仲人は、しっかりと結納の品を風呂敷に包み、女性側の自宅を出て、男性側の自宅へ向かう流れになります。
口上例文
本人又は父親「受書と結納の品でございます。○○様へ取次ぎをよろしくお願いします。」
仲人「かしこまりました。お預かりさせていただきます。」
再び男性の自宅へ伺い、女性の結納の品を渡す
仲人は再び男性側の自宅に訪れ、仲人夫人が床の間へ、女性側からの結納の品を飾り付けます。全員がそろい次第、仲人が受書を本人か父親に渡し、口上をいい、本人か父親が受け取りの口上をいいます。仲人が取り次ぐ口上をいい、仲人夫人が女性からの結納の品を本人にもっていきます。本人が目録をチェック後、父親、母親の流れで目録をチェックし、戻します。本人か父親がお礼の口上をいい、母親が結納の品を飾ります。
口上例文
本人又は父親「結納の品はお納めしてまいりました。○○様の受書と結納の品でございます。幾久しくお納めください。」
仲人「幾久しく納めさせて頂きます。私どもの受書です。○○様にお届けのほど、よろしくお願いいたします。」
受書を仲人に渡し、仲人は男性側の自宅を出る
仲人に母親が受書を渡し、仲人は受け取りの口上をいい、受書を風呂敷に包み、男性の自宅を出て、女性の自宅へ向かう流れになります。このときに男性側は仲人をおもてなしするため、「祝い膳」と呼ぶ食事を出すことがあります。ですが、このあとに女性側の自宅へ行かなければならないため、時間が無い場合があります。そういったときには、「酒肴料(しゅこうりょう)」と呼ぶお金を包んだものを渡します。
再び女性側の自宅へ行き受書を渡す
再び仲人は女性側の自宅を訪問し、受書を女性本人へ差し出します。その後の流れとして、仲人が最後に締めの挨拶を行い、父親がお礼の口上をいいます。以上が正式結納の一連の流れになります。
関東式と関西式の違い
正式結納の関東式の主な流れは上記で紹介したとおりですが、関西式の場合の流れは基本的には一緒になりますが、仲人が行き来する回数に違いがあります。
関西式では、結納品は男性側のみとされているため、一往復で終了という流れになります。関東式は一往復半という流れです。
しかし、各地方で決められている流れやルールがあるので、自分達で判断せず、それに沿うものか内容は両親に聞くことが重要です。
結納の口上で気をつけるポイント
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略式結納も正式結納も口上の言葉で気をつける必要があるポイントは同じです。以下の点に注意して、マナーを守った口上の言葉を述べましょう。
忌み言葉を口にしない
結納の口上では、忌み言葉を口にしないように気をつけましょう。忌み言葉とは、縁起の悪い言葉で結納などお祝いの席に相応しくありません。次の4つの言葉が特に良くありません。
- 終わる
- 消える
- 切れる
- 捨てる
また、結婚は一生に一度という意味も込めて「いよいよ」「重ね重ね」など繰り返す言葉は使わないようにしましょう。
決まり文句だけきちんと覚えておく
結納の口上はある程度、型が決まっていますが、普段使い慣れていない言葉も多いため、暗記するのが難しい人もいるでしょう。結納の口上は決まり文句だけはきちんと覚えておくことが大切です。
お日柄も良く
「お日柄も良く」とは、天気が良いという意味ではなく、大安や友引など縁起の良い日を指します。
幾久しく
幾久しく(いくひさしく)とは「これからも変わらずに」や「いつまでもずっと」という意味になります。
覚えられない場合メモを用意する
結納の口上が覚えられない場合は、メモを用意しましょう。メモを用意することで、不安を払拭でき、失敗しないように備えることができます。
結納の流れとともに口上をメモする、大切なポイントをメモしておくなどがおすすめです。ただし、口上の際に一言ずつメモを見るのは、頼りない印象を与えてしまうので避けたほうがよいでしょう。
丁寧な言葉遣いを心がける
この挨拶(口上)をいわなければいけないという台詞は特に決まりはありません。丁寧な言葉遣いを心がけていれば、しっかりとした結納を行うことができます。決まり文句を取り入れれば、格がさらに上がり、形式に重んじたものになります。
まとめ
結納の口上の例文を見て参考にしよう
結納の口上とは「挨拶や決まり文句のこと」です。相手の親にとって大切な娘をもらうという儀式のための言葉で、昔から結納の際に必要とされてきました。当日の流れとともに例文をチェックして、不安ならメモを取っておきましょう。ぜひ、あなたの結納の口上の参考にしてください。