結婚式でゲストに渡す引き出物とは?意味や相場など引き出物を徹底解説

結婚式の打ち合わせの中で、「誰に何を贈ればいいのだろう」「いくらぐらいのものを選べばいいのだろう」「予算をおさえてもいい?」など、引き出物選びに頭を悩ませる新郎新婦は少なくありません。しかし、「なぜ用意するものなのか」「どんなものが人気なのか」など、引き出物について詳しく知っておけば選びやすいもの。引き出物の意味や相場などをご紹介します。

この記事のINDEX

    引き出物とは?

    ギフト

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    新郎新婦が、結婚式でゲストへ贈る品物のことを「引き出物」といい、両家の名が書かれた熨斗をつけて贈る記念品のことを指す場合と、記念品や引菓子などをあわせて引き出物という場合があります。
     
    どのようなものを贈るか、いくらぐらいのものを贈るかなど、引き出物の内容は地域や家によって異なる場合があり、引き出物の定番は時代によって変わるのが特徴。
     
    昔は、披露宴で提供される料理の一部をゲストが持ち帰るお土産のことを引き出物といっていましたが、最近では「ご祝儀へのお返し」としてカタログギフトや食器などの品物を贈るのが定番となっています。

    お祝いをいただいたときに渡す「内祝い」との違いは?

    「引き出物」も「ご祝儀」も、結婚の際に贈るギフトという点では同じ。しかし、次のような違いがあるといわれています。

    引き出物…結婚式に出席したゲストへ、ご祝儀のお返しとして贈るギフト
    内祝い…結婚式に出席しなかったゲストからお祝いをいただいた際のお返し

    本来、「内祝い」とは、お祝い事のあった家が「幸せのおすすお分け」として、親族やご近所さん、ごく親しい友人のような身内に贈る品物のことを指します。そのため、結婚だけでなく出産や初節句、入学など、さまざまなタイミングで「内祝い」が発生します。
     
    しかし、最近では「お祝い事の喜びを分かち合うためのギフト」から、「お祝いをいただいた際のお返し」というように、意味合いが変わってきているようです。

    引き出物の相場は?先輩カップルの引き出物事情

    お金

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    結婚式で引き出物を用意したカップルは、いくらぐらいの引き出物を用意しているのでしょうか。先輩カップルの引き出物について見てみましょう。

    結婚式でゲストへ引き出物を用意したカップルは93.2%

    結婚式を行う場合は、引き出物を用意するのが一般的です。実際、結婚式を行ったカップルのうち93.2%が引き出物を用意しています。

    データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ

    しかし、引き出物は必ず用意しなければならないものではありません。

    • ご祝儀を辞退する場合
    • 会費制の結婚式を開く場合
    • 旅費を負担する海外リゾ婚の場合

    などでは、引き出物を用意しないケースも少なくありません。

    引き出物の相場は平均5,400円

    先輩カップルが一人あたりの引き出物にかけた費用は、平均5,400円で、「3,000円~4,000円」「5,000円~6,000円」がボリュームゾーンとなっています。

    2,000円未満1.7%
    2,000円~3,000円未満 1.8%
    3,000円~4,000円未満 38.9%
    4,000円~5,000円未満 12.0%
    5,000円~6,000円未満 24.0%
    6,000円~8,000円未満 8.1%
    8,000円~10,000円未満 2.1%
    10,000円~ 11.3%

    データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ

    カタログギフトに絞ってみると、引き出物の相場は平均5,900円と若干あがり、「3,000円~3,500円( 28.6%)」「5,000円~5,500円( 18.6%)」のものを選ぶ人が多いようです。

    ゲストへのギフト数は平均2.9点!引き出物以外に贈るものとは?

    先輩カップルが結婚式でゲストへ贈ったギフトの数は平均2.9点です。

    1点 8.8%
    2点 17.6%
    3点 55.1%
    4点 11.0%
    5点以上 5.8%

    データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ

    その内訳は、「引き出物(記念品)・引菓子・プチギフト」の3点。
     
    引き出物(記念品)と引菓子は袋に入れて披露宴会場の席に置かれ、プチギフトは披露宴のおひらき後に新郎新婦がゲストひとりひとりへ手渡すのが一般的。少人数の結婚式の場合は、新郎新婦からゲストへ引き出物を手渡すこともあります。

    ゲストへのギフトにかける費用の合計は約7,500円

    先輩カップルがゲストに渡したギフトの費用相場は約7,500円。内訳は次のとおりです。

    引き出物 5,400円
    引菓子 1,300円
    プチギフト 264円
    合計 7,464円

    「いくらのものをいくつ用意し、どのように贈らなければならない」という決まりはありません。先輩カップルの例を参考にしつつ、結婚式に出席してくれたゲストへお礼の気持ちを伝えられるような対応をしてください。

    引き出物は贈り分けが主流!相手や地域によって相場も変わる

    プレゼント

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    引き出物は、全員に同じものを贈るのではなく、相手によって内容を変えている傾向があります。引き出物の贈り分けについて詳しく見てみましょう。

    平均3.9パターン!いただくご祝儀の金額にあわせて贈り分けるのが主流

    贈り分けのパターンは平均3.9パターンで、41.2%が3パターンの引き出物を用意しているのだとか。
     
    贈り分け方は次のようになっています。

    • 親戚と友人など招待客との間柄によって(66.3%)
    • 招待客の年齢層によって(33.7%)
    • 招待客の性別によって(34.1)
    • ご祝儀額によって(25.5%)
    • 新郎側と新婦側によって(21.1%)
    • 受付やスピーチなど、役割をお願いしたかによって(16.7%)
    • 招待客が既婚者か未婚者かによって(13.9%)
    • 招待客の好みに合わせて(12.9%)
    • 招待客が一人暮らしかによって(9.8%)
    • 夫婦や家族で列席の場合、同じものが重ならないように(13.5%)
    • 招待客が大人か子どもかによって(9.0%)
    • 招待客の居住地が遠方か近郊かによって(5.9%)

    ※()内は割合

    データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ

    「親戚と友人など招待客との間柄によって(66.3%)」贈り分けている人が最も多いという結果になっていますが、新郎新婦とゲストとの関係性によってご祝儀額は大きく異なります。いただく金額にあわせてお返しを用意するのが一般的であるため、実際は「ご祝儀額によって」引き出物を贈り分けている人が多いといえるでしょう。
     
    ちなみに、新郎新婦との関係性別のご祝儀相場は次のとおりです。

    新郎新婦との関係 ご祝儀相場(平均金額)
    友人・同僚 3.0万円(3.0万円)
    上司 3万円 or 5万円(3.9万円)
    親族 5~10万円(6.7万円)
    恩師 3万円 or 5万円(3.7万円)

    参考:ご祝儀の金額相場は?新郎新婦との関係別に見るご祝儀金額一覧

    贈る相手別の引き出物金額相場

    引き出物の金額は、贈る相手によって次の金額を目安にすると良いといわれています。

    カタログギフトの場合

    • 友人や同僚…約4000円
    • 親族や目上の人へ…約5000円

    食器の場合

    • 友人や同僚…約4000円
    • 親族や目上の人…約7000円

    上記は、関係性別のご祝儀相場をもとにした引き出物の目安ですが、結婚式当日にいただいたご祝儀が予想よりも高額であるケースもあります。
     
    その際は、

    • 品物やギフト券でお返しする
    • ハネムーンのお土産を奮発する
    • 電話や手紙でお礼を伝える
    • 相手の出産祝いをはずむ
    • 結婚する時のご祝儀を同じ額にする
    • ごちそうする

    などの対応をするようにしましょう。

    地域によっても引き出物の相場は変わる

    引き出物にかける金額は、地域によっても大きく異なります。北海道のように会費制の結婚式が一般的な場所では引き出物の相場が下がり、北陸や四国の一部のように品数が多い地域では相場は上がります。
     
    地域別の引き出物と引菓子の相場は次のとおりです。

    地域 引き出物の相場 引菓子の相場 合計
    北海道 2,200円 1,300円 3,500円
    青森・秋田・岩手 5,100円 1,300円 4,400円
    宮城・山形 4,700円 1,400円 6,100円
    福島 5,000円 1,200円 6,200円
    茨城・栃木・群馬 5,200円 1,200円 6,400円
    首都圏 5,500円 1,300円 6,800円
    新潟 8,000円 2,300円 10,300円
    長野・山梨 5,800円 1,300円 7,100円
    富山・石川・福井 7,600円 1,900円 9,500円
    静岡 6,600円 1,300円 7,900円
    東海 5,500円 1,300円 6,800円
    関西 5,400円 1,200円 6,600円
    岡山・広島・山口・鳥取・島根 5,400円 1,300円 6,700円
    四国 5,800円 1,300円 7,100円
    九州 4,800円 1,200円 6,000円

    データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ

    いくらぐらいのものを何点贈るかはおふたりの考え方次第です。とはいえ、引き出物は両家の熨斗を付けて贈るものでもあるため、両家両親の意向を聞きつつ決めるようにしましょう。

    引き出物を選ぶ際の注意点

    商品を選ぶ女性

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    引き出物は、「結婚に際していただいたご祝儀へのお礼」「幸せのおすそ分け」です。相手に喜んでもらえるよう、引き出物を選ぶ際は次のような点に注意しましょう。

    持ち帰ることを考えてかさばらないものを選ぶ

    見栄えの良さや豪華さを重視するあまり、持ち帰るのに不便なものを選んでしまう人も見受けられます。ゲストの負担にならないよう、大きすぎたり重すぎたりするもの、かさばるものを選ぶのは控えましょう。
     
    どうしても贈りたいものがある場合は、結婚式当日は「引き出物は後日、ご自宅へお届けさせていただきます」などのメッセージカードを渡し、自宅へ送るなどの対応をするのが望ましいです。

    もらった相手が困らないものを選ぶ

    プレゼント選びの基本でもありますが、引き出物を選ぶ際は相手が困らないものを選んでください。
     
    オリジナリティあるものを贈ろうとした結果、おふたりの写真つきのマグカップや個性的過ぎて万人受けしないもの、処理に困るものなどを選んでしまうケースもあります。「2人らしいね」と笑ってくれる友人もいるかもしれませんが、相手が困るようなものを選ぶのは控えておく方が良いでしょう。

    贈る品数は偶数を避けた方が無難

    ゲストへギフトを贈る場合は、偶数を避けた方が良いかもしれません。
     
    「2=ペア」と解釈されるため「引き出物(記念品)+引菓子」の2点を選ぶ人も見受けられます。しかし、年配ゲストが多い結婚式の場合などは「引き出物(記念品)+引菓子+プチギフトや縁起物」の3点を基本に考えるのが無難です。
     
    ただし、「多くのカップルが4点のギフトを選んでいる」という地域もあります。ギフトの内容はもちろん、品数もその土地の風習に従って選ぶようにしましょう。

    便利でもハサミなど縁起の悪いものは避ける

    結婚式の引き出物に選ぶのはタブーとされているものもあります。便利で実用的なものであっても、縁起の悪いものは選ばないようにしてください。
     
    例えば、ハサミや包丁などの刃物は「縁を切る」、重箱は「重なる=離婚・再婚」、櫛(くし)は、「苦・死」と解釈されます。
     
    ゲストとの末永いご縁を願い、幸せな結婚生活をイメージできるよう、引き出物を選ぶ際は気をつけましょう。

    贈り分けする際は金額の違いがわかりづらいようにする

    ご祝儀の金額によって引き出物を贈り分けする場合は、金額の差がわからないよう同じ袋に入れる、カタログギフトにする(同じ形にする)などの配慮をしましょう。
     
    また、仲の良い友人だからこそ、ひとりひとりの趣味・趣向にあわせて引き出物を贈り分けようという人もいます。しかし、友人同士で集まったときに「私のだけ引き出物やすそう…」などと思われてしまわないよう気をつけてください。
     
    場合によっては、友人には同じ引き出物を贈る方が良いケースもあります。

    人気の引き出物とは?

    雑誌

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    引き出物を用意したカップルは、次のようなものを選んでいます。

    食器類 31.3%
    キッチン用品・調理器具 7.5%
    キッチン用品以外の家電製品 0.7%
    タオル・傘などの生活用品 19.8%
    文房具(ステーショナリー) 0.8%
    インテリア用品・置物 2.8%
    冊子で選ぶカタログギフト 69.0%
    Web上で選ぶカタログギフト 8.4%

    データ出展:ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ

    それぞれ、選ぶポイントなどを詳しく解説していきましょう。

    カタログギフト

    贈られた人が自分で好きなものを選ベルカタログギフトは、性別・年代問わず喜ばれると人気の引き出物になっています。
     
    定番のカタログギフトから、「オーガニック志向の女性向け」「ビジネスパーソン向け」「年配ゲスト向け」などこだわりのカタログギフトまでさまざまなものがあり、3,000円・5,000円・7,000円・10,000円のように金額別細かく選べるため、相手によって贈り分けしやすいのもカタログギフトのメリット。
     
    本1冊分の大きさでかさばらず、ゲストの持ち帰りにも便利。最近では、結婚式でID/PASSが記載されたカードを受け取り、スマホやパソコンで商品を選ぶWebカタログギフトも登場しています。

    食器類

    以前は、「割れる食器=別れる」といわれており「結婚式の引き出物に食器は縁起が悪い」とされていました。最近は、そこまで気にしない新郎新婦も多く、「実用的」「オシャレ」などの理由から食器も人気の引き出物となっています。
     
    しかし、年配ゲストの中には「食器はNG」というイメージを持っている人も少なくありません。年配ゲストの引き出物は食器以外を選ぶなど、年代によって贈り分けする方が良いかもしれません。

    タオルなどの生活用品

    「実用的なもの」でいえば、タオルや傘なども引き出物に人気です。
     
    生活用品を引き出物に選ぶ場合は、日本製で肌触りの良いタオルの詰め合わせや、1本数千円の高級傘など、「普段使いとしては上質なもの」にするのがポイント。相手の好みを考慮しつつ、デザインを選びましょう。

    参考:人気の引菓子

    引き出物と一緒に贈る引菓子は洋菓子系が選ばれる傾向にあるようです。

    バームクーヘン46.7%
    ケーキ類21.0%
    その他洋菓子17.0%
    クッキー13.2%
    プチケーキの詰め合わせ11.9%
    和菓子6.2%
    チョコレート2.5%

    バームクーヘンは、何層にも重ねて焼かれた断面が年輪のように見えることから、「幸せを重ねる」「繁栄」「長寿」などの意味をもつ縁起物とされています。そのため、約半数のカップルが選ぶ定番の引菓子になっています。
     
    とはいえ、贈る相手の好みを考慮しつつ選ぶと喜ばれるのではないでしょうか。

    海外リゾートウェディングをする際の引き出物について

    新郎新婦

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    国内で行われる結婚式の多くはご祝儀制であり、引き出物を用意するのが一般的。しかし、旅費・交通費が発生する海外リゾートウェディングでは少し事情が異なります。

    海外リゾ婚では引き出物を用意しないのが一般的

    海外リゾ婚の場合は、結婚式に出席してくれたゲストへのお礼としてプチギフトは用意しますが、引き出物までは用意しないのが一般的。これは、「家族のみで海外リゾ婚を行う」「旅費・交通費をゲストに負担してもらう」などの理由からご祝儀を受け取らないケースが多いため。
     
    海外リゾ婚の引き出物の有無は、次のような判断になる傾向があります。

    ご祝儀なし、旅費・交通費は新郎新婦負担プチギフトのみ
    ご祝儀なし、旅費・交通費はゲスト負担プチギフトあり
    引き出物は用意したほうが良い※
    ご祝儀あり、旅費・交通費は新郎新婦負担プチギフトも引き出物もあり
    ご祝儀あり、旅費・交通費はゲスト負担プチギフトも引き出物もあり

    ※旅費・交通費がご祝儀よりも安く収まる場合は引き出物なしでもOK。旅費・交通費の負担が大きい海外リゾ婚の場合は引き出物は用意したほうが〇。
     
    ご祝儀なしでも、海外リゾ婚の旅費・交通費をゲストに負担してもらう場合は、「海外リゾ婚だから引き出物は用意しない」ではなく、旅費・交通費は誰が負担するか、ご祝儀はいただくかなどを考慮したうえで引き出物の有無を決めましょう。

    帰国後のパーティでも引き出物がないケースも多い

    海外リゾ婚から帰国した後、国内でウェディングパーティを行う人も見受けられます。リゾ婚後の国内パーティは会費制で行われることが多いため、引き出物も用意しないケースが多いです。
     
    ただし、「会費制のためご祝儀を辞退する」と事前に伝えていても、ご祝儀を用意してくれるゲストもいます。ご祝儀をいただいた場合は、後日内祝いでお礼をするようにしましょう。

    まとめ

    ゲストにあわせて引き出物を選び、結婚の幸せを分かち合いましょう

    引き出物には、「結婚式に出席してくれたことへのお礼」「ご祝儀をいただいたことへのお返し」「身内への幸せのおすそ分け」など、さまざまな意味があります。
     
    引き出物の相場は5,400円~5,900円ですが、ご祝儀の金額やゲストとの関係性などによって贈る内容を変えるのが一般的です。引き出物を受け取ったゲストが喜んでくれる姿をイメージしながら選んでみてください。
     
    何を贈るか迷ったら、ゲストが自分で好きなものを選べる「カタログギフト」を選ぶとよいでしょう。

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    結婚式準備.com編集部

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