期待値ゼロのパラオ。でも『ナシ婚派』にフォトウェディングが超楽しかった!
すべてが自由に選べる。パラオ旅行とフォトウェディングを最高に楽しめた理由
南国フォトウェディングへの期待値がゼロから楽しさMaxまで振り切った瞬間
ハワイへ新婚旅行へ行くはずが、番組でドッキリを仕掛けられ、何故かパラオでフォトウェディングをすることになった私たち(※第3話参照)。
ドッキリ…だとすれば「テッテレー!」とネタ明かしがありますが、そんなこともなく。ただただ騙された感じになっており、モヤモヤしたまま二人でパラオへ向かいました。
海とか山とかのリゾート関係に全く興味がなかったので、私は今回の旅行にあまり期待をしていなかったのです。ところが、あまりのパラオの山と海のキレイさに度肝を抜かれ、飛行機の中でのローテンションが嘘のように、テンションがぶち上がってしまいました…!
(※)パラオは海のアクティビティが中心のイメージだが、トレッキングなど山のアクティビティも楽しめる。パラオ最大の滝「ガラスマオの滝」では、すだれのように水が流れ落ち、勢いも強くないので滝つぼでの水遊びも可能。
それもそのはず。パラオは世界有数のダイビングスポット。
海がキレイなだけでなく、珊瑚や魚もとてもキレイで、お世辞抜きで宝石箱を覗いているようでした。しかも、シュノーケリングスポットのような場所まで行かなくても、その辺の浜辺の海をチラッと覗いてみただけでそんな世界が広がっているのです。
そして、何と言ってもジェリーフィッシュレイク!
ここは外敵がいなかったために、毒が退化して人が触ることができる平和なクラゲがたくさん集まっている湖なのですが、とにかく透明度がすごかったです。
ゴーグルを着けて湖を覗くと、どこまでもクラゲが見えるため、宇宙のような不思議な空間が広がっているのです。
そして…触れるクラゲ!
あの光景は「一生忘れられない」と思う程感動しました。
フォトウェディングは『自分たちがやりたいこと納得できること』だけ選べた
そんな楽しいパラオで、いよいよフォトウェディングを体験。ところがこれが、思っていた以上に楽しく思い出に残るものとなりました。
私はフォトウェディング前は「わざわざ外でドレスを着て写真を撮るなんて面倒そうだな…」と思っていました。
ところが、この『フォトウェディング』という形式が、自分たちにはとても合っていたのです。
頭を悩ませていた大変そうな結婚式の準備もないですし、出席してくれた人たちが楽しんでるか等々気にする必要もありません。
自分たちだけで、自分たちの楽しいように、自由に計画できる1日なのです。
撮影スタジオによっては、ドレスもブーケも全部用意してくれるところもありました。そういう所へは自分たちで持っていくものは何も無く、身一つで行けるという手軽さです。
私たちが依頼したところにも、一応はドレスレンタルの用意がありました。ただ、サイズがちょうど良いものが無かったのと、事前にどんなドレスなのかあまりよくわからなかったため、私は日本で買って持って行きました。
『ドレスを買う』と聞くと、めちゃくちゃお金がかかったように思えます。ですが、私が買ったものは、ネットで購入した7000円弱のものでした。
どうせ砂浜で汚れてしまいそうだし…と、安いものを探していたのですが、予想以上に安いものが結構ありました。
正直、到着するまでは不安でしたが、内側の縫製がやや雑なところがあるかなというくらいで、素人目での外見はまったく安物の感じもしませんでした。スーツケースに詰め込んで持っていくため、皺のできにくいチュール素材を選んだことも良かったです。
『通常の結婚式』で大切な人に悲しい思いをさせてしまうことが不安だった
そして、結婚式を挙げるとなると、最も悩むことの一つとして「式に誰を呼ぶか」ということがあると思います。
私たち夫婦は芸人同士ということもあり、芸人仲間だけでも何百人もの知り合いがいます。その中で『誰を呼んで誰を呼ばない』という選別は、かなり難しいところがあり…。
実は『結婚式を挙げたくない』と思っていたさまざまな理由の中でも、かなり大きな要素でした。
どうせ式を挙げるのなら、お世話になっている方全員にお声を掛けたい!
…しかし会場の都合上それは難しいですし、スケジュールが不規則である職業上、声をかけたみんなが来られるわけではありません。そして周囲で本当によく聞くのが「結婚式呼ばれなかったね…」という“呼ばれてない側の胸の内”です。
「今日〇〇の結婚式らしいよ」
「別にいいんだけど、そうなんだ…っては思っちゃうよね」
こんな会話を結構たくさん耳にしてきました。
せっかくのお祝いの日なのに、誰かの心に影を落としてしまっているようで「自分の結婚式にそんな思いをする人がいたら嫌だな」と思うようになりました。
もちろん、そんなことを気にすることもなく、自分の大切な人だけを呼んで自分も楽しむということを、思い切りやれている人も大勢いるでしょう。
そう考えると、私は考えすぎなのだろうかとも思いました…が、やはり結構みんな言ってるんですよね(笑)。
私の思考はちょっと変だったのか、若い頃は「呼ばれてない…良かった…今月3万円出すのキツかった…!」と思うこともありました。勿論、私も呼ばれたらそれはとても嬉しいのですが!
でも、私の周囲のほとんどの人は、結婚式に招待されないことでの寂しい気持ちを抱えていたと思います。
そんな周囲への配慮が大変なことも、フォトウェディングでは全く考えなくていいのです。
本当に気持ちが楽でした。
最初は困惑しきりのパラオでのフォトウェディングでした。
ですが、結果的には新婚旅行とフォトウェディングを安く済ませることもでき、海の素晴らしさを知ることができ、とてもいい思い出となりました。
結婚式をやりたくなかった理由。フォトウェディングとの比較で答えが明確に
── さまざまな『聞いてないよ!』的な困難がありつつも、パラオでの旅行は大貫さんも山西さんもとても楽しめたようで、今回の漫画を読んでほっとしました。
大貫さん:パラオは台風や地震も少なく、安定した気候らしいんですね。私たちが行ったときも天候に恵まれ、期間中は楽しく過ごすことができました。
それに出会ったパラオの人たちもみな明るく気さくで、積極的に日本語で話しかけてきてくれるんです。日本に好意的なひとが多いと聞いています。実際、どこに行っても日本語はかなり通じました。
南国パラオの魅力。人々の温かさ、自然の体験が不安を吹き飛ばしてくれた
── パラオで独自の日本人文化が栄えている、というのは聞いたことがあります。
大貫さん:日本の言葉で定着しているものもあって、例えば日本語の「おにぎり」という言葉も定着しているんです。だから日本人の味覚にあった料理が多くて、日本のようなお刺身もありました。
もちろんフルーツ盛り、南国らしい料理も並んで、食べ物は最高でした。ボリュームもすごかったですね。
番組内で、パラオの名物料理のひとつである蝙蝠(こうもり)を食べるという企画もあったのですが、それも普通に美味しかったんですよ。
(※)パラオは過去、さまざまな国の植民地だった経緯があり、西欧、アメリカ、日本、そして一番近いフィリピンの食文化が入り混じり多国籍なグルメが味わえる。もちろんミクロネシア特有の、パラオの伝統的な料理を満喫することも可能。
── 蝙蝠料理…!!パラオではお祝いの時に食べる伝統料理のようですね。なんでもパラオの蝙蝠はフルーツしか食べないので、肉が甘くて美味しいとか。
大貫さん:はい。蝙蝠肉は鶏肉のようでした!料理としてはスープ煮みたいな形式で出てくるんですが、盛り付けの見た目は…。それはともかくとして、味付けはとても美味しかったです。
── お話を聞いていると、とても食べてみたくなりました。日本人には慣れ親しんだものもありつつ、食文化は独特の文化も。楽しめるんですね。パラオとハワイの違いは感じましたか?
大貫さん:洗練された都市型リゾートのイメージが強いハワイと比べると、パラオはまったく都会ではないと思います。一部ショッピングができるお店が集まったような地域はありますが、それ以外の場所はすごくのんびりした雰囲気でした。それも自分には合っていたのかもしれないですね。
(※)ミルキーウェイのあるロックアイランドは2012年に世界遺産に登録されており、基本的にはツアーへの申し込みのみ、観光で立ち入ることができる。日本の化粧品会社の調査によって、ミルキーウェイの泥の成分には美白効果、保湿効果があると発見され、化粧品への加工も行われている。
大貫さん:パラオではダイビングも素晴らしかったですが、ロックアイランドにある『ミルキーウェイ』という浅瀬の入り江での、泥パック体験も楽しかったです。海底に石灰岩が削られた真っ白な泥が沈殿していて、その泥をお肌に塗って全身パックすると、美容に良いと言われているんですよ。全身真っ白になって海にダイブするのはすごく楽しかったですね。日本では味わえない体験でした。
── 海だけでなく、憧れだったジェリーフィッシュレイクの体験も期待以上の感動体験だったようですね。
大貫さん:ジェリーフィッシュレイクでのくらげとの触れあい体験は、本当に感動的でした。
湖は少し山の中に入った場所にあり、さらにそこから泳いでいくのですか、途中で足につるんとしたものが当たる瞬間があったんです。これはもしや!と思って、すぐガイドさんに「いま、何か当たったんですけど!」というと「まだ顔は水につけないでくださいね」と潜るのを止められたんです。
あるポイントまで到着してからガイドさんに「ここで潜ってみてください」と促されました。ガイドさんの合図してくれた場所が、くらげ鑑賞のベストスポットだったんですね。
水中を覗いて見ると、澄んだ水の中に無数のくらげが漂っているんです。宇宙の中にいるような、見たことない光景が広がっていて「こんな場所が地球上にあるんだ」と、感動しました。
大貫さん:くらげの触り心地も、一度も触ったことのない、言葉にできない感触で…つるんっとしてました。敢えていうなら、究極のわらび餅のようでした。人に触られているくらげはどんな気持ちなんだろう、とちょっと心配になったのですが、くらげはまったく動じる様子がないんですよ。私たちのことを“無”と捉えているのか、“単なる物体”として捉えているのか…。すべてが不思議な体験でした。
フォトウェディング体験を通じて『結婚式の苦手な部分』がはっきりした
── 観光だけでなく、フォトウェディングはいかがでしたか?連載当初の結婚前の考え方(※第1話参照)では『ウェディングドレスが自分には似合わなそうで、着ることに抵抗感があった』とお話ししてくれました。
大貫さん:実は、フォトウェディングをやってみて、気づいたことがあるんです。
自分にとって素敵なドレスを着ること自体は嫌ではく、むしろ楽しいし好きなことだったんですね。そして同時にフォトウェディングの撮影時間も、とても楽しむことができたんです。撮った写真を後から他の人に見せるということも、抵抗感はありませんでした。
また、カメラマンの方がとてもハイテンションで、私たちの気持ちを一緒に盛り上げてくれるんです。「いろいろ撮っちゃおう!」「ビーチを走って!走って」とテンポよくポーズの指示が出るので、撮影時間中に恥ずかしいなど余計な事を考えている暇もなく楽しむことができたんです。
フォトウェディングではすごくいい体験ができ、結婚の記念になる思い出になったと実感しています。
大貫さん:フォトウェディングを思い切り楽しめた理由を考えると『ゲストがいない=誰の目線も気にしなくていい撮影』という状況が、私にすごく合っていたようです。二人きりのフォトウェディングでは「この衣裳についてどう思われているんだろう」と不安になったり、自分たちのテンションが上がって来たとき「わたしたちは楽しいけどみんなは大丈夫?着いてきてる?」と周囲を気にしなくて良かったからです。純粋に記念写真を撮ることに集中して楽しめました。おかげで、なぜ結婚式に苦手意識があったのか、明確に納得できました。
── 結婚式を挙げない大きな理由でもあった、準備費用に関してはいかがでしたか?
大貫さん:自分たちで準備についてアイデアを情報収集して、自分たちの納得できる費用に合わせて衣裳を選んだり手作りする時間も、とても楽しい体験でした。
大貫さん:まず、ウェディングドレスなど衣裳については自分でものすごく調べましたね。最終的にはレンタルではなく海外の激安ドレスを購入する方法に行きつきました。フォトウェディングを行った卒花さんのブログなどの画像から、素材によっての見栄えや、しわのなりにくさ、持ち運びや手入れ方法までチェックしました。
他には、グローブとブライダルインナーは、ウェディング用品の問屋が集まっている浅草橋まで行って、探して購入しました。
大貫さん:ヘッドアクセサリーとブーケは手作りしようと、浅草橋やネットで探して見ていたのですが、素材の造花の値段がかなり高かったんです。レンタルブーケや中古品も探しましたが、色味が褪せていたり、すこし古っぽい感じがしてしまう。これだとテンションがあがらないな~と考え、100均で材料を揃えて自分で作りました。出来栄えは画像を見ていただければ分かりやすいと思うのですが、シンプルなもので南国のイメージにはあっていたと思います。
こうやって、フォトウェディングの準備と費用は、自分が納得がいく形で収めることができました。
── フォトウェディングが二人きりで行う結婚イベントだからこそ、ゲストで誰を招待して良いのか悩む不安からも解放されたことに関しても書かれていました。友人知人が多いというのは、むしろ結婚式を積極的に行いたい前向きな理由になるものだと思っていたので、とても意外でした。
大貫さん:ごく普通の会社員であれば、「仕事関係」「友人」「親族」などのカテゴリーできっちり別け、その中からゲスト選びをすることができるかもしれないのですが、芸人の世界というのは曖昧な人間関係の知り合いがとても多いんです。
というのも、芸人特有の『その場で会った誰とも全員、ものすごく仲良く会話する』という関係性があります。だから「こんなに仲良く会話しているのに、結婚式に招待しないのか…」と考えてしまう人が出てくるわけです。自分が本当にすべての人に気を遣って結婚式の招待ゲストを決めたら『東京吉本に所属する全員』になってしまうかもしれません。
── 他の結婚している芸人さんたちは、どんな方法でゲストを決めていたのでしょうか?
大貫さん:他の方の内情は分からないですが、いままで自分が出席した結婚式で見てきた中では、『自分が仕事をしている範囲のみ』『呼びたい人のみ』『知り合いならほぼ呼ぶ』など本当にひとそれぞれでした。知り合いを全員招待している結婚式にも出席したことがあります。
でも自分には、当時知り合いを全員招待するほどの経済力はなかったです。
普通は、そんなことまで考えなくてもいいものかもしれません。選んでいる方は選んでいる方で「ごめんなさい」と悩んでいる人もいるだろうし「自分の呼びたい人だけ呼ぼう」と思い切る人もいるだろう。でも、どの形をとっても、誰かがさみしい思いをしそうな気がしました。結局どんなに悩んでも、私にはその答えは出ませんでした。
だから、パラオでの二人きりのフォトウェディングは、自分にとって大切な人を誰も傷つけることなく、本当に楽しい結婚の思い出となることができたんだと思います。
── フォトウェディングは、今までの結婚式の形では叶えられなかった『大貫さんの希望』に、ぴったりあった形式だったんですね。結果的にとても楽しい旅行と撮影体験になって、本当に良かったです。この体験を経て、大貫さんの結婚式への思いがどのように変化していくのか。さらに次回のお話を楽しみにしています。
芸人&漫画家&お母さんの3つの顔!大貫ミキエさんとは
芸人として旦那様である山西章博さんとコンビ『夫婦のじかん』として活動中。
また漫画家としては集英社ちびまる子ちゃんファンコミック大賞、ママリ漫画大賞、小学館漫画賞、たまひよ漫画賞等々数々の漫画賞を受賞。
大貫さんの活動や著書を、今すぐCHECK!
【お知らせ】大貫ミキエさん著書『母ハハハ!』発売中
付き合って10年で結婚、偶然が重なり夫婦でお笑いコンビを組むことに!
嫁でイラストレーター兼芸人の「夫婦のじかん 大貫さん」が、旦那の山西章博(元・トンファー)とのふたり暮らしの様子から、結婚やコンビ結成のエピソード、妊娠・出産・育児の中で日々巻き起こる、笑いと癒しと奮闘の数々をユーモアたっぷりに綴った抱腹絶倒のコミックエッセイ
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