小値賀島でも初めての試み『小値賀島DIYウェディング』準備が始まった!
©落合 由夏
「おもてなしの島」と言われる小値賀島のひとたちが、島全体を会場にして『結婚式』をプロデュースし、おもてなしする『小値賀島DIYウェディング』。
このプランのために、リゾートウェディングのノウハウをもつワタベウェディングと小値賀町との間で、何度も議論が行われてきました。
挙式会場は「柿の浜海水浴場」に干潮時のみ出現するビーチ
挙式&披露パーティの会場として選ばれたのは、海の透明度は小値賀の中では1番透き通っていて綺麗な海水浴場と言われる「柿の浜海水浴場」。
おぢかアイランドツーリズムHPより
引き潮によって現れる砂浜の美しさは島内一とも言われており、小値賀島の海の美しさを存分に堪能できるスポットです。また海水浴場のため、パーティに必要な水道やトイレなどの設備も備わっています。
ただし、ここを会場にするためには、クリアしなければならない大きな課題がありました。
課題は「干潮時間」の活用方法
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最大の課題は、潮が引いている時間のみで会場設営から挙式、パーティまですべてを終えなければならないことでした。
もしも準備が遅れてパーティがずれ込んでしまえば、満潮によって砂浜はみるみる無くなり、パーティ続行が難しくなります。
干潮時間内に準備、設営をスムーズに丁寧に行い、挙式とパーティーで最高のおもてなしをするために島民とワタベウェディングで会議を重ねて準備が行われました。
当日の天候や気候
「自然を生かしたウェディング」で一番大きな悩みは天候と気候。
2019年は8月、9月、10月と、大きな台風が何度も日本に上陸しました。どんなにプランを練りこんでも、雨が降ったり風が強いと、ビーチでの結婚式は難しくなります。天候が悪い場合、ビーチの魅力に負けない代案プランなども、いくつか用意する必要があったのです。
会場設営は島民ボランティアで。『チームおぢかウェディング』 結成!
そして、この「小値賀島DIY Wedding」成功のため準備に奔走したのが「チームおぢかウェディング」。
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“結婚式”を行うためにはさまざまな準備が必要です。
挙式・パーティ会場の設営、装飾品の運搬、披露宴での料理と飲物の配膳や運搬…などなど。それらを手がけてたのは熟練したウェディング業界で働く人ではなく、小値賀町役場が募集した、島民のボランティア・スタッフのみなさんでした。
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参加者(敬称略・順不同)
女性:筒井 愛子(つつい あいこ)、神川 恭子(かみがわ きょうこ)、博多屋 一代(はかたや かずよ)、 松崎 紀久子(まつざき きくこ)、大黒 和(だいこく あい)、迎 真琴(むかえ まこと)
男性:谷 正人(たに まさと)、 古川 健史(ふるかわ つよし)、濱元 善貴(はまもと よしき)
また、当日は彼らの声がけによってさらに有志ボランティアが募られ、小値賀町民総出でのおもてなし体制が作られていったのです。
挙式&パーティ会場となる海岸の整備と設営は前日から
©落合 由夏
島民の方たちは前日、会場となる柿の浜海水浴場のごみ拾いを行いました。
そして結婚式当日。心配していた雨は降らず、美しい快晴となりました。
潮が引きつつある砂浜に集合。朝早くから石を拾って会場を整備し、バージンロードを大急ぎで造作していきます。
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潮が徐々に引いていくタイミングを合わせて、ゲスト用のベンチを設置し、アーチや署名台をセッティングしていきます。
最後に設営不備がないかをチェックし、会場の準備は整っていきました。
結婚式を手作りするための材料はほぼ小値賀島から調達
©落合 由夏
挙式で参列者が座る椅子は島民からの貸り受けです。
挙式のためのアーチや署名台は、小値賀島に流れ着いた流木を集め、体育館でみんなで手作り。
披露パーティの食事テーブルも、島民たちが手作りで制作しました。
装花など島内での調達では間に合わないものもありますが、パーティでの料理などは、ほぼ小値賀島産の材料を使用しています。
ウェディングで使用する半分以上の資材は、島内のもので賄うことができました。
『小値賀島DIYウェディング』をサポートするのは小値賀島の島民のみなさん
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『小値賀島DIYウェディング』の演出やおもてなしをお手伝いするのはのは、普段は小値賀島で暮らし島民の生活を支える「お店」を営む人たちでした。
フラワーアイテム担当『ききょうや』藤田ハツヨさん
©落合 由夏
挙式会場・パーティ会場の装花、ブーケ・ブートニア、新婦のヘッドピース等のフラワーアイテムを制作してくれました。
『ききょうや』は島の冠婚葬祭を担うお花屋さん
©落合 由夏
藤田さんは小値賀出身で、23歳の時にUターンしました。
店主の藤田ハツヨさんは伯母さんが経営していた花屋「ききょうや」を継ぎ、現在約10年目。普段は祭壇用やお祝い用のフラワーアレンジの制作と販売が中心です。
結婚式準備のために福岡まで買付&トレンドを勉強
©落合 由夏
藤田さん:今回の結婚式は本当に勉強になりました。おふたりのリクエストを聞いて、福岡まで資材の買い付けにいき、現在のウェディング装花のトレンドを聞いて研究しました。新郎新婦のリクエストに応えられているか心配ですが、反面、手作り感のある結婚式がとても楽しみです。
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藤田さん:小値賀島には結婚式場がないので、島の結婚式でも『かせにん(島民のボランティア)』が結婚式のお手伝いをする風習があるんです。きっと、島のみんなが東京のおふたりの力になれると思います。
ペーパーアイテム担当『OJIKAPPAN(おぢかっぱん)』横山桃子さん
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新郎新婦製作のウェルカムボードに合わせパーティ用の席札を制作してくれました。
100年続く家業の活版印刷所「晋弘舎」から独立
横山さんの実家は小値賀島で100年続く唯一の印刷所。もともとは総合商社でしたが、2代目の「活版印刷は文化事業だ」との強い想いで印刷業だけを手元に残すことになり、他の事業はのれん分けしました。
©落合 由夏
横山さんは四代目。大学でデザインを学んだことをきっかけに、家業の活版印刷に興味をもち、2011年にUターンしました。約6年間3代目である両親とともに活版印刷とデザイン業に携わった後、現在は「OJIKAPPAN」として独立。新しい活版印刷の形を小値賀島の魅力と共に提案・発信しており、活版ならではの印刷の優しい風合いは、島外からも人気を集めています。
横山さんが小値賀島で受け継ぐ活版印刷の魅力
活版印刷は凸面にインキをのせて、圧をかけて印刷します。そのため、印刷面には指で触れるとわかるくらいの凸凹が生まれます。
©落合 由夏
活版印刷の良さをひと言で言い表すことはとても難しいのですが、手間ひまかけてようやく印刷できたものには間違いなく美しい表情が宿っています。5世紀の間、職人の智恵と技術に支えられ印刷の文化を守り繋いでいったもの、それが活版印刷です。
©落合 由夏
横山さん:今回OJIKAPPANで制作したペーパーアイテムは席札ですが、ウェルカムボードに合わせてデザインしました。ゲストの皆さんに、活版印刷の風合いを楽しんでもらえたらうれしいです。
パーティ料理担当『古民家レストラン 敬承 藤松』料理長 遠山善徳さん
©落合 由夏
婚礼専用メニューの開発、パーティ料理の調理を担当してくれました。当日のサービスにも協力してくれます。
築約180年の歴史を持つ古民家で味わえる贅沢『敬承 藤松』
©落合 由夏
古民家レストラン「敬承 藤松」は、捕鯨・酒造りで小値賀の富を築いた旧藤松家の、築約180年の歴史を持つお屋敷をリノベーションしたレストラン。ミシュランガイドにも掲載されました。小値賀島では多彩な魚介・野菜、お米など、「じげもん(地元のもの)」の食材が豊富です。その恵みを活かした新鮮な海の幸、島の赤土の大地で育ったとれたての野菜を、素材の味を活かして丁寧に調理し、島の家庭料理からハレの日の料理まで幅広く提供しています。
新郎新婦の思いを汲み取って考えた婚礼メニュー
©樋口 晶子
遠山さん:今回のメニューは小値賀島の食材をふんだんに使い、見栄えと素材にこだわりメニューを開発しました。新郎新婦から「両親に小値賀の魚をぜひ食べてほしい」というリクエストもいただきました。ゲストのみなさんに小値賀だからこそ味わる、新鮮な魚を沢山食べてもらいたいです。
「小値賀島」だからできる料理をご両親はじめゲストに味わってほしい
©落合 由夏
遠山さん:普段から提供するお魚のつくりのボリュームにお客様は驚かれますが、今回もあっと驚かせられるような船盛を提供する予定です。高級魚のクエや伊勢海老をお出しします。伊勢海老は、たぶんなかなか見られない大きさなので、ぜひ楽しみにして下さい。
©落合 由夏
遠山さん:地元の天草を使ったところてんは、東京で見るものとは色が違うと思うので、楽しんでもらえればと思います。今回提供するところてんは何度も何度も不純物を出した真っ白なものです。結婚式というハレの場に合いますよね。
©落合 由夏
遠山さん:パーティの途中で割る塩釜ですが、通常であれば鯛なのですが、この辺りだと当日入らない可能性もあるので、今回は地元の黒鮑を使いました。鮑に火を入れて食べるということも、贅沢感も楽しめると思います。
ヘアメイク担当『ふじや美容室』美容師 藤屋まつみさん
©落合 由夏
新郎・新婦のヘアメイク及び着付け等を担当してくれました。
小値賀島の島民に愛される美容室
藤谷まつみさんは小値賀出身で25歳の時に小値賀にUターンし、今年で25年目になります。 以前は福岡で、5年間ほど美容師されていました。
©樋口 晶子
「ふじや美容室」は元々藤谷さんの両親が始めたお店で、現在は引退した両親に代わり、まつみさんお一人で切り盛りしています。お客様は島内の女性を中心に、学生や小さな子どもまで幅広くヘアカットにやってきます。また、島内での結婚式では、多くの島民にも利用されている美容室です。
新婦が思い描く「ゆるふわ」なヘアメイクに
©樋口 晶子
藤谷さん:新婦の希望の“ゆるふわ”になるよう、頑張ります。小値賀町の人が思いつかないような場所で結婚式をすることに驚きました。おふたりにとって、素敵な一日になって欲しいですね。
ウェルカムドリンク提供『キッチンカーflour jams(フラワージャムズ)』藤田耕司さん
©落合 由夏
挙式会場の柿の浜海水浴場にて、ウェルカムドリンク提供とボランティアスタッフのまかない提供にも協力してくれました。
2019年から島内を走り美味しい幸せを運ぶキッチンカー
©落合 由夏
ポップでかわいい黄色のキッチンカー『flour jams(フラワー ジャムズ)』は、2019年夏に誕生した移動式飲食店。役場や港ターミナル周辺、島内イベント会場など、島のにぎやかな場所にあちこちと出没します。
小値賀島の食材を使いスパイスが効いたサンドイッチやパッタイは絶品
©落合 由夏
オーナーの藤田さんは小値賀島出身。2015年にUターンしました。
お店ではハーブが香る豚肉と地元産野菜をパンで挟んで焼いた本格的なキューバサンドや、小値賀の落花生を使ったピーナッツカレーサンド、小値賀の落花生と魚醤が絡み合うパッタイなどを提供。また各種ソーダをはじめ、ドリンクも充実しています。
『小値賀島DIYウェディング』はどんな結婚式になるの?
©落合 由夏
とある長崎の女子大生の「小値賀島の素敵な部分をもっと全国に知ってほしい!」思いから始まった『小値賀島DIYウェディング』。
邦彦さん、佳奈さん、そして小値賀島の島民の方々の思いがひとつになり、ついに結婚式は本番を迎えることになりました。小値賀島の魅力をすべて詰め込んだ、すべでが手作りで、すべてが初めての試みの結婚式が、いよいよ始まります。
続きは【小値賀島DIYウェディング レポート3】をご覧ください!
このモニターウェディングプランへの問い合わせ先
『小値賀島DIYウェディング』については、「おぢかアイランドツーリズム」にお問い合わせください。
おぢかアイランドツーリズム・公式ホームページ
http://ojikajima.jp/
〒857-4701 長崎県北松浦郡小値賀町笛吹郷2791-13 小値賀港ターミナル内
TEL:0959-56-2646
9:00~18:00 年末年始を除き無休
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