略式結納の当日の流れ
(1)結納品の飾りつけ
略式結納での結納品を飾る場所として、和室であれば「床の間(掛け軸などがかかっている一段高くなった場所)かその前」、洋室であれば「テーブルの上」に置きます。
先に新郎側から部屋に入り、結納品を飾り、着席します。次に新婦側が部屋に入り、飾り付けを行います。略式では一般的な飾りつけの位置として、新郎側は右側、新婦側は左側になります。
(2)着席後、略式結納の始まりの挨拶
先に新郎本人が挨拶をし、次に新郎の父親が「よろしくお願いします」と挨拶を行い、着席します。挨拶となる口上が終わったら、全員で深くおじぎをするのが流れです。
略式で仲人がいない場合、略式結納を進行する方は新郎の父親が担当するのが一般的です。台詞や結納の流れが覚えられない場合はメモを読みながらでも可能です。ですが、略式結納は大切な行事ですので、忘れぬようにしっかり流れや挨拶を事前に練習しましょう。
(3)男性側から女性側へ結納品を納める
略式では、新郎側の母親が結納品が載った台を新婦が座っている前へ運びます。運んだら軽くおじぎをし、戻ります。その後、新郎の父親が口上を述べ、深くおじぎをします。もしくは、新郎本人が運び、口上を述べ、深くおじぎをする流れになります。
【口上の例】
「そちらは○○からの結納でございます。いくひさしくお納めください。」
(4)女性が目録を取り出し、受書を渡す
新婦側全員が目録を取り出し、確認を行います。本人、父親、母親の流れで確認をします。確認後、新婦本人もしくは新婦の父親が口上を述べ、深くおじぎをします。
新婦の母親が結納品を台の上に運び、受書を新郎本人もしくは新郎の父親に渡し、新郎側は新郎本人から父親、そして母親の流れで確認をしていく。
ここまでが略式での新郎側から新婦側へ納める流れになります。
(5)女性側から男性側に結納品を納める
次に新婦側から新郎側へ結納品を納める流れですが、まず新婦の母親が台の上の結納品をもち、新郎本人の前まで運び、軽くおじぎをして戻ります。新婦の父親が口上を述べ、深くおじぎをします。
※関西式では不要
(6)男性が目録を取り出し、受書を渡す
新郎は軽くおじぎをし、結納品を受け取ります。新郎本人から父親、そして母親の流れで確認をしたら、新郎本人が口上を述べ、深くおじぎをします。続いて新郎の母親が結納品を台へ運び、新婦側へ受書を渡します。新婦側は新婦本人から父親、そして母親の流れで確認を行います。
ここまでが略式での新婦側から新郎側への納める流れになります。
※関西式では不要
(7)婚約記念品をお披露目する
略式での結納品を交換したあとの流れとして、婚約記念品がある場合はお披露目行います。すでに新郎から新婦に贈っている場合は、全員に見せるだけで良いです。関西式の場合では、婚約記念品も結納品のひとつともなっています。
(8)略式結納の締めの挨拶
無事に略式での結納品の交換までの流れが終わったら、新郎の父親がその場を締めるための挨拶を行います。それに続いて、新婦の父親がお礼のための口上を述べ、全員で挨拶をし、略式結納が終了になります。
(9)略式結納後、記念撮影と祝宴・食事会
略式結納後は、両家で記念撮影をしたり、祝宴や食事会をする流れになります。ホテルや料亭に場所を移したり、自宅で行うこともあります。
以上が略式結納の一連の流れになります。
仲人を立てる場合は?
略式結納で仲人を立てる場合、その場の進行は仲人の方にが務めていただき、結納品や受書の取次ぎなども仲人夫人に行っていただくことになります。このように、結納の流れは、仲人がいるといないでは少し変わってきます。
挨拶(口上)のマナー
略式結納での挨拶(口上)の台詞は特に決まっているわけではありません。気持ちのこもった丁寧な言葉であれば、基本的に問題はありません。
また、こういったお祝い事の席では、「消える」「戻る」「重ね重ね」「切れる」「捨てる」などの言葉は使用しないように注意してください。きちんとした丁寧な言葉で、略式結納を行いましょう。
まとめ
略式結納では、仲人を立てるか、立てないかで、略式結納の流れが少し違ってきます。仲人を立てない場合は、新郎の父親が主にその場の進行をし、結納品の交換は両家で行う流れになります。仲人を立てる場合は、仲人の方に進行を努めてもらい、結納品の交換は仲人を介して行う流れになります。挨拶(口上)も「捨てる」「消える」などの言葉は、このような場では不適切です。丁寧な言葉を心がけてください。
略式結納の流れやマナーをしっかり覚えて略式結納に臨みましょう。