<結納の準備をする>
地域によるしきたりやそれぞれの家の考え方に合わせた対応を「結納の準備をする」
結納は伝統的な行事だけに、しきたりなど知らないことが多く不安に思っている人も多いはず。でも最近は略式で行うケースが増えているので堅苦しく考えず、親と相談しながら両家が納得のいく形で進めれば大丈夫。
ここでは、主流となっている「略式結納」の場合を例に日取りの決定から結納品の手配まで、準備の仕方を紹介します。
ここがポイント
- 結納はお日柄を重視する場合が多いので「吉日」での日取り調整を。会場が取れない場合に備え、第二、第三候補まで決めておくといい。
- 結納に必要な結納品は、大きく分けると「関東式」と「関西式」の2タイプ。
地域によって品数や内容が異なるので、両家のしきたりに合わせて手配しよう。 - 結納返しは、いただいた結納品のお返し。
関東では結納金の半返し、関西は1割程度のお返しが一般的。現金よりも腕時計やスーツなど品物を贈るケースが多い。
日取りを決める
基本的な日取りの決め方は「顔合わせ」と同じです。
結納を済ませないと、結婚式の準備に本格的に取り掛かることができないので、挙式を希望している時期から逆算して結納の時期を決めるようにしましょう。一般的には、式の半年くらい前に行っている人が多いようです。
だいたいの時期を決めたら、その時期で両家の親の都合が合う日に決めましょう。ただし結納の場合は、お日柄が重視される傾向にあります。「吉日」とされる「大安」のほか、「友引」や「先勝」にこだわる親も多いので、事前に「六曜カレンダー」などで調べておくといいでしょう。
お日柄のいい日は会場が取れない場合もあるので、最初に第2候補、第3候補となる日まで決めておくとその後の準備がスムーズに進められます。
会場を決める
日取りの候補が決まったら、結納を行う場所を決めましょう。
略式結納の場合は、料亭やホテルで行うケースが多く、彼女の実家で行う人は年々少なくなっているようです。ただし、結納に関する考え方やしきたりは、地域や家々によって異なるため、双方の親の意向を確認し、ふたりが間に入って両家が納得のいく形に決めていくようにしましょう。
最近は、結納飾りの手配や当日の進行などを任せられる結納のパックプランを用意している会場もあるので、形式やしきたりにこだわらないなら、そうした会場を選ぶのもいいでしょう。
みんなはどうしてる?
結納式を行った場所は?
- 1位:料亭(30.8%)
- 2位:ホテル(24.1%)
- 3位:妻の家(22.2%)
- 4位:レストラン(6.7%)
- 5位:結婚式場(6.6%)
データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2018
結納は日本の伝統的な婚約の儀式ということで料亭の人気が高い。
実家が遠方の場合は、アクセスの良さなどを考えてホテルを選ぶケースが多いよう。
結納に必要なものを準備する
結納品
結納をする際に必要なのが結納品。
結納品とは、いわゆる結納飾りのことで、一般的に男性側が用意します。
大きく「関東式」と「関西式」に分けられ、関東から北は「関東式」の結納品が、東海、北陸、関西、四国などは「関西式」の結納品が使われることが多いようです。「関東式」と「関西式」では、中身や名称が少し異なるほか、大さや飾り方も異なります。
それぞれの地域やしきたりに合わせて手配しましょう。
関東式の結納品の例/9品目
- 目録(もくろく)
- 長熨斗(ながのし)
- 御帯料(おんおびりょう)
- 勝男武士(かつおぶし)
- 寿留女(するめ)
- 子生婦(こんぶ)
- 友白髪(ともしらが)
- 末広(すえひろ)
- 家内喜多留(やなぎだる)
これらの結納品が一つの白木の台に並べて飾られることが多い。
関西式の結納品の例/9品目
- 長熨斗(ながのし)
- 小袖料(こそでりょう)
- 松魚料(まつうおりょう)
- 寿留女(するめ)
- 子生婦(こんぶ)
- 高砂(たかさご)
- 寿恵広(すえひろ)
- 家内喜多留(やなぎだる)
- 結美和(ゆびわ)
各品を縁起物の水引と一緒に別々の白木の台に飾るのが一般的。
地域によって品目数も異なる
上で紹介しているのは、それぞれ正式とされる9品目ですが、品目の数や内容も地域によって異なります。「2つに分かれない」ということで品目数は、9品、7品、5品など奇数で用意するのが基本。どういう形式のものを何品目用意するのかは、両家で事前によく話し合って決めるようにしましょう。両家でしきたりが違う場合などは、早めに結納店などに相談し、アドバイスをもらうことをおすすめします。
みんなはどうしてる?
結納品の品目数は?
- 3品目:14.9%
- 5品目:20.5%
- 7品目:22.6%
- 11品目:4.3%
- 13品目:2.7%
データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2018
品目数では7品目がトップ。最近は3品目に簡略化されたコンパクトな結納品も増えてきている。
結納金
結納金も結納品のひとつで「御帯料(おんおびりょう)」「小袖料(こそでりょう)」がそれにあたります。
本来は結婚するための支度金として、主に男性側から女性側に贈られたものですが、最近では結納を行う場合でも「結納金」を用意するかしないかは、両家の話し合いによって決めているケースが多いようです。逆に結納を行わない場合でも、結納金のみやりとりするケースもあります。
お金の話は切り出しにくいものですが、早めに親の意向などを確認し相談するようにしましょう。
みんなはどうしてる?
結納金の金額は?
- 50万円未満:4.5%
- 50~100万円未満:24.7%
- 100~150万円未満:65.8%
- 150万円以上:5.1%
データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2018
ちなみに平均は91.8万円だが、50万円、100万円といったキリのいい金額を包むのが一般的。
結納返し
結納返しは、いただいた結納品に対するお返しで、一般的には女性側が用意します。
結納返しのしきたりも地域によって異なり、一般的に関東では贈られた結納金の半額、関西では1割程度の金額を目安に、結納品(結納飾り)、品物もしくは現金で贈ります。だたし最近は、結納金の有無などによって、結納返しをしないケースも多くみられます。結納金と同様に、親とよく相談して決めるようにしましょう。
みんなはどうしてる?
結納返しは?(複数回答)
- 品物:44.5%
- 現金:21.6%
- 結納品(飾り):11.3%
- 結納返しはしていない:32.1%
- 無回答:1.8%
データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2018
結納返しの品物は、腕時計、スーツ、電化製品が人気。品物にかけた金額は平均23.2万円。
ちなみに現金で結納返しをした場合の平均は38.2万円。
結納の時の服装は?
結納の時の服装はセミフォーマル以上が基本になります。
彼は礼服かダークスーツ、彼女は振り袖か華やかなワンピース、父親はブラックフォーマル、母親はスーツか、着物なら留袖もしくは訪問着を。こちらも顔合わせの時と同様に、両家の格をそろえることが大事。事前によく相談し、打ち合わせをしておきましょう。
「結納」にかかる費用は?
結納にかかる費用は、結納式を行う会場や結納式後の祝宴にかかる費用、結納品にかかる費用、結納金、結納返しの費用に分けられます。このうち、一般的に結納品や結納金は男性側が用意するものなので、その費用も男性側が負担します。結納返しは、いただいた結納に対するお返しなので、一般的には女性側が用意することになります。結納式を行う会場や祝宴の費用に関しては、昔から結納式を新婦の実家で行ってきた名残りなどから、女性側が負担するケースもありますが、略式で結納のパックプランなどを利用した場合は、両家で折半することも多いようです。いずれにせよ、地域のしきたりや両家の親の考え方に合わせて、事前によく話し合っておくようにしましょう。
みんなはどうしてる?
食事を含めた結納式の費用は?
- 平均17.9万円
データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2018
結納品(結納金と婚約記念日は除く)にかけた費用は?
- 平均18.3万円
データ出典:ゼクシィ結婚トレンド調査2018
上記の金額はあくまでも平均で、特に結納品の金額は地域によって大きく異なる。男性側と女性側で負担が異なってくるので、費用についても慎重に検討したい。