<親あいさつ当日>
礼儀正しくスマートな立ち居振る舞いを「親あいさつ当日の流れ」
相手の親に会うのは初めてという場合はもちろんのこと、何度か遊びに行ったことがあるという場合でも、親に結婚の許しを得るための訪問となると緊張するもの。
とは言え基本的な訪問マナーさえ押えておけば、そんなに恐れることはありません。ここでは、彼が彼女の親にあいさつに伺う場合を例に、当日の流れをおおまかに紹介しましょう。
ここがポイント
- 基本的な訪問マナーを押えておけば問題なし。
とくに相手の親と初対面となる場合は第一印象を悪くしないよう、身だしなみや言葉使いに気をつけて。 - 結婚のお願いは、姿勢を正し親の顔を見てはっきりと。
結婚に対する思いを、誠意を尽くして伝えよう。 - 滞在時間は2時間を目安に。
食事に誘われたら、遠慮せずにご馳走になっても問題なし。
帰宅したらすぐにお礼の電話を入れるのも忘れずに。
彼女と家の近所で待ち合わせ
当日はまず、親と約束している時間の少し前に、家の近くの公園などで彼女と待ち合わせをするようにしておくといいでしょう。そうすれば、家を探すのに迷うこともなく訪問する方も安心です。
合流したら、まずは身だしなみのチェックを。彼女に服装やヘアの乱れなどを確認してもらいましょう。最終的に伝えたい事などがあればこのタイミングでお互いに伝え合い、訪問してからのダンドリなど最終打ち合わせをしておきましょう。
予定より早めに着いた場合でも約束の時間より前にお邪魔するのはマナー違反になるので、ここで時間調整を。マナーとしては、約束の時間より数分遅れて訪問するのがいいでしょう。
訪問
冬場でコートなどを着ている場合は玄関前で脱いでから中へ入ります。親が玄関先まで迎えに出てきたら、まずは彼女から彼を紹介し、それを受けて彼から「はじめまして、○○と申します」とあいさつします。とくに相手の親と初対面となる場合は、第一印象が大切なので気を引き締めて明るくさわやかにあいさつしましょう。ただし、玄関先で長話にならないようここでのあいさつは手短に。
あいさつを終えたら家に上がるのですが、この時にしがちなのが靴の向きを直さなくてもいいように後ろ向きで靴を脱ぎ、そのまま上がるという間違い。親にお尻を向けるのは失礼にあたるので、前を向いたまま靴を脱ぎ、一度上がってから少し斜めに向き直ってかがみ、靴を揃えて端に寄せるようにしましょう。
家に上がったら、彼女がリードして彼を部屋の方へ案内しましょう。
部屋に入ったら下座に立ち、勧められてから下座に座るようにします。上座に座るようにすすめられた場合も一度は遠慮し、再度すすめられてからお礼を言って座るようにします。座布団は置いてあってもすすめられるまでは使わず、座布団の横か後ろに座りましょう。
知っ得マナー&豆知識
「上座と下座って?」
上座は一般的に目上の人や年長者、お客さまが座る席。下座は目下の人や接待する側が座る席をいいます。
基本的に入り口に近い場所が下座、遠い場所が上座になると覚えておくといいでしょう。
ただし床の間がある場合はその前が上座になります。親の家へあいさつに伺う場合は、結婚の許しをいただく立場なので下座に座るのが礼儀です。
手土産を渡す
親が揃ったら、あらためて「私、○○さんとお付き合いをさせていただいております○○と申します」と自己紹介をして、手土産を紙袋などから出して親に手渡します。
手渡す際には、「お好きだとお聞きしましたので……」などと、選んだ理由を一言添えるといいでしょう。
結婚のお願い
そしてここからが本番。いよいよ本題の結婚のお願いへと入っていきます。
最初は軽い雑談から入り、場の空気ができてから本題に入るのがいいでしょう。とは言えあまり雑談が長くなり過ぎると、かえって本題に入るタイミングを逸してしまうので、彼女から頃合いを見て「そろそろ」と切り出すきっかけを作ってもらうよう打ち合わせしておきましょう。
きっかけをもらったら、今一度姿勢を正し「実は先日、○○さんに結婚を承諾してもらえましたので、今日はご両親にもお許しをいただきたいと思い伺いました。○○さんとの結婚を許していただけないでしょうか」と、親の顔を見てはっきり伝えましょう。
晴れて許しをいただいたら、再度姿勢を正してふたりで一緒にお礼の言葉を述べましょう。万が一、良い返事をもらえなかった場合は日を改めて訪問することにし、時間をかけて誠意を伝えるようにするのがいいでしょう。
歓談タイム
結婚の承諾を得た後は、相手の親とゆっくり話ができるいい機会なので、事前に交換しておいた情報をもとに、しばし仕事や趣味の話などをして楽しい時間を過ごしましょう。
ただし、ほっとして気を抜きすぎないよう要注意。あくまでも丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。相手の親を呼ぶ際は「○○さんのお父さん・お母さん」と呼ぶといいでしょう。
おいとまする
滞在時間が長くなり過ぎると食事のことなど、親に余計な心配をさせてしまうので、話が盛り上がっている場合でも訪問してから2時間くらいをめどに、おいとまするようにしましょう。
タイミングを見て彼の方から「それでは今日はこの辺で」と切り出しても問題はありませんが、彼女から「そろそろ」ときっかけを作ってあげるのもいいでしょう。
その場できちんとお礼の気持ちを述べてから帰り支度をし、玄関でも再度お礼のあいさつをして帰宅するようにしましょう。
食事に誘われた場合は、一度は遠慮をするのがマナーですが、再度誘われた際には「ではお言葉に甘えて」と快く応じ、食事をしながら親交を深めるのもいいでしょう。ただし、お酒はほどほどにしておくのが無難。
帰宅後にお礼の連絡
家に帰ったら、すぐに電話をして無事に帰宅したこととお礼の言葉を伝えましょう。
さらにハガキでお礼状を出せば、より気持ちが伝わり丁寧な印象に。お礼状を出す場合は、数日以内に届くように出しましょう。
彼女が彼の親にあいさつに行く場合
彼女が彼の家を訪問する時は、結婚をお願いするというよりは彼と一緒に結婚の報告をするというスタンスになります。
当日の流れは、基本的に彼が彼女の家を訪問する場合と変わりませんが、玄関では彼に先に上がってもらい、部屋には彼の後ろについて入るなど、常に彼を立てるように振る舞うとスマートです。
彼の家では、話を切り出すきっかけなども常に彼がリードし、本題に入った時も彼が結婚の意思を伝え、許しをもらったらふたりで一緒にお礼を述べます。
食事をご馳走になる場合は、タイミングを見て彼のお母さんに「何かお手伝いさせてください」と声をかけ、断られたら素直に従えば大丈夫。
帰宅後の連絡だけでなく、後日お礼状も出すようにしましょう。