結婚前後の手続きについて

<結婚前後の手続き>
婚姻届のほかにも、しなければいけない手続きがいっぱい「結婚前後の手続き」

結婚の手続き

結婚するにあたってどんな手続きをすればいいのか不安に思っている人も多いはず。
そこで、ここでは結婚することで必要になってくる主な手続きと、その段取りについて紹介します。
結婚前後は式の準備や引っ越しなど、何かと忙しい時期。必要な手続きを把握して、効率よく済ませよう。

ここがポイント

  • 婚姻届を提出する時期は、挙式や引っ越しの時期とあわせて検討を。
    提出日を結婚記念日にしているカップルも。婚姻届の証人は早めに依頼しておこう。
  • 必要な手続きを書き出して、効率よく済ませられるスケジュールを立ててみる。
    氏名・住所変更にまつわる手続きは、本人確認書類となる運転免許証やパスポートから。
  • 会社への届け出は結婚報告の際に確認を。
    結婚を機に退職する場合は、社会保険や年金などの手続きが必要になってくる。

結婚するにあたり必要な手続きとは?

結婚するにあたってどんな手続きをしなければいけないのでしょうか。
まず、第一に浮かぶのが「婚姻届」。

婚姻届は、戸籍上で夫婦となる大事な手続きです。
そして婚姻届を出すことによって必要になってくるのが「氏名や住所変更の手続き」です。現在の法律では夫婦どちらかの氏(名字)を名乗らなければいけないので、名前が変わります。

また、本籍地が変わったり新居に引っ越したりすることで、住所変更の手続きも必要になってきます。
さらに仕事をしている場合は「会社への届け出」が、結婚を機に退職をする場合は「社会保険や年金関係の手続き」も必要です。

このほか、新居に引っ越しをする場合は、「引っ越しにまつわる手続き」もしなければいけません。引っ越しにまつわる手続きは、「新居準備」のところで紹介しますので、ここでは上の4つの手続きについて詳しく紹介していきます。

婚姻届

婚姻届は、法的に正式な夫婦となる重要な手続きです。法律上は、婚姻届を提出した日が夫婦になった日となるため、その日を結婚記念日とするカップルもいます。
結婚の第一歩となる手続きだけに、不備がないよう必要な書類や手続きの流れをしっかりチェックして、スムーズに進めましょう。

手続きの流れ

1.提出日を決める

婚姻届は、この日までに提出しなければいけないという期限が決められているわけではありません。いつ提出するかは、ふたりで話し合って決めましょう。
クリスマスや七夕、バレンタインデーなど行事がある日やふたりの記念日、ゾロ目の日など、覚えやすい日にするケースが多いようです。

挙式日を基準としたタイミングとしては、最近は挙式日より前に提出するカップルが増えていますが、ふたりの状況に合わせて検討してみましょう。

ただし海外挙式の場合は注意が必要です。海外での挙式スタイルによって婚姻届が提出済みでないと挙式できない場合や、提出する前でないと挙式できない場合もあるので、事前に手配会社に確認するようにしましょう。

2.提出場所を決める

婚姻届は市区町村の役場に提出しますが、提出する役場は日本全国どこでも構いません。

新居がある地域の役所に提出するのが一般的ですが、ふたりで旅行した思い出の地で提出したり、国内でのリゾートウエディングであれば結婚式をした場所の役場に提出したりするのもいいでしょう。
ただし、記載内容や提出物に不備があった時には、再度その地に行かなければならないので、書類には不備がないよう気を付けましょう。

3.婚姻届の用紙を入手する

婚姻届の用紙は全国共通で、最寄りの市区町村の役場で手に入れることができるほか、インターネットからもダウンロードすることができます。

最近では、各自治体のキャラクターや名所などをデザインに取り入れた「ご当地婚姻届」などもあるので、用紙にこだわってみるのもいいかもしれません。

婚姻届の用紙は、書き間違えてしまった時のために、あらかじめ数枚用意しておくといいでしょう。

4.一緒に提出が必要な書類を取り寄せる

婚姻届を提出する際には、ふたりそれぞれの戸籍を確認するために、戸籍謄本を一緒に提出しなければなりません。

戸籍謄本は、それぞれの本籍がある市区町村の役所でもらうことができます。

本籍地が遠方の場合は、郵送で取り寄せることもできます。代理人に依頼することもできるので、実家が本籍地になっている場合などは親に依頼するという手も。郵送の場合は2週間ほどかかるので、余裕を持って手配するようにしましょう。

5.婚姻届に記入する

婚姻届には、氏名や住所のほか本籍地を記入する欄もあります。

本籍地は取り寄せた戸籍謄本をもとに、漢字なども正確に記入しましょう。役所に用意されているサンプルやインターネットで見られる記入例などを参考にするといいでしょう。

6.証人に署名をお願いする

ふたりが成人の場合でも、必ず証人2名の署名・捺印が必要です。

証人は親に頼むケースが多いようですが、20歳以上であれば友人や知人でも構いません。証人の欄には、生年月日や住所、本籍地の記入と本人による署名・捺印が必要なので、早めに依頼しておきましょう。

7.役所に提出する

必要書類や記入した内容に不備がないかを確認したら、必要書類とそれぞれの印鑑、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)を持って、役所の窓口へ。
不備があるとその日に受理されない場合があるので、提出日にこだわるなら事前にしっかりチェックしておきましょう。

(持ち物)
婚姻届、印鑑、戸籍謄本、本人確認書類

氏名・住所変更にまつわる手続き

婚姻届を出すことで名字が変わった時には、前の名字で登録していた書類などの氏名の変更手続きをしなければなりません。

また住所が変わった場合には、住所の変更手続きも必要となります。その際、婚姻届の提出と引っ越しの時期が2週間以内であれば、婚姻届と転入届の提出を一度に済ませることができ、その後に必要な氏名と住所変更を一緒にすることができるので、効率よく手続きを済ませることができます。

婚姻届の提出や引っ越しのスケジュールを考える時には、手続きの段取りも頭に入れておくようにしましょう。以下、氏名や住所変更の手続きが必要なものについて紹介しますので参考にしてください。

※まず本人確認書類となるこの3つを先にする

■運転免許証 

本人確認書類のなかでも最初に変更手続きをしておきたいのが運転免許証。

運転免許証と新住所の住民票(本籍が変わる場合は、本籍が記載されている住民票)などを持って、新住所所轄の警察署、または運転免許センター(運転免許試験場)で手続きを。

■パスポート

最寄りのパスポートセンターで、氏名や住所の訂正申請を行うか、残りの有効期限などによっては新規発給の申請を。

申請内容により異なるが、新住所の住民票、戸籍謄(抄)本、パスポート、顔写真などが必要。申請と受け取りで、2回行く必要がある。

■マイナンバー

引っ越し後、14日以内に手続しなければならない。

マイナンバーカードもしくは通知カードを持って住民票のある役所へ。(必要書類は事前に役所に確認を)

※本人確認書類の手続き後に行う

□銀行口座

金融機関によって手続きの仕方が異なるので、事前に各銀行のホームページなどで確認を。

基本的には、取引口座がある銀行の窓口で手続きを行う。本人確認書類、通帳、キャッシュカード、届出印鑑などが必要。

□クレジットカード

変更手続きは書面で行うのが一般的。

クレジット会社のホームページなどから申請書類を取り寄せ、必要事項を記入後、必要な書類を同封して返送する。代金の引き落とし先となっている銀行口座の名義変更を先に済ませておくとスムーズ。

□生命保険・損害保険

氏名や住所に変更があったら、速やかに契約した保険会社に連絡し変更手続きを。

保険の名義変更などのほか、受取人を変更する場合は併せて手続きを。この場合も保険料の引き落とし口座の名義変更を先に済ませておくといい。

□携帯電話

こちらも氏名や住所に変更があったら速やかに契約している携帯会社に連絡して手続きを。これを機に、携帯会社やプランを見直してみるのもいい。

職場への届け出

職場へは、結婚報告とともに会社の規定に則した各種の届け出を行う必要があります。

結婚後も同じ会社で仕事を続ける場合は、結婚届や休暇届を、結婚を機に退職を考えている場合は退職を申し出て、退職届を提出しなければなりません。退職に関する規定は会社によって異なるので、事前に確認するようにしましょう。

社会保険・年金関係の手続き

社会保険や年金に関する手続きは、結婚後の働き方によって変わってきます。

結婚後も「同じ職場で仕事を続ける場合」「退職して専業主婦(夫)になる場合」「退職して働き方を変える場合」3つの場合に分けて紹介します。

「同じ職場で仕事を続ける場合」

結婚後も引き続き同じ会社で働く場合、規定の結婚届を提出すれば、健康保険や厚生年金などの氏名・住所変更手続きも会社のほうでやってくれます。
その際、会社によっては独自の書類が必要となる場合があるので、確認しておきましょう。

給与の振込先となっている銀行口座の名義変更などをした場合は、その旨を忘れず会社に伝えるようにしましょう。

「退職して専業主婦(夫)になる場合」

配偶者が自営業の場合は、勤務先から離職票や年金手帳が届いたら、退職日の翌日から数えて14日以内に、新居のある地域の役所に出向き、国民健康保険と国民年金の手続きをしなければなりません。

配偶者が会社員の場合は、配偶者の扶養に入る手続きを行います。配偶者の勤務先から社会保険の被扶養者になるために必要な書類をもらい、必要事項を記入して配偶者の勤務先に提出します。

「退職して働き方を変える場合」

退職後、勤務先から離職票が届いたらなるべく早い時期にハローワークへ行き、失業給付の手続きを行います。手続きには、離職票2枚、マイナンバーカード(または通知カード)、本人確認書類、顔写真2枚、印鑑、通帳などが必要となります。
失業給付には、細かな条件があるので、事前に必要な書類を含め、確認するようにしましょう。

結婚にまつわる手続きはいろいろあって大変ですが、事前に必要な手続きを整理し、それぞれの状況に合わせて効率よく進められるよう、ふたりで話し合ってみてください。
個々の手続きに必要な書類等は、自治体によって異なる場合がありますので、必ず事前に確認するようにしてください。

結婚準備の段取りマニュアルに戻る