我が子の結婚式、親はいつ、どんなふうに関わる?
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我が子の結婚が決まったら、親としては結婚式に向けて何を、どのようなスケジュール感で準備を進めればよいのでしょうか。お子さんの結婚準備に関わっていきたいと考えていたり、親としてお願いしたいことがあっても、二人の希望を尊重したい親御さんとしては、伝え方や言い出すタイミングに迷うのも無理はありません。
でも、家として守りたい文化があったり、祖父母など配慮が必要なゲストを招待する場合、二人に考慮してもらいたいことがあるのは当然のこと。親戚への結婚式のお知らせなども親から行うため、ゲストの顔ぶれやお知らせする時期は知っておきたいものです。結婚式当日の動きも、事前に把握しておきたいですよね。
結婚式スタイルも多様化している現代は特に、結婚式当日までの流れや、親の出る幕はどのタイミングでやってくるのか、意外とわからないものです。この記事では結婚式準備を12ヵ月前から始めたカップルを想定し、結婚式準備のタイミング別に、ベストな関わり方を紹介します。
結婚式準備12ヵ月~8ヵ月前:結婚挨拶&式場探しがスタート
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結婚挨拶:会話の糸口を準備して和やかな雰囲気作りを
結婚式の準備は、二人の結婚挨拶からスタートします。挨拶を受ける親御さんも緊張しますが、お子さんのパートナーは親御さん以上に緊張しているはず。結婚挨拶を切り出しやすいように、リラックスできる演出や、話しやすい雰囲気を作ってあげるとよいでしょう。結婚挨拶は厳かに行いたい場合でも、厳かさを担うのは親御さんのどちらか一方で十分。親御さんの一人はお茶や茶菓子を準備し、来訪へのねぎらいの言葉などをかけながら笑顔で迎えましょう。
結婚相手の家族のことや仕事、趣味などの情報をあらかじめお子さんから聞いておくと、話の糸口となり会話もはずみやすくなります。事前に確認しておくとよいでしょう。服装は”キレイめカジュアル”でOK。普段着の中でも綺麗で清潔感のある服装を選びましょう。スーツジャケットを合わせるだけで厳かな雰囲気も演出できます。
式場探し:ゲストへの配慮など伝えるべきことはしっかり伝えて
どのような結婚式スタイルにするかによって、親族の招待や対応なども変わってきます。国内の遠方で行う場合は会場までの交通手段や宿泊先の手配が必要になることも。祖父母や乳幼児連れなど移動が負担になりやすい親族がいる場合は、誰を招待しようと考えているかお子さんに確認できると安心です。ご年配の方などを招待するのなら階段の上り下りの負担が少ないこと、休憩スペースの有無なども踏まえて式場探しをしてほしい旨伝えておきましょう。
また、コロナ禍においてはリモート結婚式など新しい挙式スタイルも登場しています。ご年配の方には不慣れな結婚式となることも、これから先増えていく可能性も。また、コロナ禍が落ち着けば海外挙式のカップルも再び増えるでしょう。その場合の親族への対応方法などについても、予め確認できるとお互い安心できそうですね。
8ヵ月前~5ヵ月前:結納や食事会、式場決定など「未」が「決」へと進むとき
結納?食事会?相手方の意向も考慮し一緒に決める
結納や顔合わせの食事会は、二人の結婚に向けて両家が正式に挨拶を行うフォーマルな儀式。中でも結納についての考え方は、地域や家庭によりさまざまです。
どのスタイルにするかは最終的に二人が決めることなので、まずはお子さんに自分たちの希望を伝えておきましょう。相手側の親御さんと意見が合わない場合は、二人の希望を尊重する、二人に任せる気持ちでいると、相手側にも好印象なうえ、スムーズに進みやすくなります。地域柄、結納がしきたりになっていると、結納をしない選択肢は受け入れ難いかもしれませんが、相手側にも考えや事情があることを考慮し譲歩する気持ちを持てると、これから始まる親戚付き合いも円満に進められそうですね。
結婚資金を分担するなら事前の話し合いは必須
結婚資金を親は援助するのか、結婚準備初期段階のうちに必ずお子さんに確認をしておきましょう。親が援助するのであれば、両家でどのように分担するのか、親同士の話し合いが必須です。話し合うタイミングは、結納や食事会時にできればベスト。初めての顔合わせでお金の話はちょっと…というのであれば、後日改めて相談する機会を設けるよう、お子さんにお願いしておきましょう。
分担方法としては、お互いの家のゲスト数に準じて割る方法や、平等に折半する方法などが一般的。衣装代は新婚の二人が負担し、料理や演出など項目に応じて援助をお願いされるケースも増えてきているので、二人の希望スタイルを確認しながら進めるとよいでしょう。
5ヵ月前~3ヵ月前:衣装やゲストの顔ぶれが決まり始めるとき
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衣装試着への同行は結婚準備の良い思い出に
子どもへ似合う、似合わないの率直な意見を言えるのも、似合う恰好を熟知しているのも、親だからこそ。特に娘さんから、花嫁衣裳選びについてきてほしいと言われたら、ぜひ試着に同行を。ただし、自分が良いと思うものを主張しすぎるのはNG。娘さんが迷っているラインナップの中から良いと思うものをアドバイスするようにしましょう。結婚準備に参加できる貴重な機会、一緒に選べれば素敵な思い出になりそうですね。
また、併せて当日の親のドレスコードについても確認しておきましょう。両家の親の衣装に格差が出ないよう、同じ格のドレスコードを共通認識しておくと安心です。
ゲストの顔ぶれが決まったら、親戚には親から連絡を
招待するゲストも、この時期に決まり始めます。親御さんとしてアドバイスするのは、親戚の誰を招待するか。子どもが呼びたい親戚がいればもちろん招待客リストに載りますが、それ以外の呼ぶべきゲストや、親戚の子どもは招待すべきか、親戚の氏名表記など、細かい部分まで確認するようにしましょう。
招待する親戚が決まったら、結婚式のお知らせと出席のお願い連絡は、親御さんから行うのが一般的。子ども同士仲良しのいとこなどであれば、本人からの連絡で問題ありません。
親戚には年配者も。披露宴の料理に配慮のお願いを
披露宴には二人の友人など若い人も多数招待しますが、親戚には年配者が多いもの。若い人たちが好みやすい洋風の料理ばかり並んでは、祖父母やお酒を好むゲストが楽しめないこともあります。
招待する親戚の顔ぶれから、披露宴で出る料理に配慮してもらえるよう事前にお願いをしておくと安心です。お酒を飲むゲストの席にはおつまみを出すよう手配するなどの配慮は、親のアドバイスがなければなかなか気づけないもの。試食会などに招待されたら迷わず出席し、二人が考えている料理コースを確認しておくとよいでしょう。
3ヵ月前~1ヵ月前:式準備もラストスパート。細かな手配を手伝って
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親戚の交通・宿泊手配、親御さん手配で大助かり!
遠方の親戚を招待する場合などは特に、親戚の交通・宿泊手配が必要になります。式準備がラストスパートのこの時期、主役の二人は大忙しな可能性大。飛行機や新幹線を予約する場合は時間帯など親戚との細かな打ち合わせが必要となり、大きな負担になってしまうことも。ここは親の出番と心得て、親戚の交通・宿泊手配は一手に引き受けましょう。
その際、親戚には費用をどこまで負担するか、明確に伝えることを忘れずに。一般的には全額負担が望ましいですが、遠方ゲストが多い場合はそうもいかないことも。費用の一部を親戚に負担してもらう場合は、具体的な金額を伝えると、相手も安心して出席できます。
引き出物選びにも親としてのアドバイスを
結婚式の引き出物には、品数は奇数、重すぎるものや大きすぎるもの、刃物は避けるなどマナーがあります。また、親戚に年配者が多い場合は若者向けの引き出物では合わない場合も。マナーや配慮について親としてアドバイスをしておくと、二人も選びやすくなるかもしれません。親戚分の引き出物を分けて準備する場合は、親戚分のみ手配してあげると、二人の作業も省け助かりそうですね。
1ヵ月前~前日:謝辞の準備、ゲスト用お車代等の預かりを
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新郎父は結婚式の締めの挨拶「謝辞」を準備
結婚式のラストに両家を代表して述べる「謝辞」。結婚式の締めともなる大切な場面です。アレンジの利いた特別なことを述べる必要はありません。ゲストへの感謝の想いを親の立場で丁寧に伝えられればOKです。当日は紙を見ながら読み上げても失礼にはあたらないため、必ずしも暗記する必要はありません。ただ、人前で緊張しがちな親御さんは、何度かスピーチの練習をしておくと、安心して当日を迎えられそうですね。
ゲストへのお車代、お礼は事前に預かる
主賓や遠方から来てくれるゲストは「お車代」を、当日の受付や司会を担ってくれる友人には「お礼」を渡すのが礼儀です。当日に手渡しするのなら、手渡し役は両家の親御さんが担当します。当日、主役の二人は大忙しのため、事前に預かっておくようにしましょう。
当日に留袖を着るなら、着付け手配と衣装送付を忘れずに
結婚式当日、留袖を着るお母様も多いでしょう。留袖を着るなら、当日の着付けやヘアセットを会場でお願いできると大変便利です。その場合、お子さんに予約してもらうことを忘れずに。また、当日留袖に皺が残らないよう、前日までに会場に送ってくと、会場スタッフの方が着物用のハンガーにかけておいてくれることがほとんどです。忘れずに手配をしましょう。
式当日:ゲストへの挨拶まわりは親御さんの大事な役割!
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挨拶続きの一日、忙しいけど笑顔で晴れやかに!
結婚式当日、新婚の二人と同じくらい、親御さんも忙しくなります。一番大切な役割は、ゲストへの挨拶まわり。受付や余興準備のため早めに到着するゲストがいれば、その場に出向き挨拶を。式の前には両家の親族紹介が行われ、両家それぞれの父親、または母親が進行役を担います。
披露宴が始まると、お色直し中や歓談のタイミングに親御さん揃ってゲストに挨拶まわりを行うのが一般的。まずは自分の側のゲストから、「主賓テーブル→同僚・友人テーブル」の順にまわります。相手側のゲストにも挨拶をするようなら、相手側の「主賓テーブル→同僚・友人テーブル→親戚テーブル」の順にまわるのが主流です。
披露宴での挨拶まわりの際にお酌をするべきか、席を立つタイミングなどについては、地域や会場によって異なることもあるため、事前にプランナーさんに確認しておきましょう。相手側のゲスト席へも挨拶にまわるかは、両家の間で事前打合せをしておくと、当日迷いなくスムーズに行えそうです。
「お礼」「お車代」を手渡すタイミング
当日の司会や受付を担ってくれる自分側の友人には、式が始まる前や受付の前に「本日はよろしくお願いいたします」という挨拶とともに、親御さんから「お礼」を手渡しします。受付を担ってくれる友人は集合時間が決まっている場合がほとんどなので、その時間に集合場所に出向けるよう調整しましょう。
主賓への「お車代」は、自分側の主賓が受付された後、式が始まる前までに、親御さんから挨拶もかねて、目立たないように手渡しするのが礼儀。遠方から来る友人への「お車代」は親御さんが顔見知りであればお礼の言葉と併せて直接手渡しを。受付から手渡しするでもOKです。その場合、受付の友人たちへの挨拶時に「お車代」を併せて持参し、誰にどの「お車代」を渡すか一緒に確認してもらいましょう。親戚への「お車代」は、親御さんから直接手渡しします。交通費や宿泊費を事前にまとめて親御さんが決済されている場合は、当日の手渡しは不要です。
結婚式後:内祝い選びのお手伝い、必要な人へのお渡しも
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結婚式には招待できなかったにも関わらず、お祝いをいただいた方々へは、内祝いの品を贈ります。一般的には結婚式から1ヵ月後までに贈るのがマナー。二人の友人や仕事関係の方には、二人が品物を選び贈るケースがほとんどですが、親戚など配慮が必要な場合は親として品物のアドバイスをしましょう。
中には、二人は面識のない親御さんの友人からお祝いをいただくこともあります。その場合は、二人を通さず、親御さん側で品物を用意し、お渡しするとよいでしょう。
まとめ
結婚式までの流れを確認しながら、適時必要なアドバイスを
お子さんの結婚が決まると、親御さんもお子さんたちと同じくらい、心はソワソワするし、何かと忙しくなります。そしてお子さんの結婚式は、親御さんにとってもビッグイベント。親戚やゲストに失礼のない結婚式を実現するためにも、親御さんの関わりは重要です。
結納や顔合わせの食事会、親戚への結婚式のお知らせ、親同士のドレスコードや当日の役割など、事前に知っておきたいことはたくさんあります。結婚式までの流れを把握していないと、対応に戸惑ってしまうこともあるでしょう。また、披露宴の料理や会場設備について、親戚への配慮をお願いしたいこともあるかもしれません。二人の結婚式に口出しをしたくないと思っても、伝えるべきことはしっかり伝えましょう。
そのためにも、結婚式までの流れを大まかでも把握しておくと、今二人はどのタイミングにあるのか、何が必要で、どのような手助けがあると助かるかを理解しやすくなります。結婚準備に迷ったとき、親御さんの意見を参考にしたいカップルもたくさんいます。親として伝えるべき希望は伝え、求められればいつでも快く相談にのるスタンスでいれるよう、心の準備をしておきましょう。