花嫁の手紙の書き方

<花嫁の手紙を用意する>
素直な言葉で感謝の気持ちを伝えたい「花嫁の手紙の書き方」

花嫁の手紙

いざ書こうとペンを持っても何を書いたらいいのか分からず悩んでしまう「花嫁の手紙」。ここでは基本的な書き方と、書く時に注意したいポイントを紹介します。

ここがポイント

  • 花嫁の手紙は、親や家族への感謝の気持ちを伝えるもの。
  • 基本的には「書き出し」「エピソード」「今後の抱負」「結び」の4つのパートで構成されている。
  • 長さはゆっくり読んで3分程度。エピソードは盛り込み過ぎず、できるだけ具体的に。書くだけでなく読む練習もしておこう。

花嫁の手紙は親への感謝の気持ちを伝えるもの

披露宴終盤の演出として定番の「花嫁の手紙」。花嫁が親や家族へあてた手紙を読み上げるもので、家族への感謝の気持ちを伝える感動的な場面として、楽しみにしているゲストも多い人気の演出です。とは言え、親にちゃんとした手紙を書くのは初めてという花嫁も多く、何をどう書けばいいかわからないという声も良く聞かれます。結婚式で披露するものだと思うと構えてしまいがちですが、大切なのは素直に気持ちを伝えること。ここでは、基本的な書き方を紹介しますので参考にしてみてください。

書き出す前に基本的な構成をおさえておこう

花嫁の手紙は、感謝の気持ちを伝えるためのものなので、気持ちを伝えることができれば形式などにこだわる必要はありませんが、基本的な構成を心得ておけば、よりスマートにまとめることができます。基本的な構成は、大きく分けると「書き出し」「エピソード」「今後の抱負」「結び」という4つのパートに分けられます。

書き出し

「起承転結」の「起」にあたる、いわゆる導入部分です。手紙を書く相手への呼びかけから始める場合もありますが、多くのゲストの前で読み上げることを考え、いきなり本題に入るのではなく、ゲストへのあいさつや今から家族にあてた手紙を読みますという断りを入れてから呼びかけに入るケースが多いようです。

エピソード

手紙をあてた人との具体的なエピソードを紹介します。子どもの頃の思い出、嬉しかったこと、悲しかったこと、しかられたことなど、アルバムを見返しながら思いを馳せてみるといいでしょう。思いつかない人は、入学や進学、就職など、人生の節目を振り返ってみるとヒントがあるかもしれません。いくつか浮かんだエピソードの中から、親の人柄や親子の絆が感じられるエピソードを選ぶようにしましょう。

 

今後の抱負

エピソードを受けて、結婚したらどうしていきたいか、将来に向けての展望を述べると、新たな門出にふさわしい前向きな感じで結びへとつなげることができます。

結び

最後に、再び感謝の気持ちを述べて締め括ります。手紙をあてた人だけでなく、これからお世話になる新郎の親やゲスト全員に向けたお礼の言葉を添えると、より丁寧な印象になります。

花嫁の手紙の基本文例

構成が分かったら基本文例を参考に、具体的に書く内容を考えてみましょう。

(書き出し)
みなさま、本日はお忙しいなか、私たちのためにお集まりいただきまして、ありがとうございます。この場をお借りして、両親への感謝の手紙を読むことをお許しください。
お父さん、お母さん、今日まで28年間、本当にお世話になりました。式の準備で古いアルバムを見返していたら、昔の事をしみじみと思い出しました。
 
(エピソード)
お父さん、私が小さい頃、どんなに仕事が忙しくても、学校の行事にだけは必ず顔を出してくれましたね。なかでも運動会のことは、今でも鮮明に覚えています。親子リレーでお父さんと一緒に走った時のこと。途中で転んで泣いてしまった私を、お父さんは背中におぶって走ってくれました。あの時のお父さんの背中の温かみは、今も忘れません。
お母さん、私がピアノを習いたいと言った時、「やりたいと思うならやってみなさい」と快く習わせてくれましたね。音楽大学に進学する時も、「友美ちゃんなら大丈夫!」と応援してくれました。振り返ると、いつもお母さんに支えられ、守られてきた気がして感謝の気持ちでいっぱいです。
 
(今後の抱負)
まだまだ未熟な私たちですが、これからは裕一さんとふたりで、明るい家庭を作っていきます。
 
(結び)
私はお父さんとお母さんの娘に生まれて幸せでした。本当に感謝しています。いつまでもその笑顔と優しさで、私たちを見守っていてください。そして、裕一さんのお父さんとお母さん。私を優しく迎えてくださり、ありがとうございます。まだまだ至らぬ点がたくさんあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 
最後に、今日、この日を迎えることができたのも、ご列席いただきましたみなさまのおかげです。末永くご指導のほど、お願いいたします。

書く時に気を付けたいポイント

ここでは実際に書く時に気を付けたいポイントを紹介します。

手紙の長さ

感動的な手紙でも、あまり長すぎるのは考え物。聞いている人たちに間延びした印象を与えてしまいます。適度な長さは、ゆっくり読んで3分程度。原稿用紙にして2枚程度を目安にするといいでしょう。

エピソードの数や内容

思い出がたくさんある場合でも、エピソードを盛り込み過ぎると散漫な感じになってしまうので、できれば一つに絞り込み、より具体的に紹介するようにしましょう。また、いくらいいエピソードでも家族にしか分からないような内輪の話や説明が難しい込み入った話は避けるようにしましょう。

忌み言葉に注意

あいさつやスピーチと同じく、「切れる」「別れる」「離れる」などいった、結婚式の場にふさわしくない「忌み言葉」は、使わないようにするのがベター。エピソードの関係で避けるのが難しい場合は、できるだけ別の言葉に置き換えるようにしましょう。

書く時期

文面が思いつかず後回しになりがちですが、切羽詰ると焦ってしまい余計に書けなくなることも。また、式前日の夜に書きながら泣いてしまい、当日、目が腫れてしまったという失敗談も。そうしたことがないように、できれば式の1週間前には下書きを書き上げておくようにしましょう。

書いた後には清書し、読む練習も忘れずに

花嫁の手紙は、披露宴で読み終わった後、親に渡すことになるので、きちんと清書しておくことも忘れずに。記念になるよう、親の好みに合わせた便箋や封筒をセレクトするのもいいでしょう。また、当日、読み上げる時に早口にならないよう、時間を計りながらゆっくり読む練習もしておきましょう。手紙を読みながら思いがこみ上げ、涙で詰ってしまうこともあるでしょう。最後まで読める自信がない時は、コピーを一部用意して司会者に渡しておき、いざという時は代読してもらうようお願いしておくと安心です。

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